形式の革命を伴わない内容の革命はありえない
(マヤコフスキーMayakovskiy, V.V. )
おお! ワレながらなんかカッチョいい出だし!(後はgdgd)
て,ことで今日は論文の書き方・読み方をやりましょう。やりましょうといっても,psy-pubにできるとこといったら,本を紹介するくらいしかないので,例によって,本紹介します。
その前に少しノーガキ垂れ流しましょうか。
ま,冒頭に引用したの,久々に意味のある引用だなという感じですが,これ結構汎用性の高い名言(どうとでも取りやすい取られやすい,ってこと)なので,憶えとくと便利です。名言って,如何に多くの解釈を許容できるかにかかってるな,なんて思いますね。
ま,ま(たった今,人を殺してしまった),あれ? 論文,書きたいかナ~? と思うとき,「想いよ,伝われ」と思って書くと思うんですけど,ま,いわばこれ,ラブレター的性質があるともいえるわけで,うん,あるな,あるある,あるあるあるあ・・・・・ねーよwwww,と言いたい気持ちも分かりますが,ま,ここはひとつ,ドーンと泥舟に乗ったつもりで,self-controlして読んで頂きたいのです。
さて,まず第一に,適切な言語の選択,というのは重要であります。ラブレター(ドッキドキLOVEメールでもヨロシ)を書くとき,意中の異性のMother Languegeが何か,というのは重要であります。ま,日本に住んでる場合,大概は日本語でオウケイだと思いますけど,油断してはいけません。ケイン・オスギに対して夏目漱石的文豪風のラブレターを書いても,たぶん,十分の一も伝わらないでしょう(ヘークション)。一方で,あなた自身のMother Languegeの確認も重要です。なんかカッコイイからという理由だけで,Je T'aime★Je T'aimeと書き出したって,ほらあ今ここで僕が後が続かないように,続くわけがないのです。
ま,何でこんなバカバカしいことを書いたかというと,通常,言語の選択なんて,特に考えるところではないんですけど,結局ね,「相手のことを思いやり」つつ「自分の得意なフィールドに引っ張り込む」,これをいかに巧妙にやるか,っていうのが,ラヴレターにせよ論文にせよ,大事になってくるわけであります。思いやりと強引さ,一流のホストはみんなそれを持ってるんだ(テケトー)。そしてそれは,言語の選択ってところからもう始まってるんですね。ここでひとつ大事なのは「自分が当たり前と思っていることを自分以外も当たり前だと思っていると思ってはイケナイ」ということでありまして,とはいっても,前提を疑いだすとキリがないですので,ま,My StandardとHis/Her StandardあるいはWorld Standardとの間に,ほどほどに,読んでもらえるくらいの妥協点が見出せればヨロシ,ということであります(当たり前すぎる!)。
妥協点,と書きましたが,これ「あなたの中within」の妥協点では断じてないですよ。「あなたと読む人との間between」の妥協点を見出すわけです,思いやりと強引さをもって。
と,ここまで書いてきて,なんかインチキ恋愛講座ないしインチキ自己啓発セミナーみたくなってきてますね。これ,書き出すと,もう一大サーガになっちゃわざるを得ないのでありまして,しかし,それを書ききる自信もなければ,その分量に伴った内容も提供できる気が全くしませんわけでして,ま,ショージキ,あきちゃった,というか,オシム,あ,言っちゃった,コマッタ,コマッタ,ということで,これはちょっとやめとこう。
…………
ということで,また「形式の革命を伴わない内容の革命はありえない」に戻りましょうか。これ,いろいろ解釈はできましょうけど,このエントリの文脈上のpsy-pub的曲解をご開陳すると「形式は内容を規定する」ということであります。
要は,形式,整えましょう,と。すると,形式はあなたの伝えたい内容を伝えたい相手に対して適切に枠付けてくれるでしょう,と。ただし,形式というのは,内容を規定するわけですから,その影響も一方で頭の片隅に入れておきましょう,と。そのためには,形式をただ守るだけではなく,その形式自体の持つコミュニカティブな本質に,思いを馳せておきましょう,と。そういうことが言いたいわけですな。
ということで,ずいぶん長くなりましたが,実は紹介する本は,もう皆さんご存知のヤツばっかりなので,新鮮味はないんですけどね。あと,World Wide Web上にもたくさんのユーエキ情報ありますんで,「心理学 論文 書き方」とかそういう適当なキーワードで検索してみるとよろしいかと思います。
