ベタ打ち版 K 280629 判決文 #川神裕裁判官 #飯畑勝之裁判官 #森剛裁判官 平成28年(ネ)第702号 不当利得返還請求事件 #280629川神裕判決書 #高橋努越谷市長 #池田一義埼玉りそな銀行社長 #thk6481
*************
東京高等裁判所第17民事部
裁判長裁判官 川神裕
裁判官 飯畑勝之
裁判官 森剛
平成28年6月29日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官 小舩杏奈
平成28年(ネ)第702号 不法利得請求事件(原審・さいたま地方裁判所平成27年(ワ)第566号 不法利得請求事件)
平成28年5月11日口頭弁論終結
判決
控訴人 上原マリウス
被控訴人 越谷市
同代表市長 高橋努
同指定代理人 竹内克之
同指定代理人 濱野直樹
同指定代理人 黒田秀和
同指定代理人 大塚善太
東京都千代田区二番町8番地8 (送達場所)
被控訴人 株式会社セブン&アイ・ホールディングス
同代表者代表取締役 鈴木敏文
同訴訟代理人弁護士 井坂隆一
同 荘美奈子
埼玉県さいたま市浦和区常盤七丁目4番1号 (送達場所)
被控訴人 株式会社 埼玉りそな銀行
同代表者代表取締役 池田一義
同訴訟代理人弁護士 木村一郎
同 藤井公明
東京都千代田区霞が関一丁目1番1号 (送達場所)
被控訴人 国
同代表者法務大臣 岩城光英
同指定代理人 前野美保
同 小島啓二
主文
1 本件控訴をいずれも棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由
第1 控訴の趣旨
1 原判決を取り消す。
2 被告訴人らは、控訴人に対し、1万8500円を払え。
3 訴訟費用は、第1審、2審とも控訴人らの負担とする。
第2 事案の概要
1 本件は、控訴人が、セブンイレブン越谷市大間野店で、母の平成19年度国民健康保険税第5期から第10期までの6期分として2万2400円を納付したにもかかわらず、セブンイレブン越谷市大間野店の店員が全6期分の納付書を第5期1期分の納付書と取り違えて処理をしたため、(280709控訴人追記 セブンイレブン越谷市大間野店の店員は、まず、全6期分の納付書を読み22400円を請求し、コンビニのレシート22400円を発行した。次に、事務処理は第5期1期分の納付書で事務処理を行った)3900円が納付されたという記録しかないこととなり、被控訴人越谷市に対し、第6期から第10期までの分として1万8500円を重ねて納付せざるを得なかったところ、(280709控訴人追記 当時何度も調査依頼をしたにも関わらず、契約書に沿った対応を行わず、支払わないでいると、保険証を取り上げる、延滞金を請求すると脅迫状を送ってきた)その後、母が死亡し、はhの権利を相続により単独承継したと主張して、被控訴人らに対し、不当利得返還請求権に基づき、1万8500円の返還を求める事案である。
原審は、控訴人の被控訴人らに対する各請求を全部棄却したところ、控訴人はこれを不服として本件控訴をした。
2 当事者の主張は、後期3のとおり当審における控訴人の主張を付加するほかは、原判決の「事実及び理由」欄の「第2 当事者の主張」に記載のとおりであるから、これを引用する。ただし、原判決を次のとおり訂正する。
(1)原判決2頁12行目の「埼玉県越谷市」を「被控訴人越谷市(以下「被控訴人市」という。)」を被控訴人市と、16行目の「納付」を「収納」と、23行目の「平成19年」を「同年」とそれぞれ改める。
(2)原判決3頁2行目の「原告は、」の次に「被告人市に対し、」を加え、8行目の「被告被告銀行」を「被控訴人銀行」と、17行目の「(ウ)」を削り、「同(3)」を「同(2)ウ」と、20行目の「(エ)同(4)」を「(ウ)同(3)」と、22行目及び26行目の各「平成19年度」をいずれも「同年度」とそれぞれ改める。
3 当審における控訴人の主張(280709追記 一審はそのままで追加)
