チャイコフスキー庵 Tchaikovskian

有性生殖生物の定めなる必要死、高知能生物たるヒトのパッション(音楽・お修辞・エンタメ・苦楽・群・遺伝子)。

「サミット日本開催年直近G1級競走式馬券術/第84回優駿牝馬(東京競馬)」

2023年05月22日 13時38分12秒 | チャイコ全般(6つの目のチャイコロジー
日本で先進国首脳会議が開かれた年で
その終了日から1週間内にG1(級)競走があったのは
過去2度

1986年5月4日乃至6日 東京サミット
5月11日安田記念
結果 [7枠-8枠-6枠]
ギャロップダイナ号 柴崎勇騎手 矢野進厩舎

2016年5月26日乃至27日 伊勢志摩サミット
5月29日東京優駿
結果 [2枠-4枠-1枠]
マカヒキ号 川田将雅騎手 友道康夫厩舎

そして 今年の 5月19日乃至21日 広島サミット
5月21日優駿牝馬
なことである

現在も現役な馬券対象騎手・厩舎への配慮は当然ながら
柴崎勇騎手(のち調教師) 矢野進調教師 は故人とはいえ
在職中に亡くなった矢野進厩舎から管理馬を引き継いだ
鹿戸雄一厩舎 松山将樹厩舎 への注意は必要なことである

優駿牝馬 結果 [3枠-6枠-7枠]
リバティアイランド号 川田将雅騎手 中内田充正厩舎

優勝馬は川田将雅騎手 2着馬は友道康夫厩舎
3着馬7枠同枠に鹿戸雄一厩舎がいたことである また
これら 安田記念 東京優駿 優駿牝馬 のいずれも
隣枠同士が馬券対象となってることである

ちなみに 広島県出身の 田中健騎手 はこの日
新潟競馬で4鞍騎乗したことであるが そのうち
11レースと12レースはともに6枠だったことであり
同じく広島県出身の 笹田和秀厩舎は
京都競馬で2レースそれぞれ1頭ずつ出走させてることであるが
そのうちのひとつが6枠だったことである いっぽう
松山将樹厩舎は日曜
新潟競馬で4レースそれぞれ1頭ずつ出走させてたことであるが
そのうちのひとつは6枠だったことである それから
大リーグ フィラデルフィア・フィリーズの
ブライス・ハーパー 選手の背番号は 3 なことであり
優勝枠3枠のヒモに6枠は相応しかったことである

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"Russian Polonaises and Tchaikovsky's Borelo-rhythme"

2015年09月21日 21時15分57秒 | チャイコ全般(6つの目のチャイコロジー
In the Russian Empire "Polonaise" was the symbol of "victory" and "ostentation of its greatness".

Tchaikovsky wrote Polonaises in that meaning, too. And he made his own rhythm, later Maurice Ravel took it in " Borelo ".
"- ・・・"

Symphony 4 ( beginning ) - Polonaise from "Evgeny Onegin" act 3 - 1812 ( Господи Люди Твоя recapitulation ) - "The Queen of

Spades ( #15 act 3 ending Empress Ekaterina II appears )" --- and also the same rhythm Violin Concerto ( 1st movement development )

cf;

http://blog.goo.ne.jp/passionbbb/e/49eb649e9a678fd33d8d057e9d8d24df


http://blog.goo.ne.jp/passionbbb/e/6993f85bd32b99cc937a305e7c12f79b


http://blog.goo.ne.jp/passionbbb/e/c06eb9177dc9a37cbec4dec214adbf17



http://blog.goo.ne.jp/passionbbb/e/823e14530ac9fc209b27416c499eb459

https://soundcloud.com/kamomenoiwao_15/tchaikovskys-polonaises-bolero-rhythm
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「チャイコフスキー『オネーギン』3男声アリアすべてに現れるクラリネットのオブリガート」

