『笛物語』

音楽、フルート、奏法の気付き
    そして
  日々の出来事など

フルート奏者・白川真理

ピピもお手伝い 着物あれこれ

2020-12-17 02:11:10 | 着物



「御着物、選んであげるにゃ!」

と、ピピが着物選びをお手伝いしてくれました。。。

というのは、もちろん嘘で、桐の箪笥から着物や帯を出して、帯締め、帯揚げなどを選んでいたところ、ふと気配を感じると、いつの間にかピピが侵入してきて・・

時間がかかるので、ガラケイ持参で2階の着物部屋に居たので、それでパチリ。

いつもレスポンスの遅いガラケイでのピピの写真は失敗ばかりなのに、これは偶然ですが、動かぬ証拠写真となりました。


本当に、油断も隙もない・・・

今回は白大島に紙布の帯。


甲野先生と出会った頃、NHKTV,「人間講座」の収録に招いてくださって、私も手裏剣を初体験ということで登壇させていただいたのですが、その折に着ていたのが、この白大島。

当時、養老先生つながりで、甲野先生に関心を持っていた弟がこの番組を観ていて、いきなり画面に白い着物を着た姉が登場したのをみて、驚いて、電話をかけてきた。

「・・お姉ちゃん、何やってるの?!」

母は「着ようと思うと雨降っちゃって・・」と大切にしていて結局袖を通さぬまま、癌で臥せることに。

しつけのついたまま残された、一番思い出深い着物です。


日経新聞の取材の時にも、他にもいろんなメディアで取り上げていただくときも、いつもこの白大島でした。

母の分も着倒そう、と決めた白大島は、裾の裏地が擦り切れてしまったので、10年くらい前に、呉服屋さんで裏を張り替えてもらうことに。

最初は母の好きな紫だったのですが、私好みのセージグリーンに。

この呉服屋さんは、甲野先生の門人だった方で、今は韓氏意拳の指導者になられた若旦那のUさん。

先生の門人には「史上最強の呉服屋の若旦那」という凄い?人達が二人いて、一人は丸亀のMさん、そしてこの目白のUさん。

でも、御二人とも、今は代替わりされて若旦那ではなく、「西と東の史上最強の呉服屋さん」に。・・怪しい・・

合わせた紙布の帯も、帯締めも、Uさんに見立てていただいたもので、これまた気に入っている。


全て母のもの、という組み合わせもあるのだけれど、やはりなんとなく古臭い感じは否めない。

塩瀬の染め帯もはんなりしていいな、とは思うけれど、やはり今の気分にはそぐわない。

紬にも織りの帯、という合わせ方が好き。

なので、帯や帯締め、帯揚げは自分で購入したものを母の着物に合わせることが多い。

とはいえ、この帯も、もうかれこれ10年になっていて、良い感じにこなれてきてとても締めやすくなっていました。

・・・・・・・・・・・・


本日は、早速久々の着物暮らし。

とはいっても、昔のように、ちゃんと着て割烹着というのではなく、かなりラフに。

木綿のタートルネックとスパッツ、べっちんの足袋に紬の着物と半幅帯。



子供の頃、父は帰宅後はスーツから着物に着替えて寛いでいた。
冬はタートルセーターに着物ということもあった、というのを思い出して。

この着物は義母の母、つまり夫のおばあちゃんから伝わった久米島紬で、裾には他の着物時で補修がしてあります。おそらく日常に着ていて、自分で繕われていたのでしょうか。細かい縫い目に驚かされます。
ほつれかけていた箇所に白い地があり気になってひっぱってみたら、なんと家紋!?


夫に見せたところ、その家の家紋だそう。こうやって、色々とやりくりして補正していたのだなあと呉服屋さん任せにしかできない我が身を振り返る・・

100年近く経っているものだろうに、今も鮮やかで、天然染料ならではの、着こまれた布独特の艶がある。
よそ行きでも良い紬なのですが、残念なことに若干身幅が狭い。

なので、これを普段着にすることに。

半幅帯は骨董市で1000円で入手した昔の帯をクリーニングに出してから自分で仕立て直したもの。とはいっても、手芸用両面テープでチャチゃとですけどね。

本当に簡単な、いで立ちですが、ラクで暖かいことにびっくり。

ガーネット、ターコイズ、ラブラドライト、琥珀などの天然石系のアクセサリーなんかも映えそうで、ちょっと怪しい人の気配になるのも楽しい。

この格好で外に出る勇気はまだ(!?)ありませんが、ご近所に回覧板を渡しにいくくらいなら大丈夫か。

急に寒くなりましたが、嫌な感じの足先の冷えも全く感じることなく過ごすことができました。

家事の時にはこれに割烹着。割烹着も久々の出番。

フルート、杖、抜刀のお稽古も、これで。
色々と気付きもありましたが、それはまた後日。 

第101回 音楽家講座 in 鶴見 12月15日(火)