(1)本件は、まず、セブンイレブン越谷市大間野店の店員がレジ操作を誤り、納付書を取り違えたことが発端であり、次に、埼玉りそな銀行及びセブンイレブン本部は、不当利得に気付きながら、越谷市及びNTTデータにこれを通報しなかった。そして控訴人の調査依頼を受けて、越谷市、セブンイレブン本部及び埼玉りそな銀行は、NTTデータに対する通報義務違反を隠すため、共謀の上、控訴人に対し、セブンイレブン越谷市大間野店で受け取った2万2400円の領収書を持ってセブンイレブン越谷市大間野店に行くよう指示したが、控訴人が上記領収書を紛失したことを知ると、越谷市は平成20年7月7日、上記領収書の提示がない限り、これ以上の調査はできない旨の回答をし、控訴人に返還請求を諦めさせる詐欺を実行した。
(2)越谷市は、埼玉りそな銀行を指定金融機関としているところ、セブンイレブンは、平成19年当時、埼玉りそな銀行を所属銀行として、銀行代理業を行っており、具体的には、埼玉りそな銀行から委託を受け、越谷市の国民健康保険税の収納代行業務を行っていた。
そして、所属銀行は、銀行代理業者がその銀行代理行為について顧客に加えた損害を賠償する責任を負う(銀行法52条の59)から、埼玉りそな銀行は、セブンイレブンが委託された国民健康保険税の収納代行業務について控訴人に加えた損害を賠償する責任を負うものである。
第3 当裁判所の判断
1 当裁判所も、控訴人の被控訴人らに対する各請求はいずれも理由がないから、これらを破棄すべきものと判断するが、その理由は、後期2の当審における控訴人の主張に対する判断を付加するほかは、原判決の「事実及び理由」欄の「第3 当裁判所の判断」の1及び2に記載のとおりであるから、これを引用する。
ただし、原判決を次のとおり訂正する。
(1)原判決4頁24行目から25行目にかけての「平成19年度」を「同年度」と、26行目の「同年」を「平成19年」とそれぞれ改める。
(2)原判決5頁21行目の「乙イ1」の前に「甲4、5、24の2、26、27、34、35、」を加え、同行目の「同日」を「同日午前11時57分頃」と改める。
(3)原判決6頁2行目から3行目にかけての「これによれば」を「上記認定事実によれば」と、同行目の「同日」を「同日午後11時57分頃」と、4行目の「ことはなかったことが認められる」を「事実を認めることができない」とそれぞれ改める。
2 当審における控訴人の主張に対する判断
(1)控訴人は、上記第2の3(1)のとおり、越谷市が、セブンイレブン本部及び埼玉りそな銀行と共謀して、虚偽の事実を申し向けて控訴人の本件請求に係る支払いを免れようとしている旨主張する。
しかしながら、上記主張の前提として、控訴人が平成19年10月19日にセブンイレブン越谷市大間野店において母の平成19年度国民健康保険税第5期から10期までの6期分として2万2400円を越谷市に納付した事実が立証されていないから、控訴人が被控訴人等に対し不当利得返還請求権を有すること自体認められないし、また、①同日午前11時57分頃に埼玉りそな銀行越谷市役所内派出所で母の平成19年度国民健康保険税第5期分が納付されたこと及び②平成19年10月19日にセブンイレブン越谷市大間野店で国民健康保険税の納付が1件もなったことは、前記認定したとおりであって、越谷市やセブンイレブン本部が上記請求権に対応する支払義務を免れようとして、控訴人に対して、①及び②の書く事実を虚偽の事実として申し向けた認めることはできない。
したがって、控訴人の上記主張は採用することができない。
(2)控訴人は、上記第2の3(2)のとおり、埼玉りそな銀行が控訴人に対し銀行法52条59に基づく損害賠償責任を負っている旨主張する。
しかしながら、同条によれば、セブンイレブンが銀行代理業者として顧客である母に損害を与えたことが上記主張の前提となるところ、これを認めるに足る証拠はないから、埼玉りそな銀行が控訴人に対し同条に基づく損害賠償責任を負うと認めることは出来ない。
したがって、控訴人の上記主張は採用することができない。
(3)このほか、控訴人は、①母の平成19年度国民健康保険税領収済通知書第5期(以下「本件領収書」という。)の裏面に印字された管理コードの意味が解明されない限り、セブンイレブン越谷市大間野店ではなく埼玉りそな銀行越谷市役所内派出所で納付されたという被告人らの主張は認められない旨、また②控訴人が平成19年10月19日にセブンイレブン越谷市大間野店において母の平成19年度国民健康保険税第5期から10期までの6期分を一括納付したことを明らかにするため、銀行法52条60の規定により、埼玉りそな銀行がセブンイレブン越谷市大間野店の帳簿を提出すべきである旨主張する。
