ピアノ連弾 2台ピアノの世界

世界中のピアノ連弾、2台ピアノ作品を演奏しています!

中根裕子さんの2台ピアノ作品

2010-09-22 02:37:18 | 日記
このところピアノ入門者、初心者向けの連弾ピアノ、2台ピアノ作品を取り上げる機会が多くなっています。突然、このようなプログラムを思いついたわけではなく、「いつか演奏する機会が来るといいね」と入手した楽譜を見ながら、演奏する日を待っていた作品たちもたくさんあります。

その中に日本人作曲家の中根裕子さんの作られた作品たちがありました。
さくら貝の唄と龍神のバラードを演奏してみました。

楽譜はこちらで購入できます。
https://ssl10.secureserver.jp/anthrax/sitemusic/sitemusicjapan/include/cont_card.jsp?plm_1=100018061&plm_0=1&plm_2=0&plm_3=0




中根さんも先に紹介した、たなかすみこさん、坪根春枝さん、酒田冨治さんと同じように楽譜の中で練習や演奏の楽しさについて語っていらっしゃいます。1996年発売の楽譜ですから、今もその言葉に励まされて練習に勤しんでいる生徒さんも多いのではないでしょうか。
こうして、連弾ピアノ、2台ピアノ作品が日本の音楽家にとても大切にされ、重要視されていることをまたご紹介できて嬉しいです。

ここに併せて先のお三方のお言葉も再掲します。
今日初めてこのブログを読まれた方は、この素敵な言葉をたくさんの人に伝えてください。そうすれば、もっとたくさんのピアニストが連弾ピアノや2台ピアノ作品にも愛情を注いでくれるようになるでしょう。

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ブルグミュラー 曲集第I集巻末の言葉
(この文章はピティナでの「みんなのブルグミュラー」でも紹介されています。)
ブルグミュラーのこの曲集は、練習曲とは思えない程情緒豊かなので既に国内でも良く広められております。
この2台ピアノ用(アルフレッド・バトラー編曲)の譜面は1935年以来アメリカのボストン・ミュージック社により出版されておりましたが、惜しくも昨年末で絶版となりました。それでこの度、新興ミュージック社と両者の新契約成立のもとに、私が解説・編著出来ます事はまことにうれしく光栄に存じます。」(1973年4月付)

第II集巻末の言葉(原文通り)
あとがき
第I集は1973年4月10日に初版(翌年8月に再版)この第II集は2年余あとの’76年に出版となりました。
第I集の出版記念音楽会の想い出について
’73年の6月25日に虎ノ門ホール(1600人席)でのプログラムは、第IーII集からの組み合わせを工夫して2人で2曲ずつをピアノ二重奏で全曲約1時間かかりました。他に第IIピアノの代わりに電気オルガンを使用、或いはバトラーの意向によって下記のように変化したもので2曲。
1)No.14 シシリアのワルツは弦楽(ヴァイオリン、ヴィオラ、セロ)付。第IIピアノの中に取り扱われる楽句が当時親しまれたクライスラー作曲のテーマ(レコードには作曲者自身のヴァイオリン・ソロとゴドスキーのピアノ伴奏で吹込まれている)が出て来て、華麗な曲になっています。
2)No. 25 お姫様の乗馬は第IIピアノのメイン・テーマをトランペットで吹きますと更に活気に充ちたマーチの表現で変化がつけられました。
編集者や奏者のアイディアで編曲したものは次の3曲(演奏時間は以上の2曲と次の3曲で30分かかる)
3)No.13 さよなら、にフリュートの助奏を入れました。
4)No.19 アベマリアには聖句をつけてコーラス(女声3部で40人参加)で歌い、リリックソプラノのadribのソロも配したので聖歌にふさわしいまことに優雅な曲となりました。
5)No. 10 やさしい花は前奏と終わりの部分でウェーバーの自由射手(讃美歌=主よみてもて)のテーマをコーラスが合流しました。
第IIピアノにはそのメイン・テーマが美しく浮きぼりにされていて、心までがやさしく香りそうなこの曲をプログラムの終わりにして弦楽 管楽器 電子オルガン コーラス等で50人の協力による大合奏で飾りました。とにかくバトラーの編曲のすばらしさと、秀れた演奏の表現と相まって、当日の発表は第成功裡に終了しました。

美しい虹の かけはしで心のつながりを!
終わりに、御家族や、お友達同志、生徒と先生が心をあわせて二重奏をして、このやさしくて美しい音楽をおたのしみください。
                      1976年4月  たなか すみこ

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次は昭和60年に東京音楽書院から発売された坪根春枝さん監修の「2台のピアノによるグルリットアルバム」です。

はじめに

発表会も終りに近づいて、高学年の方達が、二台ピアノやコンチェルトを弾かれるのを、うらやましく、又、一寸退屈しながら聞いた方は、多いのではないでしょうか。
この本は、ピアノをはじめたばかりの方でも、音楽界でできるように、ツェルニー100番 程度の曲を集めてみました。
二台ピアノは、連弾よりもずっと華やかな音で楽しめます。相手に迷惑をかけないように
、一生懸命に練習をするでしょうし、演奏者が離れているので、よく聞き合わなければならず、二台の音がぴったりとあった時のよろこびで、ピアノの練習も楽しくなると思いす。
この本では、今、ピアニスト、ピアノの先生として活躍中の方々が、10~20年前、中学・高校時代に、二台ピアノ用に書いて楽しんだ曲もまぜて出版することにしました。音楽的には、幼い面もあるかわりに、心から楽しんだ若さがあると思います。
皆さんも、ピアノのレッスンに通い、宿題だけをするのではなく、仲間と好きな時に、もう一台分を書き添えて、楽しんでみたらいかがでしょうか。
ピアノが二台ない場合は、近頃売られている電気のキーボードを使うことをお勧めします。 せまいところでも使うことができる上に、色々な音色も楽しめます。あなたの今後の発表会にお役に立てば幸いです。
                                坪野春枝

この本に作品をのせた方は須田さゆりさんです。

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最後は昭和57年に共同音楽出版社から出版された酒田富治さん監修の2台のピアノの為の「こどものピアノ二重奏曲(3)」です。

まえがき

ー2台のピアノによる合奏の楽しさをー

ピアノ連弾の楽しさを経験したこどもは、2台のピアノで演奏する合奏に強い興味を示します。この機をとらえて、合奏をさせますと、音楽に対する喜びと楽しさは、一段と深くなります。
こどものそうした欲求に応じ、初期の中から巾広い演奏経験をもたせたいと念願していましたが、いままでに出版されているものには、国の内外を問わず、初期での二重奏曲は、連弾以上に見当たりません。
そこで、連弾曲の場合と同じように、初歩の段階から弾ける、易しくて面白い二重奏曲と念願して編曲したものの中から、更に厳選し、整理編集したものが本書です。
本書では次のことに留意しました。
(1) 大譜表を使用する段階の程度から演奏できます。
(2) I(第1ピアノ)と II(第2ピアノ)が同じ程度に編曲したもの。ーこれらの曲は、連弾と同じように、I ・II交代で演奏します。
(3) I ・IIが同じ程度でなく編曲したものーこれは、程度が少し違う子供でも二重奏が楽しめるようにとの配慮からです。
(4) 1つの楽曲を独奏で、連弾で、二重奏でといろいろな形を通して味わえるようにと、「こどものピアノ曲集」や「和音から入るピアノの本」「子供の連弾」などの曲を多数取り入れました。

昭和57年 早春
                             酒田富治

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私たちのHPです。
http://www16.ocn.ne.jp/~pccpiano/