Life in Japan blog (旧 サッカー評 by ぷりりん)

日本に暮らす昭和生まれの猫ぷりりんの、そこはかとない時事放談と日記です。政治経済から科学、サッカー、手芸まで

イザヤ書14:12ヘレル・ベン・サハルはBC585年5月28日の三日月似の落ちる日蝕かも

2016年03月14日 02時08分38秒 | 神話・伝承・民話

イザヤ書14:12ヘレル・ベン・サハルはユリウス歴BC585年5月28日の三日月似の落ちる日蝕かも


新バビロニア最後の王ナボニドゥスが夢見たShahar=月の神Il-Teriは、白昼夢ではなかったかもしれません。



BC585年5月28日の日蝕(エルサレム)



輝かせる夜明けの息子(イザヤ書14章12節のルシファーは悪魔ではない


イザヤ書14:12の謎は諸説あるようです。


聖書各箇所での明けの明星(the morning star)の比較


できるだけ原典に近い言語で聖書各箇所の「明けの明星(イザヤ書はギリシャ語ἑωσφόρος)」記述を比較すると、元々は別の表現であることが解ります。



  • イザヤ書14:12のヘブライ語は「照らす夜明けの息子」

  • イザヤ書14:12のギリシャ語翻訳は (εωσφόρος)明けの明星の神

  • ペテロの第二の手紙1:19は (φωσφόρος)「輝かせるものがあなたの心に昇るまで」

  • ヨハネ黙示録2:28は (ἀστέρα)「朝の星(複数)」

  • ヨハネ黙示録22:16は(ἀστὴρ)「輝く朝の星(単数) 」

  • マタイによる福音書 2:2に出てくるベツレヘムの星は (ἀστέρα)、「西方の星(複数)」



イザヤ書14:12のヘブライ語 - 照らす夜明けの息子(ヘレル・ベン・サハル)

黎明の子、明けの明星よ、あなたは天から落ちてしまった。もろもろの国を倒した者よ、あなたは切られて地に倒れてしまった


אֵיךְ נָפַלְתָּ מִשָּׁמַיִם, הֵילֵל בֶּן-שָׁחַר; נִגְדַּעְתָּ לָאָרֶץ, חוֹלֵשׁ עַל-גּוֹיִם


אֵיךְ どうやって נָפַלְתָּ あなたは落ちた
מִשָּׁמַיִם 天から הֵילֵל 輝かす、照らす(へれる) בֶּן- 息子(ベン) שָׁחַר 夜明け、曙(シャはル) נִגְדַּעְתָּ あなたは切り落とされた לָאָרֶץ 地に חוֹלֵשׁ 討ち滅ぼした者よ עַל- ~を גּוֹיִם 諸民族を 117頁 イザヤ書Ⅰ ヘブライ語聖書対訳シリーズ20 ミルトス・ヘブライ文化研究所編 2002年


イザヤ書14:12のギリシャ語 - 明けの明星の神εωσφόρος

Codex Sinaiticusπωϲ εξεπεϲεν εκ του ουρανου ο εωϲ φοροϲ ο πρωϊ ανα τελλων ˙ ϲυνετρι βη ειϲ την γην · α ποϲτελλων ειϲ

Greek Texts: πως (O how) εξέπεσεν (fell) εκ (from out of) του (the) ουρανού (heaven) ο (the) εωσφόρος (morning star) ο (the one) πρωϊ (by morning) ανατέλλων (rising) συνετρίβης (was broken) εις (unto) την (the) γην (earth) ο (the one) αποστέλλων (sending) προς (to) πάντα (all) τα (the) έθνη (nations)

εωσφόρος :暁・夜明けの女神エーオースの息子・明けの明星の神のヘオースポロス(別名ポースポロス Φωσφόρος :輝かせる者(リン(鉱物)))




ペテロの第二の手紙1:19 - 輝かせるものφωσφόρος

こうして、わたしたちには、預言の言葉はいっそう確かなものとなっています。夜が明け、明けの明星があなたがたの心の中に昇るときまで、暗い所に輝くともし火として、どうかこの預言の言葉に留意していてください。


2 Peter 1:19 (King James Bible) We have also a more sure word of prophecy; whereunto ye do well that ye take heed, as unto a light that shineth in a dark place, until the day dawn, and the day star arise in your hearts:


2 Peter 1:19, Tischendorf 8th Editionκαί ἔχω βέβαιος ὁ προφητικός λόγος ὅς καλῶς ποιέω προσέχω ὡς λύχνος φαίνω ἐν αὐχμηρός τόπος ἕως ὅς ἡμέρα διαυγάζω καί φωσφόρος ἀνατέλλω ἐν ὁ καρδία ὑμεῖς


ヨハネ黙示録2:28 - 星(複数)ἀστέρα

同じように、わたしも父からその権威を受けたのである。勝利を得る者に、わたしも明けの明星を与える。

King James Bible: And I will give him the morning star.

Westcott and Hort 1881:ὡς κἀγὼ εἴληφα παρὰ τοῦ πατρός μου, καὶ δώσω αὐτῷ τὸν ἀστέρα τὸν πρωινόν. 複数の星?

