「鏡に向うと、そのたんびに、うるおいのあるいい目になりたいと、つくづく思う。青い湖のような目、青い草原に寝て大空を見ているような目、ときどき雲が流れて写る。鳥の影まで、はっきり写る。美しい目のひとと沢山逢ってみたい。....お庭の隅に、薔薇の花が四つ咲いている。黄色が一つ、白が二つ、ピンクが一つ。ぽかんと花を眺めながら、人間も、本当によいところがある、と思った。花の美しさを見つけたのは、人間だし、花を愛するのも人間だもの。....ジャピイは、玄関のほうから、気取って走ってきた。急に、歯ぎしりするほどジャピイを可愛くなっちゃって、シッポを強く掴むと、ジャピイは私の手を柔らかく噛んだ。涙が出そうな気持ちになって、頭を打ってやる。」(太宰治著「女生徒」より引用) 「斜陽」でも、女性の内面が見事に表現されているのですが、この短編も、思春期の女の子の不安定な精神状態を、容赦のない言葉で、痛いほどの絶妙な感覚を表現してます。(読みやすい綺麗な表現だけ、抜粋してみました。)
太宰の書く文章はとてもきれいでどんな
最悪な内容をきれいに文章がかける。
小説の魅力に悪をきれいに書ける部分が
あります。
個人的に好きなの梶井基次郎の『檸檬』、中島敦『山月記』というどメジャーなところにいきます。
今読んでるのは恩田陸 『夜のピクニック』です。
読んでいただき、嬉しく思います。
太宰治、生誕100周年にして、はまってしまいました。
今、読んでも、文体も、内容も、古臭く感じないところが、好みです。
SADAさんほど、読書家ではないので、お恥ずかしい限りですが。
しばらく、太宰治を読んで、夏目漱石に戻ってみようかと思ってます