2020-12-16 02:09:16 | 音楽家講座・甲野善紀先生を迎えて
急に寒さが増しましたが、良いお天気となりました。

前日、金沢から帰宅されたばかりの先生は、今回の旅でも色々な収穫、進化があったとのことで、真っ先きに、それを披露。

それは肩を上げないための技法。

とはいっても、そんなに簡単なものではないなあ、・・と。

肘を上げれば肩は下がる・・といっても、ただ棒立ちでそれを行っても肩は上がるだけだ。

でも、通常一般に剣術で言われているところの

「脇をしっかりしめて」が、肩のつまりをもたらすということは、素人の私にもよくわかった。

ひじを上げても、かつ肩を落とすためには、あの下半身が不可欠・・?

これは、若干、私の最近の腕の交差の気付きにも通じるところもあり、また変化しそうな予感でワクワクです。

というのも、腕を迂回させる時に、肘は上がるから。胸鎖関節、鎖骨の変化も気になるところではある。

とあれこれ考えを巡らせている間にもどんどんとお話は進む。

払えない突きが、さらに速くなり、何が何やら。

「突くのをやめる」と言われても・・

でも、そのわからなさ加減が面白い。

このコロナ禍に関する様々なお話も。

「人間は納得したい生き物」

そして、その納得の仕方は個々に違う。

正解が一つしかない、というのが、そもそもおかしい。

現在のコロナ禍における、このなんともいえない鬱陶しさは、そうか、納得出来ていないからなのか?と思ったのでした。
納得は出来ていなくても、そうだったのか!?納得してなかったからなのか?と理由が具体的になるだけでも、若干はスッキリする。

「ピカソの絵は嫌いなのですが、それは観ていると具合が悪くなるから。そして、その具合の悪くなるのが、結構ひつこく続く。数日でおしまい、というのじゃあないんですよ。だからこそ、ピカソはきっと何かしらある画家なのでしょう。ただヘタなだけの絵を見て『あんな絵をみたら具合が悪くなるよ』と軽口をたたくことはあっても、それは単に比喩で、実際に気持ち悪くなることは、ないですからね。」

・・長らく後を引く程の具合の悪さをもたらす芸術・・・

私はピカソ作品でそこまで具合が悪くなったことはないけれど、
まあ、好んで観ることはないし、リビングに複製画を飾ることもないだろう。

昔、ミュンヘン留学中、バルセロナに一人旅をした。35年前??
リセオの劇場で、カヴァリエとカレラスを聴くために。もちろんガウディと白いゴリラも。

バルセロナのピカソ美術館で、子供時代の彼の非常に緻密な絵を観た時の驚きと違和感は強烈で、背筋がヒンヤリしたことを思い出した。

ピカソを好きな人も多いことだろうから、これも人夫々ということか。

・・・・・

前回は個別指導の希望が多く、7,8名だったのに、今回は2名、そして質問が1名。

毎回様相が異なるのも、この講座の面白いところです。

チェロでは、蕾の手の内で掌の中央を沈めて横隔膜を下げ、へそ位置に丸紐で大きく変化。

さらに少し足を引いて、上半身の重さを弓に伝えるやり方を。

これは、過去のチェロでの参加者みなさま、本当に大きく変化されたのだけれど、今回も。

実は、私のフルートもこれを使っている。

昨年夏、「法螺貝の気付き」で、それが「埋める」の前段階になっていたのだけれど、腕で楽器を口元に持っていくのではなく上半身で、というご助言を先生からいただいたのでした。つまりは「部分ではなく全体で」である。

能の動きでのご指導も、同様で、部分(軸足)でターンしてしまうような動きを全体で、ということなのだけれど、そのための稽古として杖を勧められていたことにはっとした。

今更ではあるけれど、着物が着崩れないように杖を稽古するのは、とても役に立つのだな、と再認識。

ということで、早速やろうと思う。

触れ方、手の内にとっての杖の効用は感じていたけれど、部分を作らないために、というのは、本当に今更だけれど、・・凄い!?