2015年07月15日 18時18分42秒 | チャイコ全般(6つの目のチャイコロジー
チャイコフスキーのオペラ、いわゆる
「エヴゲニー・オネーギン」は3幕から成ってる。
このオペラにおいて男性の主要なる3人の登場人物は、

1.タイトル・ロウル(バリトン)
2.(1.の友人)レンスキー(テノール)
3.タチヤーナの夫となるグレーミン公爵(バス)

である。1幕の有名な「手紙の場面」以降に、
この3人にはそれぞれ「アリア」が与えられている。

第1幕第3場(#12a)オネーギンのアリア
第2幕第2場(#17a)レンスキーのアリア
第3幕第1場(#20a)オネーギンのアリア

都鳥がユリカモメのことなのかどうかも知らない拙脳なる私には
アリオーソとアリアにどんな違いがありやなしやも解るはずもないが、いずれにせよ、
上記3男性に「アリア」と銘打って与えられてるのは
この3曲である。

「オネーギンのアリア」
[アンダーンテ・ノン・トロッポ(四分音符=80)、4/4(12/8)拍子、2♭(ト短調)」
♪シ│<ミ>ド・>シ>ラ・・<シ>♯ソ・>ミミ│
<レ>ラ・ララ・・<シー・ー>♯ファ│<♯ソー♪

ここに、クラリネットが分散3連符のオッブリガートを絡める。
♪●シ<ミ・<♯ソ<シ<ミ│
●>レ<ファ・<ラ<レ<ファ・・●>レ<ファ・<♭シ<レ<ファ│
●>ミ<♯ソ・<シ<ミ<♯ソ・・<シ>♯ソ>ミ・>ド>シ>♯ソ│>ミ♪

「レンスキーのアリア」
[アンダーンテ・クワーズィ・アダージョ(四分音符=66)、4/4拍子、1♯(ホ短調)」
♪ドー・>シ>ラ・・>ソ>ファ・>ミ>♯レ│
<ファー・>ミー・・●●・●ミ│
<シー・ー>ラ・・>♯ソ<ラ・>♯レ<ミ│
<ソー・>ファー♪

ここに、クラリネットが分散3連符のオッブリガートを絡める。
♪●♯ソ<ラ・<シ<ド<♯レ・・<ミ<シ>ラ・>ミ>ド>ラ♪
♪●♯ソ<ラ・<♯ド<レ<ミ・・<ファ<シ>ラ・>ファ>レ>ラ♪

「グレーミンのアリア」
[アンダーンテ・ソステヌート(四分音符=66)、2/4拍子、5♭(変ト長調)」
(実質変イ短調)
♪ミー│<♯ファー<♯ソー・<ラー<ミー│ミーー>レ・レレ>ド>シ│
<レー>ファー・ファーファー│>ミーーー・●●●●│
ミーーー・<♯ファー<♯ソー│<シー>ラー・>♯ソー<ラー│
<ドーード・ドー>シー│シー>ラー・>♯ソー<ラー│
<ドーーー・ーーーー│ーー●●・(実質変ト長調に戻って
ソソーーーーソー<ラー<シー<ドー<レー>ドー>シーという主要主題が繰り返される)♪

ここに、クラリネットが分散16分音符の、ついで3連符のオッブリガートを絡める。
♪●♯ラ<シ<♯レ・<ミ<♯ラ<シ<♯レ│<ミ>レ>シ>ラ・>ミー●●♪
♪●ソ<ラ・<シ<レ<ファ│<ラ>ソ>♯ファ・>Nファ>レ<♯レ│<ミー・●●♪

「オネーギンのアリア」
Я сколько ни любил бы вас,
Привыкнув, разлюблю тотчас.
Судите ж вы, какие розы
Нам заготовил Гименей,
И, может быть, на много дней!
(つまるところ)
義務で結婚してもその結婚生活の年月は退屈で長く虚しいだけ

