ぷよウリとプラモ日記【ときたまエアロ】+HIROSHIMA

完全にブログタイトルが有名無実化。
【ときたまエアロ】を追加していますが、本当に「ときたま」? そして広島へ単身赴任!

落日燃ゆ【城山三郎】

2011-05-04 09:47:02 | BOOK


これを読むまで広田弘毅なる人物のことを、首相経験者でA級戦犯ぐらいにしか、知りませんでした。
(テレビドラマも見たことありません)

この小説は城山三郎の代表作になるもので、広田弘毅が悲劇の人として描かれています。

筋の通った外交官であったが、日本が戦時体制に移行するなか、時代の流れに巻き込まれ、本人の意図せぬまま裏役から表舞台へ登場することとなります。
この時代は、軍人が非常に幅を利かすなか、「背広を着たやつ」広田が軍部を抑えつつ諸外国との交渉に努めますが、軍部の暴走を抑えきれずずるずる戦争に嵌まり込む様子が描かれています。
広田は非常に筋の通った外交官であり、戦争回避に最後まで奔走する様子や、終戦後に何一つ弁明をしない姿は、本当に「A級戦犯」として処刑されるべき人物だったのか?
東京裁判はなんだったのか?と考えるきっかけとなります。

ぶれない思考、周りを見渡せる目。
文中にでてくる「50年早く生まれすぎた」とありますが、今のこの時代を考えると、「100年早く生まれすぎた」のかもしれません。
なかなか、硬派な内容でした。


・・・・・・・
ちなみに、広田自身がこのような人物だったかどうかは、さまざまな意見があるようです。
軍部を抑えられなかったのか、無作為に追認していたのか。。。

いずれにせよ、日本の「戦前・戦中・戦後史」はわれわれ日本人としてよく知っておきたいものです。



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2 Comments

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Unknown (へいちゃん)
2011-05-05 00:23:45
思わず食いついちゃった!
と、軽い感じでコメするような本じゃないですね。

親父の遺品だったもので、学生時代に私も食い入るように読みました。
東京裁判について色々と考えさせられ、
関連図書を10冊あまり読みました。

小説なので真偽は議論あるでしょうが、
山崎豊子の「二つの祖国」がいちばんしっくり腹に落ちました。。。
この裁判に関して個人的に思うところは色々とあるものの、
ぷよさんに迷惑はかけられないので書かないつもり。

広田弘毅。
惜しい人物だと思います。
少なくとも絞首刑にされるべきではなかったし、
あの時代に生まれるべき人材ではありませんでした。
現代の政治家この胆力、慧眼をもった人物がいればと切望します。

硬い本ですが、私もお勧めです。


(追伸)
この連休、まったくジムに通っていません。
カラダ鈍りまくりです(^^ゞ
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Unknown (ぷようり)
2011-05-05 22:29:43
>へいちゃんさん

このような名作を今頃読んだ。。。って結構恥ずかしいので、エントリーしようか迷ったのですが、やっぱりいいものはいいのでねぇ。
「二つの祖国」はまだ読んでません。
若い時分にサボりっぱなしだったので、読むべき名著をたくさん逃しているような気がします。
・・・・・

東京裁判のみならず、戦争犯罪を裁くってぇのはまったくもって戦勝国の勝手なものですので、過去のことについて、日本だけが非難されることも、卑屈になることもないと思ってます。
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