プロ野球の世界では、毎年のように首位打者争いをするような選手が「良いバッター」ということになるんだろうけど、チームとして考えたとき、そのような選手が離脱することになったときの影響は計り知れないものがある。
もちろん、1つのポジションに複数の選手が在籍しているわけだし、中には虎視眈々と誰かが離脱するのを待ち望んでいる選手もいるだろうし、同じ「プロ野球」という集団のもと、トレードを介して別の球団から、足りなくなったピースを補完することもできので、仮に重要な選手の離脱があったとしても、何とかなってしまう部分もある...のかと想う。
翻って、企業活動...特に中小規模の会社での活動ではどうなんだろう。
あちこちに顔を出し、さまざまな仕事に首を突っ込んで、会社の中での影響力が高まったなかで離脱する...。プロ野球のように、1つのセクションに複数の人材を置くことが困難な会社や部署であればあるほど、個人の離脱がチーム(会社)全体の停滞につながっていってしまう...のではないだろうか。
往年の名選手のように、好成績を長く務められる選手は、プロ野球の中でも多いという訳でもない(そうじゃないと新人が出てくることはないからね)。まして、一般的な企業においては、一部上場の大企業でもない限り、天才的・カリスマ的で、高い実行力を長く維持できるスタッフを、そんなに多く抱えているわけではないし、案外「背伸び」しながら、自身のスキルを高めている部分も多いんじゃないかと想う。
だとすると、2割8分の打率を、離脱することなくコンスタントに発揮できるようなスタッフって、もっとクローズアップされてもいいのではないかと...。
生涯打率2割8分は、際立った数字とは言えないかもしれないけど、プロ野球の生涯成績として、立派な成績と評価される部分もある。企業人に置き換えたとき、自身が「2割8分の位置にいる」と感じたならば、いかにして、その打率をコンスタントに維持するかを意識して、その中で長く業務に関わっていくことを意識しなくてはいけないと想うし、その背後では、自身が離脱したときに、チーム(会社)として、どうリカバリーしていくのか...その背景づくりを意識していく必要もあるんじゃないのかなぁ...と想う。
自身の評価を高めるために、チーム(会社)内での影響力を高めていくことは決して悪いことではないし、その集合体が会社としてのpowerにつながっていくのだと想うけど、その一面的な捉え方だけではなく、別な側面...その個人の力が何らかの形で機能しなくなった場合についても、可能な限りその状況をイメージし、その対処法の実現に向けた意識を高めていくことも、高次元で業務に携わるものとしての「責任」なんじゃないかなぁ...って想う。
その「責任」が伴わない中で、自身の高みのみを目指そうとするならば、それは単なる「背伸び」でしかないのだと想う(背伸びは結局背伸びでしかない。力を抜いた時点でもとに戻ってしまう...。)