PLANET LULU GALAXY!

ルルの日記

SAVING MR. BANKS(ウォルト・ディズニーの約束)

2014-03-28 15:52:57 | 映画

3/22には、T・ジョイ大泉で「LIFE!」(ダンナさん念願の...)を観て来て、3/24は、イオンシネマ武蔵村山で「ウォルト・ディズニーの約束」(ルル念願)を観てきました... (どちらもレイトショーで

 

二作とも、良い作品、秀でた作品だったので、それぞれ、心の中で反芻してました.....(「LIFE!」のことは少しずつ書いてたけど... 「ウォルト・ディズニーの約束」は、今日、リスペクトしてる女性がこの作品のことを綴ってたので、心の中で暖めてたことがフラッター現象を起こしてバックドラフトと同じような意味。。。 触発とも。。。〉、書く衝動に至りました~~

 

ウォルト・ディズニーが指揮をとり、実写とアニメーションと組み合わせて、創造した、(熱意を持って制作の指揮をとった「眠れる森の美女」から5年後に撮られた、これまた)渾身の作品である「メリー・ポピンズ」の制作秘話...

 

金の亡者(トラヴァース夫人いわく。。。)ディズニー社とアニメーション(カートゥーン)を毛嫌いしている原作者パメラ・L・トラヴァース夫人の説得に成功して、果たして、映画完成まで至ることができるのか...?? ウォルト・ディズニー役は、トム・ハンクス トラヴァース夫人はエマ・トンプソン

 

〈以下、ネタバレ多少あり・・・

 

この映画を観ながら...。現実生活を送る(生き抜く)上で、夢やファンタジーがどれだけ大事か、ということをひしひしと再認識した...(それが錯視だとしても... 夢の中の夢だとしても...)

 

そして、創造(想像)への旅とは、それぞれの内なる傷跡と、仲直り(和解)する旅、なのかな...??なんてことを考えてしまった.....(そしてその先にあるのは、その“生きる工夫”を後世に伝える旅...  ...その限りではないかもしれませんが... )

 

大好きなメリーポピンズの、お砂糖ひとさじで スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス 2ペンスを鳩に 凧をあげよう チムチムチェリー (そして、トラヴァース夫人が初めてディズニー社を訪れるシーンでは、敬愛する デイヴ・ブルーベック・カルテットのハイホーが流れてた)etc.名曲の数々に感涙。。。 

 

ラストは、出来上がった作品を観るトラヴァース夫人と全く同じ顔で号泣。。。(というか、BANKS氏のモデルであるトラヴァース夫人の最愛のお父さん、他人とは思えない。。。 私??再び みたいな 同じようなことを言ってたし。。。) 客電が付いた後、ダンナさんに「アラアラ 目が3になってるわよ」と笑われました。。。

 

(また、今後もこの映画について、色々書くかもです~~~

 

ウォルト・ディズニーの約束 オリジナル・サウンドトラック -デラックス・エディション- (2枚組ALBUM)
クリエーター情報なし
WALT DISNEY RECORDS

 

風にのってきたメアリー・ポピンズ (岩波少年文庫)
P.L. トラヴァース
岩波書店

 

メリー・ポピンズ 50周年記念版 MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド] [Blu-ray]
クリエーター情報なし
ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社

 


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ガンバの冒険ED「冒険者たちのバラード」

2013-04-12 09:33:24 | アニメ

ガンバの冒険EDテーマ...

 

ガンバの冒険ED「冒険者たちのバラード」

 

YouTubeのページで見ると、動画を見た人たちのコメントが載ってて、それを読んで共に感慨深くなったり。。。(私もストーリーを想い出して)

 

中にはサウジアラビア出身の人のコメントも・・・

 

「私はサウジアラビア出身で、私は日本の文化や人々Alebana­を愛する!

