ピアノ連弾 2台ピアノの世界

世界中のピアノ連弾、2台ピアノ作品を演奏しています!

中根裕子さんの2台ピアノ作品

2010-09-22 02:37:18 | 日記
このところピアノ入門者、初心者向けの連弾ピアノ、2台ピアノ作品を取り上げる機会が多くなっています。突然、このようなプログラムを思いついたわけではなく、「いつか演奏する機会が来るといいね」と入手した楽譜を見ながら、演奏する日を待っていた作品たちもたくさんあります。

その中に日本人作曲家の中根裕子さんの作られた作品たちがありました。
さくら貝の唄と龍神のバラードを演奏してみました。

楽譜はこちらで購入できます。
https://ssl10.secureserver.jp/anthrax/sitemusic/sitemusicjapan/include/cont_card.jsp?plm_1=100018061&plm_0=1&plm_2=0&plm_3=0




中根さんも先に紹介した、たなかすみこさん、坪根春枝さん、酒田冨治さんと同じように楽譜の中で練習や演奏の楽しさについて語っていらっしゃいます。1996年発売の楽譜ですから、今もその言葉に励まされて練習に勤しんでいる生徒さんも多いのではないでしょうか。
こうして、連弾ピアノ、2台ピアノ作品が日本の音楽家にとても大切にされ、重要視されていることをまたご紹介できて嬉しいです。

ここに併せて先のお三方のお言葉も再掲します。
今日初めてこのブログを読まれた方は、この素敵な言葉をたくさんの人に伝えてください。そうすれば、もっとたくさんのピアニストが連弾ピアノや2台ピアノ作品にも愛情を注いでくれるようになるでしょう。

***
ブルグミュラー 曲集第I集巻末の言葉
(この文章はピティナでの「みんなのブルグミュラー」でも紹介されています。)
ブルグミュラーのこの曲集は、練習曲とは思えない程情緒豊かなので既に国内でも良く広められております。
この2台ピアノ用(アルフレッド・バトラー編曲)の譜面は1935年以来アメリカのボストン・ミュージック社により出版されておりましたが、惜しくも昨年末で絶版となりました。それでこの度、新興ミュージック社と両者の新契約成立のもとに、私が解説・編著出来ます事はまことにうれしく光栄に存じます。」(1973年4月付)

第II集巻末の言葉(原文通り)
あとがき
第I集は1973年4月10日に初版(翌年8月に再版)この第II集は2年余あとの’76年に出版となりました。
第I集の出版記念音楽会の想い出について
’73年の6月25日に虎ノ門ホール(1600人席)でのプログラムは、第IーII集からの組み合わせを工夫して2人で2曲ずつをピアノ二重奏で全曲約1時間かかりました。他に第IIピアノの代わりに電気オルガンを使用、或いはバトラーの意向によって下記のように変化したもので2曲。
1)No.14 シシリアのワルツは弦楽(ヴァイオリン、ヴィオラ、セロ)付。第IIピアノの中に取り扱われる楽句が当時親しまれたクライスラー作曲のテーマ(レコードには作曲者自身のヴァイオリン・ソロとゴドスキーのピアノ伴奏で吹込まれている)が出て来て、華麗な曲になっています。
2)No. 25 お姫様の乗馬は第IIピアノのメイン・テーマをトランペットで吹きますと更に活気に充ちたマーチの表現で変化がつけられました。
編集者や奏者のアイディアで編曲したものは次の3曲(演奏時間は以上の2曲と次の3曲で30分かかる)
3)No.13 さよなら、にフリュートの助奏を入れました。
4)No.19 アベマリアには聖句をつけてコーラス(女声3部で40人参加)で歌い、リリックソプラノのadribのソロも配したので聖歌にふさわしいまことに優雅な曲となりました。
5)No. 10 やさしい花は前奏と終わりの部分でウェーバーの自由射手(讃美歌=主よみてもて)のテーマをコーラスが合流しました。
第IIピアノにはそのメイン・テーマが美しく浮きぼりにされていて、心までがやさしく香りそうなこの曲をプログラムの終わりにして弦楽 管楽器 電子オルガン コーラス等で50人の協力による大合奏で飾りました。とにかくバトラーの編曲のすばらしさと、秀れた演奏の表現と相まって、当日の発表は第成功裡に終了しました。

