新書ランキングで上位に入る本書。
科学の基本である「世の中はすべて仮説にすぎない」という考えから、思い込みや常識というものが、非常にもろく簡単にひっくり返ってしまうことを暴いていく。
内容としては「バカの壁」に通じるものがある。
多くの人は自分だけの常識や思い込みに縛られていて、それで他人を理解できない。最後に触れている内容は「バカの壁」そのものだ。そういう点で、目新しいものはないかもしれない。
しかしそれを科学の理論と織り交ぜて話しているので、非常に楽しく読むことができる。一種の雑学本の感覚で読むと非常におもしろい。
例えば、飛行機が飛ぶ仕組みだったり、ミリカンの実験やペンタクォークなど、僕の知らない話が多くて、満足しながら読み進むことができた。
個人的にはあとがきのお金のことをインクのしみと語っていた部分がおもしろいと思った。視点を変えればまさにその通りだ。忘れがちだけど、そういう視点をたまには持ってみるのも楽しそうだ。
なかなかの良書であった。
評価:★★★(満点は★★★★★)
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