Codex Sinaiticus:ται ωϲ καγω ειλη φα παρα του πατροϲ μου και δωϲω αυ τω τον αϲτερα το 複数の星?


ヨハネ黙示録 22:16 - 星(単数)ἀστὴρ

わたし、イエスは使いを遣わし、諸教会のために以上のことをあなたがたに証しした。わたしは、ダビデのひこばえ、その一族、輝く明けの明星である。

I Jesus have sent mine angel to testify unto you these things in the churches. I am the root and the offspring of David, and the bright and morning star.

Westcott and Hort 1881: Ἐγὼ Ἰησοῦς ἔπεμψα τὸν ἄγγελόν μου μαρτυρῆσαι ὑμῖν ταῦτα ἐπὶ ταῖς ἐκκλησίαις. ἐγώ εἰμι ἡ ῥίζα καὶ τὸ γένος Δαυείδ, ὁ ἀστὴρ (star) ὁ λαμπρός (bright) , ὁ πρωινός (morning).


ベツレヘムの星は複数形の星


「ユダヤ人の王としてお生まれになった方はどこにおられますか。わたしたちは東方でその方の星を見たので,その方を拝むために来たのです」。 マタイによる福音書 2

λέγοντες, ποῦ ἐστιν ὁ τεχθεὶς βασιλεὺς τῶν Ἰουδαίων; εἴδομεν γὰρ αὐτοῦ τὸν ἀστέρα ἐν τῇ ἀνατολῇ καὶ ἤλθομεν προσκυνῆσαι αὐτῷ.
Matthew 2:2

ベツレヘムの星は木星と土星のグレートコンジャンクションではないかと言われています。ギリシャ語で単数の星と2つの星を表す単語が異なるところから気がつかれたそうです。



In chapter six, Kritzinger presents the text of Matthew 2 with his commentary. He notes a first difficulty in the Greek text of Matt 2:2 associated with the phrase αὐτοῦ τὸν ἀστέρα (※τὸν ἀστέρα the star), because ἀστήρ means star and not group of two stars. According to him, this difficulty may be resolved by realizing that the meaning of the Greek words ἀστήρ (star) and ἀστρὸν (stellar constellation) partly overlap, as in the German stern und Gestirn. He then points to a strong argument in favor of interpreting the star as the conjunction of Jupiter and Saturn when in Matt 2:10 the magi express their joy at seeing the conjunction again (for the third time ), which confirms that it is indeed a Great or Triple Conjunction.
pp.146 Peter Barthel,George van Kooten, The Star of Bethlehem and the Magi: Interdisciplinary Perspectives from Experts on the Ancient Near East, the Greco-roman World, and Modern Astronomy



ヘレル・ベン・シャヘルのシャハルとは?


イザヤ書14:12の明けの明星はラテン語では輝くものと翻訳され、ウガリト神話でヘレル・ベン・シャヘルのShaharは夜明けと朝の神を、Shalimは黄昏と夕を意味するそうです。Shahar神が金星の神Athtarを伴うテキストもあることから、明けの明星をイメージされたのかもしれません。しかしアシュタルは自らが小さすぎることに気がついて玉座から降りているので、傲慢な国への怒りとはまた別な物語のようにも思えます。バアル神の死と再生はバアルの偽装死による死の神モートの厄災回避と「妹力」による再生の物語でもあります。


また、「輝かせる夜明けの息子」が明けの明星とすると、頻繁に観察されるそれでなぜ地に落ちる国を表現したのかがよくわかりません。また、昇り行き空に消える明けの明星が"地に落ちる"と表現されるのは不可思議でもあります。


A FAILED ASSAULT ON HEAVEN (ISA 14:12-15)
The prophet Isaiah uses mythological language in a proverb mocking the king of Babylon (Isa 14:4,22) His references to the morning star, the ascent into the heavens, the mount of assembly, and to the realm of the dead (or the pit) would all have been familiar to his readers from the myths of the ancient Near East.
The name "morning star," or "Lucifer" in other translations (Isa 14:12), is a Latin translation of the Hebrew word helel, meaning "shining one." The morning star refers to the Day Star, Venus, and the prophet further identifies this morning star as "son of the dawn" (14:12).


Similar language appears with the Ugaritic deities Shahar and Shalim. Shahar was the god of dawn or morning; Shalim the god of dusk or evening. In another Ugaritic text, Shahar (morning) appears together with Athtar, the star deity who is also identified with Venus. So the ancient myths possibly had made Isaliah's readers familiar with the morning star whose father was the god of morning.
Isaiah's taunt of the morning star for wanting to ascend into heaven (14:13) may reflect the Ugaritic myth of Athtar, the Venus star deity. Athtar attempts to ascend to the throne of Baal, but is not able and is forced to return to his own, lower position in the pantheon. Athtar was not storming heaven, only sitting on the vacated throne of Baal. He excuses himself from the position upon realizing that he is too small. Nevertheless, a morning star ascending to heaven was known in Canaanite myth.
In Isaiah's proverb, the morning star desires to sit on "the mount of assembly" located "on the utmost heights of Mount Zaphon" (14:13). Similarly, Canaanite myths spoke of the mountain home of Baal on Saphon, and also of a mount of assembly.
In Isaiah's proverb, the morning star fails to ascend to heaven and is brought down to the realm of the dead, the netherworld also called the pit (14:15). Similarly in ancient Near Eastern mythology gods could die and be sent to Mot's netherworld. The reason that Baal's throne was vacant in the Ugaritic myth was that Mot had vanquished Baal and taken him to the realm of the dead.
pp.875 NIV, Chronological Study Bible, Hardcover, Multicolor, Full Color, Thomas Nelson