美しい虹の かけはしで心のつながりを!
終わりに、御家族や、お友達同志、生徒と先生が心をあわせて二重奏をして、このやさしくて美しい音楽をおたのしみください。
                      1976年4月  たなか すみこ

***
次は昭和60年に東京音楽書院から発売された坪根春枝さん監修の「2台のピアノによるグルリットアルバム」です。

はじめに

発表会も終りに近づいて、高学年の方達が、二台ピアノやコンチェルトを弾かれるのを、うらやましく、又、一寸退屈しながら聞いた方は、多いのではないでしょうか。
この本は、ピアノをはじめたばかりの方でも、音楽界でできるように、ツェルニー100番 程度の曲を集めてみました。
二台ピアノは、連弾よりもずっと華やかな音で楽しめます。相手に迷惑をかけないように
、一生懸命に練習をするでしょうし、演奏者が離れているので、よく聞き合わなければならず、二台の音がぴったりとあった時のよろこびで、ピアノの練習も楽しくなると思いす。
この本では、今、ピアニスト、ピアノの先生として活躍中の方々が、10~20年前、中学・高校時代に、二台ピアノ用に書いて楽しんだ曲もまぜて出版することにしました。音楽的には、幼い面もあるかわりに、心から楽しんだ若さがあると思います。
皆さんも、ピアノのレッスンに通い、宿題だけをするのではなく、仲間と好きな時に、もう一台分を書き添えて、楽しんでみたらいかがでしょうか。
ピアノが二台ない場合は、近頃売られている電気のキーボードを使うことをお勧めします。 せまいところでも使うことができる上に、色々な音色も楽しめます。あなたの今後の発表会にお役に立てば幸いです。
                                坪野春枝

この本に作品をのせた方は須田さゆりさんです。

****
最後は昭和57年に共同音楽出版社から出版された酒田富治さん監修の2台のピアノの為の「こどものピアノ二重奏曲(3)」です。

まえがき

ー2台のピアノによる合奏の楽しさをー

ピアノ連弾の楽しさを経験したこどもは、2台のピアノで演奏する合奏に強い興味を示します。この機をとらえて、合奏をさせますと、音楽に対する喜びと楽しさは、一段と深くなります。
こどものそうした欲求に応じ、初期の中から巾広い演奏経験をもたせたいと念願していましたが、いままでに出版されているものには、国の内外を問わず、初期での二重奏曲は、連弾以上に見当たりません。
そこで、連弾曲の場合と同じように、初歩の段階から弾ける、易しくて面白い二重奏曲と念願して編曲したものの中から、更に厳選し、整理編集したものが本書です。
本書では次のことに留意しました。
(1) 大譜表を使用する段階の程度から演奏できます。
(2) I(第1ピアノ)と II(第2ピアノ)が同じ程度に編曲したもの。ーこれらの曲は、連弾と同じように、I ・II交代で演奏します。
(3) I ・IIが同じ程度でなく編曲したものーこれは、程度が少し違う子供でも二重奏が楽しめるようにとの配慮からです。
(4) 1つの楽曲を独奏で、連弾で、二重奏でといろいろな形を通して味わえるようにと、「こどものピアノ曲集」や「和音から入るピアノの本」「子供の連弾」などの曲を多数取り入れました。

昭和57年 早春
                             酒田富治

***
私たちのHPです。
http://www16.ocn.ne.jp/~pccpiano/

第125回 2台のピアノの午後 子供の時間

2010-09-20 15:43:37 | 日記
次回のコンサートが決まりました。

10月9日(土)
第125回 2台のピアノの午後
子供の時間
CHILDREN'S HOUR

会場 月島ピアノアートサロン
開場 14:15 開演 14:30
入場料 大人2000円 小学生以下 500円

トンプソン 小さな手のための合奏教本 (2台ピアノ版)
酒田 冨治 編著 こどものピアノ二重奏曲 第3集 (チェルニー、ディアベリ ほか)
坪野 春枝 編著 2台のピアノによる グルリット アルバム (坪野 春枝、須田 さゆり 編曲)

これまで私たちはシュミット、タンスマンの連弾曲や、チェルニーの速度練習曲、クーラウ、クレメンティのソナチネ、そして、ブルグミュラーの作品を通じてピアノ初心者、入門者でも楽しめる2台ピアノ作品をご紹介してまいりました。