あなたは文明のこのレベルに来るまで、私たちはあなたの闘争につ­いて多くのことを学びました」

 

ネットの翻訳機能を使って、このアニメが創られた(を創った、)日本に(日本人に、)宛ててメッセージを送ろうとしたみたいなので、一部翻訳しきれてない部分もあるけど。。、彼の想い、日本へのリスペクトが伝わってきます....   サウジという国の環境も政治や宗教の関係から、生き抜くのに痛みを伴い厳しそうですよね... (江頭の“でんでん太鼓事件”もトルコではなく、サウジでやったとしたら、即斬首刑だったみたいです。。。

 


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時代を超えて・・・

2012-05-31 21:04:12 | 音楽

やっぱり、今聴くと、ジザメリ、時代を感じるなぁ・・・ 90年代初頭臭がする。。。 90年頃大流行りしたあのリズムのせい?? とーんたんたとととたんたん ←太宰かよ。。 (もう少し寝かせたらよくなるのかな。。。)(その点、ペイルセインツはなぜか色あせてない・・・ 最初から時代錯誤だから。。。

 

ジザメリ一時期、こぞってみんな影響うけてましたけどね...  小山田氏とかもそうだったんじゃないかな・・・

 

Cornelius(コーネリアス) - Moon Walk

 

と言ったものの、いまいち具体的にどの曲を貼付けたらいいのかわからなくてコアなファンに怒られそうですが。。。

 

 

ちなみに、(そのライブは放映前は他言無用ということだったから、当然の如く書かなかったけど、もうNHKで放映されたのを見たので、時効だと思うので書くけど、

 

昨年の夏に、ダンナさんが応募して当選した、NHKでの、YMOのライブ(公開録画)に、ダンナさんと一緒に行って、その時に小山田君も出演してました (ライブ動画探したけどNHKものだから??見つからなかった。。。 かなり盛り上がりました

 

ライブの後の休み時間に(→どてら&こたつみかん温泉まんじゅうの撮影の前の...)四方ガラス張りの(まるでショーケースのような...)喫煙室で、小山田君がたばこの煙もくもくの中で大勢の人と一緒に(何故か可笑しくてたまらないと言った表情で。。。 くすくすくすって感じ みんな見てたから照れてた??) 煙草を吸っている様子がシュールだった、 &(LIVE中に)昔、1990年頃、彼がまだ20代前半(私は10代後半)の頃に、彼の演奏を、ライブで見たことがあるので、時代を超えて、なぜか生き抜いて2011年の今日、またここで逢った(観てる)なぁ...とか、?? 感慨深い気持ちになったのを思い出します。。。 あの時の(1990年のライブの)、極彩色なサイケデリックなライティングまで思い出した~~~

 


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Stay Beautiful

2008-11-25 11:23:14 | 音楽

今日はお休み、朝から大洗濯をしました☆

ダンナさんの山行きの衣類の洗濯物がたくさん出たので、かなりの大洗濯デシタ(洗い終わってサッパリ!!)
でも今日はこの後雨が降るって予報ですね...

天狗岳はもう雪山になっていたそう・・・
無事に帰って来てくれてよかったです

書こうとした音楽記事、時間が経つうちに、頭の中で徐々に変更してきた感じ...

今日はひとつ、ヤフーでショックなニュース記事を目にする
もう、13年も前に起こったことだから、やっぱそうだったのか...(まだ希望は少し持ってるけど)と、いう気持ちもある...(でも、はっきりさせて欲しくないし、信じてない部分が大きい )

マニックスのリッチー君

ライブも行ったんです..(正直、赤面してしまう過去なのですが... なんでだろ...青臭すぎるから?? 胸が痛く〈苦しく〉なるくらい恥ずかしいデス ・・・自分の心の痛い部分??)

今日は、赤面を乗り越えて、一聴き惚れしたこの曲を貼り付けます~...(なんだかヴァージョンが違うようだけど... ) (追記:2013年4月10日一聴き惚れしたヴァージョンで貼り直しました☆

Manic Street Preachers - Motown Junk

Manic Street Preachers performing Stay Beautiful


もう...伝説なんかにならないでいいから、生き抜いてよ~....(Stay Beautifulって、めちゃくちゃいい言葉じゃん.. それと、私はずっと泣き続ける。語り続ける。)

ジェネレーション・テロリストエピックレコードジャパンこのアイテムの詳細を見る


↑この盤にはあのトレーシー・ローズも参加、(本当は本人たちは解りやすいセックスシンボルとしてカイリー・ミノーグを出演させたかったそうなのですが、出演料etc.の問題から当然無理だったみたい...)


