マスミンのピアノの小部屋

ピアニスト兼ピアノ指導者松尾益民が、ピアノや教育、世の中の出来事など日々感じることを、徒然なるままに綴ります。

ドヴォルザークの連弾曲

2023-10-22 00:04:51 | ラ・プロムナード・ミュジカル
明日のプロムナード・コンサート、最初に演奏するのは連弾で、ドヴォルザークの曲から2曲です。

以前、ミュジカポール・コンサートのブログにアップしたもののほぼ転載です。

ドヴォルザーク:スラヴ舞曲集 第2集 第2番 ホ短調 作品72-2
ドヴォルザーク(1841~1904)は、ロマン派後期チェコの国民楽派の作曲家で、同時代の作曲家としては、1歳年上のチャイコフスキーや2歳年下のグリーグなどが有名です。
様々なジャンルの曲を作っていますが、ドヴォルザークと言って思い浮かぶのは、「遠き山に陽は落ちて~」と歌う「家路」ですね。
これは、交響曲第9番「新世界より」の第2楽章の主題で、ドヴォルザークの弟子のフィッシャーが、合唱曲に編曲したものです。
国民楽派というのは、19世紀後半になって、自国あるいは自分の民族の持つ特質や性格を尊重しようという作曲家たちのことで、音楽の中心地フランス、イタリア、ドイツ、オーストリアなどから、音楽後進国と言われるロシア、ボヘミア、スペイン、北欧諸国などの周辺の国へと広がって行ったことを表しています。
さて、ドヴォルザークは4手連弾曲もたくさん作っていて、36歳の時のスラブ舞曲集第1集は、ドヴォルザークの名を全世界に広め、チェコ舞曲の代表作として愛好されるようになりました。
第1集の成功に気を良くした出版社は、ドヴォルザークに第2集を作るよう働きかけ、初めは気乗りしなかったものの、1886年に意欲が沸き上がり、一気に書き上げたのでした。
第1集よりさらに表情豊かな作品となっています。
第1集、第2集ともに、管弦楽用にも編曲されています。
今回演奏する第2集作品72第2番ホ短調は、非常に優美な曲で、クライスラーのヴァイオリン独奏用にも編曲され親しまれています。
ほのかな憂愁と感傷の漂う甘美なメロディで始まり、途中にはマズルカ的な軽快な部分を含みつつ、複合3部形式でまとめられています。

ボヘミアの森より 第1曲 糸紡ぎ 作品68-1
1883~84の作曲。
ボヘミアとは、チェコの西部、中部地方を中心とするその周辺地域の歴史的地名です。
この曲についてのデータはあまりないのですが、6曲から成る曲集で、非常に詩的に作られていて、ボヘミアの森が想像できそうな音楽となっています。
今回演奏するのは第1曲糸紡ぎで、軽快に糸紡ぎをする様子を描いているのでは…と思います。
ドヴォルザークは、その当時の様々なピアノ技法を、非常に効果的に取り入れていて、演奏効果を上げています。
どの曲も素晴らしく、いずれ全曲弾いてみたいと思っています。



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