しかしながら、そもそも被控訴人らが法律上の原因なくして利得している事実の立証責任は控訴人にある(最高裁昭和58年(オ)第934号同59年12月21日第2小法廷判決・裁判集民事143号503頁参照)、①については、バーコード付き領収書の裏面に印字された管理コードが、仮にセブンイレブン越谷市大間野店での納付を意味することになったとしても、母の平成19年度国民健康保険税第5期1期分の納付がセブンイレブン越谷市大間野店で行われたことが明らかになることにとどまり、それによって、同税の第6期から第10期までの分の納付がセブンイレブン越谷市大間野店で行われたことが立証されるものではなく、この点を認めるに足る証拠はない。
また、②については、平成19年10月19日にセブンイレブン越谷市大間野店で国民健康保険税が納付された形跡がないことは、原判決が適切に認定したとおりであって、セブンイレブン越谷市大間野店の帳簿の提出が必要であるということはできない。
したがって、控訴人の上記主張は採用することができない。
(4)また、控訴人は、①越谷市は、本件契約第16条に沿って、NTTデータに依頼した調査結果を明らかにするとおもに、証拠として提出すべきである旨、また、②埼玉りそな銀行及びセブンイレブン本部は平成19年10月19日当時、セブンイレブン越谷市大間野店に「埼玉りそな銀王 越谷市 派出」という印影の領収印があったか否か、「埼玉りそな銀王 越谷市 派出」という印影が「埼玉りそな銀行 越谷市役所内派出所」を指しているか否かを明らかにするため、埼玉りそな銀行とセブンイレブン本部との間で締結された契約書を提出すべきである旨主張する。
しかしながら、①については、証拠(乙イ11)によれば、越谷市は、控訴人からの問い合わせを受けて、平成20年5月13日、NTTデータに対し、控訴人が平成19年10月19日にセブンイレブン越谷市大間野店において母の平成19年度国民健康保険税5期から10期までの全額を納付したと主張しているが、越谷市ではそれを確認できないので、その点について照会したこと、NTTデータは、セブンイレブン・ジャパンに更に問い合わせた上で、平成20年5月28日までに、平成19年10月19日にはセブンイレブン越谷市大間野店において、国民健康保険税の納付書自体の取扱いがなかったことを確認して、越谷市にこれを回答したことが認められる。
また、②については、原判決が認定したとおり、そもそも控訴人が平成19年10月19日にセブンイレブン越谷市大間野店において母の平成19年度の国民健康保険税2万2400円を納付した場合に発行される領収書にいかなる領主印が押印されようとも、越谷市の指定金融機関(埼玉りそな銀行 越谷市役所内派出所)で国民健康保険税を納付した場合では、収納金やデータの流れが異なるため、セブンイレブン越谷市大間野店で取り扱った国民健康保険税についてのバーコード付き領収済通知書が、埼玉りそな銀行越谷市役所内派出所で取り扱った場合のように越谷市に保管されているという結果になることはあり得ないこと(乙イ3=200707越谷市長の処分書)からすれば、埼玉りそな銀行が上記要求に応じて契約書を提出すべき必要はないというほかない。
したがって、法訴人の上記主張は採用することができない。
(5)さらに、法訴人は、①被控訴人等が、原審において、控訴人の平成27年9月18日付け第1準備書面に対し何ら反論をしなかったことをもって、控訴人の主張を認め、被控訴人等の立証を放棄したものである、②被控訴人等が、被控訴人らの主張を裏付ける証拠を所持しているにもかかわらず、その提出を拒否していることをるる非難する(特に越谷市については、公的機関である根拠として当然提出すべき義務があるかのように主張する)
しかしながら、①については、被控訴人等が控訴人の主張に反論しなかったからといって、控訴人主張を認めたことにはならないことは、弁論の全趣旨から明らかであるし、②については、そもそも被控訴人らが法律上の原因なくして利得していることについては、その返還を求める控訴人に立証責任があり、被控訴人らに利得していないことについての立証責任があるものではないから、被控訴人らの上記対応を非難するのは主張自体失当というほかない。
したがって、控訴人の上記主張は採用することができない。
3 結論
