ユーニッヒ

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間違った思い出

2018-10-08 10:52:14 | 日記
 秋になると、キリンの秋味が売り出されます。紅葉をデザインした缶が見事な紅葉を思い出させます。濃い目の味が涼しい季節に合います。

 キリン秋味を見ると、頭の中に、個人でやっているような小さな酒屋を思い浮かべます。常磐線の駅の近くにあった酒屋です。これまでどこで見た酒屋か考えなかったのですが、今年考えてみたら、常磐線の大甕(おおみか)駅の前にあった酒屋でした。
そのときは、常磐線で水戸に行き、そこからは水郡線の支線に乗って、常陸太田に行きました。常陸太田は、水戸黄門が住んだ西山荘があるのですが、どうも行かなかったようです。駅前をぶらつき、常陸太田から日立電鉄に乗りました。大甕駅で降りて、特急が来るのを待つ間、駅前を歩きました。

 まだ20代でした。司法試験の不合格を知って、すぐくらいに行った、小旅行です。1、2回で受かる試験ではないので、落ちてもあまり気落ちはしていなかったようです。鉄道に乗るのが好きで、水郡線や日立電鉄の乗車を楽しんできました。
よくよく考えるとそのような背景を持った酒屋の思い出でした。秋味を見ては、その酒屋を思い出し、潜在化した楽しい思い出が滲んでいたことになります。

 きっと、その酒屋でキリン秋味を見たのであろうと、以前から思っていました。今回キリン秋味の発売年を調べたら、1991年でした。しかし、私が小旅行に行ったのは1990年です。どこかで、秋味と酒屋が間違って結び付けられて、思い出が作られてしまったことになります。

 飲むたびに酒屋を思い出すのは間違った印象なのですが、間違った思い出が染みついています。秋の日のある日、ひんやりとした涼しい大気を感じつつ、夕方で薄暗くなった街の中で見た酒屋を思い浮かべてしまいます。