"Shalem (presumably the divine power symbolized by Venus as the Evening Star) occurs as a deity (Šlm/Salim) in the texts from Ugarit … The brief Ugaritic mythological text KTU 1.23, known as 'The Gracious and Beautiful Gods', is the most important source concerning the god Shalem."p.755, Dictionary of Deities and Demons in the Bible: Second Extensively Revised Edition


ユリウス暦BC585年5月28日の日蝕またはユリウス暦BC579年11月26日のグレイト・コンジャンクション


新バビロニア最後の王ナボニドゥスは、ウガリトのShaharを月の神Il-Teriと夢見たそうです。それがユリウス暦BC585年5月28日の日蝕なら、太陽と月のランデブーなので三日月にそっくりの日蝕は白昼夢とはいえず、本当だったかもしれません。その前年紀元前586年、ユダ王国は滅亡し、バビロン捕囚がはじまります。歴史上極めて重要な稀な事態を詩作にて表現するのには、明けの明星の様な日々観察できて、かつ、上昇して消えゆくものではフィットしないように思えます。
もしかするとイザヤ書14:12「黎明の子、明けの明星よ、あなたは天から落ちてしまった。もろもろの国を倒した者よ、あなたは切られて地に倒れてしまった」の部分だけは、新バビロニアに滅びされた故国ユダ王国への哀悼だったのかもしれません。


BC585年5月28日の日蝕




The god Sahar (written II-teri) was the West Semitic form of the moon-god worshiped in northern Syria,
where theophoric names honoring him are common.
Nabonidus the Mad King: A Reconsideration of His Stelas from Harran and Babylon
, Paul-Alain Beaulieu


輝かせる夜明けの息子とは、天体が放つ光の総称のようなものではないでしょうか。


この日蝕でリディア王国とメディア王国のハリュス川の戦いは停戦しますが、この時仲介したのがナボニドゥスという記述もネット上ではみられました。だとすると、新興勢力であったスサのアケメネス朝の勃興を押さえられなかったので、新バビロニアを滅ぼした点では失敗だったとも言えます。しかしキュロス2世は残酷な支配者ではなかったとの記載もあります。「諸民族を討ち滅ぼした者」というイザヤ書の表現は、アッシリア~4王国分裂時代~アケメネス朝ペルシャの歴史の流れでは、それぞれの国に当てはまるようにも思います。


また、ユリウス暦BC579年11月26日は木星と土星のグレイト・コンジャンクションもみられます。これも重要な天体イベントだと思います。夜明けの女神エーオースの息子パエトーンは、木星と土星をあらわすと言われています。



中世の伝統にしたがえば、ユダヤ人の宗教は木星と土星の合に、イスラム教は♃☌♀(木星と金星の合)に、キリスト教は♃☌☿(木星と水星の合)に、反キリストは♃☌☾(木星と月の合)にそれぞれの起源を持っているという。♄(土星)とは逆に♃(木星)は善をほどこす星である。ペルシアの考え方によると木星は生を、土星は死を意味している。したがって♃-♄(木星と土星)という合は、両極端の合一を意味する。紀元前七年にこの有名な合が三回以上も双魚宮の中で起こった。いちばん大きな接近が生じたのは、紀元前七年五月二十九日のことで、しかも角相はわずか0.二一度であって、これはすなわち満月の半分の幅にも足りない。この合は接ぎ目のまん中、つまり双魚宮の線の湾曲の近くで起こった。
Carl Gustav Jung. (1951). Aion Psychologische Abhandlungen, Bd. , Rascher Verlag, Zürich. 94頁 C・G・ユング 野田倬(訳) 1990年 アイオーン 人文書院


木星と土星BC579年11月26日


イザヤ書には平和に過ごす民の暮らしの描写もあります。神に迫るような栄光よりも平和が一番ということかもしれません。


以上、David BowieのBlackstarにちなんで色々と調べてみました。王ナボニドゥスのShahar神が月の神Il-Teriなら、2016年1月7日は錬金術の黒い太陽、土星(ボウイ)と金星(アフロディーテであるイマンさんとレクシーさん)と月の神II-teriであるテリーさんのランデブーだったのかもしれません。京都もイスラエルもイスラムも愛したボウイさんの夜空です。



金星、土星、月

slip away



金星、土星





イザヤ書14:12の落ちる天体は本当に金星?(ヘレル・ベン・サハル)

2016年03月11日 17時28分45秒 | 神話・伝承・民話

イザヤ書14:12のへレル ベン シャハル(ヘレル・ベン・サハルまたはヘレル・ベン・シャヘル)は本当に金星?

