FC piaZZista

”セールスマン”が結成したフットサルチーム「FC piaZZista」の軌跡とキャプテンの私生活。

角田光代「ひそやかな花園」

2010年10月05日 20時39分13秒 | 小説
本日、角田光代「ひそやかな花園」を読み終わりました。

「幼い頃、毎年サマーキャンプで一緒に過ごしていた7人。輝く夏の思い出は誰にとっても大切な記憶だった。 しかし、いつしか彼らは疑問を抱くようになる。『あの集まりはいったい何だったのか?』夫々の人生を歩んでいた彼らに、突如突きつけられた衝撃の事実。 大人たちの〈秘密〉を知った彼らは、自分という森を彷徨い始める――。」

小生が珍しく推す女流作家”角田光代”の最新作。
大絶賛した「八日目の蝉」、考えさせられた「森に眠る魚」を経た最新作。
期待せずには、いられない。
物語の前半部分は、ミステリー仕立て存分でグイグイと内容に引き込まれる。
数名の男女が幼少期に過ごしたキャンプの意味に疑問を覚え、成人していく。
その過程で、拭いされない疑問に大人の視点で解決を求める。
「知らなければイイ事実もある・・・」
「何もそこまで踏み込まなくても・・・」
そんな言葉が聞こえてきそうであるが、思い立ったら人間って止められないよね。
事実を知ってからの葛藤を緻密に描き切る角田光代は、凄い。
でも、代理母ならぬ精子ドナーには、少し浮世離れ感も否めない。
しかし、最後の2ページで一番粋がっていた登場人物に「勇気を出して悩みの扉を開けようよ」と語らせ、悩めるホモサピエンス達にエールを送る筆術に乾杯である。
真実が語られてから最後の2ページを迎えるまで、「ん~~~~っ?」と焦燥感を持ちながら読み進めたが、最後の2ページで乙女心よろしく「頑張って生きよ~~~っと」と思う41歳であった・・・。

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