過日。
留学するという知人の送別会がありまして,その知人N氏,ワタシの知己にしては珍しく,頭脳明晰,成績優等,深謀遠慮なる男でありまして,文系の某学専攻からなぜか(というほどではないんですがね),医師にならんと学士入学を果たしたという猛者ツワモノであります。で,向こう(メリケン国)で自分のパワーを試したいと(その心意気やヨシ),ついでに嫁さんを見つけようと(それはあんまうまくいかないと思うが),旅立つとのことでありました。
で,まあ,思い出話やら愚痴やら希望やら夢やら話していたわけですが,N氏は,向こうで医師試験にチャレンジするとかしないとか。どんな試験があるんだ,と聞いたら,ま,日本とは英語で出題される以外は,基本的にはそんなに変わらんそうなんですが,米国の医師試験には,「行動科学」の科目があって,けっこうな点数配分をされているんだそうですね。
ビヘーバー・サイエンス
でありますよ。どうでもいいですが,ビヘーバーってカタカナで書くと,なんか物の怪の泣き声みたいでありますが。
この点数がけっこうな配分なので,(以下類推ですが)行動科学が――というか,「心理学」が彼国では強いのかもしれませんな。これ,マジで思うところ。やっぱ,お金=権力に擦り寄るのは吉,という面はありますわな。
N氏にいろいろと教えてもらい,ネットでいろいろと調べたところ,かの試験範囲たる行動科学の範囲に入るのは,
発達(human development)
行動医学(behavioral medicine)
人間の性(human sexuality)
精神障害(mental disorders)
面接法(interview)
死の臨床(death)
物質乱用(substance abuse)
加齢(aging)
病気の心理・社会的見地(psycho-social aspects of illness)
ストレスとストレスマネージメント(stress & stress management)
なんだそうです(psy-pub訳)。抜けているかもしれないっすが。
へぇ,なるほど,と思うとともに,面接法やストレス・マネージメントが一つのジャンルを形成しているっていうのも,すごいっすね。
しかし,行動科学とはなんぞや。
敬愛するウィキーさんによると,
「……心理学、社会学、人類学などがこれに含まれる。……」
だそうですよ。
学問っていうのは,ユーザーによって規定されるところがあります。金融取引の統計学なんかは,当然,ディラーとか銀行とかそういう「エライ人」「中の人」みたいな人に,規定されて進みます。
当然,米国医師免許における「行動科学」も,米国医療業界によって規定される面があるんじゃないかと思います。
とはいえ,規定する側も,規定される側のモデル構築によって,規定される側に回ることもあったりして,やっぱし世の中は面白い。
どちらにせよ,米国の行動科学が強いのは,行動科学と医療業界の思惑が一致するところに,学術的な予算がガツガツっと落とされているから……と予想するわけですが,ホントのことはわかりません。
だもので,よくわからないのですが,こういう本は,
ビヘーバーサイエンス……という区切りの中に位置するんでしょうね。(この高橋先生の訳された本,行動科学の本というわけでじゃないですが,臨床家必読というべき本であります。読んどけ)
しかし,行動科学というと,アホウなワタシとしましては,ついつい,「犯罪行動科学」をついで,スターリング捜査官(Clarice Starling)を連想してしまうのであります。クラリスタン ハゲカワモエス...
スターリングの著書で有名なのは,コレですね。
有名なDVDはコレ。
ほかにも犯罪行動科学を専門書であげるなら,
だとか……あります。
犯罪心理学と犯罪行動科学だとやっぱ微妙に射程が違うんですかね。
というわけで,なにが言いたいかといえば,
どうして,日本に行動科学というのが今ひとつ根付かないのか?
