goo blog サービス終了のお知らせ 

『笛物語』

音楽、フルート、奏法の気付き
    そして
  日々の出来事など

フルート奏者・白川真理

第144回 音楽家講座in鶴見 ~甲野善紀先生を迎えて~ 6月12日(木

2025-06-16 10:09:51 | 音楽家講座・甲野善紀先生を迎えて
「ご連絡ありがとうございます。あまりの忙しさに勘違いしていて、危うく恵比寿に行こうとしていたので助かりました。」

と先生からご連絡。

ツイートからも御忙しさが更に増していたのはうかがい知れましたが、かなり大変な状況のご様子でした。

そんな中、いつも鶴見までお越しくださり、本当に有難いです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(お話)

この頃は色々とつくづく考えさせられることが多い。
7月23日に「マーマーマガジン」の服部みれい女史とオンライン対談があるのだが、その時にSBNR(Spiritual But Not Religious 無宗教型スピリチュアルの略.特定の宗教を持つという訳ではないけれど、スピリチュアル的なことに関心があるという人々のこと)
について話すつもりだ。

7月5日問題なども浮上しているが、どっちにしろこれだけ世の中がおかしくなってきた。マスコミも完全にコントロールされている。
何がおきているかわかりにくくなっている。

そういう中で人が人として、自分が自分として保って生きていくための拠り所や基準をどういう風に設けるか。

(今までこうしたことは)表ではあまり言わない様にしてきたけれど「人間の運命は決まっていると同時に自由」を実感しようと思い武術を始めた。

日本には積極的無神論者はいない。
一億円の宝くじが100万回当たるくらいという、殆どあり得ないような確立で命が生れ進化してきたということは、何かそういうものがなければ起こるはずがない。

「神」とはどういう存在か?
スピリチュアルとは広範囲で、明確な規定もない。
どう定義するか?
「スピ系」「スピっている」という言い方がよくされるが、それは良い感情を持っていないということで、こうした断りをいれるのが今の社会。

小林正観の弟子のひすいこたろうが、25000回「ありがとう」を言えば願いが叶い、500人に一人が癌が緩解すると言っている。
癌は感謝が大嫌い。

(こうしたことに付随して)すごく考えさせられる体験をした。

(技実演)
合気上げに関する技が旅先でシャワーを浴びている時に浮かんだ。
その後実際にやってみると有効だっだ。

(上から体重を載せて手首を押さえつけられている状態から手を持ち上げる技で)抑え込んでいる相手の名前を(フルネームで)全て知って、感謝すると上がる。



しかし、しばらくたったらかつてない程の違和感が生れた。
ヤクザな世界に入って戻れなくなってしまったような、
一線を超えたような変な感じ。

刀のつばを愛でる感性に、破れ扇や、虫食いの痕の金象嵌などがあり、日本ではほろびゆくことに美を感じるようなところがある。

しかし偽物の美術品にも感謝するのか?

技が出来るために心から感謝することが果たして良いのか?

病気で大変な人がそうなっていることを責めることは出来ないが、果たしてどうなのか?
単純に良い悪いは言えないと感じてきた。

自分の中で、心の働きでいろんなことが出来るのと、身体に付随して色々なことが出来るのを、これから探求していきたいと思う。

自分のしてきたことは甘かったと思う。

身体の流れができているかどうかはすごく大きくて、才能のある人はパっと自動的に出来るのだろう。

(剣の構え方を実践しつつ)
自分から見ていきなり半時計回りではなく、最初(の動き始め)は時計回りにすると流れが出来る。
前から来る身体の流れというものがある。

触れているところは気にしない。

(身体全体が)繋がっているかいないかの違いが明確にわかるかどうかが上達に関わる。全身を連れてくる。

技が出来ても出来なくても子供は一人で大きくなる。

「やりたい」とただ思う。
気持の上でその時上達したいと思う心とどういう関係かが重要。
身体が成長していくのと同じように。

ヴァイオリニストのひまり(100年に一度の天才、13歳でベルリンフィルと共演)を見ると、普通の人の努力とは全く違う。
身体が成長していくように技術が成長していく。
身体の感覚が同調していく。

練習が飲食と同じ感じであると確実に上手くなっていくのではないか?

感謝しておけば、先回りしておけば良いのかもしれないが、そのことに関してあまりどうこう言うつもりはないが、感謝のあり様にオリジナルの自分なりの価値観が出てくるかどうか?

