ユーニッヒ

仕事の話もたまには書くかもしれません。

広東語の映画

2020-11-29 15:24:56 | 日記
 中国映画の「The Crossing」を観てきました。主人公の佩佩は、大陸の深圳に住み、香港の学校に通う16歳です。佩佩は、香港から深圳にiPhoneを密輸する仕事をしています。映画では、友人、家族、密輸組織の構成員と触れ合う佩佩の生活が描かれます。

 この映画の予告を1か月くらい前に映画館で見ました。是非観たいと思いました。ドラマが面白そうだと言うことも理由ですが、「是非」となったのは、台詞が広東語であったからです。

 香港映画が好きで、昔はよく見ていました。見ていた香港映画の台詞は、中国語でしたが、中国語の中でも香港などで使われる広東語でした。誰かが広東語をお祭りのような言葉と言っていましたが、北京語に比べると、賑やかで明るい印象を受けます。広東語を聴くことも、香港映画を観る楽しみの一つでした。

 あるときから香港映画を観ることがなくなり、長い時間がたちました。香港が中国に返還されて以降、香港では映画が余り作られなくなったそうです。「The Crossing」は、見る機会の少ない広東語の映画でした。ドラマも楽しみつつ、広東語にも満足しました。

 映画の中に、佩佩が深圳に戻ったとき、知っている小学生くらいの男の子が佩佩に話しかけるシーンがあります。男の子は北京語で佩佩に話しかけ、一緒にいた母親が、広東語で話すよう促します。男の子は、ここは香港じゃないからと言って、それを拒みます。男の子にとっては、広東語も話せるけれど、北京語の方がしっくりくるようでした。中国の事情は全く知りませんが、広東語を話す地域でも、広東語が非主流化に向かっているのでしょうか。広東語の映画がますます見られなくなりはしないかと気になりました。

相模川流域のみほとけ展

2020-11-15 17:43:54 | 日記
 神奈川県立博物館で開催中の「相模川流域のみほとけ」展に行きました。相模川沿いにある寺社に安置されている仏像が展示されていました。

 仏教というと、奈良、京都を思い浮かべるところです。しかし、仏像の展覧会に行くと、地方の仏像が何点か展示されていることがあります。そのような仏像は、奈良や京都の仏像と遜色はありません。地方にも、美しい仏像があり、今回はそのような地方の仏像が見られると言うことで心惹かれました。

 展示されていた仏像は、平安から南北朝ころまでの仏像でした。期待通り、まとめて地方の仏像が見られました。また、どれも素晴らしい仏像で、心休まりました。

 ところで、仏像が都から伝来したものなのか、作製技術の形で伝来して当地で作ったのかはわかりませんが、相模川流域に仏像が集まっていると言うことは、人が往来し、物や情報が相模川流域に集積したことを意味します。人が往来し、物や情報が集まるのは、都会の特徴ですが、そこが往時は相模川流域だったことになります。

 神奈川県は相模の国と武蔵の国からできていますが、大半は相模の国です。相模の国の国衙、つまり県庁は平塚市にあったということです。また、聖武天皇が建立した国分寺は海老名市にありました。平塚市と言い海老名市と言い相模川の流域です。本展覧会では、相模川を利用して、鎌倉の僧侶が移動したことが紹介されていました。

 現在の都心部は横浜とその周辺であり、そこから遠く離れた相模川流域は郊外と言うことになります。相模川流域の仏像の展示という企画を知ったとき、なぜ郊外に仏像が集まるのかと不思議に思いました。しかし、それは現在の視点で見るからそう思うだけです。今回の展覧会は、仏像を楽しめるだけではなく、異なった視点も与えてくれました。