『笛物語』

音楽、フルート、奏法の気付き
    そして
  日々の出来事など

フルート奏者・白川真理

祈り

2023-02-02 22:49:42 | 魔女トレ
日本フルート界の重鎮で作曲家である川崎優先生には、2回の『茅笛の会』のヨーロッパ演奏旅行でお世話になり、そしてその後の、日本初の女性のみのプロフルートアンサンブル・ムジカフィオーレにお声がけいただきました。

最初のCDのプロデュースもしてくださり、いつも応援してくださった大恩人です。

その川崎優先生の『祈りの曲 第4番』はずっと取り組み続けている作品の一つです。

昨年逝去された師・植村泰一先生も川崎先生の御弟子、それも一番弟子です。

2019年、王子ホールのリサイタルでこの曲を演奏するにあたって、植村先生に何度もレッスンしていただきました。

最後に仰ったのは、「後は、川崎先生の『祈り』をちゃんと感じられるかどうかだね。」

広島の原爆で亡くなったり傷ついた方々への追悼と慰めの祈り。

この曲の理解を深めるために、広島を訪ね、原爆記念館に行き、川崎先生が被爆された後、炎天下寝かされたままになっていたという小学校の校庭にも行ってきた。

でも、当事者の苦しみは想像を遥かに超えたものなのだ、ということがわかっただけで、それをどう祈りに昇華できるか、というのは今も大きな課題。

そんな途中経過の拙い『祈りの曲第4番』を美彌先生が舞ってくださっていた・・

先日の個別セッションの折に、リサイタル曲を録音し直し、コロナ禍の2021年春にリリースされた拙CD『エーテルブルー』を僭越ながらプレゼントさせていただいたのだけれど、早速聴いてくださり、舞ってくださっていた。

ツイートを観て、泣いてしまいました。
川崎先生の「祈り」と美彌先生の「祈り」が共振している。

2019年の演奏なので、今よりももっと拙い笛だけれど、私の演奏が御二人の「祈り」を繋げることとなったことが嬉しい。

深い「祈り」を以前よりも感じられるようになったのは、美彌先生のこの舞を観たからこそだと思う。

紛れもなく美彌先生は魔女だけれど、その本質は舞姫であり芸術家・アーティストなのだ、と改めて感じたのでした。

だからこそ、先日のセッションの折、ロットも、えだいらの笛も、そして私もその感性に共振して、日頃出ないような音と音楽が生れたのではないか?と思います。

公式には、川崎先生は表明されてはおられないけれど、実はあの曲の中間部は頼朝に囚われて、舞うことを強いられた静御前のことを思って書かれた、ということを生前教えてくださった。

そのことを美彌先生にはお話していないのに、舞姫・静御前の曲を選んで踊られたということも凄い。





(西園先生のツイート)1月31日
身体に起きる現象の数々。 私にも、相手にも。 なぜあんなミラクルが起きたか。 一流の方の集中力と、全身全霊は半端ないチカラがある。それによって引き出されたものだろう。そこに共鳴が起きると、あぁなるのかと。 私はそこにいない。 ただの受信機。…いつもそう在れたら。 体験に感謝。
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恐縮するばかりです。そしてただただ感謝!!


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