心理学の本(仮題)

【職場に】心理学書編集研究会(略称:心編研)による臨床心理学・精神医学関連書籍のブックレヴュー【内緒♪】

鬼気迫る作画に臨床の凄みを垣間見る

2005-12-24 04:07:00 | 精神分析
 クリスマス休暇真っ只中,聖書も福音書も手にすらとったこともないため,ジーザス・クライストと聞くと,『ジーザス・クライスト・トリックスター』くらいしか思い浮かばず,したがって,クリスマスにちなんだ書籍でも紹介できたら「お! サイパブ君,意外と気が利くねえ~」ってなるんでしょうが,とくに思い当たらず,それどころか,新刊でもない書籍を紹介しようとしているこの私。まあいいでしょ,許したモーレ,ミアモーレ,パローレ,パローレ,ペスカトーレと村上ショージ級の駄洒落しか思いつかないわけですよ(ホントすんません)。
 でね,例によって前フリとは関係なく書籍の紹介がもうこれは始まっちまうワケなんですよ,もうこれはね,どうしようもない。カルマですよ。カルマを集めたら悪い王様に豚にされちゃうわけですよ。それで豚になって地下帝国を徘徊しちゃうわけですよ(もうメチャクチャ)。



図説臨床精神分析学
図説臨床精神分析学
前田 重治

 もうこれは皆さんご存知の名著なのだとは思いますが,これはねえ,やっぱりすごい本なんです。図版がね,前田重治先生,御自ら筆を執って描いてらっしゃるのですが,これが鬼気迫る迫る,迫りまくってます。軽々しく「入魂」なんて言葉は使いたくないけど,これは,魂ちぎって,紙の上に押してんじゃないかというほどの,まさに魂の押し花。仏作って魂入れちゃったみたいなド迫力でありんす。死ぬ前にたった一度だけでいいから見といたほうがいいよ,これだけは。



続 図説臨床精神分析学
続 図説臨床精神分析学
前田 重治

 でね,思うのは,精神分析のドグマ化あるいは精神分析のドグマ化への批判(これは本質的には同じだと思う)ってありますけど,それってなんか的外れだなあと思うのは,「臨床」っていう観点が欠落してるからなんだなあって。だってこの迫力は,ドグマだけじゃあ生まれようがないですもん。ヒトゲノム研究だって,大脳生理学だって,宇宙科学だって,文化人類学だって,文学だって,芸術だって,スポーツだって,本質に近づこうという絶え間ざる営みから生まれる迫力はみな同じですよ。ドグマ批判が単に自分の信じる(それはしばしば容易に代替可能な)ドグマを擁護するだけだったら,本質に迫る力なんて感じられるわけないよなあ,なんてね。



超図説 目からウロコの精神分析学入門―進化した解釈から最新の精神療法まで
超図説 目からウロコの精神分析学入門―進化した解釈から最新の精神療法まで
アイヴァン ワード, 小林 司, オスカー サラーティ

 そんなに吠えまくったあとでこれを紹介するのはどうかなあと思うのですが,まあ正直,迫力は感じないのだけど,よくまとまってはいるのかなと。こういうのってほとんどが「フロイト」どまりなので,その点は買っております。


 話はそれますけど,訳者の小林司先生,同じ講談社の『マンガ心理学入門』,『マンガ サイコセラピー入門』,『マンガ脳科学入門』(この3冊はハッキリいって買い!!!)も監訳されますが,ご存知でしょうが『シャーロック・ホームズ全集』など,「シャーロキアン」として,とても著名な先生でして,これが最近,改訂新版で出てました。


図説 シャーロック・ホームズ[改訂新版]
図説 シャーロック・ホームズ[改訂新版]
小林 司, 東山 あかね

 なんか話がそれまくっちゃいましたけど,まあ気にしないで,いつものことだから。


 それでは皆様,Merry Christmas!!! 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