ヘブライ語聖書イザヤ書14:12の「輝かせる夜明けの息子(へレル ベン シャハル)」は本当に明けの明星なのでしょうか。夜明けの女神エーオースEosとケパロスCephalus(人)の息子、シリア生まれの神パエトーン(木星または土星)という説もあります。どちらかだけが地上に沈む夜空であればありふれているのですが、もしかしたら2016年1月9日の金星と土星のように、当時の星空の中で木星と土星のランデブーがあったのでしょうか。

イザヤ書の時代の空

?ルシファーは悪魔??

初期キリスト教の教父達由来と思われるイザヤ書14:12の明けの明星ルシファーは悪魔でもある説は、更に少数派の意見ですが、黙示録22:16にてキリストが自らを明けの明星とよんでいることからキリストは悪魔だという説が立てられているようです。「 聖書と黙示録の明けの明星 」でも触れた様に同一視または誤解と思われるのですが、新バビロニアはユダヤの民にとって敵だったので、バビロニアの没落を表現するイザヤ書の輝かせる夜明けの子(明星と翻訳されたへレル ベン シャハル)へと悪を投影する心の動きは、人間の性質としては理解できます。

?ウガリト神話のバールも悪魔???

金星説の根拠の1つにウガリト神話 のアシュタルと関連させた説があります。

「15-39:エルはアシラに、バアルの代わりに王になれるものを選ぶように命じる。アシラは王としての才覚あるものを選ぼうと提案する。エルはアシラがアシュタルを意図しているのを知ってか知らずか、力の弱いもの、風采のあがらぬものはバアルには太刀打ちできないと言う。しかしアシラはアシュタルを指名する。アシュタルはバアルの王座に座るが、背丈が足りず、自分がバアルの代理としては不適格であると悟る。それでもエルは彼に大地の一部を治めさせる。」 41頁 新風舎 谷川政美 ウガリトの神話バアルの物語 1998年
「ここではウロボロスの両性具有的な前形態が、男性的な暁の明星アシュタルあるいはアッタルと、その女性的な形態である宵の明星、メソポタミアのイシュタルとの組み合わせとして登場する。」 Erich Neumann. (1971). Ursprungsgeschichte des bewusstseins. Walter-Verlag AG Olten. 131頁 エーリッヒ・ノイマン 林道義(訳) 1984年(1989第7刷) 意識の起源史(上) 紀伊國屋書店

ウガリト神話の至高の神エル(i-lu)は女神アシラへ、死の神モートの難から逃れる為に死を偽装したバアル(バアル ハッド(嵐の神))の代わりにアシュタルを王に推薦しますが、アシュタルは地に降ります。アシュタルは金星の神なのでイザヤ書14:12の「天から落ちてしまった」「輝かせる夜明けの息子((へレル ベン シャハル)」は同一視によってアシュタル-明けの明星であり、ウガリト神話は旧約聖書列王記18:20-40他にて聖書の神ヤーウェと対抗する神として書かれたので今も一部で悪い神、デーモンと同一視されているようです。

"バアル"または"バール"はウガリト文学の世界の神一般につけられる尊称でもあるため、今も一部で聖書に出てくる異教徒の神々がみんな悪魔と同一視されていく物語になってしまっているようです。(聖書に出てくるエルまたはイルもそうです。詳しくは前掲「ウガリトの神話バアルの物語」の予備知識を参照)

バアル(またはバール:バアル ハッド(嵐の神))も悪魔と同一視する説がネットにはあふれていますが、乱暴な面を持つものの死の神モートと対峙し、最後は王としての認知をモートからも受ける生命と再生の神というポジティブな性質も兼ね備えた神のようです。

死の神モートを招聘し彼からの敵意を受けたバールはその敵意を畏れ、身代わりをたてて死んだふりをして後に再生しふたたび死の神モートと対峙して自らを王と認めさせますが、その神話はとても興味深い死と再生の神話です。

国家成立の神話とは統治者の信仰が周辺諸民族の神を統合または制圧していく歴史であり、日本の神話において伊勢系の神々が日向から大和へ上陸してそれ以前に大和へ降臨していた神々や出雲系の神々を統べまたは追放していく過程と同じく、聖書の神ヤーウェは国を造っていく途上で他の神を統べていったのですが、その統治者側の神以外の統べられた側の神々を今も悪魔と同一視してその地への政治へ関係するというのは、やや偏狭で、行き過ぎると戦争や際限のない攻撃の肯定を呼び込むような世界観のように感じます。

明けの明星という翻訳で喩えられた「天から落ちてしまった」「もろもろの国を倒した者」「切られて地に倒れてしまった」新バビロニアは被征服者だった聖書を教典とする諸宗教側にとって悪なので、とことん滅ぼして良いのだと現代でもかの地を徹底的に攻撃して良い根拠とする意見まであると聴きますが、バビロン捕囚終了後のアケメネス朝ペルシャに滅亡させられた新バビロニアの跡地にはユダヤの民の子孫も何割かは残りその子孫は今も元新バビロニアの跡地で生きているはずなので、矛盾した恐ろしい考え方だと思います。