「人が人として生きてゆく」

稽古人はみな違うし、それで良い。
上達の仕方は、ただ上達するのであればなんでも良いというのではなく、その人が納得できる上達が出来るのが良い。

身体を使って何かやっている芸術は具体的な手がかりがあるから、そこからまたひっくり返っていくようにすると、普通ではない世界が開いてくるのではないだろうか。

自分でも思いもしなかったことが起きてきたが、みな1月9日の右膝と父への印象の変化がベース。

自分の上達の仕方じゃら各自考えるべきである。

練習法、稽古法のあり方に目覚められるか?

そこに目が向くと何をやるにしても、やっていくこと自体が直結している。

それは、なまじ何かを信仰するよりも大きな生き方となる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(個別指導)

1.歌 
職場の介護施設サービスでの歌が難しく、息継ぎで吸おうとすると詰まってしまうのをなんとかしたい。

(先生)
渓流等、丁度良い速度で川が流れているところで、そこを少しずつ遡りながら歌うと良いのでは?
遡るのが良い。沿うのは全くだめ。
すねくらまでの深さがよい。
環境と自分との関係を入れると良い。

イメージだけでのアフターでも、声の倍音が増え、大きく変化。



2.ピアノ
力を抜こうとすると逆に力が入ってしまう。オクターブを外したり音が汚くなったりする。土臭くて内省的な音楽に惹かれる。ボロディンの楽曲を演奏。

(先生)
求めていらっしゃることが相当普通の人が考えないことを求めているのかな?
人は人として生きているということに対して、ご自身が納得したくて何かを探している。
そうでなければこの曲は選ばなかった。
物凄く大変な人がワラをもつかむ感じで取り組んでいるのと、自分自体の中身が変わってそれを表している曲。

自分がそういう事に関して氷が溶けてきたと感じた時に弾いてみたら?
自分の生き方自体、存在しているあり様によりひとつ納得がいくかどうかが出てきて、それから弾いてみる。
ご自身の中から出てくる。

ただ上手くなるということではなく唯一無二の「これだ」という感じ。
ピアノのレッスンではなく「今の自分が」どうだろう?」となってから弾く。
音を通して自分の生き方を追求する。


しみじみと語りかけてくるような素晴らしい演奏に変化。


3.鍼灸師
仕事柄、様々な不調をもらってしまいがちで心身不調になり疲れるのをなんとかしたい。

(先生)
紐などでやって、自分の中の潜在的な力が変わってくることもあるが、状況によっては、これをしてやって、後で(紐を)洗ってやるという流れを作ってやると効果がある。
呼吸で出す。
鎮心のツボである労宮をへこませて後ろ向きに歩く。






4.ソプラノ
心から納得する演奏をしたい。ドビュッシーの小鳥たちを演奏。


(先生)
新たな胸、脇紐の巻き方を提案。
https://blog.goo.ne.jp/pipipipi/e/8c4500ecea89db8382f8af456344d917


響き深みが大きく変化。
より自由に表現できるようになったと本人談。



5.フルート
「斬ってください」

(先生)払い太刀

より伸びやかに変化。


6.しの笛
普段は山や海で吹いている。人に向かって吹いたことがなく緊張しそうなので、壁に向いて吹いてもいいですか?ということで後ろ向き、胡坐での演奏。
いつも内臓が全てを決めるけれど、人が居ると頭?があつくなり、内臓で吹けなくなる。


(先生)
頭に2重に丸紐

よりまとまった音と響きに。
「目が開きますね。山に居る時に近付いた感じもする」と本人談


7.ピアノ
人前で緊張しないようにしたい。ゾーンに入るにはどうすれば?


(先生)
20㎝程の刃物を身体に付けて。


胸元、腹、と夫々に響きが変化。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


先生の気付き、深化に付随して、音楽家講座での内容もどんどんと深まっており、本当に素晴らしい「場」となっているのを改めて感じました。

打ち上げもしみじみと楽しく、そこでも良い言葉をいただきました。

「親友には会則はないでしょう?」

組織の在り方、稽古法、様々なことが思い浮かびます。


雑感ですが、このところのキーワードである「感謝」に関しても「取引」になってしまわない感謝でなければいけないのか?というと、どうもそういうことでもなくひたすら「感謝」は効くらしいのですが、でも、やはり私は「損得勘定の取引」という印象を抱いてしまうので、中々難しいところです。


参加された皆様、会場スタッフの皆様、甲野先生、本当にありがとうございました!





次回7月24日(木)は・・


武術を基盤としながらも独自の視点による身体技法を展開する、御子息・陽紀(はるのり)先生を迎えての特別企画となります。

どうぞよろしくお願いいたします!







最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。