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時々雑録

ペース落ちてます。ぼちぼちと更新するので、気が向いたらどうぞ。
いちおう、音声学のことが中心のはず。

出迎え@阿波池田駅前 その2

2010年07月19日 | フィールドワークから
風鈴が涼しげに鳴っていた阿波池田駅前。下を見ると、写真のようなものもお出迎え。よく見ると分かりますが、ゴム製。ホンモノのゴキブリではありません。

ホテルのおっちゃんに聞いたところ、池田町はかつて四国の交通の要衝として栄えたが、交通機関の高速化などの影響で、人に留まってもらえなくなり、衰える一方、という説明。駅前の商店街も閉店多数と、かなりさえないようすですが、吉野川の川遊びをビジネスにする人がいるらしく、雑誌にも載ってたし、実際、阿波池田の駅に、ご家族で遊びに来た人を送るおにーちゃんがいました。祖谷渓もあるし、観光ビジネスのための資源はけっこう豊富にある。

でも、やっぱり人がたくさんいる都会から遠いのは弱みなのでしょう。岐阜から新幹線・急行を利用して4時間、というのは、昔に比べればうんと近いはず。それでも、会場の東みよし町教育委員会にうかがう予定にしている9:30に間に合う電車はなく、前日からの現地入りになりました。

読書録2 ”Statistics in Language Studies”

2010年02月27日 | フィールドワークから
始めてみた読書録ですが、さっそく教科書。なにしろ、留学以降、楽しみのための読書は諦めてしまったので。

これは、2005年秋、アメリカに来て最初の学期、John Paolillo先生の授業の前半に使用。まだ最初の学期で、他の授業と平行してこれを読むだけでもきつかったことを覚えてます。今思えば、短いし、読みやすくて、やさしい。出たのはもうずいぶん前(1985年)だけど、効果サイズや信頼区間の重要性なんかにも触れてあって、古すぎてダメ、という気はしない。

本を見直してみると、長さの割りにかなり盛りだくさんという印象。確率論とか統計的推定の考え方という基本からスタートするけど、分散分析のランダム要因とか、細かいところまでちゃんとカバーしてある。後半にはすこし多変量データ分析(主成分分析とか多次元尺度構成法とか)まで紹介してあって、「こういうものがあるんだ」という入り口を作ってくれるのもいい。どっちかというとパラメトリック統計が中心で、ノンパラはカイ二乗+ちょっとというかんじ。音声学のような、ふつうの測定をする分野を専攻する学生にむいてるんじゃないかと。逆に、シンタックスの人なんかは、ここでは自分の研究に利用できることが見出せないかもしれない。

ところで、こういう教科書についていつも思うのですが、例は別に言語の研究じゃなくてもいいんじゃないかと。というか、身近な、自分が実際に利用するような題材は、むしろ理解の妨げになるのではという気さえする。他の分野の例を通して学ぶほうが、数式や手法のもつ意味そのものの理解が促進されるんじゃないか。で、それを自分の問題にどうやって適応するか、と考えるほうが生産的だし、楽しいような。でも、それは統計を自分の研究にすでに使っている人の言いぐさで、統計が研究にどう使えるか皆目見当がつかないという人には、この方がいいのかな。そういうことはむしろ研究論文そのものを読んだほうがいい気もするんだけど。

本に戻ると、やっぱり盛りだくさん過ぎて一つ一つの説明は手短になりがちなので、これ一冊読めば完璧、というものではない。英語で勉強する必要があるというのでなければ、主に心理学関連で、日本語で書かれた良質の統計の教科書があるので、そっち読んだほうがいいんじゃないかと。例えば南風原朝和『心理統計学の基礎―統合的理解のために』(有斐閣)読んだけど、とってもいい本だと思いました。カバーしてる範囲は"Statistics in ..."より狭いんだけど、やっぱり統計って一つの本だけでOKってことはないから。読んで、実際に利用して、またその段階に適したもうちょっと進んだのを読んで、って勉強し続けなきゃいけないものだと、思います。

京都駅から南を見る

2009年12月20日 | フィールドワークから
京都駅に、あの巨大な階段ができたのは何年前だったか。すごいけど、なぜあれを京都に作るか、と思った人は多いのでは。久しぶりに来たけど、やっぱり「?」。ガイジンさんを含め、写真を撮ってる人も多くて、目を引く建造物ではあるけど。

いちばん上まで登ると、京都の南も見える。ガラス越しに、これからむかう方向を撮ってみました。誤認していなければ、遠くに見える右側の山が天王山、左側の低い山が男山、そこに石清水八幡宮があって、周辺が八幡市。二つの山の間が木津川、宇治川、桂川の合流地点。ここまで京都から、「京阪のる人、おけいはん」の京阪に乗って八幡市へ。

(つづく↓)