ということであります。
行動科学とつく本は,ほんと,数えるほどしかない。っつても,200くらいはありそうですが,心理学って言葉(7000オーバー?)に比べたら,圧倒的に少ないわけです。(とはいえ,米国も同様のよう)
行動科学教室も,心理学教室に比べたら,数える程度ですし。
なんだか,政治的な暗闘とかがあるんでしょうか…。
(なんか最近「ユダヤ陰謀説房」みたいになってきたな…)
邪推しまくりスイマセン
留学するという知人の送別会がありまして,その知人N氏,ワタシの知己にしては珍しく,頭脳明晰,成績優等,深謀遠慮なる男でありまして,文系の某学専攻からなぜか(というほどではないんですがね),医師にならんと学士入学を果たしたという猛者ツワモノであります。で,向こう(メリケン国)で自分のパワーを試したいと(その心意気やヨシ),ついでに嫁さんを見つけようと(それはあんまうまくいかないと思うが),旅立つとのことでありました。
で,まあ,思い出話やら愚痴やら希望やら夢やら話していたわけですが,N氏は,向こうで医師試験にチャレンジするとかしないとか。どんな試験があるんだ,と聞いたら,ま,日本とは英語で出題される以外は,基本的にはそんなに変わらんそうなんですが,米国の医師試験には,「行動科学」の科目があって,けっこうな点数配分をされているんだそうですね。
ビヘーバー・サイエンス
でありますよ。どうでもいいですが,ビヘーバーってカタカナで書くと,なんか物の怪の泣き声みたいでありますが。
この点数がけっこうな配分なので,(以下類推ですが)行動科学が――というか,「心理学」が彼国では強いのかもしれませんな。これ,マジで思うところ。やっぱ,お金=権力に擦り寄るのは吉,という面はありますわな。
N氏にいろいろと教えてもらい,ネットでいろいろと調べたところ,かの試験範囲たる行動科学の範囲に入るのは,
発達(human development)
行動医学(behavioral medicine)
人間の性(human sexuality)
精神障害(mental disorders)
面接法(interview)
死の臨床(death)
物質乱用(substance abuse)
加齢(aging)
病気の心理・社会的見地(psycho-social aspects of illness)
ストレスとストレスマネージメント(stress & stress management)
なんだそうです(psy-pub訳)。抜けているかもしれないっすが。
へぇ,なるほど,と思うとともに,面接法やストレス・マネージメントが一つのジャンルを形成しているっていうのも,すごいっすね。
しかし,行動科学とはなんぞや。
敬愛するウィキーさんによると,
「……心理学、社会学、人類学などがこれに含まれる。……」
だそうですよ。
学問っていうのは,ユーザーによって規定されるところがあります。金融取引の統計学なんかは,当然,ディラーとか銀行とかそういう「エライ人」「中の人」みたいな人に,規定されて進みます。
当然,米国医師免許における「行動科学」も,米国医療業界によって規定される面があるんじゃないかと思います。
とはいえ,規定する側も,規定される側のモデル構築によって,規定される側に回ることもあったりして,やっぱし世の中は面白い。
どちらにせよ,米国の行動科学が強いのは,行動科学と医療業界の思惑が一致するところに,学術的な予算がガツガツっと落とされているから……と予想するわけですが,ホントのことはわかりません。
だもので,よくわからないのですが,こういう本は,
アメリカの自殺―予防のための心理社会的アプローチ ハーバート ヘンディン Herbert Hendin 高橋 祥友 明石書店 2006-10 売り上げランキング : 32034 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ビヘーバーサイエンス……という区切りの中に位置するんでしょうね。(この高橋先生の訳された本,行動科学の本というわけでじゃないですが,臨床家必読というべき本であります。読んどけ)
しかし,行動科学というと,アホウなワタシとしましては,ついつい,「犯罪行動科学」をついで,スターリング捜査官(Clarice Starling)を連想してしまうのであります。クラリスタン ハゲカワモエス...
スターリングの著書で有名なのは,コレですね。
有名なDVDはコレ。
ほかにも犯罪行動科学を専門書であげるなら,
地理的プロファイリング―凶悪犯罪者に迫る行動科学 D.キム ロスモ D.Kim Rossmo 渡辺 昭一 北大路書房 2002-10 売り上げランキング : 143995 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
だとか……あります。
犯罪心理学と犯罪行動科学だとやっぱ微妙に射程が違うんですかね。
というわけで,なにが言いたいかといえば,
どうして,日本に行動科学というのが今ひとつ根付かないのか?
ということであります。
行動科学とつく本は,ほんと,数えるほどしかない。っつても,200くらいはありそうですが,心理学って言葉(7000オーバー?)に比べたら,圧倒的に少ないわけです。(とはいえ,米国も同様のよう)
行動科学教室も,心理学教室に比べたら,数える程度ですし。
なんだか,政治的な暗闘とかがあるんでしょうか…。
(なんか最近「ユダヤ陰謀説房」みたいになってきたな…)
邪推しまくりスイマセン
何してんだ…
でも,もう直しません。