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『笛物語』

音楽、フルート、奏法の気付き
    そして
  日々の出来事など

フルート奏者・白川真理

甲野陽紀 先生の個別指導

2021-12-20 22:18:07 | 甲野陽紀先生の個別講座
陽紀先生の個別指導を受講しました。
今回、初めてでしたが、本当に素晴らしかったです。

現在の抜刀術を応用したフルートの構え方を見ていただき、その上で、現在のお悩み相談を。

マイブームは「釣り合い」。

フルートの釣り合い、そしてフルートを構えた時の自分自身とフルートが繋がった状態すべてでの釣り合い。

動いても、常に釣り合い続けている状況にしたいこと、などなど。

抜刀術を使った構え方にはOKをいただき、さて、その上でのフルート&身体の釣り合い。

「父が良く言っている『剣体』という言葉があるじゃないですか・・」

剣が身体と一体化し、身体の一部となっていることを表す言葉。

「いわば・・・『フルート体』で動くようにすればよい訳ですね。」

と、その方法がこれまたメウロコだった。

身体だけの場合はとにかく末端から動く。指先が大事、というのは、かの『願立剣術物語』にも記されているけれど、さて、そこに剣なり、フルートなり、道具が加わった場合はどうするか・・

その稽古法を教えていただき、一瞬で世界が変わったのでした。

陽紀先生の指導法は、とてもわかりやすく、言葉がとても関わってくるので、ここに記すことはできないけれど、とにかく素晴らしい。

もうひとつの悩みは、右手の小指、そして親指。
つまるところ、関連しているのだけれど、これがまだまだ納得がいかないのだ。

左手が「鯉口を切る」手の内によって、画期的に進化した分、余計に右手の曇りが気になっていた。

それを言うと、数秒考えられて

「右手でも鯉口を切るのはどうでしょう。構える時は、今やっているもので良いのですが、その後に。」

なるほど、これだとよりつながるのだけれど、親指が左により過ぎて、小指の動きがやりにくくなる。
長い小指であれば間に合うだろうけれど、私の小指はとても短いので。

そうなった状態を見て、これまたすぐに、

「鯉口を切る前の親指の位置をこちらにするとどうでしょう?」

これが、もうどんぴしゃりに素晴らしく、左手同様に、ようやくこれで右手の小指、薬指にも血が通い始めたような感じ。

他にも、深いお話を沢山うかがい、あっという間の45分でした。

本日、色々と試しましたが、夢のように、より技術的なことが自由になり、それに付随して、新たに音楽が語りかけてくるのが、本当に幸せだ。

時を経て伝わり残ってきたクラッシックの楽曲の最たる魅力は、この「語りかけ」にあるのではないかと思う。

だから、同じ曲を何度吹いても、毎回新たな言葉を聴いているので、飽きることがない。



そして、いよいよ明日はお父上、甲野善紀先生の音楽家講座。

進化が続いておいでの先生の技とお話、楽しみです。

予約なしでも参加可能です。今回はいつもの音楽ホールではなく、リハーサル室ですが、
また濃い時間となりそうで、楽しみです。


カワセミ

2021-12-20 00:07:44 | 日常
土曜日、予定が一つキャンセルになったので、夫とスーパーやパン屋さんに。

最近は、これが一番の二人の共同作業だし、レジャーにもなっているけれど、これはこれで楽しい。

この日も、帰りは一人で散策しつつ帰宅することに。

前回真っ盛りだった紅葉はすっかり葉を落とし枝だけとなり、冬がやってきたのだなあ、とは思うものの、日差しは暖かく、歩いているうちに暑くなりダウンベストは脱ぐことに。

