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『ゲキxシネ五右衛門ロック』『The Musical AIDA』など、ミュージカルの話題作に出演の青山航士さんについて。

SHOW店街組曲/影武者(1980年)

2007-05-01 | ザミュージカルショー「SHOW店街組曲」
 「筒美京平さん・・・?」
 いくら日本のミュージックシーンに暗い私でもそのお名前は知っていましたが、『SHOW店街組曲』の公演概要を読んだとき、お顔が浮かびませんでした。それもそのはず、マスコミへの露出は殆どなさらない方なのだそうです。この方をヒットメーカーと呼ばずに誰を・・・というほどの実績の持ち主が、実在を疑われるまでにマスコミに姿を現さず、曲を次々とヒットさせていたなんて、これだけでも充分ドラマを感じてしまいますね。
 また、作品の一覧を少し覗いたところ、青山航士さんと<ぱしふぃっくびぃなす>で共演された美勇士さんのお父様、桑名正博さんの『セクシャル・バイオレットNo.1』(1979年)も筒美さんの曲なのだそうです。ロッカーの桑名さんの魅力をお茶の間のテレビに乗せてしまうというのは凄いですよね。良い曲を作る作曲家、というだけではない、演出家あるいはプロデューサーとしての面が見えてきます。"Tommy"でずっと追って来たThe Whoには、音楽に精通する名プロデューサーのキット・ランバートがいてジャンルを超える傑作を創りあげたように、日本の音楽界にはプロデューサーでもある名作曲家がいたということなのでしょうか。
 『SHOW店街組曲』公演概要には「80年代」の文字が見えます。1980年の筒美さんの作品には近藤真彦さんの「スニーカーぶる~す」が。純粋のアイドルを手掛けても狙い通りなんですね・・・。この年には黒澤明監督の『影武者』が公開されています。筒美さんはもちろんご存命中どころか現役バリバリなのでおかしな喩えになりますが、目に見える姿の向こう側にいる名将と筒美さんのイメージが重なりました。舞台『SHOW店街組曲』でも、姿はなくともこの作品を動かす、そんな存在なのかもしれませんね。