悪魔とみなしてみんなで相手を絶対悪と認識して徹底的に攻撃する現象は、とても恐ろしいです。

それではへレル ベン シャハルとはなんだったのか。次の記事で書きます。

紀元前579年11月26日エルサレムの木星と土星

紀元前585年5月28日エルサレムの日蝕


聖書と金星とルシファーと悪魔

2016年03月07日 23時34分51秒 | 神話・伝承・民話

David Bowie の Blackstar のシンボルは日本の家紋では「銀星★」であり、銀星とは今の西洋式の星の名前で呼ぶとふたご座Geminiの異父兄Castor、金星は異父弟のPolluxとなり、Brian Enoへの電子メールでの最後の署名が夜明け(Dawn)であったことや、この唄がイスイス国の事を唄っているという記事もあることから、旧約聖書イザヤ書14:12の地に落ちる"輝かせる夜明けの子"、ふたご座流星群の小惑星ファエトン(3200 Phaethon)とギリシャ神話の夜明けの女神エーオースの馬車の馬または息子パエトーンや、金星の神ポースポロスを先の記事にて連想しました。

聖書における明星とは何を指すのか

悪魔?ルシファー

聖書には登場しないルシファー-明けの明星と同一視される悪魔-の由来は、対象の悪魔視+間化による攻撃激化への興味から気になっていました。

聖書と黙示録の明けの明星

イザヤ書14:12

日本語:

黎明の子、明けの明星よ、あなたは天から落ちてしまった。もろもろの国を倒した者よ、あなたは切られて地に倒れてしまった

ヘブライ語
אֵיךְ נָפַלְתָּ מִשָּׁמַיִם, הֵילֵל בֶּן-שָׁחַר; נִגְדַּעְתָּ לָאָרֶץ, חוֹלֵשׁ עַל-גּוֹיִם
אֵיךְ どうやって נָפַלְתָּ あなたは落ちた מִשָּׁמַיִם 天から הֵילֵל 輝かす、照らす(へれる) בֶּן- 息子(ベン) שָׁחַר 夜明け、曙(シャはル) נִגְדַּעְתָּ あなたは切り落とされた לָאָרֶץ 地に חוֹלֵשׁ 討ち滅ぼした者よ עַל- ~を גּוֹיִם 諸民族を 117頁 イザヤ書Ⅰ ヘブライ語聖書対訳シリーズ20 ミルトス・ヘブライ文化研究所編 2002年

ヘブライ語ではHelel ben Shahar「輝かせる夜明けの息子」と記載されているようです。この本では、明けの明星の詩的表現と説明されていました。パエトーンとみなす説もあるようです。

ギリシャ語
シナイ文書
πωϲ εξεπεϲεν εκ του ουρανου ο εωϲ φοροϲ ο πρωϊ ανα τελλων ˙ ϲυνετρι βη ειϲ την γην · α ποϲτελλων ειϲ
オンラインのギリシャ語聖書
πως O how εξέπεσεν fell εκ from out of του the ουρανού heaven ο the εωσφόρος morning star ο the one πρωϊ by morning ανατέλλων rising συνετρίβης was broken εις unto την the γην earth ο the one αποστέλλων sending προς to πάντα all τα the έθνη nations

ギリシャ語翻訳の時点で「輝かせる夜明けの息子」という詩的な表現から、εωσφόρος暁・夜明けの女神エーオースの息子明けの明星の神ヘオースポロス(別名ポースポロス Φωσφόρος 輝かせる者(Φωσφόροςは鉱物のリンも意味する))へ定義されたようです。参考ブログ:「西洋の惑星の名まえ

ラテン語
quomodo cecidisti de caelo lucifer qui mane oriebaris corruisti in terram qui vulnerabas gentes

ヘブライ語→ギリシャ語→ラテン語で「lucifer」という表記になります。luciferは光をもたらすlumineux, qui apporte la lumièreや、金星l'étoile du matin ou de Vénus.という意味プラス、悪魔ルシファーという意味があります。
ヘブライ語→ギリシャ語→ラテン語へと翻訳されて悪魔の意味合いが出たようで、本来は悪魔ではなさそうです。

黙示録22:16

The Sun (Etteilla Tarot)
わたしイエスは、使をつかわして、諸教会のために、これらのことをあなたがたにあかしした。わたしは、ダビデの若枝また子孫であり、輝く明けの明星である」。
ギリシャ語
シナイ文書
φιλων ψευδοϲ ε γω ιϲ επεμψα το αγγελον μου μαρ τυρηϲαι ϋμιν ταυ τα επι ταιϲ εκκλη ϲιαιϲ εγω ειμι η ριζα και το γενοϲ δαδ ο αϲτηρ ο λαμ προϲ ο πρωϊνοϲ
オンラインギリシャ語聖書
Ἐγὼ Ἰησοῦς ἔπεμψα τὸν ἄγγελόν μου μαρτυρῆσαι ὑμῖν ταῦτα ἐπὶ ταῖς ἐκκλησίαις· ἐγώ εἰμι ἡ ῥίζα καὶ τὸ γένος τοῦ Δαβίδ David, ὁ the ἀστὴρ starthe λαμπρὸς bright καὶ ὀρθρινός relation to the dawn, morning

