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『籾は死なず』を観た/感動した

2008年03月23日 | HANAとコンサート
●22日はまつもと市民芸術館で『籾は死なず』の演劇を観た。素晴らしかった。感動で涙がとまらなかった。
1年半前から練習していたと言うが、本当に良く練習しているな~と感じた。長く難しいセリフを噛むことも無く、感情豊かに演じてくれた。

       

■あらすじ:【パンフより要約】
舞台は320年前の松本平。当時の大名は水野氏。隣り合う東・西の五千石地方での年貢は一俵二斗五升納めであったのに、筑摩郡、安曇郡の年貢は三斗であり不満がつのっていた。さらに水野氏は突然三斗五升を強制したのです。
百姓は窮地に立たされます。このとき、貧しい農民を助け、過酷な年貢の不公平をなくそうと立ち上がったのが、安曇郡の多田加助、筑摩郡の塩原惣左衛門たちでした。彼らは十数人の同士と、『のぎ』取り御免や二斗五升への年貢減らしを藩に直接訴えたのです。
小百姓たちはこれを知って続々と城下に押寄せました。その勢いに押された家老たちは二斗五升の願いを聞き入れると言って騙し、百姓たちを村へ引き返させたのです。その上で加助たちを捕らえ、わずか四日後に15人の同士とその子供たち13人を処刑したのです。

この劇は『加助騒動』の史実を基に、一揆の中心となった人々のおもいや行動を想像しながら創られたものです。掟に背けば死罪と決まっている事を覚悟の上で世の不公平を正し、百姓を救おうと思い決した加助たちはまさに『義民』そのものでした。

◆加助たちの要求は卑劣な藩の策略で潰されましたが、それ以来年貢は三斗のままで据え置かれました。
むごい政治に負けなかった農民はやがて、荒地を開き、用水を創るなどして松本平一帯を豊かな土地へと変えていきました。義民たちが命を懸けて蒔いた籾は、今日私たちが享受する土地の恵みに、今も活き続けているのでしょう。

◆この演劇の中心になったのは、信州大学の演劇部『やまなみ』のOB達。総指揮は昨年五月に志し半ばで亡くなられた熊井啓監督です。遺志を引き継いで、有賀正前松本市市長、松本大学の中野学長たちが情熱的に製作を進めてきたおかげで今回の成功に結びつきました。

    

★まつもと市民芸術館にははじめて入ったのですが、素晴らしい施設と評判の高いオペラハウス的な劇場は上の写真です。1800席の大ホールはほぼ満席です。みな60才以上の上品な紳士、淑女です。
松本には非常に高い文化があるなとつくづく感じました。これも加助たちが基礎を築いてくれたおかげかな・・・。

素晴らしい芸術に触れ、とても気持ちの良い夜でした。