タミアのおもしろ日記

食文化・食育のお役立ちの話題、トンデモ食育、都市伝説、フードファディズムなどを分析して解説します!(^.^)

流行の後ろにある歴史の重み。

2016年03月12日 | Weblog
前回ご紹介した、河上睦子先生の「いま、なぜ食の思想か」のp50には「八紘一宇」という言葉が登場します。この言葉については河上先生も補足されていますが、この言葉が大流行した第二次世界大戦中の日本の家族制度を説明しないと、分かりづらいかもしれませんね。

「八紘一宇」とは全世界を一つにまとめて、当時の日本のような「家父長制」(父親には様々な権利があるが、女性は財産権もなく発言権なども弱い制度)の「家」にする考え方です。戦時中には熱狂的に支持された言葉でしたが、敗戦後の日本人は「ではお母さん役や娘役はどの国?」と気がつき、この言葉を使うのを止めたのでした。

さて、河上先生のこの本のp49~53を読んで「まさか信じられない」と思った方は、岩波現代文庫の南博先生の「日本人論」p180もご覧下さい。河上先生のお話と相補的な、貴重な情報が載っています。

食品関係の仕事をしていると、マーケティングの人からたまに「ヘルシーとかロハスとかエシカルとかが流行だから、そういうイメージを全面に出した商品を作れば売れるんじゃないの。」という話を耳にします。ですが河上先生と南先生の本を重ね合わせて読むと、物事を表面的に捉えてはいけないことを再確認します。

流行だからと安易に飛びつくことの恐ろしさ。流行の後ろにある歴史の重たさ。
私達は過去から多くのことを学ばねばなりません。
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