Life in Japan blog (旧 サッカー評 by ぷりりん)

日本に暮らす昭和生まれの猫ぷりりんの、そこはかとない時事放談と日記です。政治経済から科学、サッカー、手芸まで

いわゆる近畿の五芒星とレイラインについて調べてみました

2019年01月20日 15時36分04秒 | 神話・伝承・民話

いわゆる近畿の五芒星とレイラインについて調べてみました

日本には無数の神社仏閣・祠があるので図形は色々と書けるのですが、927年成立の延喜式の式内社や1000年以上前の古くて霊威のある神社仏閣に限れば、もしかするとなんらかの古代の人々の意図が見えるかもしれません。

近畿五芒星とは

近畿五芒星が初めて掲載されたのはムー1990年8月号220ページに掲載されたという北卓司(HN:森野奥人)の説のようで(後に書籍化「古代日本にカバラが来ていた―現代に及ぶ預言の謎」,鹿砦社,北卓司1995年5月ISBN-13: 978-4846300807)、その構成は「元伊勢内宮―多賀―熊野本宮―伊勢内宮―伊吹山」でした。多賀は淡路島の多賀で、ネット上では伊弉諾神宮があてられているようです。元伊勢内宮ではなく元伊勢外宮があてられているバージョンもあります。

緯度を合わせた新近畿の五芒星

しかしこれではかなり南北がずれてしまうので、本当に「五芒星」の形になるのかどうか調べてみると、
元伊勢内宮ではなく元伊勢外宮豊受大神社へ変更するだけでなく、
伊吹山を伊夫岐神社へ
伊弉諾神宮をその別当寺院の妙京寺へ変更すると南北の緯度がほぼピッタリ合致しました。不思議に思いました。

新・近畿の五芒星

1.伊夫岐神社(式内社 多多美比古命) 35.402554, 136.376606
2.元伊勢外宮豊受大神社 (式内社・豊受大神) 35.402599, 135.151411
3.妙京寺(式内社・伊弉諾神宮の別当寺) 34.455147, 134.853531
4.伊勢神宮(内宮)   34.455174, 136.725185
5.熊野本宮大社(式内社熊野坐神社 家都美御子大神
   熊野本宮大社御社殿 夫須美大神 33.840473, 135.773506
   熊野本宮大社旧社地 大斎原 33.834403, 135.774399
   熊野本宮大社東御前 天照大神 33.840574, 135.773849
   真名井社 天村雲命    33.833897, 135.770509

近畿の五芒星がより黄金比に近くなる「神宮寺」

近畿五芒星は伊弉諾神宮別当妙京寺から兵庫県淡路市江井の「神宮寺(34.455472, 134.821253)」へポイントを移すとより黄金比に近くなります。

新近畿の五芒星の真ん中を貫く神社仏閣ライン

 熊野本宮大社から真北のラインと、そのラインが行き当たる福井県小浜市の式内社・阿奈志神社(大己貴命)と末社・姫宮神社から南へ下るラインが近畿の五芒星の中心を貫きます。

奈良時代から平安時代に最も栄えた地域で、天狗さんの鞍馬山の由岐神社(大己貴命,少彦名命) 、式内社下鴨神社((賀茂建角身命)奈良殿神地天鳥舩)・式内社 出雲井於神社)、建仁寺新熊野神社(伊弉諾尊)、東福寺、式内社伏見稲荷大社(宇迦之御魂大神)、桓武天皇陵筒城宮跡、秋篠寺、橿原市内の式内社(冨都神社(冨都大神)、子部神社木葉神社(木花開耶姫)、天太玉命神社(天太玉命)、河俣神社(鴨八重事代主神))小子部蝶嬴神社(雷神)、ほうらんや火祭りの春日神社、式内社波比売神社(水波能賣命)等を通過します。

近畿の五芒星の真ん中の神社仏閣・洛中編

近畿の五芒星の真ん中の神社仏閣・奈良県編

いわゆるレイラインについて

1980年NHKで放送された仏像写真家の小川光三さんが著された「大和の原像―知られざる古代太陽の道」,大和書房,1980年,の北緯34度32分レイライン。レイライン(Ley line)の元は英国のAlfred Watkins氏(1855 – 1935)の著書The Old Straight Track(1925)のようです。

