platea/プラテア

『ゲキxシネ五右衛門ロック』『The Musical AIDA』など、ミュージカルの話題作に出演の青山航士さんについて。

ドアと窓と鉄のフレーム

2007-02-05 | TOMMY
 青山航士さんのブログで予告されていた『TOMMY』公式ブログがイープラスで始まりました。これから毎日楽しみですね。トップバッターはもちろんいのうえさん、右近さん、ROLLYさんのお三方ですが、出演者だけでなく、スタッフの方のお話なんかも是非聞かせていただきたいものです。

 BW版"Tommy"の舞台美術はジョン・アーノン。93年トニー賞舞台デザイン賞を受賞した後、03年にはアメリカン・バレエ・シアターの"Artemis"も手掛けています。"Tommy"を手掛けた際は、音楽が途絶えることのない作品なので、キャストがずっと動いていることを念頭に入れ、空間を出来る限り大きくキープしながら、観客にはその「場」が理解されるようにデザインしたそうです。成る程そんな方ならバレエの舞台もお願いしたいですね

 彼は"Tommy"を、親子の関係とその分離、そしていかにして「個人」となるかの物語と捉え、多くの部分が家庭の中で展開することと合わせて、「ドア」と「窓」を特徴とするセットを作ったそうです。彼いわく、「どちらも人を家の内側に、安全に囲むものではあるけれど、その向こう側には違うものがある、そして外側にあるものだけでなく、自分自身の中にあるものももっと発見しようとする欲望を目覚めさせる。その気持ちが、最終的にはドアを開けて自分を外に出て行かせる鍵となる」
 そして、一貫して舞台に設置される鉄フレームの柱は、観客のイマジネーションをかきたてるために考えられたそうです。観客がそれまでに体験した、それぞれの心象とつながる「感覚的な記憶」となりうるものを提示したかった、ということです。BW版の舞台写真を見ると、確かにどのシーンでも舞台に立てられて、視覚的な特徴として脳に刷り込まれそうです。『2001年宇宙の旅』のモノリス、ロックがらみで言うとレッド・ツェッペリンの『プレゼンス』の黒いオブジェみたいな感じでしょうか。
 彼の言葉で印象的なのは、「(演出の)デスも私も観客のインテリジェンスを信じている・・・その感覚を彼らが経験するようにデザインしたんだ。」正直言ってミュージカルの舞台を見ていると、「わかりやすさ」があまりにも強調されていて、くどい感じがすることがあります。こんな風にドカン、とスタッフからの謎かけみたいな装置が置いてある舞台って、わけのわかんなさが楽しそう~青山ファン的にはベルトコンベアーなんかも嬉しいです。 


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