「レンスキーのアリア」
Что день грядущий мне готовит?
Его мой взор напрасно ловит:
В глубокой мгле таится он!
Нет нужды; прав судьбы закон!
Паду ли я, стрелой пронзенный,
Иль мимо пролетит она,
Все благо; бдения и сна
Приходит час определенный!
Благословен и день забот,
Благословен и тьмы приход!
(つまるところ)
吉と出るか凶と出るかに関わらず、「その時」は必ずやってきてしまう

「グレーミンのアリア」
И юноше в расцвете лет
Едва увидевшему свет,
И закаленному судьбой
Бойцу с седою головой!
(つまるところ)
若いときでも初老のときでも同じことだ

まあ、同一オペラ内でのことなので、
あたりまえと言ってはあたりまえなのだが、
クラリネットのオッブリガートはいずれもが、歌詞の中で、
「時間の流れ」に対する「厭世的な感情」を表す
箇所に使われてるのである。

以上、3つの男声アーリヤにおいてクラリネットがオッブリガートを絡ませる箇所を連ねてみました
(男声はすべて独奏チェロに置き換えてあります)。
https://soundcloud.com/kamomenoiwao_15/tchaikovsky-eugene-onegin-three-mens-arias-with-clarinet-obbligating
また、最後の「グレーミン公爵のアーリヤ」全曲をバスを独奏チェロに置き換えてみました。
https://soundcloud.com/kamomenoiwao_15/tchaikovsky-eugene-onegin-prince-gremins-aria-cello-arrangement-kamomeno-iwao
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「幻想曲『フランチェスカ・ダ・リミニ』の愛のテーマ/ダンテ生誕750年」

2015年05月07日 12時01分41秒 | チャイコ全般(6つの目のチャイコロジー
今日はチャイコフスキーの誕生日であるが、
今年は、「神曲」で知られる
Dante Alighieri(ダーンテ・アリギエーリ、1265-1321)
の生誕750年の年である。誕生日は
5月から6月にかけての間と推定されてるが、
特定もダンテいもされてない。
"La Divina Commedia(ラ・ディヴィナ・コッメーディア=神曲)"は
キリスト教の神聖なる数「3」を基調とした長編叙事詩である。

1876年の夏期休暇、「ロシア報知」のリポーターとして
バイロイトのこけら落としに向かう途中、
ヴィーンだの地中海リゾート地だのに遊山する間、
汽車の中で読書してたダンテの「神曲」の
「煉獄篇」第5歌に描かれてる
"Francesca da Rimini(フランチェースカ・ダ・リーミニ=リーミニのフランチェスカ)"
とその間男Paolo(パーオロ)との道を踏み外した恋と
死(パーオロの兄である亭主に二人とも刺殺される)にインスパイアされた
チャイコフスキーが、ヴァーグナーを観劇したのちに
これを題材とした幻想曲を一気に書きあげた。
その悲恋自体もさることながら、同時期のバレエ作品
「白鳥の湖」に代表されるように
「旧教」と「新教」の対立という題材に固執したチャイコフスキーにとって、
ダンテ時代のフィレンツェにおける
「教皇派」と「皇帝派」との対立・抗争を現実になぞらえて描いてる
「神曲」にはことさらに強く惹かれたものと思われる。

チャイコフスキーの幻想曲「フランチェースカ・ダ・リーミニ」は、
おおきく3部から構成されてる。その第2部は、
パーオロとフランチェースカの道ならぬラヴ・アフェアを描いてるとされてる。
その主題は実質「ホ長調」で両翼vnのオクターヴ・ユニゾンによって奏でられる。
♪ミ<ファ│
<ソーー<シ・>ラー>♯ソ<ラ│
<シーー<レ・>ドー>シ<ド│
<ファーー>ミ・>レー>♯ド<レ│
<ソーー>ファ・ミー>♯レ<ミ│
【<♭シ>ラ>ソ(3連)・>ファ>ミ>レ(3連)│
<♭ラ>ソ>ファ(3連)】・>ミ>レ>ド>シ│
>ラ<ミミ>♭ミ・♭ミーー>♭ラ│
♭ラ<♭ミ♭ミ>レ・レーー>ド│
(シ>ラ<シ)<(ド<レ<ミ<ファ<ソ)・<ラ<シーー>ラ│
ラ>ソ<ド>シ・ラーー>ソ│
ソ>ファ<シ>ラ・>ソーー>ファ│
ファ>ミ<ファ<ソ・<♭シ>ラ>ソ>ファ│
>ミ>レ<ミ<ファ・<♭ラ>ソ>ファ>ミ♪