それは抜刀も同様で。

だからこそ、稽古着をちゃんと着て行った方が良いのだなと。

この2年間、ずっと着物離れだったけれど、前回の音楽家講座100回記念を機に、久々に着た。今回も着物。

やはり洋服の時とは身体の状態が異なる。久々なだけによくわかる。
何より、全く違う集中の仕方となるのを感じた。

そして、着物で杖と抜刀を稽古することで、また新たな世界が、と思う。

かつて稽古着も先生が用意してくださったのだけれど、「せっかくなので先生と同じ本格的な日本の藍染のものを」とお願いしてしまったばかりに、毎回藍の色落ちで手指が真っ青になり、すっかり辟易としてしまい、その稽古着は数回着ただけでお役御免となってしまったのでした。

その後一人稽古の時はいつも洋服のままだった。

普段着にしている紬も何着かあるので、それで久々にお稽古してみようと、思います。

着物でフルートというのも、2年間お休みだった。
これも前回、そして今回、受付が始まる前の15分程、ホールで吹いているのですが、やはり全然違った。相変わらず私はドレスよりも着物の方が良いパフォーマンスが出来るということも再確認。
なるべく着物で吹く時間を増やそうと思う。
・・下駄は履いているんだけどね。ドレスでも・・

そもそも甲野先生を知ったのは着物の雑誌で、さらには着物を着て吹いていたことで、様々な気付きと変化があったのだった・・ってなんて忘れっぽいんでしょう・・?

ということで、着物マイブーム再び・・?

最後の方は、大けがをした後遺症に苦しむ知人がいるのだけれど、何とかならないかとのご質問。

先生は丸紐、それも鎖に編んだ丸紐での四方襷を。

何度も見て知っている紐ですが、やはりその効用には目を見張る。

自分の身体なんて、紐一本でガラっと変わってしまうものなんだ、と思うと、本当に「これこそが正しい」なんて愚かな事は言えないよなあと改めて思うのでした。

「裏の裏はまた表」の紐のかけ方も面白かった。
でも、一人でやるにはどうすればいいんだろう?
これも遊んでみたいです。

ということで、今回もしみじみと、それも深く集中してしまったので、またまた先生のお写真を撮るのを失念してしまいました。

すみません!

・・せっかくガラケイは持ち直して小康状態でしたのに・・

着物を着た時の方が、私の集中力は各段に増す、というのも、前回に続き、2年ぶりに着物を着たからこその気付きです。

改めて、着物の凄さを再認識中。


ご参加くださった皆様、ありがとうございました。
次回は来年1月29日(金)、同会場です。
来年も、どうぞよろしくお願いいたします!




(告知)明日12月15日(火)の音楽家講座 in鶴見

2020-12-14 21:44:01 | 音楽家講座・甲野善紀先生を迎えて
いよいよ明日は甲野善紀先生を迎えての第101回目の音楽家講座です。

100名のキャパがあり、管理体制も行き届いている横浜市の施設である会場ですので、事前お申し込みのない方でも、大丈夫です。

どうぞお越しくださいませ!

甲野先生はまたさらに進展が進まれているご様子で、明日も楽しみです!

・・私のフルートもお陰さまで、今年になってから激変につぐ激変です。

巷に流布されているものとは、随分と違っているし、かつて自身が行っていたことからは、随分と遠い所にやってきたな、と思います。

最近の一番の変化は・・

ちょっとやそっとのことでは喜べなくなってきたこと。

きっとこれもまたすぐ変化する通過点なんだろうな、と思うと、ああ、そうね、という感じで受け止めるようになってきた。

半年くらい前まではキャピキャピと喜んで、その都度、甲野先生にご報告していたのですが、この頃はもう、ご報告した後ですぐ変わるので・・・

やっと大人になってきた?

とはいえ、還暦を2年越えて尚、フィジカル面での技が向上するというのは、やはり甲野先生と出会えていなかったらあり得なかった事だと思います。

名前は「音楽家講座」ですが、先生のお話は楽器演奏の技術に限らず、日常生活を始め、様々なことに役立つかと思います。

このコロナ禍になり、猶更必要なことと痛感していますが、私にとっては、生きるための構えを立て直すのにも役立っています。

プロアマも関係ありませんし、音楽家以外の方でも、ウェルカムです。

甲野先生のご助言、紐の力、参加者同士の刺激、ときっかけは様々ですが、実際に変化し進化するのは、ご自身の心身が本来持っている力によるもの。

どうぞ、目からウロコのひと時を味わいにお越しください!


