ココロの居場所

平穏な居場所を求めるべく、日々、感じた事を掲載していきます。

心優しき少年を「軍国少年」に変えた、「15歳の志願兵」

2010-08-30 22:18:40 | テレビ番組
終戦の日である8月15日に放送されていたドラマですが、フィクションとは言え、実話が伴っていることもあって、涙なしには観れませんでした。以下、引用です。「昭和18年。海軍は航空兵不足の解消のため、全国の中学校(旧制)に甲飛予科練習生の志願者数を強制的に割り当てた。愛知一中の割当ては47人。しかし、名門校を自負する生徒たちは戦争を冷ややかに見ており、愛知一中の3年生・藤山正美(池松壮亮)もその一人だった。正美にとって、端艇部(ボート部)の親友・笠井光男(太賀)と文学や将来について語って過ごす時間が何よりも大切だった。志願者の少なさに焦った軍部は、校長を通じて『時局講演会』を開き、生徒への指導強化を命じる。」(オフィシャルサイトより引用)    光男が、下校時に川のほとりで、正美に語りかけます。「文学の中枢にあるものは、「人間は、何のために生まれてきたか。」という疑問なのだ。」と言って、ベルレーンの詩を朗読します。
「ちまたに雨が降るごとく、我の心に涙降る。
 かくにも、心ににじみ入る、
 この悲しみは、なにやらん。」

光男は、大好きだった文学の道を諦め、海軍に志願することを決意します。「国家、無くして、個人はありえない。今は個人的な夢は、意味がない。」と発言し、豹変した光男の姿に、正美は気後れしてしまいます。(正美は、身体検査で視力が悪く不覚にも、落とされたことも、重なりました。)そして、時は流れ、終戦を迎えました。正美は、光男の戦死を知ります。光男のお母さんより我が子の日記を読むようすすめられ、号泣しながらの朗読。
光男の最後の日記:
「昭和18年9月28日火曜。空は晴れて星がでている。私の心は澄みきっている。悔恨や未練は先日、あの川へ捨ててきた。わが友は、そんな私に、気兼ねをしているだろう。明日、わが友は、見送りにきてくれるだろうか。どうどうと見送って欲しい。そして、どうどうと生きて欲しい。私も、また、どうどうと生きるつもりだ。人間は何のために生まれてきたのか、その答えを探すつもりでいる。わが友よ、あの日、私は考えることをやめた。だけど、それは間違いだった。考えることをやめる、それこそが人間の敗北なのだ。だが、友よ、私は、あきらめていない。戦争しているのは人間で、戦場にいるのも、人間ならば、どこにいても、どこにいようと、私は、戦いの最中にも、崇高な芸術を描きだすことができるだろう。私は、人の心に向かって、心の目を向けようと思う。銃や剣ではなく、心眼を向けるのだ。そして、ペンをとるのだ。私は、戦場で人が殺しあうのではなく、人が生きるための魂を存分に描きだそうと思う。友よ、いつか私が見た人間の魂を描き、それを君に読ませたい。友よ、そんな日がやってくることを願わずにはいられない。早く、こんなつまらない戦争が終わることを祈らずにはいられない。友よ、それまで、さらばだ。」
志願兵として送り出した母が涙ながらに言います。「私に学問があれば、あの子の気持ちを知り、死なせずにすんだのですかね。」正美は、言います。「いえ、僕たちは学校で死ねと教わったのです。学問がなかったのは、この国です。」なんとも痛ましく、重々しい言葉です。


オフィシャルサイト
http://www.nhk.or.jp/nagoya/jyugosai/index.html

まだ、無事に帰ってこれます。運転、気をつけて頑張ります。

2010-08-29 19:05:11 | その他
今日は、車が珍しく家にあったので、1カ月半ぶりに、運転しました。(名義は、私なのですが。汗。)今年のように猛暑ですと、車での移動のありがたみを実感しました。入院している父の病院に寄って、それから、郊外のホームセンターまで、必要品を買出しに行ってきました。知っている道は、それなりに運転できますが、不測の事態に緊張します。信号待ちから発進しようとしたら、右折レーンにいた車が近距離で、私がいる直進レーンにいきなり割り込んできて、ヒヤリ。気を取り直して、空を眺めると、強い日差しなのに、雨雲のような雲がかかってます。FMからは、いまだに放送されているユーミンや、山下達郎の声が。ビビリ運転は、相変わらずですが、ペーパードライバーにならない程度に、細く長く乗りこなしたいと思ってます。とりあえず、ゴールド免許を、取り返すのが目標です。

ちょっと切ないメロディーラインに酔う、Supertramp

2010-08-25 23:25:50 | 音楽
ロジャー・ホジソンをYouTubeで見つけ、一人で感激してます。イギリスのバンド、スーパートランプは、80年代初頭、アルバム「Breakfast In America」で、一気にアメリカの知名度があがりました。ジャズやプログレッシブ・ロックが混ざったポップで、切ないメロディーラインに聞き入ったものです。特に線の細いロジャー・ホジソンの高音なボーカルが卓越です。