まずは前にも紹介してるけど,これですな。
ギチギチの形式にはまる中で,あなたは心理学の本質の一端に出会えるでしょう。すんごい綿密なマニュアル。この形式は形骸ではなく思想がたっぷりつまってます。つまりは,良書です。
そこはAPAすなわちアメリカ心理学会ですから,限りなくWorld Standardですから,そういう論文を書きたいあるいはこれから書こうあるいは書こうという人を指導しようという人は(まあもう知ってる内容かもしれませんが),持っていて損はないです。研究室に1冊は絶対あった方がよろし。psy-pubも校正用に持ってます。
ま,これは既に,ロテ職人さんのブログの「●心理学論文の書き方-という本について最初は調べたかっただけだったのに」などでも紹介されています。そちらも是非ご参照ください。
一言だけ言っておくと,これが,「恋愛心理学」と「セクシー心理学」の違いでありますな。セクシー心理学になりたくないなら,これ読んどきんさい。当然ながら,書き方のみならず,読み方はては考え方まで,役に立つことウケアイです。
…………
とまあ,ここまで書いたところで,これだけだと,別にワタシなんぞが書くまでもないわけですが,まあ,形式を整えるのは最低限のマナーですが,最低限のマナーを守ってるだけでは,ダメなのは分かりきってますね。最低限のマナーすら守れてない論文も確かに多いですが,それよりも多いのは,最低限のマナーを守れているだけの論文,すなわち,形式だけの「研究のための研究」による論文です。形式を遵守しつつ,型にはまった思考から,軽やかに逸脱する,それは口で言うほど簡単ではないことは明らかですが,そこで諦めていては,ノーベル賞もらえないし,意中の異性からモテません。
ということで,ここは実際にノーベル賞受賞者に学ぼうと,そういう安易な展開であります。実はこれ,前からやりたかったんですが,読書がまったく追いついてなくて,今日は1冊だけでご勘弁ください。ま,勝てば官軍,負ければBATSU-GUN,ノーベル賞クラスだと,何を言っても説得力がありまくりですから,結構むつかしいところはあるんですけどね。
福井謙一先生については,コチラ(Wikipedia)をドーゾ。ノーベル化学賞受賞の大学者であります。
この本,まあ受賞時に刊行されたわけですが,いやあ,昔の人は文章が巧い! ぐいぐい読めます。実は,この本のなかで「科学的直感」の話が結構出てきます。「所与性」の話とかね。ここらへんは心理の人も面白く読めるところじゃないかなと思います。
しかし,注目したいのは「論文をコピーとって集めるのはやめなさいと教えてます」という趣旨の記述なんですな。じゃあ,どうしろっていうのか? っていうと,「これは! と思う論文」は「手で書き写せ」と仰る。さすがに一字一句書き写せとまでは言ってませんけど,そう言いかねない勢いなんです。「量は少なくてもいいから,一字一句残らず読め」と仰る。
そりゃ無茶だ,第一メンドくさいなどと言ったところで,「私はそれをやりました」といわれると,グゥ。理論化学の分野だと,論文って数式のオンパレードなわけですが,それ全部「手計算」でやるわけですから,本当おそれいります。
でも,なんか仰ること,なるほどなあと思うんですよね。何故かというと,ひとつの論文が内包するすべての文脈を読めるようになるには,それ相応の訓練が必要で,それはやっぱり「マニュアル」からではなく「実際の論文」との格闘の中から,見出していくしかないわけでして,してみると「書き写す」というのは,論文本来のコミュニカティヴな性質に適った読み方なんかもしれんですな。あとこれは,なにも研究に限った話ではなく,コピー取ると,それだけでなんか,やってやった的に思っちゃうわけでして……。
といっても,じゃあ「これは! と思う論文をどう見つけたらいいの?」という疑問がなくもないですが,まあ,そこは,科学的直感でヨロシクといったところでしょうか。そこはノーベル賞ですから,もうアキラメテください。
何だかんだでドッチラケですが,話し上手は聞き上手よろしく,書き上手は読み上手・考え上手,だけど,ひとり上手にならないで,なんて,やっぱり自己啓発セミナーっぽくなっちまうけど,ま,皆さん,それぞれにいろいろ考えてみてくださいな,という話。
●関連エントリ
英語論文書きまくり:接触編
【正直】英語論文書きまくり:発動編【すんませんでした】
(マヤコフスキーMayakovskiy, V.V. )