以上の次第で、控訴人の被控訴人らに対する各請求をいずれも破棄した原判決は相当であり、本件控訴はいずれも理由がないから、これを棄却することとして、主文のとおり判決する。
*************
東京高等裁判所第17民事部
裁判長裁判官 川神裕
裁判官 飯畑勝之
裁判官 森剛
平成28年6月29日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官 小舩杏奈
平成28年(ネ)第702号 不法利得請求事件(原審・さいたま地方裁判所平成27年(ワ)第566号 不法利得請求事件)
平成28年5月11日口頭弁論終結
判決
控訴人 上原マリウス
被控訴人 越谷市
同代表市長 高橋努
同指定代理人 竹内克之
同指定代理人 濱野直樹
同指定代理人 黒田秀和
同指定代理人 大塚善太
東京都千代田区二番町8番地8 (送達場所)
被控訴人 株式会社セブン&アイ・ホールディングス
同代表者代表取締役 鈴木敏文
同訴訟代理人弁護士 井坂隆一
同 荘美奈子
埼玉県さいたま市浦和区常盤七丁目4番1号 (送達場所)
被控訴人 株式会社 埼玉りそな銀行
同代表者代表取締役 池田一義
同訴訟代理人弁護士 木村一郎
同 藤井公明
東京都千代田区霞が関一丁目1番1号 (送達場所)
被控訴人 国
同代表者法務大臣 岩城光英
同指定代理人 前野美保
同 小島啓二
主文
1 本件控訴をいずれも棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由
第1 控訴の趣旨
1 原判決を取り消す。
2 被告訴人らは、控訴人に対し、1万8500円を払え。
3 訴訟費用は、第1審、2審とも控訴人らの負担とする。
第2 事案の概要
1 本件は、控訴人が、セブンイレブン越谷市大間野店で、母の平成19年度国民健康保険税第5期から第10期までの6期分として2万2400円を納付したにもかかわらず、セブンイレブン越谷市大間野店の店員が全6期分の納付書を第5期1期分の納付書と取り違えて処理をしたため、(280709控訴人追記 セブンイレブン越谷市大間野店の店員は、まず、全6期分の納付書を読み22400円を請求し、コンビニのレシート22400円を発行した。次に、事務処理は第5期1期分の納付書で事務処理を行った)3900円が納付されたという記録しかないこととなり、被控訴人越谷市に対し、第6期から第10期までの分として1万8500円を重ねて納付せざるを得なかったところ、(280709控訴人追記 当時何度も調査依頼をしたにも関わらず、契約書に沿った対応を行わず、支払わないでいると、保険証を取り上げる、延滞金を請求すると脅迫状を送ってきた)その後、母が死亡し、はhの権利を相続により単独承継したと主張して、被控訴人らに対し、不当利得返還請求権に基づき、1万8500円の返還を求める事案である。
原審は、控訴人の被控訴人らに対する各請求を全部棄却したところ、控訴人はこれを不服として本件控訴をした。
2 当事者の主張は、後期3のとおり当審における控訴人の主張を付加するほかは、原判決の「事実及び理由」欄の「第2 当事者の主張」に記載のとおりであるから、これを引用する。ただし、原判決を次のとおり訂正する。
(1)原判決2頁12行目の「埼玉県越谷市」を「被控訴人越谷市(以下「被控訴人市」という。)」を被控訴人市と、16行目の「納付」を「収納」と、23行目の「平成19年」を「同年」とそれぞれ改める。
(2)原判決3頁2行目の「原告は、」の次に「被告人市に対し、」を加え、8行目の「被告被告銀行」を「被控訴人銀行」と、17行目の「(ウ)」を削り、「同(3)」を「同(2)ウ」と、20行目の「(エ)同(4)」を「(ウ)同(3)」と、22行目及び26行目の各「平成19年度」をいずれも「同年度」とそれぞれ改める。
3 当審における控訴人の主張(280709追記 一審はそのままで追加)
(1)本件は、まず、セブンイレブン越谷市大間野店の店員がレジ操作を誤り、納付書を取り違えたことが発端であり、次に、埼玉りそな銀行及びセブンイレブン本部は、不当利得に気付きながら、越谷市及びNTTデータにこれを通報しなかった。そして控訴人の調査依頼を受けて、越谷市、セブンイレブン本部及び埼玉りそな銀行は、NTTデータに対する通報義務違反を隠すため、共謀の上、控訴人に対し、セブンイレブン越谷市大間野店で受け取った2万2400円の領収書を持ってセブンイレブン越谷市大間野店に行くよう指示したが、控訴人が上記領収書を紛失したことを知ると、越谷市は平成20年7月7日、上記領収書の提示がない限り、これ以上の調査はできない旨の回答をし、控訴人に返還請求を諦めさせる詐欺を実行した。