小川で鴨を眺めていたら、シューッと視界を横切る青緑とオレンジの金属色の輝き。

え?!もしや?と見ると、そこにはカワセミが。

初夏にみかけて以来の遭遇です。
あれは、たまたま何処からか飛んできたのではなくて、ここに棲みついているのだな、とさらに嬉しくなりました。

フェンスにもたれ背伸びしてずっと見ていたのですが、目の前1メートルくらいのところにも飛んできてしばし静止。

じっくりと眺めることができました。
雀よりも少しだけ大きいくらいで、黒い目がクリっとして可愛い。
オレンジのお腹は丸くポテっとしていて親近感・・
背中のキラキラした青い羽は飛ぶと緑が濃くなったように見える。
きりりとした長い嘴は凛々しい。

その内、川面にチャポンと垂直にダイビングし、すぐに上昇。
これを数回繰り返す。多分、エサを採っていたのかと思いますが、この動きがまた、とても速く美しい。

結局20分くらい眺めていました。

住宅街の川で暮らすカワセミは人に慣れているのか、警戒する様子もなく、ずっとそのエリアに。

写真も試みたのですが、全くだめで、撮れていませんでした。
側に来た時は動くと逃げてしまうのがもったいない、と思ったし、遠くにいる時はスマホでは遠すぎで。


(告知)音楽家講座in鶴見、志木カルチャーセンター

2021-12-14 23:49:17 | 音楽家講座・甲野善紀先生を迎えて
音楽家講座がお休みの間は、久しぶりに他の先生の講座や稽古会に参加しよう!と思って楽しみにしていたのですが、ことごとく予定が合わないまま。

改めて考えてみると、自分の予定とすり合わせて開催させていただいてきた訳で、主宰だから当たり前といえば当たり前、とはいえ、なんと贅沢なことをさせていただいていたのだろう、と改めて感謝の念が湧いてまいりました。

それにしても、これ程、先生とお会いしていないのは、おそらく初めてで、あまりにも寂しい。

コロナも今のところは落ち着いているので、少し小さな会場でも、同じ鶴見区民文化Cの施設なら大丈夫かな?とキャンセル空きを探したところ、ありました!

幸い先生もお忙しい中、ご都合つけてくださいました。

おかげで良い年末となりそうです。

既に過去参加者の皆様へのBCC,先生のHPでは告知し、思いのほか多くのお申し込みをいただいておりますが、まだ大丈夫です。

ご都合のつく方は、どうぞご参加くださいませ。


緊急特別企画 音楽家講座 in 鶴見
来年2月までお休みの予定でしたが、会場(リハーサル室)のキャンセルが出たため急遽12月21日(火)に開催出来ることとなりました。どうぞご参加ください。    (主宰:白川真理)
フルート奏者の白川真理女史が「音楽家のための身体操法講座をお願いしたい」
と武術研究者・甲野善紀氏に依頼したのは2003年のこと。
以来足掛け17年、100回以上に渡って開催されてきた「甲野善紀音楽家講座」

音楽家の方も音楽家でない方も目から鱗の
「常識を覆す」身体運用法を体験してみてください。
楽器などご持参の上、動きやすい格好でお越しください。

(会場内・飲食禁止、グランドピアノ有)
前半は最新の甲野先生の技、術理のお話と実演、
後半は希望者による公開レッスン形式の個別指導となります。

■ 日 程 2021年12月21日(火) 19:00~21:15(開場18:30
( 途中入場、退出、自由 )
■ 場 所 横浜市鶴見区民文化センター
サルビアホール.3階リハーサル室
JR鶴見駅 東口 / 京急鶴見駅 西口 共に徒歩2分
■受講料 4000円
◆お申し込み、お問合せ等
白川真理女史( karadatoongaku@gmail.com )まで
氏名・連絡先・一行プロフィール(楽器名など)を明記し、お申込みください。

個別指導希望多数の場合は当日抽選となります。
また写真録音録画等は禁止とさせていただきます。

途中で換気・水分補給の為の休憩時間(10分程)を設けます。
懇親会はございません
マスク着用の上、ご参加ください。


・・・・・・・・・・
もうひとつは、こちら。

以前よりご相談を受けていた志木カルチャーセンター・西島由美子店長の企画が実現することとなりました。

来年1月、鶴見での音楽家講座はお休みですが、ご都合つくようでしたら、どうぞこちらに、ご参加ください。



武道や演技、楽器演奏や全てのパフォーマンスをする方必見!

