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『ゲキxシネ五右衛門ロック』『The Musical AIDA』など、ミュージカルの話題作に出演の青山航士さんについて。

『TOMMY』の舞台裏

2007-02-22 | TOMMY
 青山航士さん、昨日のオフも体調管理とボイストレーニングに費やされたとのこと。大変だな、と思うと同時に、舞台がそんな毎日の積み上げだと知ると、見る側にも気合が入りますよね。

 さて、映画版"Tommy"母親役のアン・マーグレットは、艶やかな容姿を今も保って、2006年にもラス・ベガスをはじめとしてツアーを行っています。映画"Viva Las Vegas"では共演のエルビス・プレスリーが彼女に夢中になったといわれていますが、"Tommy"の撮影現場でも彼女は大人気で、特にキース・ムーンは自分のダイヤの指輪までプレゼントしたそうです。女性の目から見ても本当に素敵ですもんねえ。
 でも彼女の魅力は容姿だけでなく、そのプロ精神にもあったようです。"Tommy"出演のオファーが来るまではThe Whoの曲を聴いたこともなかったそうですが、クランクインには自分が歌うことになる11曲を完全にマスターした状態で臨みました。完璧を期すためにアメリカの自宅からポケットマネーでロンドンに行くこともあったそうです。顔合わせの時には、作品に関する質問をまとめた分厚いノートを持って、ピート・タウンゼントと納得のいくまで話したとも。
 またシャンパンのボトルをテレビに投げつけるシーンでは、27針も縫う怪我をするというアクシデントにあったのですが、翌日には現場に戻り、怪我したほうの手をテーブルの下に隠して撮影を続けたといいます。
 容姿も実力も「女のど根性」も兼ね備え、どんな人でも思わず見とれてしまうような華のある女優さんですが、私生活では、ご主人の俳優ロジャー・スミスが難病の重症筋無力症を患い、その看病のために活動を2年ほど停止していたこともあるそうです。そんな人間性が覗くところも長い人気の一因でしょうか。

 2時間、あるいは3時間といった作品に、出演者、スタッフのどれだけの時間や労力が向けられているのか、さらには一人一人の作品への想いもこめられていて・・・と思うと、舞台という場所の放つエネルギーが目に見えるような気がしてきます。今回はROCK☆OPERAだから、バリバリと静電気の稲妻が走るような舞台になるといいですね。みんなで帯電して髪の毛逆立てて観るのって楽しいかもしれません


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2 コメント

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いつものことながら、へっ、へーまさん、スッ、スゴすぎ・・・。 (あゆあゆ)
2007-02-23 11:00:28
へーまさんの情報収集力、及び「一を聞いて(読んで)十を知る」能力には、いつも脱帽している私ですが、アン・マーグレットの自伝まで読んでしまうなんて、「脱帽」、「髪の毛が帯電して逆立つ」どころか、驚きすぎて「脱毛」してしまいましたよ~~~(頭の毛が全部抜けるぐらいに感動したという意味です)。「キース・ムーンの撮影中のマイペースぶり」をいとも簡単に「軽く10件ほど」見つけてしまうへーまさんにもかなり驚きましたが・・・。なんかスゴすぎ、へーまさん・・・。

ただ私が思うに「マイペース」というのは、裏を返せば、「自分の世界に対して確固たるこだわりがあって、一本気がある」ということですからね、キースのいろんなエピソードも、あの怒涛のロックの時代を生きたロッカーにしかありえない、非常に愛すべき姿ではないか、と私などは思ってしまいます。ライブや撮影の「ここぞ!」という場面で最高のプレイを見せるためには、「マイペース」というのも必要だったのではないでしょうか。特にキースはリズムをたたき出すドラマーですし。ドラマーはバンドの要ですよ、やっぱり!キースがドラム叩いているライブの映像なんか見てしまうと、映画版『TOMMY』でコミカルな感じで「アーニーおじさん」演じてる人と同じ人に見えませんものね。”I’m Free”を歌いながら、海辺を走りぬける金髪のトミー、つまりロジャー・ダルトリーもかっこいいし、”Sensation”のハンググライダーのシーンなんて何度見てもカッコよくて感動しちゃうけど、映画版『TOMMY』のあの世界に独特な味を加えているのは、意外と脇を固めるキースのアーニーおじさんだったり、オリバー・リードが演じるフランクだったりしますよね。

ところで、アン・マーグレットのダンナ様の「重症筋無力症」とは一体どんな病気なんでしょう?ネットで検索してみます。それから、ティナ・ターナーのダンナ様も「麻薬中毒」だったのですよね?大物女優や大物女性シンガーって、やっぱり苦労人が多いのでしょうか・・・?でも「舞台裏」をいろいろ想像してみるのって、結構楽しいかも。私もアン・マーグレットがどんな人なのか、早速ネットで検索してみよー!
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Unknown (へーま)
2007-02-24 19:09:02
 キース・ムーンの「マイペース」というのは、私なりに婉曲な表現をしたといいますか、実際に彼のまわりで仕事をする方は大変だったみたいです。Tommyに関するあたりを拾っているだけで、全部は読んでいませんが、キース・ムーンの伝記は、現在流通しているものだけでも分厚いのが2種類あります。
 撮影中、ロジャー・ダルトリーの部屋にジャケットを忘れたときは、スタッフの電動ドリルを借りて、ホテルのドアを壊してしまったり、オリバー・リードの「つけ」(もちろん本人への断りなし)で大宴会をしたり、ちょっとやそっとのペースのお方では有りません。
 また、アルバムは、常時代わりのドラマーを確保した上で収録したそうです。もちろんその自由奔放さが彼の魅力のひとつ、ということなのでしょうね。公表されている死因はジュディ・ガーランドと同じ「処方薬のオーバードーズ」ですが、生身の彼こそ、その奔放さに最も翻弄されたということかも知れません。

 「一を聞いて十を知る」、もし本当にそうなら素晴らしいと思いますが、実際には「一を聞いて十を知ったような気に」ならないよう、気をつけるのが精一杯です。こう資料が多いと、どうしても拾い読みになりますので、自分の憶測、希望的観測はなるべく交えないように、「一は一」と受け止めて書こうと思っているのですが難しいですね。ネットだとどうしても、自分の「思っている事」と「事実」の距離が実際以上に接近しやすいので、意識して客観的に書くようにしないといけないな、とよく思います。
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