There are times when all the world's asleep
The questions run too deep
For such a simple man
Won't you please, please tell me what we've learned
I know it sounds absurd
Please tell me who I am

世界中が眠りについた時のことさ
こんな単純な人間に
とても根深い疑問が沸き上がる
どうかお願い、お願いだから僕らは何を学んできたのか教えて
ばかげたことのように思えるのはわかってる
でも僕はいったい誰なのか教えて

(The Logical Song, Roger Hodgson(Cofounder Supertramp) より引用)


The Logical Song、聴けます。
http://www.youtube.com/watch?v=OQfjIw3mivc&feature=related

後、2曲、こちらも、いけてます。
http://www.youtube.com/watch?v=HfApBz4_XQk&feature=related

http://www.youtube.com/watch?v=1x-hi_gHsqs&feature=related

科学について語る。福岡伸一氏。

2010-08-24 22:55:54 | その他
生物学者、福岡伸一氏は、科学と技術は別なものとして、科学について述べられてます。「科学の研究は、何らかの産業シーズを見つけることだけが役割ではない。「生命の世界はこうなっています。」とか「これは人間にはどうしようもないことです。」と語ることが仕事なのです。....人間が昔から気づいていたことを少し解像度の高い科学の言葉で言い直しているに過ぎないんですね。「うすうすそうじゃないかと思っていたけど、なるほどね。」と納得してもらうこと。それこそ科学が人の役に立つ作用です。」(朝日新聞より引用)    事業仕分けのような考え方でいくと、苦しい財政なのだから、税収に結びつかないことは国は支援しないというように思われます。しかし、基礎科学の世界は、もっと長期的な展望にたって、解明されていない未知なる世界への開拓と、それとともに掴む真理をを公知なものにすることは大切なことです。進歩し続けるのが人間ならば、手詰まりな日本にとっては、世界に対して存在意義を高めるためにも、とても重要な仕事だと感じました。

北山修氏の対談と最後の授業について

2010-08-20 23:25:38 | テレビ番組
「1960年代、大ヒット曲「帰ってきたヨッパライ」で日本の音楽シーンに"革命"を起こしたといわれる音楽グループ「ザ・フォーク・クルセダーズ」。実質1年で解散したこの伝説のバンドのオリジナルメンバーの1人に北山修さんがいる。"作詞家・きたやまおさむ"として「戦争を知らない子どもたち」「あの素晴しい愛をもう一度」などの名曲を手掛けた人物でもある。「フォークル」解散後の北山修さんは、精神科医の道に進み、九州大学で今年の3月まで18年間教鞭を執っていた。」(NHK-FMブログより引用)    重松清氏との対談で、北山修氏は、カウンセリングのあり方として以下のように述べられてます。「言葉にすると、うそになる。または、その時だけの言葉、つまり、ここだけの話というのがある。そこがあると、さらけだせる。」そういう状態が、素直な自分の状態なのだと解釈しました。「たとえば、電車に乗って、二人、横並びに座って、景色を眺めながら話すと、ぽつり、ぽつり、素直に話せるし、沈黙にも、耐えられる。対面している時は、そうはいかないし、本当のことを言ってないことが多い。」話は変わって、最後の授業で、セルフモニタリングについて話されています。「「みんな」というものには、脅威を感じる。なぜなら、人間は自分が見えてない。だから、どのように見られているか心配になるのだ。従って、正確に自分を見せてくれる鏡が欲しいと考える。映像機器、カメラ等。(テレビにでると鍛えられます。)」これは、地下鉄に乗っていると、向かえのガラス窓に自分の姿がリアルに写しだされます。これって、セルフモニタリングだと思います。

NHK-FMブログ
http://www.nhk.or.jp/fm-blog/200/54683.html

マーケッティングは役立たない。秋元康氏

2010-08-16 22:16:04 | テレビ番組
何が売れるのか、わからない世の中で、ヒットを生むには、秋元氏は、予定調和を崩せばよいと述べられてました。予定調和とはAさん、Bさん、Cさんを一定に満たすもの。(山登りで例えると、皆が上るルート。)予定調和を崩すには、一人市場調査。(山ならば、けもの道を行くこと。)この手法は、自分が面白いと思うものと言っても過言ではないでしょうが、かなりのセンスが求められます。また、アイドルの、おっかけで、出待ち、入り待ちをしているのをヒントに、「アイドルは、動かない。」という発想を得て、AKB48劇場に発展したそうです。MCの勝間和代さんが、今後、カツマー本で売れるものはという質問に、ゴルフ入門、いや、恋愛本は学習できないから面白いと提案されてました。

NHK 仕事学のすすめ
http://www.nhk.or.jp/etv22/thu/past/2010/05.html#vol2

頭をループする曲、それって、チープトリック?