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実家の本棚から・・・

2006-10-11 23:46:58 | 

うひ~~っ!!
やっと編集ページにいけました・・

今、実家の母のパソコンの前に向っております。。(母のパソコン激おも!一文字一文字打つのにも時間がかかります~泣)

数日前にあんなにお祝いのコメントをいただいたのに(ありがとうございます!!)もうしわけがつかないのですが・・、また喧嘩しました(爆)家出しました~
でもダイジョブです頭を冷やして自分が悪い部分も気付いたので近いうち帰ります

ずーーっと更新をしていなくてお返事もさせていただけなかったので(しばらくネットも見れない状況でした...)「ルルまだ生きてまーす!!」という記事を書こうと思ったのですが、ここまで打ち込むのにすでに15分かかっております・激汗

今日は実家の本棚に(とは言っても私の部屋はもうありませんが..)残っていた私の本をご紹介しようかな..と思いました。

安部公房「壁」

新潮社このアイテムの詳細を見る


A.さんと安部公房のお話をしていて、とつぜん“ラクダ”が見たくなり、ダンナさんと動物園に行こう!という話になっていたのですがけんかのため叶わず。。
安部公房の「壁」には主人公がラクダの瞳に吸い込まれていくシュールなシーンがあるのですが、私もラクダの瞳に吸い込まれてみたくなりました・爆

femme fashion

ファムファッション―輝く女優たちの装い二見書房このアイテムの詳細を見る



秋の服をぜんぜん買えてないというのも元気がなくなる一因でした。。
この本はダンナさんと付き合い始めてから買った新し目の本ですが、中身はバッチリ私好みの60s女優のファッションフォトです☆(表紙はツイギーです♪前の記事に引き続いて登場!)ツイギーの他には、A・ヘップバーン、J・バーキン、B・バルド-、C・ドヌーヴ、ジーン・セパーグ、ソフィア・ローレンetc.が載ってます!
読むとオシャレしたくなってまたせつなくなるかも。。
ダンナさんだけ新しい服を買ってウキウキしていたので、すねちゃった!(爆)(一緒に行ったアウトレットで、私は家用のタオルだけを買った・泣 だってタオルばっちかったから。。すんすん。。←スネている)

ジュディ・ガーランド

ジュディ・ガーランドキネマ旬報社このアイテムの詳細を見る


私が夢中になった女性の一人、ジュディ・ガーランドの生涯を描いた伝記です☆
彼女は“ジャズの少女”として映画会社MGMから売り出されましたが、“クラシックの少女”として売り出されていたディアナ・ダ-ビン(←かの田中角栄氏が太平洋戦争時に彼女の写真をふところにしのばせていたため上官から殴られたという話を聞いたことがあります。)や、1940年代のティーン映画での名コンビだったミッキー・ルーニー(←のちにオードリーの「ティファニーで朝食を」で日本人写真家“ユニオシ”氏として出演しました☆)の奥さんになったエヴァ・ガードナーへの劣等感でたいへん苦しんだみたいです・・・。彼女は娘であるライザ・ミネリに対しても対抗意識を燃やしていたみたいなので、そこらへんは彼女の“芸人根性”の副作用だと思いますが...
太りやすい体質であり生涯にわたって痩せ薬を常用していたり、アルコール依存症であったり..、4度の結婚をしたり・・、47年の人生を激しく生き抜きました。ハリウッドから追われてからはヨーロッパに渡り、ロンドンの舞台で大成功をおさめました。バランス感覚は著しく欠けているけれど不屈の精神の持ち主です!16歳で“豊かな胸をコルセットで押しつぶし”「オズの魔法使」のドロシー役を演じたジュディの15年後の31歳での出演作「スタア誕生」は涙なくしては観られない!

