Life in Japan blog (旧 サッカー評 by ぷりりん)

日本に暮らす昭和生まれの猫ぷりりんの、そこはかとない時事放談と日記です。政治経済から科学、サッカー、手芸まで

朝青龍を仮病と誤報し続けるマスコミ・集団ヒステリーになる日本人

2007年08月07日 02時17分43秒 | 日記
朝青龍がいつのまにか仮病になっている。巡業「前」の時期に草サッカーをうれしそうにしていたからだ。
テレビタレントはワイドショーでコメントする。「腰おっててサッカーできるわけない」「仮病」「嘘の診断書書いた医師は罪にならんのか」
サッカー評論家はいう。「腰骨おってて絶対サッカーなんかできっこない。」

インターネットで検索すれば、2秒でわかる。腰椎疲労骨折、つまり「腰椎分離症」のことをさしていると思われる。
どのような怪我かAll About(http://allabout.co.jp/health/backache/closeup/CU20061221A/index.htm)より引用した。(ここから)
「子供の頃にハードなスポーツをするなどして、大きな負荷が腰部にかかった場合の疲労骨折ではないかと言われています。」
「腰椎分離症では、主に腰を後ろへ反らせると腰の痛みを感じます。長時間立っているような場合でも腰がつらくなります。しかし、腰椎が分離していても、必ず腰が痛くなるわけではなく、無症状のままスポーツを続けている人もいます。この分離は、仙骨と腰部のつなぎ目である第5腰椎に多く見られます。
」(以上で引用終わり)

無痛であるので、部活、スポーツを継続してしまう人が多い。私もおさないころスポーツをして大しりもちをついて同じ箇所を怪我をしたのであるが、怪我した瞬間はとんでもない激痛でもしばらくすれば落ち着き、多少痛くてもがんがんスポーツをしていた。笑。そして今は坐骨神経痛に悩まされている。ちなみに骨折していたことがわかったのは40になってからである。こういう方が多いと医師はいっていた。

長くなったけれど、テレビやコメンテーターがサッカーをしていたことを仮病の理由にしたが、それは疾病に対する無知からくる誤解であり、公共の電波で報道するべきコメントではない。同じ怪我をした人間にとってこの上なく腹立たしく迷惑で、それでなくてもさぼったといわれて苦しい思いをしたのに、偏見を助長する暴力なのである。
テレビ局に科学的であることを求めても仕方がないのかもしれない。あるある大辞典のような疑似科学を報道していても、現場では疑問に感じていなかったレベルであるし、今回もサッカーできてる映像だけでちゃんと調査していなかったのだろう。ましてや、お笑い芸人さんが勘違いされるのは当たり前だ。

しかし、評論家や文化人となのっている方や大学教授であられる方々はその地位の重さから、罪深い無責任さを感じます。科学者であるのならば、客観性を重んじなければならない。

日本相撲協会も、診断書は正しいと受け止めているのであるのだから、それを仮病と言いきったのであれば、その根拠が必要です。

2007.8.25追記 毎日新聞サイトhttp://www.mainichi-msn.co.jp/
2007.8.1記事より引用
「腰を疲労骨折しながら帰国中のモンゴルでサッカーをする姿が伝えられた朝青龍に対し、「仮病では」との声も上がる騒動に発展したが、協会側は朝青龍のけがを認定した上で、誤解を招いた軽率な行動を重く見て処分を課した形となった。」
「一方、休場届とともに三重県内の医師が提出した診断書については「正当なもの」と語り、「仮病説」を否定した。

http://www.mainichi-msn.co.jp/sports/battle/news/20070802k0000m050128000c.html
根拠がないのであるならば、朝青龍と医師に謝罪するべき。また、大衆を扇動し、非人間的で目をおおいたくなるような罵詈雑言をネット上にあふれさせた、人としての品位のなさを恥じるべきだ。
もちろん、政治家がよく困ったときに入院してしまう、怪しげな診断書というのはある。それがあるから世の中すべての診断書を主観だけで偽診断書であると非難するのは、単なるいんねん、いいがかりではないだろうか。

