今日は長野の親戚の子が東京の大学に合格して
一家でマンション探しをするのに東京にやってきて
観光案内をする役を母から仰せつかったので、
起床時間がいつもより早かった。そして、疲れた。
3月ももう2週間も過ぎてしまった。が、
3月に始まってその2年後の3月まで続いたのは
クリミア戦争だった。19世紀も半ばを過ぎたこの戦争では、
ナポレオン(1世)時代の軍楽隊が笛や太鼓で
マーチを奏でてたような悠長なものではなくなってた。
この頃、かつては
♪チャーーー・チャーーカ・チャ●●●・●●●●、
チャーーー・チャーーカ・チャ●●●・●●●●♪
という吉原の花魁同中並な、ゆっくりめな軍楽隊の
マーチがかえって西欧の人々を震え上がらせたオスマン帝国が、
衰退してきてたのである。そこにつけこもうとしたのが、
昔、モンゴルにやられちゃって2世紀半も支配されつづけた、
白人からみれば白人の面汚しなロシアだった。
かつて苛められてたのが悪玉になると手がつけられない。
ロシア帝国のがめつさはあのイースターエッグや
エルミタージュの所蔵品をみれば明白である。
ロシアは人口の1割の貴族が残りの農奴を喰い尽す
ハイエナ社会だった。農奴は字の読み書きができない。そんなのが
兵士としてかりだされ、愚将のもと、戦死どころか行軍中に
斃死して虫けらのように置き去りにされた。
ニコライ1世は戦死した兵士の遺骨を粉砕して
農業の肥料として金に換えた、という。
クジラを獲るのを非難するいっぽうで、
ヒヨコのオスは毎分500羽粉砕機に入れてコナゴナにしたり、
銭にならないカンガルーを頭で銃で始末する
(インノヴだけは財布にして土産物として売ってるらしい)のは、
人道的で慈悲だという白人の論理はすごい。ともあれ、
そんなロシアに南下されては制海上でも不都合な
英国と仏国はオスマン帝国に加担する。それに、
仏国に恩を売ってオーストリアに対抗する手助けを得て
イタリア統一を図りたいサルデンニャ王国も一枚かむ。結局は、
この戦争はロシアが負けた。が、これが契機となって、
戦時中に死んだニコライ1世を継いだアレクサンドル2世は
ロシアの後進性を痛感して農奴制廃止に向かう。偶然にも、
この戦争の時期に大西洋では濫獲して激減したため
太平洋に矛先を変えたクジラ漁の補給基地として
米国は日本に開国を迫り、成功した。
日本の非核三原則=
一、核兵器を持たず
一、核兵器を作らず
一、核兵器を持ち込まさず
米英蘭仏西葡瑞の皮革三原則=
一、金のために動物を濫獲しとく
一、日本には理不尽な動物愛護を要求する
一、自分らは人道主義者だという化けの皮をかむる
(「動物」を「先住民」と置き換えても成立)
ところで、
クリミア戦争は数々の著名人が関わり、あるいは恩恵を受けた。
アルフレッド・ノーベル
倒産しかけた父の機雷会社にロシアから受注。が、
敗戦国ロシアからの支払いなく、破産。が、
この戦争でニトログリセリンの爆発力の情報を仕入れ、
ダイナマイトのヒントを得る。のちにダイナマイトで巨万の富。
ハインリヒ・シュリーマン
商才に長け、既にロシア国籍を取得。ロシアに武器・兵站物資を売り、
大儲け。その金で清朝中国・幕末日本極東ツアーをする。のちに、
オスマン帝国との協定を無視してトロイア遺跡を発掘。
マイケル・サワヤカ・ファラデー
母国英国から化学兵器開発を依頼されるも、拒絶。
死の商人ノーベルやシュリーマンらとは対照的。
フェルディナン・ドゥ・レセップス
この戦争中のどさくさにまぎれてオスマン帝国スルタンの容認なしに
スエズ運河を掘削。1869年に竣工。莫大な利益を得る。
リェーフ・タルストーィ(レフ・トルストイ)
セヴァストーポリ包囲戦に将校として出陣。陥落。のちに、
この体験をもとに「セヴァストーポリ物語」を書き上げる。
「反戦貴族作家」としての地位を築く。
フィッツロイ・サマーセット(初代ラグラン男爵)
ワーテルローの英雄の一人で、そのときに失った右腕の
不自由さを補う袖がラグラン袖として今も残る。
クリミア戦争開戦時にはすでに65歳だったが、
ワーテルローの実績をかわれて元帥として赴任。が、
セヴァストーポリ奪取に失敗につぐ失敗。失意の中、
赤痢に罹患。ナイティンゲイル女史の看護も虚しく
軍中で死去。
ジェイムズ・トーマス・ブルーデネル(第7代カーディガン伯爵)
中将として従軍。元帥ラグラン男爵の指令を連絡将校が
誤って(一説には故意に違えて)伝えたため、
カーディガン伯はロシア砲兵陣に軽騎兵673名を正面突撃させ、
250人を戦死させた(連絡将校ノウラン大尉も戦死)。
ドン・キホーテの風車正面突撃以来の無謀極まりないチャージながら、
これが「勇猛」と「評価」されることになる。また、