ダンテが仕込んだ「3」の意を汲んで、
チャイコフスキーはこの「アモーレ」な主題の中に、
4分音符の【「3連符」を「3連続」】させてるのである。

その向こうで1管のホルンがオッブリガード的な和声の一端を吹く。
♪ミーーー・>♭ミーーー│>レー>♭ラー・<Nラーーー│
ラー>♭ラー・<Nラーーー│<♭シー>ラー・<♭シーーー│
<♯ドーーー・<レーーー│>シーーー・<ドーーー│
ドーーー・ーーーー│>シーーー・ーー<ドー│
>ラーーー・<ドーーー│ーーーー・<♯ドーーー│
<レーーー・>シーーー│>♭シーーー・>ラーーー│
>♭ラーーー・>ソーーー♪
これがまたじつに効果的であり、
道ならぬ欲情ながらもやむにやまれぬ
生物の本能に抗えなかった二人の感情にシンクロさせ、
ヒトの感情を感動に打ち振るわせるのである。

(この感動的にして巧妙なチャイコフスキーの和声とオーケストレイションが
よく示された「愛のテーマ」の冒頭箇所を、
音楽作成ソフトSibeliusで制作したものを
サウンドクラウドにアップしました。
https://soundcloud.com/kamomenoiwao_15/tchaikovsky-francesca-da-rimini-the-love-theme )
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「24歳のチャイコフスキー『習作序曲雷雨』作曲から150年」

2014年07月24日 16時34分55秒 | チャイコ全般(6つの目のチャイコロジー

チャイコフスキー 雷雨 Гроза


(グラザー言って聞かせやしょう)

ロシア帝国法務省のキャリア官僚の身分ながら
創設されたばかりのペテルブルク音楽院の生徒となってた
24歳のチャイコフスキーは、1864年の夏休みに、
アントーン・ルビンシテーインの管弦楽法のクラスの「管弦楽作品作曲」の宿題として、
Александр Николаевич Островский
(アリクサ-ンドル・ニカラーェヴィチ・アスタローフスキィ、いわゆる
アレクサンドル・オストロフスキー、1823-1886)の劇、
"Гроза(雷雨)"(1859年作)
への序曲を選んだ。農奴解放令発布の前年に初演された
"新作"ドラマである。当時のロシアはこうした自作農と小作農とか、
貴族とそれ以外、という社会階層間だけでなく、男と女、
1862年のツルゲーネフの「父と子」にも描かれてる
古い世代と新しい世代、といった関係が錯綜した、
軍事力だけが頭でっかちな歪んだ後進国だった。

この劇「雷雨」や作者オストロフスキーのことは知らなくても、
後年のチェコの作曲家ヤナーチェクによるオペラ
「カーチャ・カバノヴァー」
の原作でもあるので、おおよその筋は
(ああ、あれか)
と推察できる。とはいえ、
渋谷すばると奥田瑛二の横顔を後者の顔が長いことでしか
判別できない拙脳なる私は仔細までは覚えてない。

ヴォルガ河畔の架空の町Калинов(カリーナフ、いわゆるカリノフ)が舞台である。
"偶然"にも、同じく1860年に、
Иван Петрович Ларионов
(イヴァーン・ピトローヴィチ・ラリオーナフ、いわゆるラリオーノフ、1830-1889)
によって、"ロシア民謡"「カリンカ」が作曲されて
ヴォルガ河畔の実在の町Саратов(サラータフ、いわゆるサラトフ)の
アマチュア劇の劇中歌として上演された。
Калинка(カリーンカ)とは
Калина(カリーナ=ガマズミ)の指小形である。
ガマズミの実のようにカワイらしい子ちゃん、というような意味である。
この歌は「野に白樺は立てり」と同様に、
ヒヒジジイが金で若い娘を嫁っ子にする話である
(白樺はその嫁が不貞を働く話だが)。