「甲野善紀先生の身体操法講座」



日にち:2022年1月27日(木)

時 間:18:30~20:20:30

受講料:4,000円

場 所:志木カルチャーセンター(イオン新座店4F)

住 所:〒352-0001新座市東北2-32-12 イオン新座4F

TEL:048-476-9011

mail: siki@culture.gr.jp

URL:https://www.culture.gr.jp/detail/siki/topicsview_81_43444.html




アナクレオン

2021-12-12 23:36:40 | 音楽・フルート
ラモー作曲のバロックオペラ。

寺神戸 亮 氏が1955年から関わっている「北とぴあ国際音楽祭」でのコンサートです。

https://www.bushikaku.net/expedition/concert/show/detail/350498-0001/350498-0002/


演奏表現学会の会員のお一人、音楽学者の関根敏子先生も関係していらして、ご案内いただき、久々にオペラに出かけました。

ミュンヘンに居た頃は3日と空けずにオペラ劇場に通い詰めていました。

世界の一流の演奏を、あのゴージャスな劇場で。

幕間に飲むワインやアイスクリーム(ハイスアイスといって、熱いソースがかかっていて、とっても美味しい!)と共に、着飾った観客が集い醸し出すあの雰囲気!

演目に合わせて着るものを選ぶのも楽しみのひとつで。

エスコートは、音楽仲間の男の子たちで、みなきちんとスーツ。
郷に入れば郷に従え、とばかりに、スマートな立ち居振る舞いでした。
直前にはボーカルスコアでみんなで歌ってみたりもし、予習も怠らなかった。

今思えば、夢のような時間ですが、一番の想い出であり、栄養になっている経験でした。

という訳で、帰国してからは、さっぱりオペラに行かなくなりました。

やはり、私にとってのオペラは、音楽だけでなく、ヨーロッパのキラキラしたゴージャスな劇場で着飾って聴く、華やいだ楽しみも付随するものだから。

帰国直後、一度某メジャー団体の「ラ・ボエーム」に行って、かなりがっかりしてしまってからは、知り合い関係のものは別として、もうすっかり行かなくなった。

海外からのものは時々食指が動くけれど、そういうのは、そもそもすぐに売り切れてしまうし、残っている席は値段が高すぎるし、なのに、あの会場じゃなあ・・と思ってしまうこともあり、やはり行かず仕舞い。

今回は、バロックオペラということでもあり、何より寺神戸氏が関わっているということで、これはもう間違いないな、と久々に行くことに。

会場は王子の北とぴあのさくらホール。

多目的ホールなのでS席で聴くことに。
響きは、まあこの手の会場の中では良い方ではないのかな?

そして中身ですが、期待していた以上に素晴らしかった!

前半は様々の色どりのオードブルを堪能し、後半にこれまた美味なメインディッシュ。

いずれもバロックダンスと共に演奏され、とても勉強になったのですが、それ以上に音楽と踊りの固い絆を感じることが出来た。

映画もラジオもテレビもネットもなかった時代のスペシャルな娯楽。

寺神戸氏はもちろんのこと、出演者はみな素晴らしかったのだけれど、特に印象に残ったのはこちらの御二人。

まずは、バロックダンスのピエール=フランソワ・ドレ氏。

最初からその美しい動きから目が釘付けだったのですが、特に、後半のオペラで驚いた。

シンプルなパンツとスエットのような上下に、金茶色のオーガンジーの裾の長いシャツを着ていたのだけれど、そのシャツの動きが、まるで生き物のようだった。
踊り手の動きと間反対の方向にスっと流れて、ぶれがない。
猫の尻尾の様に、身体の一部となっているように、美しい動き。
おそらくどんな動きでも、軸が全くぶれないからこそなのだろう。

