チャイコフスキー庵 Tchaikovskian

有性生殖生物の定めなる必要死、高知能生物たるヒトのパッション(音楽・お修辞・エンタメ・苦楽・群・遺伝子)。

「エル・グレコのおまけ/10頭身の非現実世界」

2013年01月24日 00時27分42秒 | 絵画・カウンタ(寓意がある希ガスる
東京都美術館は昨年に改修工事が終わって
"リニューアル・オープン"したのだが、そもそもその
開館にあたっては、
麻生太郎財務大臣の曾爺さんらと同様に北九州の炭坑経営で儲けた
佐藤慶太郎の巨額の寄附に頼るところが大きかったという。
「富んだまま死ぬのは人間の恥」
という気持ちからだったらしい。
「エル・グレコ展」を上野の東京都美術館に観にいってきた。
積極的に行ったわけではない。未だに残る浮世の義理でである。
その「縦長にデフォルメされた聖人、くすんだ色、拙いデッサン」という
特徴が私の趣味とは異なるからである。
絵をみてると三半規管がグルグルまわって渦巻きになって
天井まで昇ってしまいそうな眩暈がする。そういえば、
眩暈がするほど美人女優の森口瑤子女史も面長な顔をしてるから
この"展覧会サポーター"なるものに起用されたのだろうか。

ともあれ、
"El Greco(エル・グレコ、1541-1614)"というのは、
イタリア語で「ギリシャ人」という意味の"Il Greco(イル・グレーコ)"を、
定冠詞だけスペイン語のエルに替えた
"外来語"的なニックネイムなのである。
ギリシャのクレタ島出身で、イタリア経由でスペインに移ったので
そう呼ばれたようである。最終的には
トレドに定住して画作に明けクレタと伝えられる。昔は、
上野駅からはギリシャではなくヨギシャ(夜汽車)が出たものである。
ともあれ、エル・グレコの本名は、
Domenikos Theotokopoulos(ドメニコス・テオトコープロス)というらしい。
テオトコープロスとは、"Theo(テーオ=神)"の"tokos(トーコス=関係者)"から
"poulos(プーロス=産まれた者)"、つまり、
エル・グレコの神髄は宗教画ということになったのである。

というわけで、
エル・グレコの絵から感動を覚えない私ではあるが、かつて、
反日狂信的反捕鯨主義者オリヴィア・ニュートン・ジョンが主演した
"Grease(グリース)"という映画が、
ギリシャ人転校生のお噺だと思いこんでたほどの
拙脳なる私の感想にすぎない。それはさておき、
帰りの"ミュージアム・ショップ"では、
フエキ糊(どうぶつのり)を見つけて買ってきた。こちらは、
押しつぶされたようにデフォルメされたどうぶつの顔が容器となってる。
amazonでは直販品ではないので送料がかかって面倒なのである。
エル・グレコの絵が奇を衒った物以外の何ほどでもないというのは
万古不易の真理であるが、そのつまらない展覧会を観たご褒美に
不忍池をひとっ飛びできそうなほどの
思いがけないおまけがついてきたようなものである。
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