日本国内においても、以前からあらゆるレベルの連弾ピアノ、2台ピアノの演奏や研究は盛んに行われていました。残念ながら、楽譜が絶版になることなどにより、いつのまにか話題にのぼることが少なくなりました。しかし、さまざまな資料や国会図書館の所蔵を通じて、私たちは楽譜の存在を確認していました。
今回のコンサートで、トンプソンの作品と併せて日本人の作曲家によるピアノ初級者、入門者でも演奏が楽しめる作品群をご紹介できる幸運を喜んでおります。

酒田冨治さん、坪野春枝さんともに音楽教育理論書を多く著わしていらっしゃいます。
今回演奏する楽譜に書かれているお二人のお言葉が素晴らしく、学習者がピアノの勉強をすすめる上で非常に励みになります。
それぞれの作品は独奏でも楽しめますし、子供さんから大人のピアニストまで2台のピアノの作品として楽しく演奏ができます。
「現代ピアノ教本」で広く知られるトンプソンは、導入期からの合奏の重要性を説いています。初めて鍵盤に触れる子供用「小さな手のためのピアノ教本」の全曲に、見事な第二ピアノパートが加えられ、子供たちは生きた楽曲に最初からふれることができるようになっています。

今回ご紹介する作品群も数多く存在する優れた作品のほんの一部でしかありません。
これからも折りに触れ、初心者でも楽しめる連弾ピアノ、2台ピアノ作品をご紹介していきたいと思います。

私たちのHPです。
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サン=サーンス 動物の謝肉祭/デュエッティーノ/死の舞踏/子守歌[連弾]

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2台のピアノの午後 バッハ トッカータの午後

2010-09-19 17:44:00 | 日記
シルバーウィークの真っ最中の9月19日の日曜日、蒸し暑さが戻った中、
無事に第124回目のコンサートを開催しました。





プログラムより


第 一 部

1. ヨハン・ゼバスティアン・バッハ
JOHANN SEBASTIAN BACH [1685-1750]

オルガン作品集
(イシドール・フィリップ編曲 2台ピアノ版)

WORKS FOR ORGAN
(ARRANGED FOR TWO PIANOS BY ISIDOR PHILIPP)

トッカータ ニ短調「ドリア旋法」 BWV538  
TOCCATA IN D MINOR “DORIAN MODE” BWV538

トッカータ ヘ長調 BWV540
TOCCATA IN F MAJOR, BWV540

トッカータとフーガ ニ短調 BWV565
TOCCATA AND FUGA IN D MINOR, BWV565

近代フランスを代表する名ピアニスト,イシドール・フィリップの編曲版により2台ピアノで古典の名曲をご紹介するコンサートも回を重ねて参りました.今回は,バッハのオルガン作品から,自由な即興性と躍動感に富むトッカータと,荘重で高貴な美しさを湛えたパッサカリアをご紹介致します.プログラム前半は,流麗な「ドリア旋法」,メンデルスゾーンが「教会が崩れ落ちるよう」と評した大胆な転調を含む「ヘ長調」,そして,バッハの作品中もっとも広く親しまれている一曲「ニ短調」をお届けします.



第 二 部


2. ヨハン・ゼバスティアン・バッハ
JOHANN SEBASTIAN BACH

オルガン作品集
(イシドール・フィリップ編曲 2台ピアノ版)

WORKS FOR ORGAN
(ARRANGED FOR TWO PIANOS BY ISIDOR PHILIPP)

パッサカリアとフーガ ハ短調 BWV582  
PASSACAGLIA AND FUGA IN C MINOR, BWV582

トッカータ,アダージョとフーガ ハ長調 BWV564
TOCCATA, ADAGIO AND FUGA IN C MAJOR, BWV564

この2作品は,ともに,バッハの屈指の傑作に数えられます.「パッサカリア」では,荘重な歩みの上に,厳格な書法に則り慎重に展開されますが,いつしか人間的な情熱が抑え難く吹き上がります.今回のしめくくりとなる「ハ長調」は,中間に哀切なイ短調がはさまれますが,終結部の壮大にして晴朗な音響は全ての人に希望を与えるものです.フィリップの素晴しい編曲でご紹介できることを嬉しく思います.

