ユーニッヒ

仕事の話もたまには書くかもしれません。

あれ、ここって

2022-12-03 12:07:47 | 日記
 最近は刑事事件はあまりしませんが、登録して数年は多くの刑事事件を担当しました。
刑事事件を担当すると、警察署や拘置所に接見に行きます。警察署は神奈川県内にいくつも
ありますが、大和警察署に行くことが多い気がします。

 大和警察署へは、相鉄の大和駅で降り、駅前の広場を横切って向かいます。帰りは、その
広場を横切って大和駅に行きます。そのようなことを、何年もの間、何回と繰り返していたの
ですが、2年前であったか、急にあることに気付きました。「この広場のここに昔立っていた
ことがある」。

 私が大学受験生であったころ、相鉄の鶴ヶ峰駅からしばらく歩いたところにある高校で、
共通一次の受験をしました。鶴ヶ峰駅は、大和駅から5つ横浜駅寄りの駅です。共通一次は
2日連続の試験で、2日目は16時に終わったと記憶しています。会場を出て、鶴ヶ峰駅に行き、
そこで海老名方面の電車に乗りました。私は、終点海老名駅に行こうとしていましたが、乗った
電車は大和止まりでした。

 大和で下ろされ、海老名寄りのホームに立ちました。当時の大和駅は、今の地下駅と違って、地上に
ありました。冬の日暮れは早く、ホームから見る空は夜の闇でした。冷たい風が吹いました。寒さに
耐えつつ、早く海老名行は来ないかと待っていました。相鉄と小田急江ノ島線は、大和駅で交差して
います。小田急江ノ島線は、高架を走っていました。相鉄大和駅のホームからは、高架を走っていく
小田急の電車が見えました。あっちに乗った方が早く帰れるのでは、とも思ったような気もします。
小田急線にも海老名駅があります。

 相鉄大和駅は何年か後地下化されました。駅前広場は、地上駅ホームと線路がかつてあった場所でした。
今も高架を走る小田急江ノ島線を見て、あのとき見た小田急江ノ島線と結びつき、広場の由来に気が
付きました。何度も横切っていた場所の地上より少し高いところに若い時の私が立っていました。

 あのときの自分は、胸にバッジをつけて警察署に行く姿など想像もしていませんでした。しかし、
それよりも意外、否最早荒唐無稽と言っていいのは、自分が今立っているホームの底地や、目の前に
見える線路の敷地を横切って歩いていることです。想像の域や能力を超えた現実が訪れるものです。

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