そして、オペラで、愛の神を演じたメゾソプラノの湯川 亜也子氏。
芳醇な響きを堪能。
あの会場で、ここまで聴かせることが出来るというのは、何故なのか?
出演者はみな自然な気持ちの良い声だったけれど、その中でも、彼女の声は際立っていたように思う。

そうそう、ジャンルは全く違うけれど、前半で歌われた波多野睦美氏も清楚な野の花の清々しさでした。

上野散策

2021-12-10 22:33:43 | 日常
久々に朝の混んだ電車で東京に出ました。

目指したのは上野の奏楽堂。




昔、フルートフェスティバルだったか、何かのアンサンブルだったか・・
最早うろ覚えですが、演奏したことがある。

日本で最初に出来た伝統ある音楽ホールで、本当に素晴らしいところです。

見学料は300円。
コンサートホール、そして日本の音楽界を牽引してきた、様々な作曲家、演奏家の自筆譜や写真、当時のプログラムを見ることもできます。

三浦環とプッチーニのツーショットもありました。

小さなパイプオルガンの部分的な仕組みを展示していて、弾くことが出来、ドレミファソの音が出せる。

中々、見ごたえがありました。

その後は、国立博物館でやっているイスラムの展示に。


この写真は会場を出て撮ったもので、この正面にある会場で開催されていました。

こちらも、総ダイヤのネックレスなどもあり、もう欲しいものだらけ・・

イスラムがヨーロッパに与えた影響というのは、トルコ行進曲やコーヒーだけでなく本当に大きなものだったのだ、と再認識。

外は良いお天気で、黄色くなった銀杏が美しかったです。





午前中の3時間弱程で、こんなに充実したひと時を過ごせるなんて・・

思いがけない良い散歩ができました。

・・・でも本当は・・

リサイタルやCDでお世話になったチェロの山本徹さんからご案内いただいていて、彼のソロコンサートに行くはずでした。

その名も「徹の部屋」。

どこかで聞いたことがあるようなタイトルですが、中身は濃い。

11時から12時までのミニコンサート。

バッハの5番も演奏する、ということで楽しみにしていました。

2019年のリサイタルの時に、私のロットの音に触発されたそうで、その後良い出会いがあったヴィンテージの楽器を購入され、CD録音はそのチェロで演奏してくださっています。

ロットもそうですが、ヴィンテージ楽器は、丁寧に付き合うことで、日々刻々と育ってくれる。師・植村泰一先生は「だんだんと、眠っていたのが起きてくるんだよ」と表現されていたけれど、本当にこの頃、その言葉を実感しています。

山本さんも同様のことを仰っていて、そのさらに進化された響きもとても聴いてみたかった・・

10時35分に奏楽堂に到着・・・

でも、受付で訊ねると、そんな予定はないとのこと。
じゃあ、芸大の中にある奏楽堂かしら?とそちらにも行ったところ、やはり予定はない。

おかしいなあ・・?と彼のHPを見て発見したのは・・

「近江楽堂」の文字。

もう完全に最初から奏楽堂と思い込んでしまっていたのね・・

「楽堂」が一緒とはいえ、何やっているんだか!

こんなことをやらかしてしまったのは初めてで、これも年齢のせいか・とちょっと愕然。

あわててすぐにごめんなさいメールをしたところ、本番直前なのに、すぐに返信があり、これまたびっくり。

1時間の短い本番なので、上野から初台には順調に行けたとしても、アンコールくらい・・
それに何より場所を間違えてしまったショックで気持ちが挫けてしまって初台まで必死で行く気力はなかったのでした。ああ・・

でも、そこは前向きに切り替えて・・ということで、

上野散策と相成ったのでした。

我ながら、切り替えが早いのは取柄だと思う。