次回第125回は10月日(土)です。
HPはこちら
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ピアノスコア ワーグナー=レーガー オペラ名曲集 [2台ピアノ版]

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東京六大学ピアノ連盟

2010-09-19 03:30:08 | 日記
東京六大学ピアノ連盟のコンサートを聴きに杉並公会堂に行ってきました。
オールデュオのプログラムで連弾とアンサンブルの第3部に間に合いました。

学生さんのピアノコンサートも何度も足を運んで聴いています。ピアニストになれそうなほど上手な人もいて毎回楽しんでいます。

フランクの伴奏をされた方のピアノが上手でした。2台ピアノ作品が続く第4部も皆さんお上手で、会場中が大喝采で埋まりました。

19日は私たちの本番です。学生さんたちに負けないように頑張らなければ。

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ホルスト/惑星 作品32 作曲者による2台ピアノ版

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ブラジルから

2010-09-18 02:51:17 | 日記
明日はいよいよ本番です。
いろいろあった今週。さまざまな思いがよぎるコンサートになりそうです。

まずは嬉しいお便りをご紹介。
ブラジルのハダメス・ニャタリの未亡人のネリーさんとは何度もメッセージを交換しています。ハダメスとネリーさんが日常的に2台ピアノの演奏を楽しんでいたことも、直接ご本人から教えていただきました。日本のブラジル音楽のサイトでも言及されていない貴重な証言です。
最近、ニャタリのHPが大きく更新されているので、ネリーさんにいろいろお訊ねしたところ、1968年にニャタリとまだ旧姓を名乗っていらっしゃるネリーさんが2台ピアノを演奏したLPのジャケットを送ってくださいました。ネリーさんの許可をいただいてご紹介いたします。


女優でもあるネリーさんが素敵です。HPを見ればわかるのですが、お二人揃って写っているときのハダメスの笑顔がとても豪快で幸せそうで、お二人が如何に愛情にあふれた関係であったかがわかります。このLPはネリーさんも1枚しかお持ちでないとのことですが、録音して送ってくださるそうです。ブラジルのボサノバ、ショーロの名曲の数々を2台ピアノに編曲してご夫婦で弾かれた演奏を聴くのがとても楽しみです。アルバムの詳細はニャタリのHPをご覧ください。

ミニョーネご夫妻も自作の2台ピアノ作品を録音されています。このアルバムの解説を書かれたピントもご夫婦で2台ピアノを演奏されています。こうして世界中で2台ピアノや連弾ピアノが日常的に楽しまれている事実をご紹介できるのは嬉しい限りです。どうかこのブログを読まれた方はご自分でも世界中のピアノデュオの作品を探してみてください。日本でももっともっと多くの曲が弾かれることを願ってやみません。

有名な音楽家のドキュメンタリーを見ても、連弾や2台ピアノを楽しんでいる姿を多く見かけます。ロストロポービッチのドキュメンタリーでは娘さんと連弾をしている写真が紹介されていましたし、チェリストの彼が見事なピアノ演奏で奥様の歌の伴奏もされていました。

家族で音楽を楽しんでいらっしゃる姿は心を優しく豊かにしてくれます。紡ぎだされる音も愛情あふれる幸せな音色であることでしょう。


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チェルニー 2台のピアノのための速度練習曲(40番練習曲) Op.299b
カール・チェルニー
プリズム

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バッハ トッカータの午後

2010-09-17 13:48:40 | 日記
今週はいろいろなことがありました。
まだ落ち着かないので、まずは19日のコンサートのお知らせをしておきます。
お時間のある方は是非足をお運びください。


第124回 2台のピアノの午後

会場 ピアノアートサロン(東京都中央区月島)
開場 14:15 開演 14:30
入場料
大人 2000円 小学生以下 500円

バッハ トッカータの午後
MATINEE WITH J. S. BACH'S ORGAN TOCCATAS & PASSACAGLIA
     
近代フランスを代表する名ピアニスト、イシドール・フィリップの編曲版により
2台ピアノで古典の名曲をご紹介するコンサートも回を重ねて参りました。
今回は、バッハのオルガン作品から、自由な即興性と躍動感に富むトッカータと、
荘重で高貴な美しさを湛えたパッサカリアをご紹介致します。
新しい魅力が引き出されたバッハの音楽をどうぞお楽しみ下さい。
 