2010-08-14 00:54:39 | 音楽
今日は、なぜか、この曲のサビの部分が頭を流れて、いったいどうしたものかと思ってます。私が、学生だったあの頃、この曲が流れてた時の好印象は、今でも覚えてます。その時の情景も。この曲が、ミーハーバンドぽかったチープトリックと知り、ハードロックバンドというより、ポップなサウンドに親しみを感じたものでした。日本で、爆発的に売れて、アメリカに飛び火して売れたという変わった経過をとったバンド。ちょっと、抑えていたビールでも、グッと飲んで、浸ってみますか。(チープトリックといえば、リック・ニールセンのキャラが、いいねえ。)


Didnt i, didnt i, didnt I see you cryin?
Oh, didnt i, didnt i, didnt I see you cryin?
Feelin all alone without a friend, you know you feel like dyin.
Oh, didnt i, didnt i, didnt I see you cryin?

君が泣いているのを見たんだよ
友達がいないみたいに孤独を感じて、死んだも同然な気分なんだろ
君が泣いているのを見たはずなんだ

I want you to want me.
I need you to need me.
Id love you to love me.
Ill shine up the old brown shoes, put on a brand-new shirt.
Ill get home early from work if you say that you love me.

僕を欲しいって思って欲しいんだ
僕が必要だって思う必要があるんだ
僕を愛している君を愛してる
古ぼけた靴を磨いて、新しいシャツに着替えて
仕事を終わらせて早く家に帰ろう
君が愛してるって言うんなら

(I want you to want me, Cheap trick, Songwriters: Rick Nielsen)

I want you to want me、聴けます。
http://www.youtube.com/watch?v=HBQ9dm7zaQU&feature=channel

キャラクターに命をふきこむ。監督、米林宏昌氏の誕生。

2010-08-13 14:20:59 | テレビ番組
「この夏、公開のジブリ最新作「借りぐらしのアリエッティ」、その制作の舞台裏の長期密着ドキュメントに加え、スタジオではCGを駆使しジブリ映画の魅力を徹底解剖する73分のスペシャル番組。今回の作品は、脚本を宮崎駿(69)が担当、だが監督は36歳の全くの新人。これまで宮崎の下で活躍して来た敏腕アニメーターを大抜擢したのだ。その背景には、新たな“才能”を育ててこれなかったという強い危機感がある。実は、これまでも幾人もの若手が監督を任されてきたが、宮崎はその強いこだわり故に作品作りに介入、最後には乗っ取ってしまうことも多かった。そこで今回、宮崎は作品に介入しないと決めた。」(NHK ナツトクnaviより引用)    スタジオジブリは、宮崎駿氏とプロデューサー鈴木敏夫氏、高畑勲氏の力量で業績を伸ばしてきたのですが、後継者不在は深刻な問題とされてきました。そこで、アニメーターとして能力をかわれて監督に就任した米林宏昌氏です。米林氏は、アニメーターとしての能力は抜群とのことですが、絵コンテから初仕事だったそうです。絵コンテはアニメーションの設計図と言われてますが、出来上がった絵コンテを宮崎氏は、一回も見なかったことから、徹底した未介入で米林氏の腕に任せた状況が放送されてました。監督業は、ジブリのスタッフを纏め上げることは、当然、求められますが、宮崎氏の伝統技を継承して、出来上げってきた原画を米林氏自ら、1点、1点チェックしては自ら修正。編集上のカット飛びのミスがあれば、自ら欠けたカットを手で起して作成し、補充するといった泥臭くも愚直なる作業の連続です。まさしくスタンディングプレイヤーとして多忙を極める過酷な仕事だと感じました。(しかも、製作費、数十億を肩に背負って、1年半です。)もう一つ、キャラクターに芝居をさせるカットの試行錯誤も、米林氏の才能がきっと、前面にでているはずです。(「借りぐらしのアリエッティ」、後日、観ようと思ってます。)

NHK ナツトクnavi
http://cgi4.nhk.or.jp/feature/index.cgi?p=RxZkIRCi&g=3

「もう、ふたたびお目にかかりません。」太宰治著、「女生徒」

2010-08-10 23:07:22 | 言葉
「鏡に向うと、そのたんびに、うるおいのあるいい目になりたいと、つくづく思う。青い湖のような目、青い草原に寝て大空を見ているような目、ときどき雲が流れて写る。鳥の影まで、はっきり写る。美しい目のひとと沢山逢ってみたい。....お庭の隅に、薔薇の花が四つ咲いている。黄色が一つ、白が二つ、ピンクが一つ。ぽかんと花を眺めながら、人間も、本当によいところがある、と思った。花の美しさを見つけたのは、人間だし、花を愛するのも人間だもの。....ジャピイは、玄関のほうから、気取って走ってきた。急に、歯ぎしりするほどジャピイを可愛くなっちゃって、シッポを強く掴むと、ジャピイは私の手を柔らかく噛んだ。涙が出そうな気持ちになって、頭を打ってやる。」(太宰治著「女生徒」より引用)    「斜陽」でも、女性の内面が見事に表現されているのですが、この短編も、思春期の女の子の不安定な精神状態を、容赦のない言葉で、痛いほどの絶妙な感覚を表現してます。(読みやすい綺麗な表現だけ、抜粋してみました。)