心理学の本(仮題)

【職場に】心理学書編集研究会(略称:心編研)による臨床心理学・精神医学関連書籍のブックレヴュー【内緒♪】

正当化なく,説教なく,悲愴感なく――映画『全然大丈夫』を観た話

2008-02-04 10:48:35 | お遊びコーナー


どう,どう,どう。どう,どう,どう。どう最近?

ということで,どうも,年明けてこっち,ブログの更新もせず,お久しぶりでございます。そしてお久しぶりなのに,映画の話でゴメンナサイなんだけど,まあ僕が映画を語りだすとあまりロクなことにはならんのですが,ともあれ,それを書きたい気持ちで夢一杯なんでござぁます。

某月某日某時刻,ってまあ一昨日のことなんだけど,僕は渋谷にややヘコみながら某所で一人佇んでいたわけで,つうかヘコんだから,一人で渋谷にいたのではなく,渋谷に一人でいるということにヘコみ,やや憮然としながら,PARCO PART3のシネクイントの待合スペースにいたわけですが,

待合スペースにいたわけですが

もうこれ,一人だと肩身が狭いというか,居場所がまるでなくてな,おまけに待合メチャ混みでな,所在ねえ所在ねえ,おまけにVirgin Colaが高い高ーい,ショバ代高い高ーいの150円,がそれを買いずるずるとすすりながら,携帯チェックしてもメールなんて着てやしないから,着てないならこっちから送るまでよと,駄メール連発してたのが,僕ですよ。

とイキナリ泣き言でスマンですが,観たのは冒頭に掲げた画像のとおり,『全然大丈夫』という映画でありました。

●全然大丈夫:オフィシャルサイト
http://zenzenok.jp/indexp.html

●全然大丈ブログ
http://zenzenok.jp/news/

●全然大丈部
http://zenzenok.jp/club/


なんかネットや雑誌だと,「ユルい」「憩い」「なごみ」「下流」「勝ち組・負け組」「ゆるゆるほっこり(笑)」などなど好き放題書いてあるというか煽ってあって,観る前の予想では,あー,ユートピア系?とか適当なこと思ってましたがそうじゃありませんでしたよ。

そうじゃありませんでしたよ

あらすじはどんなか? といわれると,まあ困っちゃうんですけど,怒涛の無窮道的ストーリーが展開されるわけでもなく,さりとて,さりとて,まあなんだろなという感じ(やる気あるのか,と自分に問いたい)。でもすごく笑えます。そしてグッとくる。いろんなものがグッとくる。なんだろな。よくわかんないんだけどね。

よくわかんないんだけどね

よくわかんないんだけども,いい映画って心が伝わるものでしょう? それが,快であれ不快であれ,幸福であれ恐怖であれ緊張であれ弛緩であれドキドキであれそれを全部合わせたものであれ,監督の心であれ脚本の心であれ映像の心であれ役者の心であれ役そのものの心であれそれを全部合わせたものであれ,心がしかっと伝わるもの,それが映画だと僕は思うわけで,それがよくわからん人は,『ローマの休日』の最後のペックとヘプバーンの長回しのシーンを20回観てほしいわけですよ,あれが心ですよ,たぶん,きっと。

たぶん,きっと

純粋に笑えるシーンも含めて,思い出のシーンは数あれども,やっぱラストシーンのためにすべてはある,それが本道だと思うし,そういう意味では,『全然大丈夫』のラストシーンは,この映画のハイライトだったと思います。内容についてはこれぐらいしか書けません。いっぺん観ろ!

いっぺん観ろ!

それでその周辺のことを書いちゃおうと思うのですけど,なんか一風変わった人が集まって面白くもおかしい日常,なんていうと,ともすれば,非常に閉鎖的なユートピア的,その外部の者にとっては鼻持ちならない拒絶感,というのがあったりして,そういうのって本人たちはいいけれど,なんかイヤーンな感じがしますよね。

なんかイヤーンな感じがしますよね

それと似てるかもしれないけど,何かと比較して,その何かとはしばしば社会的に一般的に素晴らしいとされているもの,と比較して,そうじゃないよと説教をかましてくる場合もありますな。説教,それは人が人にしたいものNo.1であり,人が人にされたくないものNo.1であるものですが,ときどきウッカリ巧妙な説教にホホウとうなづいたが最後,さらなる説教がOn The Air,なにとぞ止めてほしいです。

なにとぞ止めてほしいです

といって,それが,最近復活で話題のハーモニー・コリンのナツカシ映画『ガンモ』みたく,ドヨーンと,ブルーもろだし,不快指数1000万パゥワーを出されても,まあそれが“リアルだぜ?”ってまあそらそうなんだけどね,なんていうか,ちょっと困っちゃぅわー。

ちょっと困っちゃぅわー

でも,『全然大丈夫』,そうじゃなかった。そうじゃなかったよ。それがとてもよかった。なんか,やっぱ個だろ,と思ったわけで。

やっぱ個だろ

役者も芸達者がそろってる感じでしたが,役自体の個がきちんとあって,それに役者が魂インスパイアして,キャラ立ちしてる,といってしまえばそれまでなんですが,キャラ立ちとは名ばかりの押し付け的名演技じゃなく,ストーリーに寄与すべくキャラが立っていた,とオモタ。いろんな人が出てくるけど,みんな,個があった。それがよかった。

それがよかった

まあそんなに堅苦しく考える映画でなく,普通に笑いどころ満載だったし,実際,笑ってる人多かったし,笑ってるシーンも多かったから,僕も安心して大笑いしたら,一人だけだった,なんつうサミシイこともあったけれど,まあそれは気にすんな,自分! と自分で自分を励ましてあげたい。

主演級はいわずもがな,サブも名演ぞろいの中,マジすばらしかったのは,白石加代子,ツボだったのは村杉蝉之介,好きだったのは根岸季衣,きたろう,マジやばかったのは鳥居みゆき,感情移入してみるなら,木村佳乃だと思うけど,ちょっと惜しかった。そんな感じ。あとなぜか2回も流れる「コメ」という曲,メロディーはベタベタなのに,歌詞がテラカオス,気に入りますた。
 
最後に比較で言うのは無粋も無粋,下も下だと自覚しつつ,僕の好きな映画


クッキー・フォーチュンクッキー・フォーチュン
リヴ・タイラー グレン・クローズ ジュリアン・ムーア

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これと似てるなあ,と思いました。いや,手触り(笑)がね? なんというか,映画だなあと思いますた(イミフ)。

注意してほしいのは,これは大ヒット映画「フォーチュン・クッキー」とはまったく別の映画です,ということ。アルトマン,死んじゃったけど,いまさらだけど,合掌です。

ともあれ,『全然大丈夫』,オススメですよん。


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