おお! ワレながらなんかカッチョいい出だし!(後はgdgd)
て,ことで今日は論文の書き方・読み方をやりましょう。やりましょうといっても,psy-pubにできるとこといったら,本を紹介するくらいしかないので,例によって,本紹介します。
その前に少しノーガキ垂れ流しましょうか。
ま,冒頭に引用したの,久々に意味のある引用だなという感じですが,これ結構汎用性の高い名言(どうとでも取りやすい取られやすい,ってこと)なので,憶えとくと便利です。名言って,如何に多くの解釈を許容できるかにかかってるな,なんて思いますね。
ま,ま(たった今,人を殺してしまった),あれ? 論文,書きたいかナ~? と思うとき,「想いよ,伝われ」と思って書くと思うんですけど,ま,いわばこれ,ラブレター的性質があるともいえるわけで,うん,あるな,あるある,あるあるあるあ・・・・・ねーよwwww,と言いたい気持ちも分かりますが,ま,ここはひとつ,ドーンと泥舟に乗ったつもりで,self-controlして読んで頂きたいのです。
さて,まず第一に,適切な言語の選択,というのは重要であります。ラブレター(ドッキドキLOVEメールでもヨロシ)を書くとき,意中の異性のMother Languegeが何か,というのは重要であります。ま,日本に住んでる場合,大概は日本語でオウケイだと思いますけど,油断してはいけません。ケイン・オスギに対して夏目漱石的文豪風のラブレターを書いても,たぶん,十分の一も伝わらないでしょう(ヘークション)。一方で,あなた自身のMother Languegeの確認も重要です。なんかカッコイイからという理由だけで,Je T'aime★Je T'aimeと書き出したって,ほらあ今ここで僕が後が続かないように,続くわけがないのです。
ま,何でこんなバカバカしいことを書いたかというと,通常,言語の選択なんて,特に考えるところではないんですけど,結局ね,「相手のことを思いやり」つつ「自分の得意なフィールドに引っ張り込む」,これをいかに巧妙にやるか,っていうのが,ラヴレターにせよ論文にせよ,大事になってくるわけであります。思いやりと強引さ,一流のホストはみんなそれを持ってるんだ(テケトー)。そしてそれは,言語の選択ってところからもう始まってるんですね。ここでひとつ大事なのは「自分が当たり前と思っていることを自分以外も当たり前だと思っていると思ってはイケナイ」ということでありまして,とはいっても,前提を疑いだすとキリがないですので,ま,My StandardとHis/Her StandardあるいはWorld Standardとの間に,ほどほどに,読んでもらえるくらいの妥協点が見出せればヨロシ,ということであります(当たり前すぎる!)。
妥協点,と書きましたが,これ「あなたの中within」の妥協点では断じてないですよ。「あなたと読む人との間between」の妥協点を見出すわけです,思いやりと強引さをもって。
と,ここまで書いてきて,なんかインチキ恋愛講座ないしインチキ自己啓発セミナーみたくなってきてますね。これ,書き出すと,もう一大サーガになっちゃわざるを得ないのでありまして,しかし,それを書ききる自信もなければ,その分量に伴った内容も提供できる気が全くしませんわけでして,ま,ショージキ,あきちゃった,というか,オシム,あ,言っちゃった,コマッタ,コマッタ,ということで,これはちょっとやめとこう。
…………
ということで,また「形式の革命を伴わない内容の革命はありえない」に戻りましょうか。これ,いろいろ解釈はできましょうけど,このエントリの文脈上のpsy-pub的曲解をご開陳すると「形式は内容を規定する」ということであります。
要は,形式,整えましょう,と。すると,形式はあなたの伝えたい内容を伝えたい相手に対して適切に枠付けてくれるでしょう,と。ただし,形式というのは,内容を規定するわけですから,その影響も一方で頭の片隅に入れておきましょう,と。そのためには,形式をただ守るだけではなく,その形式自体の持つコミュニカティブな本質に,思いを馳せておきましょう,と。そういうことが言いたいわけですな。
ということで,ずいぶん長くなりましたが,実は紹介する本は,もう皆さんご存知のヤツばっかりなので,新鮮味はないんですけどね。あと,World Wide Web上にもたくさんのユーエキ情報ありますんで,「心理学 論文 書き方」とかそういう適当なキーワードで検索してみるとよろしいかと思います。