 
J. S. バッハ
トッカータ ニ短調「ドリア旋法」 BWV538
トッカータ ヘ長調 BWV540
トッカータとフーガ ニ短調 BWV565
パッサカリアとフーガ ハ短調 BWV582
トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV564
(2台ピアノ版)
  
全曲編曲 イシドール・フィリップ

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ラフマニノフ 前奏曲嬰ハ短調 作品3-2「鐘」 [ピアノソロ/2台ピアノ(作曲家自身によるアレンジ版)]

プリズム

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ブルグミュラーとチェルニーの映像

2010-09-12 13:18:42 | 日記
9月5日のコンサートの録音をyoutubeにアップしました。
お楽しみください。

ブルグミュラー アラベスク


チェルニー24番練習曲 第2番 「子守唄」

フレデリック・コーダーの手によるこの24番練習曲の2台ピアノパートはソロでも演奏可能です。

その他の作品もyoutubeで紹介しています。
是非ご覧になって見てください。
http://www.youtube.com/pccpianoduo

9月19日のコンサート

2010-09-08 13:07:37 | 日記
「ブルグミュラーとチェルニー」の録音の編集が終わりました。
会場では演奏者も譜めくりも2台のピアノが合わさった状態では作品を聴くことはできないので、録音によってこれらの作品をゆっくりと楽しみます。一人でも多くの人にこれらの楽しく、素晴らしい、優れた作品群を聞いて燃え会いたいです。

今月、2回目のコンサートをご紹介します。

第124回 2台のピアノの午後

会場 ピアノアートサロン(東京都中央区月島)
開場 14:15 開演 14:30
入場料
大人 2000円 小学生以下 500円

バッハ トッカータの午後
MATINEE WITH J. S. BACH'S ORGAN TOCCATAS & PASSACAGLIA
     
近代フランスを代表する名ピアニスト、イシドール・フィリップの編曲版により
2台ピアノで古典の名曲をご紹介するコンサートも回を重ねて参りました。
今回は、バッハのオルガン作品から、自由な即興性と躍動感に富むトッカータと、
荘重で高貴な美しさを湛えたパッサカリアをご紹介致します。
新しい魅力が引き出されたバッハの音楽をどうぞお楽しみ下さい。
 
 
J. S. バッハ
トッカータ ニ短調「ドリア旋法」 BWV538
トッカータ ヘ長調 BWV540
トッカータとフーガ ニ短調 BWV565
パッサカリアとフーガ ハ短調 BWV582
トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV564
(2台ピアノ版)
  
全曲編曲 イシドール・フィリップ


サン=サーンス 動物の謝肉祭/デュエッティーノ/死の舞踏/子守歌[連弾]

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HPはこちらです。
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2つの2台ピアノの楽譜

2010-09-06 14:15:38 | 日記
今日も暑いですね。コンサート前日にレイセク氏の楽譜についての問い合わせがありました。楽譜に関するお問い合わせには回答していないことは何度も申し上げておりますが、レイセク氏の楽譜はチェコの通信販売サイトで購入できるので、そのサイトをお知らせしました。「どうやってそんなに楽譜を見つけるんですか?」との質問は数多くありますがコツはただ一つ「見つかるまで探す!」です。