イザヤ書14:12のヘブライ語の"輝かせる夜明けの息子(へレル ベン シャハル)"と上記の黙示録22:16"the star bright dawn morning"は、同じく明けの明星をさすのか、比喩表現または象徴的にもに全く別のことなのかは明瞭ではありませんでした。

ユングの元型論

ニューソート系の方々が様々な神話を同一視したり、悪魔化するのは深層心理学者ユングの学説が原因ではという意見がありますが、それは大きな誤解と思われます。
確かに下記の部分のみを引用すれば、全て対立物は同じシンボルで同一視できるかのように思えますがそうではありません。

「すなわち、原始教会にまでさかのぼる教父神学的聖書解釈においては、キリストは一連のシンボルないしは「寓喩(アレゴリアエ)」を悪魔と共有しており、たとえばそれは獅子、蛇(serpens、毒蛇coluber)、鳥(悪魔のことを「夜の鳥nocturna avis」ともいう)、鳥(キリストを表わすnycticorax[梟]はNachtrabe[夜の鳥]の意)、鷲、魚といったものである。さらにまたルシフェルつまり明けの明星(ステラ・マトウテイナ)はキリストと悪魔のいずれをも指すのである。」91頁 C・G・ユング アイオーン 人文書院 1990年

対立物を同じシンボルで表象できる=対立物は同じ、ではありません。対立物の相対するを補償し、全体性を象徴する作用をシンボルは持っている、とも言えるかもしれません。その時々の教義において魚や金星でシンボライズできるからキリストと悪魔は同じであるわけではありません。もし同じなら、「キリスト」と「悪魔」の定義は同じでよく、別々に呼ぶ意味はありません。正反対に対立するものの全体性を補償するのが象徴の性質です。シンボルが対立物を象徴するのは、深層心理学的または神話学的に意味があることであって、信仰の次元のお話ではありません。

「キリストと自己(ゼルプスト)が類似していることを私が認めたのは、心理学上の問題でしかない。キリストと魚の類似関係を認めるが、神話学の問題以上の何ものをも意味しないのとそれは同じである。それは決して形而上学、すなわち信仰に介入することではない。」86頁 C・G・ユング アイオーン 人文書院 1990年

Blackstarの歌詞を和訳しました David Bowie

2016年03月07日 01時44分37秒 | デビッド・ボウイ

Blackstar (David Bowie)

Ormen (蛇(瑞典語))の邸宅内で
Ormen(蛇)の邸宅内で
ともしびが孤立して立っている
ああ、 ああ
その全ての核に
その全ての核に
君の両眼が

執行の日に
執行の日に
女性達はただひざまずき微笑む
ああ、
ああ
その全ての中央に
その全ての中央に
君の両眼が
君の両眼が
ああ、
ああ

彼が鬼籍に入った日、何かが起こった
精神は韻律一歩格を創出し雲隠れした
誰か他の者が彼の後任となり、勇敢にも泣き叫ぶ
(私はブラックスター、私はブラックスター)

天使は何回落ちるだろう
どれくらい針小棒大を超え虚偽を述べる人がいるだろう
彼は神聖なる地へ足を踏みいれ群衆に向かい大声で泣き叫んだ
(私はブラックスター、私はブラックスター、愚連隊のスターじゃない)

私はなぜかは答えない(私はブラックスター)
とにかく私と行こう(私は映画スターじゃない)
君をホームへ連れて行く(私はブラックスター)
パスポートと靴を手にとって(私はポップスターじゃない)
そして君の鎮静剤も、賛成しないけど(私はブラックスター)
君は火皿の中の瞬発火花(私はマーベル・コミックのスターじゃない)
我偉大なりしそれ我なり(私はブラックスター)

私はブラックスター、財貨での勝利をつかみ
正しさを思惑す まさに闊達自在に
ゆえに慈愛をもって苦に心開く
鷲たちを夢想の中に望む 我が両眼の中の金剛石 (私はブラックスター、私はブラックスター)

彼が鬼籍に入った日、何かが起こった
精神は韻律一歩格を創出し雲隠れした
誰か他の者が彼の後任となり、勇敢にも泣き叫ぶ(私はブラックスター、私はブラックスター)

私はなぜかは答えない(私はブラックスター)
でも私は君に言える、どんな状態で(私は爆弾スターじゃない)
我々は逆さまに生まれたのか(私はスターのスター)
逆方向に巡り生まれたのだ(私はホワイトスターじゃない)(私はブラックスター、愚連隊のスターじゃない私はブラックスター、私はブラックスター私はポルノスターではない、放浪のスターじゃない私はブラックスター、私はブラックスター)