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そこはAPAすなわちアメリカ心理学会ですから,限りなくWorld Standardですから,そういう論文を書きたいあるいはこれから書こうあるいは書こうという人を指導しようという人は(まあもう知ってる内容かもしれませんが),持っていて損はないです。研究室に1冊は絶対あった方がよろし。psy-pubも校正用に持ってます。
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ま,これは既に,ロテ職人さんのブログの「●心理学論文の書き方-という本について最初は調べたかっただけだったのに」などでも紹介されています。そちらも是非ご参照ください。
一言だけ言っておくと,これが,「恋愛心理学」と「セクシー心理学」の違いでありますな。セクシー心理学になりたくないなら,これ読んどきんさい。当然ながら,書き方のみならず,読み方はては考え方まで,役に立つことウケアイです。
…………
とまあ,ここまで書いたところで,これだけだと,別にワタシなんぞが書くまでもないわけですが,まあ,形式を整えるのは最低限のマナーですが,最低限のマナーを守ってるだけでは,ダメなのは分かりきってますね。最低限のマナーすら守れてない論文も確かに多いですが,それよりも多いのは,最低限のマナーを守れているだけの論文,すなわち,形式だけの「研究のための研究」による論文です。形式を遵守しつつ,型にはまった思考から,軽やかに逸脱する,それは口で言うほど簡単ではないことは明らかですが,そこで諦めていては,ノーベル賞もらえないし,意中の異性からモテません。
ということで,ここは実際にノーベル賞受賞者に学ぼうと,そういう安易な展開であります。実はこれ,前からやりたかったんですが,読書がまったく追いついてなくて,今日は1冊だけでご勘弁ください。ま,勝てば官軍,負ければBATSU-GUN,ノーベル賞クラスだと,何を言っても説得力がありまくりですから,結構むつかしいところはあるんですけどね。
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福井謙一先生については,コチラ(Wikipedia)をドーゾ。ノーベル化学賞受賞の大学者であります。
この本,まあ受賞時に刊行されたわけですが,いやあ,昔の人は文章が巧い! ぐいぐい読めます。実は,この本のなかで「科学的直感」の話が結構出てきます。「所与性」の話とかね。ここらへんは心理の人も面白く読めるところじゃないかなと思います。
しかし,注目したいのは「論文をコピーとって集めるのはやめなさいと教えてます」という趣旨の記述なんですな。じゃあ,どうしろっていうのか? っていうと,「これは! と思う論文」は「手で書き写せ」と仰る。さすがに一字一句書き写せとまでは言ってませんけど,そう言いかねない勢いなんです。「量は少なくてもいいから,一字一句残らず読め」と仰る。
そりゃ無茶だ,第一メンドくさいなどと言ったところで,「私はそれをやりました」といわれると,グゥ。理論化学の分野だと,論文って数式のオンパレードなわけですが,それ全部「手計算」でやるわけですから,本当おそれいります。
でも,なんか仰ること,なるほどなあと思うんですよね。何故かというと,ひとつの論文が内包するすべての文脈を読めるようになるには,それ相応の訓練が必要で,それはやっぱり「マニュアル」からではなく「実際の論文」との格闘の中から,見出していくしかないわけでして,してみると「書き写す」というのは,論文本来のコミュニカティヴな性質に適った読み方なんかもしれんですな。あとこれは,なにも研究に限った話ではなく,コピー取ると,それだけでなんか,やってやった的に思っちゃうわけでして……。
といっても,じゃあ「これは! と思う論文をどう見つけたらいいの?」という疑問がなくもないですが,まあ,そこは,科学的直感でヨロシクといったところでしょうか。そこはノーベル賞ですから,もうアキラメテください。
何だかんだでドッチラケですが,話し上手は聞き上手よろしく,書き上手は読み上手・考え上手,だけど,ひとり上手にならないで,なんて,やっぱり自己啓発セミナーっぽくなっちまうけど,ま,皆さん,それぞれにいろいろ考えてみてくださいな,という話。
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