(2)越谷市は、埼玉りそな銀行を指定金融機関としているところ、セブンイレブンは、平成19年当時、埼玉りそな銀行を所属銀行として、銀行代理業を行っており、具体的には、埼玉りそな銀行から委託を受け、越谷市の国民健康保険税の収納代行業務を行っていた。
そして、所属銀行は、銀行代理業者がその銀行代理行為について顧客に加えた損害を賠償する責任を負う(銀行法52条の59)から、埼玉りそな銀行は、セブンイレブンが委託された国民健康保険税の収納代行業務について控訴人に加えた損害を賠償する責任を負うものである。
第3 当裁判所の判断
1 当裁判所も、控訴人の被控訴人らに対する各請求はいずれも理由がないから、これらを破棄すべきものと判断するが、その理由は、後期2の当審における控訴人の主張に対する判断を付加するほかは、原判決の「事実及び理由」欄の「第3 当裁判所の判断」の1及び2に記載のとおりであるから、これを引用する。
ただし、原判決を次のとおり訂正する。
(1)原判決4頁24行目から25行目にかけての「平成19年度」を「同年度」と、26行目の「同年」を「平成19年」とそれぞれ改める。
(2)原判決5頁21行目の「乙イ1」の前に「甲4、5、24の2、26、27、34、35、」を加え、同行目の「同日」を「同日午前11時57分頃」と改める。
(3)原判決6頁2行目から3行目にかけての「これによれば」を「上記認定事実によれば」と、同行目の「同日」を「同日午後11時57分頃」と、4行目の「ことはなかったことが認められる」を「事実を認めることができない」とそれぞれ改める。
2 当審における控訴人の主張に対する判断
(1)控訴人は、上記第2の3(1)のとおり、越谷市が、セブンイレブン本部及び埼玉りそな銀行と共謀して、虚偽の事実を申し向けて控訴人の本件請求に係る支払いを免れようとしている旨主張する。
しかしながら、上記主張の前提として、控訴人が平成19年10月19日にセブンイレブン越谷市大間野店において母の平成19年度国民健康保険税第5期から10期までの6期分として2万2400円を越谷市に納付した事実が立証されていないから、控訴人が被控訴人等に対し不当利得返還請求権を有すること自体認められないし、また、①同日午前11時57分頃に埼玉りそな銀行越谷市役所内派出所で母の平成19年度国民健康保険税第5期分が納付されたこと及び②平成19年10月19日にセブンイレブン越谷市大間野店で国民健康保険税の納付が1件もなったことは、前記認定したとおりであって、越谷市やセブンイレブン本部が上記請求権に対応する支払義務を免れようとして、控訴人に対して、①及び②の書く事実を虚偽の事実として申し向けた認めることはできない。
したがって、控訴人の上記主張は採用することができない。
(2)控訴人は、上記第2の3(2)のとおり、埼玉りそな銀行が控訴人に対し銀行法52条59に基づく損害賠償責任を負っている旨主張する。
しかしながら、同条によれば、セブンイレブンが銀行代理業者として顧客である母に損害を与えたことが上記主張の前提となるところ、これを認めるに足る証拠はないから、埼玉りそな銀行が控訴人に対し同条に基づく損害賠償責任を負うと認めることは出来ない。
したがって、控訴人の上記主張は採用することができない。
(3)このほか、控訴人は、①母の平成19年度国民健康保険税領収済通知書第5期(以下「本件領収書」という。)の裏面に印字された管理コードの意味が解明されない限り、セブンイレブン越谷市大間野店ではなく埼玉りそな銀行越谷市役所内派出所で納付されたという被告人らの主張は認められない旨、また②控訴人が平成19年10月19日にセブンイレブン越谷市大間野店において母の平成19年度国民健康保険税第5期から10期までの6期分を一括納付したことを明らかにするため、銀行法52条60の規定により、埼玉りそな銀行がセブンイレブン越谷市大間野店の帳簿を提出すべきである旨主張する。