イーディ

鈴木いづみ

シモンのシモン


そうとうパソコンが重いので、ここまで打つのにだいぶ時間がかかりました!
上記の本については解説を追加しますね~!

でもけんかの原因がしごくくだらないことだということに気付きました・・
ささいな原因から雪だるま状にプンスカ具合が広がっちゃったのかな・・

あとでダンナさんに連絡とってみます!

P.S.途中でエラーになったりいろいろで画像もまだ貼り付けられてません~~!!



、“ファム・ファッション”とジュディ・ガーランドの記事の解説を書かせていただきました
長くなってしまったので、つづきはまた明日にでも・・
ダンナさんとは連絡が取れました☆
ご心配おかけしました~

イタさん、コメントありがとうございマース!

コメント (6)
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孫びんと項羽

2006-09-22 18:13:07 | 事象への想い
〈昨日書いたものを、迷った末に出すことに決めました。これをアップすることで吹っ切れてコメントのお返事他させていただくような心境になれれば良いのですけど・・・。〉



失礼な人に悪意か善意か分からないが(いや、間違いなく善意ではないというのは解っていますが..)、明らかにこちらのサイトを茶化した文中リンクを貼られても手を出せない状態。(アクセス解析でわかりました。)
私が苦しかった時代に心の支えだった文化人のサイトは心ない人たちの言葉で埋め尽くされ炎上中。

ここにおいて救いになるものはなにか?と考えをめぐらせて脳の中を探り出す。

思い出したのは中国の歴史上の人物2人。

小学校4年生の頃、私は検査のため一週間ほど入院したことがあるのだけど、その時に(ベッドで読むようにと)父が買ってくれた歴史マンガが今に至っても私の人生の手助けになってくれているというのが不思議な話・・・。
父が買ってくれたのは、小学館の「日本の歴史」シリーズと、中央公論社の「世界の歴史」シリーズ、「世界の偉人」シリーズ、そして、「中国の歴史」シリーズ。中央公論社の歴史マンガシリーズは、漫画家の手塚治虫氏が監修を手がけていました。
手塚氏の「“歴史”とは年表ではなく、その時代に生きた人間ひとりひとりの一生のことをいうのだという想いに基づいてこの本を作った。」というあとがきを思い出しますが・・・。

中国の歴史シリーズに取り上げられた中国の歴史上の人物は、三国志の主人公達(劉備、張飛、孔明、関羽)、チンギス・ハン、三蔵法師、楊貴妃、西太后etc.
その中で今回思い出したのは、中国に生きた軍人である孫びんと項羽のこと。(中国の歴史上の人物で、私が一番好きな2人でもあります。)

中国の兵法家孫びんは、彼の才能に嫉妬した親友に裏切られ、無実の罪により足切りの刑(ひん刑)に処された過去を持つ。
両足を膝あたりから切断された孫びんは、持ち前の能力+裏切られた憎悪、復讐に向かう勢いにより、兵法家として頭角を表してゆき13年後には彼をおとしいれた相手に対して私刑という形ではなく、国を率いて復讐相手率いる国との闘いに勝つという自身の能力をフル活用&誇りを保つやり方で復讐を遂げる。(ここで孫びんに“闘いにおける倫理観”というものが宿っていることが分かる。)

子供心にこの話は私の心に深く刻み込まれ、“親友に裏切られる”という、人生の“酸い”の部分を同時に知りショックを受ける。卑怯な手により両足を失ったのにもかかわらず、人生を諦めることなく、その知恵と信念により強く生き抜いた中国の兵法家を私は本当に尊敬している。