昨日のコンサートの余韻も冷めやらない今日は嬉しい楽譜をご紹介します。
いずれの楽譜の前文が素晴らしいので、ここに全文ご紹介します。

1冊目は昭和60年に東京音楽書院から発売された坪根春枝さん監修の「2台のピアノによるグルリットアルバム」です。

はじめに

発表会も終りに近づいて、高学年の方達が、二台ピアノやコンチェルトを弾かれるのを、うらやましく、又、一寸退屈しながら聞いた方は、多いのではないでしょうか。
この本は、ピアノをはじめたばかりの方でも、音楽界でできるように、ツェルニー100番
程度の曲を集めてみました。
二台ピアノは、連弾よりもずっと華やかな音で楽しめます。相手に迷惑をかけないように
、一生懸命に練習をするでしょうし、演奏者が離れているので、よく聞き合わなければならず、二台の音がぴったりとあった時のよろこびで、ピアノの練習も楽しくなると思います。
この本では、今、ピアニスト、ピアノの先生として活躍中の方々が、10~20年前、中学・高校時代に、二台ピアノ用に書いて楽しんだ曲もまぜて出版することにしました。音楽的には、幼い面もあるかわりに、心から楽しんだ若さがあると思います。
皆さんも、ピアノのレッスンに通い、宿題だけをするのではなく、仲間と好きな時に、もう一台分を書き添えて、楽しんでみたらいかがでしょうか。
ピアノが二台ない場合は、近頃売られている電気のキーボードを使うことをお勧めします。
せまいところでも使うことができる上に、色々な音色も楽しめます。あなたの今後の発表会にお役に立てば幸いです。
                                坪野春枝

この本に作品をのせた方は須田さゆりさんです。

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2冊目は昭和57年に共同音楽出版社から出版された酒田富治さん監修の2台のピアノの為の「こどものピアノ二重奏曲(3)」です。



まえがき

ー2台のピアノによる合奏の楽しさをー

ピアノ連弾の楽しさを経験したこどもは、2台のピアノで演奏する合奏に強い興味を示します。この機をとらえて、合奏をさせますと、音楽に対する喜びと楽しさは、一段と深くなります。
こどものそうした欲求に応じ、初期の中から巾広い演奏経験をもたせたいと念願していましたが、いままでに出版されているものには、国の内外を問わず、初期での二重奏曲は、連弾以上に見当たりません。
そこで、連弾曲の場合と同じように、初歩の段階から弾ける、易しくて面白い二重奏曲と念願して編曲したものの中から、更に厳選し、整理編集したものが本書です。
本書では次のことに留意しました。
(1) 大譜表を使用する段階の程度から演奏できます。
(2) I(第1ピアノ)と II(第2ピアノ)が同じ程度に編曲したもの。ーこれらの曲は、連弾と同じように、I ・II交代で演奏します。
(3) I ・IIが同じ程度でなく編曲したものーこれは、程度が少し違う子供でも二重奏が楽しめるようにとの配慮からです。
(4) 1つの楽曲を独奏で、連弾で、二重奏でといろいろな形を通して味わえるようにと、「こどものピアノ曲集」や「和音から入るピアノの本」「子供の連弾」などの曲を多数取り入れました。

昭和57年 早春
                             酒田富治

*****
こんなに素晴らしい言葉が1980年代の日本の音楽の世界では語られていたのですね。
どれだけの生徒さんが連弾ピアノや2台ピアノ作品を楽しまれていたことでしょう。
私たちの活動もこれらの言葉を知る前から、同じような感じ方を持ちながら続けてきました。

さまざまな縁の巡り合わせで、同じ時期にこの2冊の楽譜が手元に届いた幸運に喜んでいます。そして、すっかり忘れられた素晴らしい言葉をこうして皆さんにお知らせすることができて、連弾ピアノ、2台ピアノの音楽に魅せられた人間として光栄に思います。

2台のピアノの午後 ブルグミュラーとチェルニー

2010-09-06 02:13:17 | 日記
暑い暑い9月5日の昼下がり、無事に第123回目のコンサート終了しました。
ブルグミュラーとチェルニーの作品が見事な2台ピアノの芸術になった至福のひと時でした。




プログラムより

第 一 部

1. ヨハン・フリードリヒ・ブルグミュラー
JOHANN FRIEDRICH BURGMULLER [1806-74]

25の練習曲 作品100
(アルフレッド・バトラー編曲 2台ピアノ版)

25 EASY STUDIES OP. 100
(ARRANGED FOR TWO PIANOS BY ALFRED BUTLER)

I. CANDOR / 素直な心
II. ARABESQUE / アラベスク
III. PASTORALE / 牧歌
IV.      THE GAME PARTY / 子供の集会
V. INNOCENCE / 無邪気


VI. PROGRESS / 進歩
VII. THE LIMPID BROOK / 清い流れ
VIII. GRACE / 優美
IX. THE HUNT / 狩
X. THE DELICATE FLOWER / やさしい花


XI. THE WAGTAIL / せきれい
XII. THE FAREWELL / さようなら
XIII. CONSOLATION / なぐさめ
XIV. THE STYRIENNE / スティリアの女
XV. BALLADE / バラード


