遂に12月となりましたが、冬というよりは、少なかった秋の名残の様な一日でした。
ようやく色づいたといった風情の銀杏と真っ青な空が美しかったです。
ようやく色づいたといった風情の銀杏と真っ青な空が美しかったです。
12月1日は、とある会場の抽選会に参加していました。
主宰者によると過去最高の参加者、ということで、沢山の希望者が。
くじ運は悪いので、あまり期待はせずに、でも万が一?とドキドキしつつ参加。
抽選会に参加したのは初めてでしたが、中々ドキドキが新鮮で、面白かったです。
先日のコンサートでは全くドキドキしなかったので、もしや、もうドキドキできない体質になってしまったか?とシンイチ(@寄生獣)みたいに心配していたのですが。
順位は7番目でしたが、年末の仕事納めの時期でもあるせいか、
来年、2024年12月28日の土曜日の午前午後の枠を予約することができました。
とはいえ、これで一安心ではなく、さらに企画内容、出演者の経歴などの審査があり、その結果が12月半ば以降から来年1月までに知らされるとのことで、さらにドキドキは続いています。
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コロナ禍は落ち着いたとはいえ、より混迷を極めている世界情勢、そして自然。
このような中で、改めて音楽をやっていく意味をより考えた一年でした。
そして、自分自身にとっての音楽やフルートを考えた時、やはり私の音楽のルーツは川崎優先生にあるな、と。
こちらは先生が書かれたご自身の歴史。良かったらご一読ください。
http://cooljapaneseincharlottesville.com/wp-content/uploads/2019/08/0bd91222f8e1476d91f79e1ff10b7f551.pdf
親不知トラブルで吹けなかったこの春夏、改めて、先生の作品の楽譜を読んだり、録音を聴いたりしていました。
また昨年逝去された恩師・植村泰一先生は川崎先生の一番弟子であり、先生の作品を演奏されることも多かった。
『フルートで奏でるわらべうた』の楽譜に付けられたCDは植村先生の演奏。
まだロットと出会う前の銀のパウエルによる演奏だけれど、これを改めて聞いて、私が理想としているのは、ロットの音ではなくて、植村先生の音だったんだなあ、と改めて感じた演奏でした。変な言い方になりますが、パウエルの時から、品格がもう全く違う。
こんなに凄い笛吹きだったんだ、と今、改めて感じています。
アルソ出版から出ている、ぜひ、聞いていただきたい一枚です。
フルートを吹かない方でも、このCDだけでも、とても価値があると思います。
https://www.alsoj.net/store/view/FLWU.html?storecd=
また川崎先生のオリジナルの小品集の楽曲の内の一つ「夢想」は約20年前、私のリサイタルの為に書き下ろしてくださったもの。
他にも、ムジカフィオーレでやった「忘れな草」などもあり、これらの曲に触れることが、日々の救いにもなりました。
先日のコンサートでもお話したけれど、川崎先生の作品は、そのどれにも日本ならではの情緒、心情が脈打っている。
振り返って見ると、生れた時からアメリカナイズされた暮らしで、物心ついた時からずっと西洋嗜好。フルートなんぞもやっている。ヨーロッパの音楽、文化に憧れてずっとやってきた。
日本古来の文化について考えるようになったのは、ドイツから戻ってきた時、そして甲野先生と出会ってからだ。
明治維新、太平洋戦争、その中で、
奪われてきたことにすら気付かないうちに奪われた数々の美しいものたち・・
そんな話を以前「秘密基地」にお招きいただいた折、御子息の雅哉さんや北川祥子さん、中山早苗さんにしたところ、みな同意してくださり、北川さんからは
「先生はアメリカで恩師の方から、君は日本人なんだから、それを大切にして日本人ならではの音楽を書きなさい」との助言を受け、それをいつも念頭においていた、と仰っていた、というお話を聞きました。
だからこその、川崎先生の音楽は、ちょっと不思議なひっかかりがあり、ちょっと妙な感じがすることもあるのだけれど、それがおそらく忘れていた日本のDNAに触れるので、ザワっとするのかな?とも思う。また音楽に親しんでいない方でも、一度聞くと、心に残り、忘れられない魅力を発揮するのではないかと思う。
また海外での人気も高いのもそのせいだ思う。
そして、何より、広島で被爆された先生の、原爆で亡くなられた方への鎮魂、ご自身の憤り、そして平和への祈りと願いが感じられるからこそ、心の深いところに届くのではないかと。
コロナ禍となって以降、突然の多くの別れも経験した。
そういう年代になってきたということもあるかもしれないけれど。
先生の「鎮魂」は原爆の被害にあわれた方のみならず、亡くなっていった方全てに届く追悼の音楽でもあると感じている。
今の時代に最も必要な音楽の一つではないか、と感じたのでした。
ということで、ずっと川崎先生の作品だけのコンサートをやりたい、と思っていました。
植村先生から沢山レッスンしていただいた川崎作品。
また直接、川崎先生からも作品に関するお話をうかがうことが出来たこと、ムジカフィオーレや、CD作成の折に、ご指導いただけたことも、本当に貴重な経験でした。
何をやりたいか?それは、まず川崎先生の作品でしょう、ということがクリアになったのは、11月19日の無伴奏コンサート本番前の午後2時。
甲野先生の言葉「『いま在る自分』をどう直視できるか?」で、この気持ちは確信になった。
「いま在る自分」と最も向き合えるのが川崎優先生の作品。
今回の抽選会はその実現のための第一歩。
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という訳で、11月19日の本番が終わった直後から、この会場のことを考えていました。調べると、もう年内の抽選会は12月1日しかない!?
先生の作品を演奏するのなら、この会場が一番適している、と思い出向く。
それは、上野にある旧音楽学校奏楽堂。
https://www.taitogeibun.net/sougakudou/rekishi/
若き日の先生が学ばれた母校。そして戦後、東京芸術大学となった母校ではフルートの講師となられ、数多くの名フルーティストを育てられた。
ピアノはリサイタルやCDで沢山共演していただいたものの、コロナ禍になってからすっかりご無沙汰していた砂原悟さんが快諾してくださった。
植村先生の良きパートナーでもあり、川崎先生作品の共演も多い名手。
初めて川崎作品に触れる方にも、その魅力が伝わるよう、そして広島で被爆された川崎先生の平和への願いと祈りが今の時代に届くよう、日々精進していきたいと、思います。
どうぞ、審査が通りますように!!