第101回 音楽家講座 in 鶴見
フルート奏者の白川真理女史が「音楽家のための身体操法講座をお願いしたい」
と武術研究者・甲野善紀氏に依頼したのは2003年のこと。
以来足掛け17年、100回以上に渡って開催されてきた「甲野善紀音楽家講座」
音楽家の方も音楽家でない方も目から鱗の
「常識を覆す」身体運用法を体験してみてください。
楽器などご持参の上、動きやすい格好でお越しください。

(会場内・飲食禁止、グランドピアノ有)
前半は最新の甲野先生の技、術理のお話と実演、
後半は希望者による公開レッスン形式の個別指導となります。




■ 日 程
2020年12月15日(火)19:00~21:15 (開場18:30)
( 途中入場、退出、自由 )

■ 場 所
横浜市鶴見区民文化センター
サルビアホール.3階音楽ホール
JR鶴見駅 東口 / 京急鶴見駅 西口 共に徒歩2分

■受講料
4000円(当日受付にてお支払いください。)

◆お申し込み、お問合せ等
白川真理女史( karadatoongaku@gmail.com )まで
氏名・連絡先・一行プロフィール(楽器名など)を明記し、お申込みください。

個別指導希望多数の場合は当日抽選となります。
また写真録音録画等は禁止とさせていただきます。

途中で換気・水分補給の為の休憩時間(10分程)を設けます。
懇親会はございません
マスク・フェイスガード等を着用の上、ご参加ください。



ピピ帰省

2020-12-13 11:38:22 | ピピ
昨日、ピピがやってきました。

本当はgotoで旅行に行くはずだった息子のために、猫シッターとして預かる予定だったのが、息子は旅行を中止に。

「じゃあ、ピピはこないの?」

と嘆く私や夫を憐れんでか、じゃあ予定通りでいいよ、ということとなって。

このまま来年のお正月休み明けまではうちの猫に!

リモートワークも増えたということで、息子は自分の家とこちらとを行ったり来たりとなる予定です。

ピピは滅多に鳴かない猫なのですが、車に乗ると、不安になるらしくて鳴く。

可哀そうですが、その声がとても可愛いく、いつも「ニャ」という短いものでした。
それが今回は初めて「ニャ~オ」という「オ」という母音が入った鳴き方をしました。
所謂、猫の王道の鳴き方。

「最近、前より鳴くようになった」と息子。

要求を通す方法を学んだ、ということなのでしょうか。

家に到着するなり、ササっと階段を駆け上がり、すぐに得意の「いないいないばあ」。
この家のことも覚えてくれたのかな、と嬉しい。





相変わらず、中々触らせてくれず、抱っこもさせてくれないのですが、今朝方初めて私のベッドの上に乗っかって、なんとフミフミを!!

ピピはフミフミしない猫だとばかり思っていたので、これまた、とても嬉しい。

これは、子猫が母猫に甘えるしぐさなのですよ。

まあ、要は「ごはん~~」とねだりに来ただけかもしれませんが、嬉しさで眠いのも吹っ飛び、早起きしてしまいました。

オデコゴツンの挨拶も、朝は頻繁にしてくれます。

・・それにしても、鮮やかなツンデレ加減・・









マニキュア

2020-12-11 12:52:05 | 俳句
マニキュアもせずに一年はや師走

という句を久々に詠みました。

ずっとおさぼりしていたリモートのニクの会に久々に投句。

楽器演奏があるので、ツメは短いし、ネイルサロンに行ったこともないのですが、マニキュアは好きで、コロナ禍になるまでは色々と楽しんでいました。

ろくに手入れをしていない手指でも、薄いピンクを塗るだけできれいに見せてくれることもあり、重宝していました。

ちょっとぎょっとするような緑や茶色、グレーなんかも好きでよくやっていた。

それにロングドレスやホテルでの宴会などでは、やはりネイルしていた方が全体のバランスも整うというものです。

でも、そうした華やかな席に出ることも、コンサートもすっかりなくなり、ステイホーム中はまったくマニキュアをしなかった。

仕事が再開しても、大勢で集うこともなくなったので、マニキュアはしないまま。

そして、あれ?もう師走???  

という句です。

あ~~あ。

とはいっても、そのお陰か、爪はとても健康になり、良いピンク色になりました。

マニキュアしていた時は、こまめに手入れをしないせいもあり、右手の人差し指と親指の先端がやや変色していた。

それを隠すためにも、マニキュアは必要だったのですが・・

今は素爪なので、特に特別な手入れをしなくても、毎日ボディオイルが浸透しているからでしょう。

ボディと書いたけれど、実は顔もこれで。

無印良品のスィートアーモンドオイルが私には合っているようで、もうずっとこれ。

これに、エジプトでお店の人に言われるままにうっかり沢山買ってしまったミント、レモン、クレソン、アフリカ白檀の香油を少し加えたものを昨年春、つまりエジプト旅行から戻ってから使っているのですが、ずっと調子が良いです。
香油の経年劣化が心配だったのですが、一年以上経っても、香りもそのままで、大丈夫。
多分、本当に良い作り方をされているのだと思うし、植物自体の薬効もあるのかも。
お店の人は10年持つ、といっていたけれど案外本当?

思い立って、以前ウィーンのお土産で頂いた可愛いすりガラスのツメやすりで磨いたらピカピカになりました。