例えば「出雲大社、大山、元伊勢、竹生島、七面山、冨士山、寒川神社、玉前神社」というレイラインですが、緯度からみれば2つにわかれ、竹生島や七面山や富士山は入れないと思われます。

出雲大社-冨士御室浅間神社奥宮レイライン

式内社出雲大社(大国主大神)-式内社出雲路幸神社(猿田彦命 天鈿女命)-式内社能義神社(天穗日命)-元伊勢外宮豊受大神社(式内社比沼麻奈爲神社)-伊夫岐神社と出雲井-身延山-冨士御室浅間神社奥宮(旧本宮)のレイラインは「出雲」と名の付く箇所が3か所あります。

出雲大社レイライン

熊野大社-玉前神社レイライン

式内社熊野大社(素戔嗚尊)-大山-式内社寒川神社寒川大明神)-式内社玉前神社(玉依姫命)レイライン
熊野大社、寒川神社、玉前神社レイライン

富士山レイライン

富士山の剣ヶ峰は式内社南宮大社(金山彦命)、式内社前鳥神社(菟道稚郎子命)とほぼ同じ緯度のようです。
前鳥神社、富士山剣ヶ峰、南宮大社レイライン

熊野本宮大社-宗像大社レイライン

近畿の五芒星の新しいパージョンを作成したので、熊野本宮大社からのレイラインを探してみました。
式内社宗像大社市杵島姫神)が丁度該当しました。

伊勢神宮内宮-葛城山-鷲原八幡宮-対馬の和多都美神社レイライン

近畿の五芒星の伊勢神宮内宮からのレイラインも調べてみました。蛇穴の野口神社(神倭伊波礼毘古命)、葛城山、式内社伊弉諾神宮の別当・妙京寺、鷲原八幡宮-ミニミニ火山の笠山のふもと-対馬の和多都美神社(対州神社誌によると神功皇后・瀧津島姫命・湍津島姫命・市杵島姫命)のレイラインが形成可能です。

近畿の五芒星とトポロジー

これら延喜式神名帳に掲載された主に明神大の神社や仏閣で形成された五芒星。緯度が合っているだけに人為性は感じるのですが意図がわかりません。

五芒星といえば陰陽師安倍晴明、安倍晴明といえば天文博士。天体で五芒星といえば、その合で五芒星を描く金星を思い浮かべます。日本神話は星の神が少ないのですが、仏教の明星天子や記紀の星神香香背男や先代旧事本紀の天津赤星などが思い出されます。妙見信仰では北極星と明星(金星)が同一視されることもありますが、中央の平城京の帝を我々の視線(地球)とすると、その周辺を巡る金星の明けの明星や宵の明星がみられる動きのようでもあります。

Astronomy with MicroStation Orbit of Venus Dance of Planets

金星と地球と太陽のダンスの軌跡では、8つの星印が描かれます。道教では8が特別な数字で、日本神話も8という数字が重要ですが、金星と何か関係があるのでしょうか?マヤ歴では金星が基準となっているようです。
金星と地球と太陽のダンス、8つの星

金星と地球と太陽のダンスの軌跡では、3つの五芒星が描かれます。
金星と地球と太陽のダンス

昔々は太陽の周辺を回る金星と地球という考え方はたぶん日本ではなかったはずですが、もし太陽を中心と考えても五芒星は描けます「5会合周期と8年がほぼ等しいということは、金星と会合するのはたかだか5か所に限られるということを意味します。」国立天文台「金星日面経過」より引用

平城京-平安京を守るお祈りのようなものが、トポロジカルな配置に込められたのでしょうか??

レイラインとトポロジー

こちらも式内社で構成され、かつ、明神大の神社が多く、偶然にしてはとても出来過ぎなような気もしないでもありません。距離が長いので旧街道が関係した自然な物とも思えません。ただ、直線なだけに偶然の可能性も捨てきれず、まだなんとも言えませんが、その並び方になんらかの祭祀的意味合いが観てとれるのであれば、個々のケースでは意味があるものも在るかもしれないと感じました。レイラインはまだ作ったものがあるのですが、それはまた後日。



コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。