負傷兵でもセーターが着やすいようにと前あきのものを発明。
これがカーディガンとなる。ちなみに、
私はカーディガンが好きでよく着てる。
コリン・キャンベル(初代クライド男爵)
バラクラーヴァの戦闘でロシア軍の攻撃でオスマン軍が潰走し、
取り残された英国の第93歩兵連隊330名とオスマン歩兵は、
2列横隊でロシア騎兵の攻撃をしのいだ。このときの
歩兵連隊の軍服の色がハイランド(スコットランド)の赤だったことから、
The Thin Red Line(シン・レッド・ライン)という言葉が生まれた。
フローレンス・ナイティンゲイル
38人の看護婦や庄野真世女史らとともに
飛んでイスタンブールで看護婦として従軍。
その看護で傷病者の死亡率を格段に低下させる。
敵のロシア兵も看護し、その顔からは想像に難い
「クリミアの天使」として崇められる。仕事の鬼。
そして、黒海の移ろいやすい天候事情にうとい仏軍は、
1854年11月14日、まだ戦闘以前に碇泊中の艦隊を
暴風雨で41隻も沈めてしまった。これに懲りた仏国は、
パリ天文台のネプリーグで5文字めを正解したほどであるから、
一浪も二浪もSaint-Loもせず現役で
エコール・ポリテクニクに入った秀才、ユルバン・ル=ヴェリエに
気象観測データの研究をさせることになった。これが
「天気予報」のハシリである。ちなみに、
"Verrier(ヴェリエ)"とは「ガラス職人」「ステインドグラス職人」
という意味である。先祖がそうだったのだろう。この
ユルバン・ル=ヴェリエは水星の近日点のズレに対して、
その内側で公転する惑星の存在を仮定した。それを
Vulcanと名付けた。が、のちに
アインシュタインの一般相対性理論で説明され、
その存在が否定される。とはいえ、
クリミア戦争ではバルカン(Balkan)半島も戦場になった。
オヤジギャグにも貢献してくれたのである。
ル=ヴェリエはレカミエ夫人と同じ、
モンマルトルの墓に埋葬された。いずれにせよ、
昨今はおねえさんタレントをお天気おねえさんとして
キャスティングすることが定着した芸能界である。
芸能事務所にとってオイシイこの枠を確保するためにも、
所属タレントさんにはぜひとも「気象予報士」の資格を
取得してほしいところである。いっぽう、視聴者としては、
きれいなおねえさん予報士もいいけれど、
当たる予報をお願いしたいのである。
一家でマンション探しをするのに東京にやってきて
観光案内をする役を母から仰せつかったので、
起床時間がいつもより早かった。そして、疲れた。
3月ももう2週間も過ぎてしまった。が、
3月に始まってその2年後の3月まで続いたのは
クリミア戦争だった。19世紀も半ばを過ぎたこの戦争では、
ナポレオン(1世)時代の軍楽隊が笛や太鼓で
マーチを奏でてたような悠長なものではなくなってた。
この頃、かつては
♪チャーーー・チャーーカ・チャ●●●・●●●●、
チャーーー・チャーーカ・チャ●●●・●●●●♪
という吉原の花魁同中並な、ゆっくりめな軍楽隊の
マーチがかえって西欧の人々を震え上がらせたオスマン帝国が、
衰退してきてたのである。そこにつけこもうとしたのが、
昔、モンゴルにやられちゃって2世紀半も支配されつづけた、
白人からみれば白人の面汚しなロシアだった。
かつて苛められてたのが悪玉になると手がつけられない。
ロシア帝国のがめつさはあのイースターエッグや
エルミタージュの所蔵品をみれば明白である。
ロシアは人口の1割の貴族が残りの農奴を喰い尽す
ハイエナ社会だった。農奴は字の読み書きができない。そんなのが
兵士としてかりだされ、愚将のもと、戦死どころか行軍中に
斃死して虫けらのように置き去りにされた。
ニコライ1世は戦死した兵士の遺骨を粉砕して
農業の肥料として金に換えた、という。
クジラを獲るのを非難するいっぽうで、
ヒヨコのオスは毎分500羽粉砕機に入れてコナゴナにしたり、
銭にならないカンガルーを頭で銃で始末する
(インノヴだけは財布にして土産物として売ってるらしい)のは、
人道的で慈悲だという白人の論理はすごい。ともあれ、
そんなロシアに南下されては制海上でも不都合な
英国と仏国はオスマン帝国に加担する。それに、
仏国に恩を売ってオーストリアに対抗する手助けを得て
イタリア統一を図りたいサルデンニャ王国も一枚かむ。結局は、
この戦争はロシアが負けた。が、これが契機となって、
戦時中に死んだニコライ1世を継いだアレクサンドル2世は
ロシアの後進性を痛感して農奴制廃止に向かう。偶然にも、
この戦争の時期に大西洋では濫獲して激減したため
太平洋に矛先を変えたクジラ漁の補給基地として
米国は日本に開国を迫り、成功した。
日本の非核三原則=
一、核兵器を持たず
