甲野善紀先生を迎えての音楽家講座。
今回、参加者数は少なかったのですが、門人のKさん、Tさんが参加されたこともあり、非常に濃い時間となりました。
中には、このためだけに、長野、香川からご参加という方も。
私も、今回は一参加者として、沢山、みていただいた。
ここ一か月の気付きと変化のご報告の後の演奏はドビュッシーのシランクス。
例の猫のステッキ(陰陽の構え)をやったところ、音を出す前から何人かの身体の専門家の方が「ほ~~」と感嘆の声。
実際、これで肩の位置は本当に下がったと思う。
また、前回の先生の教え、上下の分離も。
・・「本当に、確かに響きが変わられましたね・・」
としみじみと甲野先生。
でも、それでも、やはり緊張はあり、最後の永遠に続いていくような音の伸ばしが上手くいかない、と相談したところ、
横隔膜を下げる働きのある「蓮の蕾」の手の内を。
・・それは、もう何度も過去に、この講座でも行っていて、馴染みのある手の内。
でも、その手の内をやりながら、
」・・・ああ、そうか、そうかもしれません・・この胸鎖関節が・・」
とその場での新たな発見。
こうした気付きの瞬間には、今までもしばし立ち会わせていただけることがありましたが、今回はさらに格別で、先生はもう、ニコニコと少年の様な微笑み。
居合わせたKさん、,Tさん常連の方など相手に、すぐに「浪の下」で検証。
面白いように、スポンスポンと崩していく。
・・そして私のフルート・・
この新たな身体の使い方で演奏すると、
より音の根っこが下腹奥に繋がる。
その安心感からか、具体的に言えば、おそらく、より横隔膜が下がることにより、より呼吸が安定し、最後の長い音も、先生曰く
「蝋燭の炎がスーっと消え行くような」
という演奏となりました。
練習の時は難なく出来ているのに、本番では中々その様にいかない代表?みたいなこの最後の音の消え方。
これこそが、音楽の神髄といっても良い音なのに。
いつも、この最後は一番の悔恨となっている。
今度こそは、と思うばかりだけれど。
でも、今度こそは??
今度こそは、と思うばかりだけれど。
でも、今度こそは??
これだけでなく、他の多くの箇所でも自由度が増した分、より微細な表現をすることが可能になった。
他にも、ためになる良いお話もあり、色々と質問したかったこともありましたが、大きな変化に、それらが全てふっとんでしまったような。
「基本」がどんどんと変化する楽しさを味わえるというのは、本当に面白く幸せなことです。
また取材にいらした中外日報の記者の御二人と色々とお話できたのも良かった。
ご参加くださった皆様、ありがとうございました!