日本相撲協会が診断書を受け入れた事実はなんら報道せず、いつまでも仮病、仮病と、そしてサッカーをしている画面を見ながらタレントや大学教授、評論家がケケケ・・・あれまあヒヒヒ・・・と嘲笑している醜い醜いいじめの番組に寒気がし、怒りよりも悲しみと恐怖で立ちすくんだ。
もうしばらく民放は見ないと思う。見られない。怖い。なにかすれば、いんねんつけられる、そういう集団なのだ。

私刑は禁止されているはずで、ましてやメディアは裁判所ではない。これは集団リンチだと強く強く思う。

もちろん、仮病である確率は完全に0ではない。もしそうであるのならば、厳しい処分が必要であると思う。
しかし仮病だなんだで巡業休んできた力士がたくさんいたのは公然の秘密のようなものなのに、どうして今回はここぞっとばかりこんなにたたくのだろう?
私も学校や会社を熱がーとか腹がーとかいってよく休んだ。人間だから、いろいろあって、人に言えない気持ちで休まなくてはギブアップしそうな時期は、ある。

メディアは仮病であるというのは誤報であったというのを隠すために、意図的に「品位」にこだわっているのではないだろうか。
仮病は、なにもしらせていないコメンテーターに言わせるのだ。放送局の責任はそれで回避だ。

日本相撲協会が朝青龍にとうた罪は、誤解をまねくような軽率な行動に対してだった。
確かに誤解はまねいた。軟禁も集団ヒステリーから守る方便かもしれない。
しかしその軽率さだけのために、人権侵害である軟禁を発表するのはいただけない。というか恐ろしすぎる。生観戦にいってたくらい相撲は好きだけれど、絶望したしもう見ないだろう。古い、怖い、恐怖を感じる。旧陸軍のような、あんな理不尽さを感じてしまって、もうだめだ。
しかし彼らには、そういうことをしているという意識はないと思う。それがまた恐怖の念を感じさせる。日本文化の負の部分、影の部分を今回は非常に強く感じてしまった。

それに軟禁することで、外国人である彼の不当な立場を救える弁護士や友人にあえる機会をうばっている。

あのやぼったい風体の医師は、彼の仮病説を再インプレッションするための陰謀なのか?と一瞬笑ったくらい、ぺらぺら患者のプライベートを話すところから専門の精神科医ではないと感じた。
しかし彼が今あえるのは医師と家族だけ。この拘束は彼にとってあまりにも不利であり、危険すぎる。であるから、唯一あえる他人である医師資格を持つものが誰かとのメッセンジャーとしてあいにきたのかもしれない。
今度は協会が唯一あえるはずの他人である医師まで協会で決めるといいだした。どうしてそんなに協会の壁にとじこめるのか。また、その権限はなにによっているのか。
なにしろ家族は日本社会ではコミュニケートが十分にできないし社会制度もしらないので彼を助けることができない。彼に必要なのは相撲社会の人間ではなく友人や法律家であるかもしれない。でむかなくてはいけないのはコンビニや温泉ではなくモンゴル大使館や法務局であるかもれない。
そんなことをしたら解雇だ!とパワーハラスメントされ、勤務先に軟禁されているこの異常さはいったいなんなのだろう。

彼がモンゴルでしたことは悪いことだったのだうか。このブログを目にされるごく少数の方は、モンゴルのストリートチルドレンの窮状をご存知だろうか。-20度だったろうか、そんな冬、地下の蒸気配管の熱を頼って冬を越す彼ら、凍死する子もいる。
そんな子たちのためにチャリティーをするのは悪いことだろうか。その場が盛り上がり、彼は草サッカーに何分かだけ参加した。
怪我の治療に専念する義務があったが、腰は草サッカーくらいなら大丈夫だしサッカーはひじは使わない。ちょっとやってみようか。
それがこんなに彼をおいつめるほど悪いこととは私には思えない。
彼はモンゴルの人だから、そんな子供の笑顔はうれしかっただろう。もしかしたら彼にとって無償で弱い人たちに笑顔を与えた初めての経験だったのかもしれないというのに。

彼が本当に精神的にだめになったら、日本人は世界から本当に嫌われ、馬鹿にされ、さげすまれるだろう。
そして私たちは集団リンチのオンタイムでの目撃者になってしまうのだ。