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『笛物語』

音楽、フルート、奏法の気付き
    そして
  日々の出来事など

フルート奏者・白川真理

芋蔓式に

2021-12-07 22:50:18 | 気付き
久々にここ最近の変化をメモ。

左手人差し指が鯉口を切る様に変化したことがきっかけとなり、芋蔓式に様々な変化が起きてきたこの秋でした。

右手は抜刀の時の、刀の柄を持つ手。

なんといっても、より「手の内」が使えるようになった。

これにより、10本の指のまばらさが緩和。

特に親指とその付け根の負荷が減る。

その結果、さらには、フルートの当て位置が変化。

親指に頼らない持ち方というのは、より釣り合いをシビアにしないと不安定になってしまうから、そうなったのだと思いますが、より左に。

一般的な三点支持は、やり方にもよるのかもしれませんが、どうしたって、余計な負荷と力みを腕にかけることとなり、それは肩、首、口元のこわばりをもたらしていることが多い。なので、音もそんな感じに。これもまあ、好みの問題なのだろう。

でも、若い頃ならいざ知らず、還暦越えて、そんな辛い労働はしたくないよ、ということで、私は三点支持反対派である。

その代わりに採用しているのはフルートの前後、左右を釣り合わせる、という持ち方。

前後はセッティングによる工夫。
これはアルテスもその図表に記している。(黄色じゃない本参照)

左右は、今までは、頭の重さを載せるようにしていた。
そのため、首だけが曲がることのないように、足腰背骨、全てを丸めて使う「羊座り」の姿勢。

それが今回、よりリッププレートの左側に接するように。

つまり、シーソーで重い相手と釣り合うためには、より重さを乗せる、というのが今までのもの。それがより遠くに乗る、という・・・物理!

これに伴い、以前よりも頭の重さを載せなくてもよくなったので、より頭が真っすぐになり、首が画期的にラクに。

まさに首がネックだったことを実感する日々。

さて、首がラクになると、今度は舌が変化。

これも、今のこの構え方だからこそ、と思うけれど、この舌の位置の変化によって、さらに響き増大。

今まで、なんと口先だけのピーチクパーチクの音でやっていたのだろう?

とこれは鯉口の時も思ったことですが、それがさらに。

チェロの低音、にはまだまだ程遠いけれど、大分、近付いてきたかな・・といったところです。

口先だけの・・というのは、おそらく今の標準語のせいではないか?とも思っている。

フルートを吹く時にも音名をソルフェージュしている訳だけれど、それはがっつり日本語のドレミ。

それがかなり邪魔していた。

現代日本の標準語というのは、それだけで口元に緊張を強いている。

急にラテン語で、という訳にもいかないけれど、フルートを持った時には舌の位置を変えて、というお稽古をずっとやってきて、ようやく、それが身についてきたかな、という感じです。

追記
大事なことをすぐに忘れる・・
左手親指も、先月のプーレ氏の演奏が刺激となり、大きく変化。
今まで、落ち着き過ぎていた親指はより活発に。
当て位置も、より指先、そして側面に。
時間にゆとりのある場合は爪で、というのもアリ。

桒形亜樹子氏レクチャー『フランソワ・クープラン~フランス鍵盤音楽の革命児~』

2021-12-06 00:40:39 | 音楽・フルート
オミクロンという新顔が出始めてはいますが、とりあえず今のところは一段落しているコロナ。

先月に続き、今回もリアルに集うことができました。

演奏表現学会の12月例会で、講師はクラヴサンの名手・桒形亜樹子さん。

昔ドイツに居た頃、隣人のオーボエの長岡くんが彼女の同級生だったこともあり、拙宅にお泊りいただいたこともある。

さらには、かつて内々の集まりでヘクサコルドソルミゼーションのレクチャーもしていただいたことがある。

今回もそうだけれど、私の興味のその先には、いつも桒形さんが居る・・という感じ。

年齢は少しだけ下だけれど、様々なことをお教えいただいてきている。

また彼女は、しばしば共演していただいているピアニスト・砂原悟さんと芸高・芸大の同級生であったこともあり、そのご縁で、私もお会いし、お話をうかがうことができた。

それは2014年、私の本を出す、という企画が某出版社で持ち上がっていて、その関連の取材として砂原さん、桒形さんにインタビューをお願いし、快諾していただいたのでした。

原稿は、編集者Tさんの熱意もありなんとか完成はしたものの、結局は「・・・売れない・・」という社長判断で、結局はボツになってしまったせつない想い出・・

その後も「今年こそ完成させましょう!」とTさんから鼓舞されるものの、当時持っていた興味や問題点は最早今の自分には当たり前になってしまって、いまいち、熱意も湧かず筆が進まないまま早7年。