"Гроза(雷雨)"の主人公はエカチェリーナである。
その愛称はカテリーナである。そのさらに指小形がカーチャである。
カーチャが嫁いだ先の姑は
Марфа Игнатьевна Кабанова
(マールファ・イグナーチエヴナ・カバノーヴァ)で、
通称Кабаниха(カバニハ=メスブタという意味)である。
その倅でカーチャの夫は
Тихон Иваныч Кабанов
(チーホン・イヴァーヌィチ・カバノーフ)である。
姑は嫁をいびるが、倅は母親に何も言えない。
カーチャは自分と似た境遇のボリースに惹かれてく。
貞操観念からなかなか踏み切れなかったカーチャだが、
ついに不貞をはたらき、密会を重ねてしまう。が、
そんな罪深い自分に悩み、雷雨の日にカーチャは不貞を打ち明け、
家を飛び出す。が、
ボリースがシベリアに行ってしまうカーチャにはもう
よすがはなかった。かわいそうにも
ヴォルガに身投げしてしまうのである。間男に寝取られながらも
カーチャをまだ愛してたチーホンは生まれて初めて母に面と向かって毒づく。
"Вы ее погубили! Вы! Вы!"
(ヴィ・イヨー・パグビーリ! ヴィ! ヴィ!)
「(拙大意)あなたが彼女(カーチャ)を破滅させたんだぞ! あなただ! あなただ!」

ちなみに、
母は倅に親称で、倅は母に敬称で話してる、
という時代背景である。さらにちなみに、
チャイコフスキーは「悲愴交響曲」初演から4日後、すなわち
死の5日前にもオストロフスキーの戯曲を観劇した。
"Горячее сердце
(ガリャーチェェ・スェールツィエ=熱き心)"(1869年作)である。
そのあとで立ち寄ったのがイタリアンレストラン・リェーィネルで、
そこで生水を所望したという噺が伝えられてる。

この宿題曲は、教官の
A・ルビンシテーインからは、
"ベートーヴェンの編成にトロンボーン3本だけ加えてもいい"
という釘が刺されてた。にもかかわらず、
チャイコフスキーはピッコロ、イングリッシュ・ホルン、ホルン2本、バスチューバ、
小太鼓、大太鼓、シンバル、タムタム、ハープを余分に加えてしまった。
それだけでも大目玉を食らうはずなので、チャイコフスキーは
卑怯にも学友ラローシに郵送して代わりに提出してもらったのである。