Ormen(蛇(瑞典語))の邸宅内で
孤立したともしびが立っている、
ああ、ああ
その全ての中央に、
君の両眼が
執行の日に、女性達はただひざまずき微笑む
ああ、ああ
その全ての中央に、君の両眼が、
君の両眼が
ああ、ああ

日蝕-黒い太陽

聖書の時代の中東の日蝕といえば、バビロン捕囚時代(前597年~前538年)のハリュス川(クズルウルマク川)の戦い紀元前585年5月28日の日蝕戦争の停戦を連想します。哲学者タレスが予想していたそうですが、その情報は誰が計算したのでしょうか。

「黒い太陽」という概念がヨーロッパ文化の中でどのような意味を持っているか。

死兆星と兄弟星

アルバム発売当初、デビッド・ボウイと同じ日に生まれたエルビス・プレスリーのブラック・スターではと話題になりました。映画の中に出てくるのですが死兆星のことです。


日本他の国で死兆星は北斗七星のアルコルで、日本ではミザールとアルコルの二重連星が重なってみえると死期が近いとされ、生命と運命を司る星とされていたようです。北辰(北極星)信仰と共に北斗七星信仰は日本各地でみられます。

日本の家紋の銀星の形状はブラックスターです。その銀星と金星は和名ふたつぼし。西洋のふたご座の兄弟星-和名:銀星は異父兄Castor、和名:金星は異父弟Pollux。Jump They Sayという曲でも描かれた1985年に亡くなられた元英国空軍勤務の義父兄の方のことではないかと思われるのがBlackstarという曲でした。 そのふたご座の方向から拡がるふたご座流星群の本体3200 Phaethonは最大級の小惑星ですが、2093年12月14日地球の近くを通過します。引力で軌道が変化しなければ地球へぶつかることはないそうですが大きいので注目されています。 ふたご座のポルックスの傍には、60年代~80年代のボウイのような激変星ふたご座U星もあります。

北斗七星のアルコルとミザールもまた双星と呼ばれ、道教神話では北斗七星によりそうアルコル(輔星)と弼星の方が位が高い星であり、洞明星輔星または帝星高上皇神八景虚元君、隠元星または尊星太微玉帝君太素七島元君と呼ばれています。弼星は見えない星で天文学ではどの星が該当するのかわかっていないそうですが、変光星ではないかと言われています。

天体パンデミック

準備が必要という意見があります。今のところは地球にぶつかるおそれがある小惑星はゼロだそうです。 Brian May warns of catastrophic threat to Earth from asteroids | Features

夜明け(dawn)とパエトーン

夜明け(Dawn)はボウイがブライアン・イーノへの最後の電子メールへ記した著名です。

どうやってあなたは天から落ちたのか、照らしだす夜明けの子よ   諸民族を討ち滅ぼしたる者よ、   あなたは地に切り倒された。(イザヤ書14章12節)

イザヤ14章12説の照らしだす夜明けの子は詩的な明けの明星の表現という説が主流ですが古ヘブライ語の表現で暁、夜明けの女神エーオスの息子パエトーンという説があります。彼女の馬車を牽く馬もパエトーンです。ギリシャ神話では明けの明星の神は夜明けの女神エーオスと星空の神アストライオスの息子、ヘオースポロス、別名"光をもたらす者"ポースポロスです。ローマ神話では金星の神はルシファー。この同一視によって後世キリスト教の教父達によって聖書には掲載されていない悪魔ルシファーとみなされていきます。

ギリシャ語聖書ではεωσφόρος-夜明けの女神エーオースἨώςの息子ヘオースポロスεωσφόρος(夜明けをもたらす者・明星)(別名ポースポロスΦωσφόρος(光をもたらす者・リン(鉱物))と翻訳されています。宵の明星の神へスペロスἛσπερος,とは兄弟です。詳しくは「聖書と金星とルシファーと悪魔」にて

イザヤ書14章12節(アラム語)→ヘブライ語→ギリシャ語へ翻訳される課程でεωσφόρος明けの明星ヘオースポロスと翻訳されましたが、もし詩的にボウイ氏の物語へよりぴったりとくる物語を選択するのであれば、「照らしだす夜明けの子」は、美の女神アフロディーテの聖なるダイモーン(Daimon Dios 神霊)となった、夜明けの女神エーオースEosとケパロスCephalus(人)の息子、シリア生まれの神、パエトーン Phaethon (木星・土星の神)の物語の方がしっくり来るかもしれません。2016年1月10日の前日の1月9日の夜明け、土星と金星はほぼ重なりました。ボウイ氏の妻イマンさんは美の女神といえるでしょう。アフロディーテは金星の神でもあります。

84 ティトーノスにエーオースは青銅で武装したメムノンと、85アイティオプス人たちの王エーマティオン王を産んだ。86またケパロスに輝かしい息子、87神々に似た男、力強いパエトーンを産んだ、88栄ある青年時代の柔らかい花を持った若者である89優しい心をした少年の彼を笑いを愛するアフロディーテーは90連れ去るべく向かった、そして彼を神殿の中の91奥なる守り手にした、聖なるダイモーンとして。ヘシオドス「神統記」986

Blackstarは土星(黒い太陽)?