何よりも、当時の身体感覚から導き出された考えと、現在の考えはかなり変化した、ということだ。

そういう意味ではあの時出せなかったのはむしろ良かったかも、とも思っている。

じゃあ、いつ出すの?ってことでもあり、それはそれでジレンマでもあるのだけれど。

「本どうなったの?」

との桒形さんへの問に、かくかくしかじか、と以上の様な内容を話す。

取材した当時、クープランのクラヴサン奏法(対訳版)を書くという大仕事に取り組み始められたという話を聞いた。

その仕事は無事完成し、全音楽譜出版社から2018年に出版され、現在第4刷となっている。本当に素晴らしい本で、原本のファクシミリ、楽譜も満載。最後には演奏家ならではの考察、提言がある。

今回も、様々な側面からクープランの音楽を解説してくださった。
かなり専門的な内容なので、割愛するけれど、その中でとても面白い話を知った。

新たな謎にはいつでもワクワクさせられる。

彼の作品の中に、3分の8拍子というものがある。

でも、その楽譜は8分の3拍子で書かれているものと全く同じ。

そもそもロジック的には、おかしい。


なので、過去の殆どの研究者の間では、これは版木のミス、ということになっているらしい。

しかし、その曲はクープランの生前14刷もされている。もしミスならば、いくらなんでも、修正しただろうに、それをしていない。ということは実は何かしらの意図があったのではないか?というもの。

何か修辞学的な意味合いでもあったのだろうか?
と、そのプレリュードの楽譜を見ながら夢想。

これは今後の研究が待たれるとのことで、楽しみです。
誰が謎を解くのか?
それともやっぱりミスとして終わってしまうのか?

またクープランは拍子記号に様々な表情記号を書き加え、微妙な変化を表現していた。

拍子自体が、曲のテンポや個性をある程度表していた時代。

少し後の時代になるけれど、キルンベルガーは、拍子夫々の個性に言及している。

4分の4拍子とCで記譜されたものとの違いも厳格だ。

そのことを質問したら、なんと、驚きの回答。

クープランの時代には4分の4拍子の表記はなかった、という。
全てC。

わお。
知らなかった。

さらには、アラヴレーヴェ。これは間違いで、本来は半分なんだからセミヴレーヴェというのが本当。

この瞬間までの常識が覆る。
これもまた、とてもワクワクと楽しい。

最後に桒形さんの演奏による8つのプレリュードをCDで聴かせていただいた。
これは製品化されたものではなく入手出来ずにとても残念なのだけれど、深く身体に沁み込むきらめきの音色で、甘やかな香りが匂い立様な素晴らしい演奏でした。

楽器は1624年製のルッカース。

オリジナル楽器による録音で、フランス、コルマール市 ウンターリンデン美術館での録音。


装飾法、インネガル共に、ハードルの高いフランスバロックですが、この本でもう一度学び治して「恋のうぐいす」に再び取り組んでみようか?と思ったりもしています。




紅葉狩り

2021-12-01 22:46:42 | 日常
昨夜は恐ろしい程の雷と雨でしたが、うって変わって、本日は上着も不要な程の暖かで穏やかな小春日和となりました。

12月とはとても思えない陽気です。

先日も同様の気持ち良いお天気だったので、夫とスーパーに車で行った後、私だけ、一人で歩いて帰ることにしました。

久々の散歩です。

紅葉も見頃となっていました。

軽井沢も、蓼科も、もうずっと行っていないけれど、少し足を延ばせば、ご近所にも素敵な場所は沢山ある。








紅葉の他にも、赤い実を沢山付けた木がありました。

なんという名前なのだろう・・?

まるで、クリスマスツリーの飾りの部分だけを集めたようなので、勝手に「クリスマスの木」と命名。






あと、小さな茶色の実を沢山付けている、これまた名前を知らない木も。
葉裏はオリーブのように銀色で、中々美しい木です。
ちょっとグミのようで、柔らかく、思わず食べてみたくなりましたが、中毒を起したら大変、とぐっと我慢。
調べてみて、OKなら、今度は食べてみることにします。




小さな川には番の鴨も。

以前この川では3回、カワセミを見かけたことがあります。

キラキラと光る青、オレンジ、緑が眩しく、かなりのスピードで川面を横切っていきました。

え?こんな用水路みたいな、街中の川に?と驚き、最初は見間違いかと思いましたが、とても嬉しかったです。

川の中には、なんと好物のクレソンの茂みも。

以前行った雲場池にも沢山生えていて、「‥・摘みたい・・!」と思いつつ我慢していたのですが、

その後入ったとあるレストランで、美味しいクレソンが沢山付け合わせてあり、店主が「雲場池で採ったものですよ~」。

地産地消のクレソンは、やや大味でしたが、でもフレッシュで美味しかったです。

ご近所の川はフェンスで仕切られて、近くに行くことができない様になってしまっていて、クレソン摘めずに残念です。