曲は、
[アンダーンテ・ミステリオーゾ、3/4拍子、1♯(ホ短調)]
の序奏が低弦のピアニッスィモで開始され、全奏の一撃が加えられる。低弦が
半音上に移されてそれが繰り返され、やがて、
ホルン1管とヴィオーラのユニゾンで実質ホ長調の旋律が奏される。
イングリッシュ・ホルンがそれを受け継ぎ、
[アッレーグロ、4/4拍子、1♯(ホ短調)]
の(仮)主部に進む。が、すぐに、いったん、
[ラールゴ、4/2拍子、5♯(嬰ト短調)]
となって、トロンボーンを中心として"死者を弔う"パニヒーダ調のコラールが吹かれる。
すぐにまた、
[アッレーグロ、4/4拍子、1♯(ホ短調)]
に戻って本当の主部が開始される。
♪●●●●・(♯レ<ミ)<ファーーファ・・ファーーファ・ファーーファ│>ミーーミ・ミーーー・・ーーーー・>♯レーーー♪
という第1主題が弦によって提示される。やがて、
♪ララ・ー>ミ・・ー>ラ・ー<ラ│<ドー・ーー・・>ラー・●●♪
という、金管を中心とした「雷雨」の主題が強奏され、
[ポーコ・メーノ・モッソ(少しテンポを減じて)、調号不変(実質ロ長調)]
となって、ハープのアルペッジョに導かれて第2主題が提示される。
♪ミー・ーー・・>♭ラー・<ミー│>ソー、・<ミー・・<ファー・<ソー│
>ドー・ーー・・ーー・ーー│ーー、・<ソー・・>ドー・<レー│
<ミー・ーー・・ミー・ミー│>レー・<ファー・・>ミー・ミー│
>レー・<ファー・・>ミー・●●♪
カーチャの愛の主題とされる。この主題は、
2年後、ペテルブルク音楽院卒業と同時に、
新設されるモスクワ音楽院の和声教員として雇われたチャイコフスキーが、
新学期までの間に作曲した(第1稿)交響曲第1番、
いわゆる「冬の日の幻想」の第2楽章(緩徐楽章)「陰鬱な地、霧深い地」
の序奏部としてリサイクルしたものである。ともあれ、
カーチャのテーマが提示され終わると、
[アッレーグロ・モルト・エ・コン・パッスィョーネ、2/2拍子、調号不変]
という、新たな素材による挿入部となる。次いで、
[クワーズィ・アンダーンテ、4/4拍子、調号不変]
となり、カーチャの主題の断片が回帰される。が、すぐさま、
「アッレーグロ・ヴィーヴォ、調号不変]
となって、また新たな素材による経過句的な音楽が進む。
やがてまたそこにカーチャの主題の断片が
今度はテンポを落とさずに繰り返される。
また経過句が続けられるとやがて、
[アレグレット、6/8拍子、調号不変(実質嬰ハ短調)]
となって、新たな主題がファゴット1管によって吹かれる。
それが他の木管やヴィオーラなどによって繰り返されると、
[アッレーグロ・ヴィーヴォ、4/4拍子、調号不変(ホ短調)]
となって、第1主題が戻り、雷雨のテーマなども
ほぼ提示時のものが再現されていく。そして、
[ポーコ・メーノ・モッソ、拍子不変、調号不変(実質ハ長調)]
となって、第2主題(カーチャのテーマ)が、
(チャイコフスキー独特の短縮された形で)再現される。そして、
[アッレーグロ・マ・ノン・タント、拍子不変、調号不変]
となって、仮主部が再現される。それがやがて、
[アッレーグロ・モルト、2/2拍子、4♯(嬰ハ短調→ホ長調)]
のコーダとなって、ホ長調の主和音の一撃で終わりとなる。

物語の緊迫した場面描写やそれとは対照的な美しい主題など、
中後期の管弦楽作品の趣そのものである。
形式としては当時の先生らを怒らせるに充分すぎるほどの
"チャイコフスキー形式"となってる。
序奏とコーダが附いて、展開部の代わりに経過部を
挟サンダー形の、やや規模が大きめな変則ソナータ形式、
ということもできる。
はたちを過ぎてから本格的な楽理を学んだ、という、
古今の名を残したクラ音作曲家としては超異例の、
若いチャイコフスキーがさまざまな仕掛けや効果をためした
試作としては、上出来なのではないかと思う。
いずれにしても、古典コテンとうるさい
アントン・ルビンシテーインの逆鱗には触れ、
コテンパンにされるほどドヤシつけられたらしい。

(音楽ソフトのお試し版Sibelius Firstを使って、
この序曲「雷雨」のダイジェストを作製してみました。
https://soundcloud.com/kamomenoiwao01/tchaikovsky-storm-lorage-digest
また、「雷雨」のカーチャの主題をチャイコフスキー自身がリサイクルした
交響曲第1番の第2楽章もこちらにアップしました。
https://soundcloud.com/kamomenoiwao01/tchaikovsky-symphony-1-2nd-movement )
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