XVI. LITTLE COMPLAINT / 小さな嘆き
XVII.     THE BABBLER / おしゃべり
XVIII.     RESTLESSNESS / 心配
XIX.     AVE MARIA / アベマリア
XX.     TARANTELLA / タランテラ


XXI.     ANGELIC HARMONY /          天使の声
XXII.     BARCAROLLE / 舟歌
XXIII.     THE JOYOUS RETURN /            帰り道
XXIV. THE SWALLOW / つばめ
XXV. MY LADY’S RIDE / 貴婦人の乗馬

ブルグミュラー,チェルニーの練習曲集は,学習者の広い支持を集めています.ブルグミュラーは,各曲のタイトルと共に,なつかしく思い出される方も多いことでしょう.おさらい会の定番として皆さんの耳に長くなじんでいる曲も,2台のピアノがあれば,驚くほど新鮮に生まれ変わることをご存知でしょうか.ブルグミュラーの原曲を第一ピアノとし,第二ピアノのパートを加えた2台ピアノ版はいくつか種類がありますが,今回は,アメリカのアルフレッド・バトラー版をお届け致します.優れたピアニスト・指導者であった たなか すみこさんの尽力により,1970年代に日本に紹介され,現在でも広く親しまれているバトラー版は,芸術性に富む本格的な2台ピアノ版として,高く評価されています.

第 二 部

2. カール・チェルニー
CARL CZERNY [1791-1857]

初級速度教本 (24番練習曲) 作品636
(フレデリック・コーダー編曲 2台ピアノ版)
[第2ピアノパートは「24の性格的小品集」として独奏曲としても演奏可能]

PRELIMINARY SCHOOL OF VELOCITY (24 STUDIES) OP. 636
(ARRANGED FOR TWO PIANOS BY FREDERICK CORDER)
[The second piano part can also be played as “24 Characteristic Pieces” for piano solo]

I. ALLEGRO / ROMANCE / ロマンス
II. ALLEGRO / LULLABY / 子守歌
III. ALLEGRO VIVACE / MARCH / 行進曲
IV. ALLEGRO / FROM NORWAY / ノルウェイより
V. ALLEGRO / HUNTING SONG / 狩の歌


VI. ALLEGRO / FROM SCOTLAND / スコットランドより
VII. ALLEGRO MODERATO / LOVE SONG / ラブソング
VIII. ALLEGRO MODERATO / MINUET / メヌエット
IX. ALLEGRO VIVACE / HUNGARIAN (CZARDAS) / チャルダッシュ
X. ALLEGRO / GAVOTTE / ガボット


XI. ALLEGRO COMODO / PASTORAL / 牧歌
XII. ALLEGRO LEGGIERO / ORPHEUS WITH HIS LUTE / 竪琴を弾くオルフェウス
XIII. ALLEGRO VIVACE / AIR DE BALLET / バレエの情景
XIV. ALLEGRO VIVACE / CACHUCA I / カチューカ第一
XV. ALLEGRO VIVACE / CACHUCA II / カチューカ第二


XVI. ALLEGRO MODERATO / MELODY / メロディ
XVII. ALLEGRO SCHERZOSO / FROM THE NEW WORLD / 新世界より
XVIII. MODERATO / PRAYER / 祈り
XIX. ALLEGRO MOLTO / STORM / あらし
XX. ALLEGRO VELOCE / THINKING OF MOZART / モーツァルトのように


XXI. ALLEGRO VIVO / VALSE I / ワルツ 第一
XXII. ALLEGRO COMODO / VALSE II / ワルツ 第二
XXIII. ALLEGRO MOLTO / BARCAROLE / 舟歌
XXIV. ALLEGRO / TARANTELLA / タランテラ

チェルニー24番練習曲(初級速度教本)は,敏捷性の鍛錬や左手の重視に特色のある,まとまりのよい曲集です.日本でも,チェルニー30番・40番練習曲の併用教材として,近年あらためて注目されています.今回は,近代イギリスの作曲家,フレデリック・コーダーの作曲した第二ピアノのパート(「24の性格的小品集」として独奏曲としても演奏可能)を付けて演奏致します.コーダーは,青年期にドイツに留学,ケルン音楽院でフェルディナント・ヒラーに師事したほか,イタリアではヴェルディにも面会しています.帰国後は,英国王立音楽院で後進の育成にあたり,門下からはヨーク・ボウエン,アーノルド・バックスらの俊英を輩出しました.ワーグナーのオペラのイギリスでの紹介者としての功績も高く評価されています.チェルニーの原曲のよさを生かしながら加えられた第二ピアノパートは変幻自在の面白さで,コーダーの持ち前の卓抜なセンスがいかんなく発揮されたものといえるでしょう.