同じく、中国の歴史上の人物、項羽のことも思い出す。
残虐な将軍として秦(しん)にその名前を轟かせ、のちに秦を滅ぼした項羽だがその死に方はすさまじい。
四面楚歌という言葉はここから生まれたのだけど、項羽を追い詰めるために、敵の宰相劉邦は項羽の軍を取り囲み、兵士等に“楚”の歌を歌わせ「すでに敵に取り囲まれている」という心理的に追い詰めるという戦略を実行。
項羽は愛妾である虞美人を涙を流しながら自らの手で殺して、数多くの敵に一人で立ちはだかり、のべ数百人(ここらへんは伝説だとは思うのだけど...)の敵を、その大男はたった一人でばさばさと斬り殺し、自身も方々から刺しつらぬかれてバラバラになり果てた。

数百年後の島国日本に生まれ、主婦である(つまり平和の元に在る)私がこの2つの物語から学ぶものは、世界は残虐な部分を持っているということを、誠実に悟ること。
そして、足を切られようと、体がバラバラになろうと、人間の想念というものは誰にも侵されるものではないのだと強く想う。

・・・もう少し柔らかい考え方はあるかもしれないけど、とりあえず今私の頭に浮かんだのはこの2つの歴史上の物語。
人の心に宿る、強靭な精神を信じたい。
強い心を持って欲しい。誰にも侵されることのない・・・。
それが今の私の希望。
起こってしまった、無秩序、暴動、集団ヒステリー、悪意の渦の中にあっても、つぶされず強く在ってくださいm(__)m
私も自分の信念の元に強く生き抜こうと思います・・・。
 
それと、悪意あるものに対しては“闘いにおける倫理観”を用いて対応したい。




〈・・・感情に任せて書いたようなところがあり、(ちょっとオヤジっぽくもあり・汗)恥ずかしい文ですが、感情の揺れを記録するために、それと今苦しみのさなかに在る方が元気付けばいいな..という祈りもこめて、出すことにしました・・m(__)m〉



〔参考文献〕

中国の歴史シリーズは、今文庫化されているみたいです。実はこの項羽の見てくれ(左側デス)に魅かれたというのもあったりして(・・・漫画なんですけどねいやぁ、この作画家さんの描く絵がものすごく個性的で魅力的でした・・)

「史記」の人物列伝

学陽書房

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↑私が持っている孫びんと項羽が載っている本です。もう一度読んでみたい・・

項羽と劉邦〈下〉

新潮社

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↑うちのダンナさんも好きな司馬遼太郎の「項羽と劉邦」。なぜか画像は下巻しかありませんでした・・
こちらも読んでみようかしら・・
コメント (2)
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Tomorrow Belongs To Me

2006-01-24 21:21:40 | 小説
ー序章ー
経営不振でほうりだされたブロイラーの廃墟の中で暮らす野良犬。
その犬の告白文としての物語。
第二次世界大戦を目前にしたベルリンでの話。

なぜ僕がここに居るか。

ユダヤ人資産家の飼い犬だった、〈僕〉はナチスによるユダヤ人狩りの厳しくなる中、アメリカに亡命した資産家の青年に捨てられ、野良犬となった。
犬同士は、遠吠えにより、コンタクトを取り合っており、当然、ナチズムとしての犬、資産家としての犬など、いろいろな思想を持つ犬がいる。
野良犬となった〈僕〉は、ナチスの犬に追われるが、恐慌の中、いらだった人間たちに、ユダヤ犬、ナチ犬かかわらず、“犬のように”殺されていく。

ー本編ー
僕は、その犬を知っていた。ナチ犬たちの「明日は我がもの」の大合唱の中、小さくだが、僕の耳に届いた遠吠えがあった。(団体に属さない、個人としての遠吠えと言うのもある。)
いかにも潔癖そうな、キンと張りつめた声で、歌っていた。
「私は誰の子供も生みたくないの。異犬でも同犬でも同じく。かならず悪魔が生まれるから。私は私として死んでゆきたい。」
口火をきったのがこの犬だった。最初はかすかで、澄んだ歌声だった。
最後には大合唱になっていた。