しかしながら、そもそも被控訴人らが法律上の原因なくして利得している事実の立証責任は控訴人にある(最高裁昭和58年(オ)第934号同59年12月21日第2小法廷判決・裁判集民事143号503頁参照)、①については、バーコード付き領収書の裏面に印字された管理コードが、仮にセブンイレブン越谷市大間野店での納付を意味することになったとしても、母の平成19年度国民健康保険税第5期1期分の納付がセブンイレブン越谷市大間野店で行われたことが明らかになることにとどまり、それによって、同税の第6期から第10期までの分の納付がセブンイレブン越谷市大間野店で行われたことが立証されるものではなく、この点を認めるに足る証拠はない。
また、②については、平成19年10月19日にセブンイレブン越谷市大間野店で国民健康保険税が納付された形跡がないことは、原判決が適切に認定したとおりであって、セブンイレブン越谷市大間野店の帳簿の提出が必要であるということはできない。
したがって、控訴人の上記主張は採用することができない。
(4)また、控訴人は、①越谷市は、本件契約第16条に沿って、NTTデータに依頼した調査結果を明らかにするとおもに、証拠として提出すべきである旨、また、②埼玉りそな銀行及びセブンイレブン本部は平成19年10月19日当時、セブンイレブン越谷市大間野店に「埼玉りそな銀王 越谷市 派出」という印影の領収印があったか否か、「埼玉りそな銀王 越谷市 派出」という印影が「埼玉りそな銀行 越谷市役所内派出所」を指しているか否かを明らかにするため、埼玉りそな銀行とセブンイレブン本部との間で締結された契約書を提出すべきである旨主張する。
しかしながら、①については、証拠(乙イ11)によれば、越谷市は、控訴人からの問い合わせを受けて、平成20年5月13日、NTTデータに対し、控訴人が平成19年10月19日にセブンイレブン越谷市大間野店において母の平成19年度国民健康保険税5期から10期までの全額を納付したと主張しているが、越谷市ではそれを確認できないので、その点について照会したこと、NTTデータは、セブンイレブン・ジャパンに更に問い合わせた上で、平成20年5月28日までに、平成19年10月19日にはセブンイレブン越谷市大間野店において、国民健康保険税の納付書自体の取扱いがなかったことを確認して、越谷市にこれを回答したことが認められる。
また、②については、原判決が認定したとおり、そもそも控訴人が平成19年10月19日にセブンイレブン越谷市大間野店において母の平成19年度の国民健康保険税2万2400円を納付した場合に発行される領収書にいかなる領主印が押印されようとも、越谷市の指定金融機関(埼玉りそな銀行 越谷市役所内派出所)で国民健康保険税を納付した場合では、収納金やデータの流れが異なるため、セブンイレブン越谷市大間野店で取り扱った国民健康保険税についてのバーコード付き領収済通知書が、埼玉りそな銀行越谷市役所内派出所で取り扱った場合のように越谷市に保管されているという結果になることはあり得ないこと(乙イ3=200707越谷市長の処分書)からすれば、埼玉りそな銀行が上記要求に応じて契約書を提出すべき必要はないというほかない。
したがって、法訴人の上記主張は採用することができない。
(5)さらに、法訴人は、①被控訴人等が、原審において、控訴人の平成27年9月18日付け第1準備書面に対し何ら反論をしなかったことをもって、控訴人の主張を認め、被控訴人等の立証を放棄したものである、②被控訴人等が、被控訴人らの主張を裏付ける証拠を所持しているにもかかわらず、その提出を拒否していることをるる非難する(特に越谷市については、公的機関である根拠として当然提出すべき義務があるかのように主張する)
しかしながら、①については、被控訴人等が控訴人の主張に反論しなかったからといって、控訴人主張を認めたことにはならないことは、弁論の全趣旨から明らかであるし、②については、そもそも被控訴人らが法律上の原因なくして利得していることについては、その返還を求める控訴人に立証責任があり、被控訴人らに利得していないことについての立証責任があるものではないから、被控訴人らの上記対応を非難するのは主張自体失当というほかない。
したがって、控訴人の上記主張は採用することができない。
3 結論
以上の次第で、控訴人の被控訴人らに対する各請求をいずれも破棄した原判決は相当であり、本件控訴はいずれも理由がないから、これを棄却することとして、主文のとおり判決する。