一、核兵器を作らず
一、核兵器を持ち込まさず
米英蘭仏西葡瑞の皮革三原則=
一、金のために動物を濫獲しとく
一、日本には理不尽な動物愛護を要求する
一、自分らは人道主義者だという化けの皮をかむる
(「動物」を「先住民」と置き換えても成立)
ところで、
クリミア戦争は数々の著名人が関わり、あるいは恩恵を受けた。
アルフレッド・ノーベル
倒産しかけた父の機雷会社にロシアから受注。が、
敗戦国ロシアからの支払いなく、破産。が、
この戦争でニトログリセリンの爆発力の情報を仕入れ、
ダイナマイトのヒントを得る。のちにダイナマイトで巨万の富。
ハインリヒ・シュリーマン
商才に長け、既にロシア国籍を取得。ロシアに武器・兵站物資を売り、
大儲け。その金で清朝中国・幕末日本極東ツアーをする。のちに、
オスマン帝国との協定を無視してトロイア遺跡を発掘。
マイケル・サワヤカ・ファラデー
母国英国から化学兵器開発を依頼されるも、拒絶。
死の商人ノーベルやシュリーマンらとは対照的。
フェルディナン・ドゥ・レセップス
この戦争中のどさくさにまぎれてオスマン帝国スルタンの容認なしに
スエズ運河を掘削。1869年に竣工。莫大な利益を得る。
リェーフ・タルストーィ(レフ・トルストイ)
セヴァストーポリ包囲戦に将校として出陣。陥落。のちに、
この体験をもとに「セヴァストーポリ物語」を書き上げる。
「反戦貴族作家」としての地位を築く。
フィッツロイ・サマーセット(初代ラグラン男爵)
ワーテルローの英雄の一人で、そのときに失った右腕の
不自由さを補う袖がラグラン袖として今も残る。
クリミア戦争開戦時にはすでに65歳だったが、
ワーテルローの実績をかわれて元帥として赴任。が、
セヴァストーポリ奪取に失敗につぐ失敗。失意の中、
赤痢に罹患。ナイティンゲイル女史の看護も虚しく
軍中で死去。
ジェイムズ・トーマス・ブルーデネル(第7代カーディガン伯爵)
中将として従軍。元帥ラグラン男爵の指令を連絡将校が
誤って(一説には故意に違えて)伝えたため、
カーディガン伯はロシア砲兵陣に軽騎兵673名を正面突撃させ、
250人を戦死させた(連絡将校ノウラン大尉も戦死)。
ドン・キホーテの風車正面突撃以来の無謀極まりないチャージながら、
これが「勇猛」と「評価」されることになる。また、
負傷兵でもセーターが着やすいようにと前あきのものを発明。
これがカーディガンとなる。ちなみに、
私はカーディガンが好きでよく着てる。
コリン・キャンベル(初代クライド男爵)
バラクラーヴァの戦闘でロシア軍の攻撃でオスマン軍が潰走し、
取り残された英国の第93歩兵連隊330名とオスマン歩兵は、
2列横隊でロシア騎兵の攻撃をしのいだ。このときの
歩兵連隊の軍服の色がハイランド(スコットランド)の赤だったことから、
The Thin Red Line(シン・レッド・ライン)という言葉が生まれた。
フローレンス・ナイティンゲイル
38人の看護婦や庄野真世女史らとともに
飛んでイスタンブールで看護婦として従軍。
その看護で傷病者の死亡率を格段に低下させる。
敵のロシア兵も看護し、その顔からは想像に難い
「クリミアの天使」として崇められる。仕事の鬼。
そして、黒海の移ろいやすい天候事情にうとい仏軍は、
1854年11月14日、まだ戦闘以前に碇泊中の艦隊を
暴風雨で41隻も沈めてしまった。これに懲りた仏国は、
パリ天文台のネプリーグで5文字めを正解したほどであるから、
一浪も二浪もSaint-Loもせず現役で
エコール・ポリテクニクに入った秀才、ユルバン・ル=ヴェリエに
気象観測データの研究をさせることになった。これが
「天気予報」のハシリである。ちなみに、
"Verrier(ヴェリエ)"とは「ガラス職人」「ステインドグラス職人」
という意味である。先祖がそうだったのだろう。この
ユルバン・ル=ヴェリエは水星の近日点のズレに対して、
その内側で公転する惑星の存在を仮定した。それを
Vulcanと名付けた。が、のちに
アインシュタインの一般相対性理論で説明され、
その存在が否定される。とはいえ、
クリミア戦争ではバルカン(Balkan)半島も戦場になった。
オヤジギャグにも貢献してくれたのである。
ル=ヴェリエはレカミエ夫人と同じ、
モンマルトルの墓に埋葬された。いずれにせよ、
昨今はおねえさんタレントをお天気おねえさんとして
キャスティングすることが定着した芸能界である。
芸能事務所にとってオイシイこの枠を確保するためにも、
所属タレントさんにはぜひとも「気象予報士」の資格を
取得してほしいところである。いっぽう、視聴者としては、
きれいなおねえさん予報士もいいけれど、
当たる予報をお願いしたいのである。
アクセス
トータル