《メス犬の昔話》
「私はアルコール中毒犬で、詩犬だったわ。それ以外の存在ではなかったし、なりたくもなかった。」

僕たちは何も生み出さないだろう、生み出す可能性があるにもかかわらず、自分たちの意志で。

アルコール中毒犬がかすかな声で「明日は我がもの」を歌っていた。

「最初は、その歌も、君のような純粋で、潔癖な個人が歌い始めたんだろうね。」

《CAST》
ユダヤ犬・・・男色犬。夢想を描く、哲学犬。

アルコール中毒犬・・・メス犬。詩犬。目の周りが真黒にふちどられて
    いる。      
    まるで、えぞいたちのマフラーを首に巻いてるようないでたち。
    そうとうの美犬。

「こんなに立派にみえる毛皮だって、水をかければぺちゃんこになっちゃうでしょ。この妙な着ぐるみの中で、本当の私は痩せ細っちゃってるのよ。」 
「私の飼い主は、アメリカ人だったわ。キャバレーのショウガールをやっていたの。」 

アメリカに旅立った主人を追う手がかりもなく、この廃墟の中で、彼との思い出を反芻しつつ生きていかなければならないのか?
僕はすっかりまいってしまった。
“犬らしく” 耳を後ろにぺちゃんと倒し、おなかを冷たい地面にぺったりとつけて、前足に頭をのせて、悲しげにキュウキュウと鳴いてみた。

僕には もはや回想しか残されていない。

そもそも、僕はどこに生まれたんだ。
単にユダヤ人である主人を持っていただけじゃないか。

「みんな、私の美しい毛皮を見ては、殺すのを躊躇したわ。」 

それなら、君は、こんな廃墟の中に逃げ込む必要もなく、どこぞの飼い主にでも飼ってもらって、生き抜けたかもしれないじゃないか。

「誰の子供も生みたくない。それに私は一応主人を愛していたからね。どこにも帰化するつもりはない。」 

なんてことはない。僕たちは主人に捨てられた哀れな野良犬じゃないか。
結局僕は、主人を愛している限り、ユダヤ人の飼い犬としての原罪を背負いつつ、観客ナシの中で、一人格闘を続けることになるだろう。
僕はくやしさのあまり、アメリカ大陸に渡った自分の主人の後を追ってやろうかと思った。
だけど犬ってやつは、自分の知ってる道を通り、知ってる場所に行き着くことは簡単にできるが、新しい道をさぐり、新しい場所に行き着くことは、全く苦手ときてやがる。
僕はアメリカがどういう場所かなんか知らない。想像もつかない。
でも、僕は、あらゆる想像をつくして、その場所の実体を思い描こうと努力した。
追っ手がくるまで、この閉ざされた空間のなかでできることといったらそれくらいのもんだ。
主人と最後にかわした対話について考えた。
「◯◯わかるだろ、僕は行かなくてはならない。僕は原罪をふり捨て生きるんだ。この場所には『原罪としての僕の存在』の屍体しか残らない。そしてそれが君なんだ。やっとやっと僕は君を捨てることができるんだ。殺さないよ。この戦乱の中じゃ生きてるも死んでるもそうかわらないからな。君も自由〈フリー〉さ。鉄柵をこえてどこへでも行けばいい。」

僕は月を見上げた。
月は2つに分裂し、僕の周りをぐるぐる周りだした。
突然目の前に アルコール中毒犬が現れ、フォックス・トロットを踊りだした。
「明日は我がもの」は、カストラートの少年によって歌われ、それはやがて大音響のオーケストラにとってかわられた。
主人が現れた。微笑をたたえ、僕に向かって歩いてくるが、一歩歩くたび主人の足から砂がふき出し、僕が声を出そうとすると、破裂するように主人の体は消えた。
“アデュー” すべての映像は消え、2つの月は天空に上がった。
僕はその時 自分の姿を見た。

僕は腐っていた。カラスにとり落とされたざくろの実のように腐って、横たわる屍体だった。
僕は あのブロイラーの廃墟の中で 死んでいたのだ。

もしかしたら、僕は ものすごく血が見たかったのかもしれない。


屍体としての弟一日目が始まった。             
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