***
残暑の中いらしてくださったお客様も、2台のピアノの織りなす音楽の素敵な世界を楽しんでくださったようです。休憩時間にも、終演後も作品や楽譜や演奏者についての質問をたくさんいただきました。どなたにもなじみのメロディーを2台ピアノの芸術作品として皆さまにご紹介出来たことを嬉しく思います。

2台ピアノ ブルグミュラーとチェルニー

2010-09-04 09:47:42 | 日記
またまた素敵な2台ピアノ作品を入手しました。
日本人作曲家による編曲物です。
80年代に出版されたものです。
こうして、ちゃんと初心者にも、ピアノ指導者にも楽しめる2台ピアノ作品が出版されていたことを、あらたにご紹介できるのが嬉しいです。
明日は私たちの第123回目のコンサート。観覧希望のお問い合わせもありました。準備もありますので、これらの作品群のご紹介はコンサート終了後に!お楽しみに!

9月5日のコンサート

第123回 2台のピアノの午後

ブルグミュラーとチェルニー
BURGMULLER & CZERNY IN DUO
  
会場:ピアノアートサロン(東京都中央区月島)

開場 13時15分 開演 13時30分

入場料 大人 2000円 小学生以下 500円

ピアニスト 益子 徹・西原 昌樹


 
演奏曲
 
ブルグミュラー25の練習曲 作品100(アルフレッド・バトラー編曲 2台ピアノ版)
 
チェルニー初級速度教本(24番練習曲) 作品636(フレデリック・コーダー編曲 2台ピアノ版)

HPはこちら
http://www16.ocn.ne.jp/~pccpiano/

こうして2台ピアノや連弾ピアノが以前から親しまれていた事実をご紹介出来るのは嬉しいです。「2台ピアノは難しい」というのも「重要ではない」「珍しい」という発言と並んで見かける心を痛める言葉です。初心者同士、子供さん同士でも楽しめる作品は先日ご紹介した「チョップスティック」の連弾版でもおわかりの通りたくさんあります。

このブログの読者の方は「連弾ピアノ、2台ピアノは重要だし、演奏するのは楽しくてやめられない」って感じてくださっていると願っています。


ラフマニノフ 前奏曲嬰ハ短調 作品3-2「鐘」 [ピアノソロ/2台ピアノ(作曲家自身によるアレンジ版)]

プリズム

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モンゴルの作曲家

2010-09-03 10:31:45 | 日記
9月に入っても暑さは続きます。
この残暑は一体どこまで???

2月のバンコクもやはり暑かったです。
私たちのコンサートで譜めくりをしてくれたモンゴル人ピアニストTsengelmaa Lkhagvasurenさんのリサイタルが9月20日、バンコクのドイツ文化センター ゲーテインスティトゥートで開催されます。
バッハ、モーツァルト、ラフマニノフ、ショパン、ラヴェルなどの作品のほかに最後の曲が
ゴンチグソムラー(S. Gonchigsumlaa)というモンゴル人作曲家のBuriatan Dances Opus 12 No. 6を演奏します。

このプログラムを見て、バンコクにまで聴きに行きたくなって航空券まで調べてしまいました。なにしろ前日の19日には私たちの124回目のコンサートがあるので、もし訪タイするなら翌日20日の午前中の便で行かなければなりません。
実現はほぼ不可能ですが、私たちの演奏会で笑顔を絶やさず「どの曲も素敵だ」と一つ一つの作品を喜んでいた彼女の演奏を聴きたいです。ちゃんと自国の作曲家を取り入れる意欲的なプログラムにも感銘を受けます。

コンサートの情報はこちらです。
http://www.dmmusic.org/sep20.html

彼女に負けないように私たちのコンサートも5日と19日に開催します。
HPはこちらです。
http://www16.ocn.ne.jp/~pccpiano/