また、パエトーン(父・ケパロス(人))と明けの明星ヘオースポロス(父・アストライオス)はふたご座のCastorとPolluxと同じく夜明けの女神エーオースを母とした異父兄弟なので、2016年1月9日の土星と金星のランデブーは、ボウイ氏と異父兄テリー氏の面影を連想させられます。

ヘブライ語からギリシャ語に翻訳される以前のイザヤ書に戻れるのならば、この唄の物語からいえば、土星のパエトーンがフィットするように思えます。黒い星とは?なぜ日食が?とも思うのですが、ボウイ氏も読んでいたユングの著書から西洋の科学の前身、錬金術と占星術の世界にその痕跡がうかがえるかもしれません。

「占星術では「太陽の星である土星は、錬金術にあっては黒色を意味し、かつ「黒い太陽 sol niger 」と名づけられさえしていて、秘密物質 Arcansubstanz として二重性質を持っている。すなわち、外側は鉛のように黒く、内側は白いのである。」 Carl Gustav Jung. (1951). Aion Psychologische Abbandlungen,Bd. Rascher Verlag Zürich. 157頁 C・G・ユング 野田倬(訳) 1990年 アイオーン 人文書院
「グノーシスにおいては…ソフィアは鳩の姿をして水の中にもぐって、ヤハヴェと同一であるサトゥルヌスを産む。サトゥルヌスは、すでに見てきたように、「もう一つの太陽」であり、錬金術でいう「黒い太陽 sol niger 」である。」」 Carl Gustav Jung. (1951). Aion Psychologische Abbandlungen,Bd. Rascher Verlag Zürich. 223頁 C・G・ユング 野田倬(訳) 1990年 アイオーン 人文書院 

奇妙な終末論

楽しい陰謀論

天文イベント

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ジギー・スターダスト火星へ帰還

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2016年3月9日

髑髏の儀式?

プロモーションビデオでは髑髏をかかげて怪しげな儀式をする女性集団が出て来ましたが、日本の密教では邪教として廃止された髑髏本尊信仰があったようです。チベットのタントラと同じく歓喜仏を拝むようですが、チベットの仏は高度な精神性の到達点としての対立物の合一の象徴性とシンボル。ボウイはチベット仏教徒だった時代もあるので(最後までそうであったのかもしれませんが)、美術的には同じ仏でも、精神性によってまったく逆な意味合いになるものとして描かれているものの象徴として描かれているのかもしれません。

チベット密教のタントラは彼も否定的な関心を持っていたことがあるという 魔術師クローリーも儀式へ取り入れたそうですが、西洋社会内部でも異端視されているのではないでしょうか。ロック文化の文脈ではよく語られるクローリーは悪魔主義と低評価するむきもありますが、必ずしもそうではないとの評価もまた多い人物です。 先日NHK「 幻解!超常ファイル「予言者ノストラダムスの謎(2)不安と恐怖の400年」」では、ノストラダムスの預言の言葉を利用するナチス・ドイツに対抗してクローリーが英国政府の要請を受けていたと放映されました。( カール・エルンスト・クラフトの悲劇)。

★は日本の家紋の銀星ですが、銀の星はクローリーの秘密結社A∴A∴の別名で、A∴A∴も★も共に検索しにくい文字記号で、魔術師にはぴったりなようです。海外のサイトではこのBlackstarをクロウリーに関係したものと噂するものもありますが、I SEE RIGHT, SO WIDE, SO OPEN-HEARTED PAINとデビッド・ボウイはクロウリーと正反対で道徳・倫理を前提にした歌詞を刻んでいるので、それらはゴシップと述べてよいと思います。精神世界の追求をした両者ですが、ボウイ氏の考えは追随ではなくオリジナルなものだと思われます。追記:デビッド・ボウイはタロットカードのウエイト版で有名なウエイトのフォロワーだそうです。

Q: “So were you involved in actual devil worship?”A: “Not devil worship, no, it was pure straightforward, old-fashioned magic.”Q: “The Aleister Crowley variety?”A: “No, I always thought Crowley was a charlatan. But there was a guy called [Arthur] Edward Waite who was terribly important to me at the time. And another called Dion Fortune who wrote a book called ‘Psychic Self-Defense‘. You had to run around the room getting bits of string and old crayons and draw funny things on the wall, and I took it all most seriously, ha ha ha ! I drew gateways into different dimensions, and I’m quite sure that, for myself, I really walked into other worlds. I drew things on walls and just walked through them, and saw what was on the other side!”David Bowie, interviewed in NME, 1997

 

チベット他でも頭蓋は象徴的な意味で宗教的に重要なものとして出て来ます。日本の数珠も髑髏です(髑髏彫り)。 歳星(木星)の鏡星、太歳星の神様、道教の太歳星君は髑髏を首から提げた姿で描かれています。ギリシャ神話のパエトーンは木星や土星をさしたという説もあるそうです。