先達アリ ~石清水八幡宮~

2009年12月20日 | フィールドワークから
八幡市調査2日目、調査は午後からだけど早めに到着、石清水八幡宮に行くことにしました。ケーブルカーもあるけど、歩いて30分くらいとのことなので、徒歩で。八幡市駅前の観光案内所でもらった「あるきマップ」もあるし、あちこちに案内板もあるので、徒然草に出てくる仁和寺のお坊さんみたいなことはなく、ちゃんと八幡宮まで到着。

着いてみると、八幡宮周辺は修復中。写真は脇の建物ですが、屋根なんか見ると、かなり痛んでて、正直、ちょっとみすぼらしい。冬の平日とはいえ人もまばらだったし、お金ないのかも。近くの松花堂とか、上津屋橋とか、けっこう観光資源はありそうなので、頑張れば何とかならなくもないという感じがするんだけど。

(つづく↓)

せせらぎルート

2009年12月20日 | フィールドワークから
帰りは参道を通らず、マップに従ってハイキングルートを通ってみました。「せせらぎルート」という名前は、谷の脇を通ってるからか。この谷はかなり深くて、水はなかったけど、大水が出たときの跡か、枝が折り重なって落ちてる。水が染み出してぬかるんでる箇所もある。道の整備が不十分なところや、坂がかなり急な場所もあるので、転びそうでかなり危ない。足腰の弱い人には勧められません。上りのほうが安全だったかも。季節柄、すれ違う人は一人もいない。周囲はすべて竹やぶで、夏は涼しそう。

下りたところはふつうの住宅地沿いの道路、高野街道という旧街道ではあるのだけど。そこから駅まで20分近く歩いて、合計1時間ちょっとのウォーキングでした。

(つづく↓)

上津屋橋

2009年12月20日 | フィールドワークから
2日目の調査終了後、いちばん最後の方が、駅まで送っていってやるとのお申し出。さらに、録音中、(インターバルを取るため)八幡市にある、いわゆる「流れ橋」の話をしたのを憶えていて、見に行きたければ連れて行ってやる、とのこと。ありがたくお言葉に甘えることにしました。

写真がその上津屋橋。秋の洪水で流れたそうで、橋げたが脇に寄せて積まれてます。連れて行ってくださった方は、この橋のすぐ近くで、お茶栽培(抹茶用の高級茶だそう)を営んでいらっしゃるそうで、この橋の入り口のすぐ脇の茶畑も所有。そもそも、洪水の多いこの場所に、それでも橋を渡すのを行政に要請した理由が、このあたりの農家が、川の向こう側(久御山町)にも茶畑を所有してるから。それまでは、ずっと舟で渡っていたそうです。

わざと流れるようにしてあるこの橋げた、修復するためには数千万円かかり(人件費、クレーン費用等だそう)、すぐには費用が出ないのでしばらく放置されている状態だとのお話でした。それでも、橋げたを初めから作り直すよりは安いのでしょう(少なくとも計画当初は)。

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この八幡市で、今回のデータ取得の旅は終わり。話者のみなさんだけでなく、各市役所の方々も、年末のご多忙のときにもかかわらず快く助けてくださいました。それぞれこちらのお願いした日にほぼ合わせてくださったおかげで、週末以外は全てどこかにうかがってデータを取ることができました。今回の橋の話とか、伊吹の漁の話とか、いろいろ面白い話も聞かせていただきました。この場を借りてお礼申し上げます(ご覧になってはいないでしょうが)。

ところで、この調査の渡航費、滞在費、国内交通費、録音機材の購入費、話者のみなさんへの謝礼等は、NSF(National Science Foundation)の研究費(Doctoral Dissertation Improvement Grant)でまかなわせてもらっています。アメリカの奨学金は「US Citizenに限る」というものが多いのですが、これはアメリカの教育機関にいれば外国人でもOK。思えば、応募書類を作成したのは、去年の今頃。2回の渡航調査と2、3回の学会参加くらいやるには十分な額ですが、USドルの暴落が痛い。かなり目減りした計算になるはず。ドル頑張れ~!

(12/20の記事、おしまい)

さすが京都

2009年12月19日 | フィールドワークから
今回の調査の最後は京都。中心都市ではなくやや周辺地域で、という方針に従って、京都市でも大阪市でもなく、中間の八幡市にお願いしました。調査はいずれも午後2時から2日間。単純な効率の面では低いかもしれないけど、1日目にミスが見つかり、その晩に修正。2日目は完全なデータを得ることができたので、むしろありがたい日程でした。

ビジネスホテルは八幡市周辺には見つからず、京都に宿泊。午前中、時間があったので、朝ごはんのあと、ゆっくりジョギングに出てみました。京都は道が分かりやすいし、何度となく来ているので、適当にぐるぐる、ときどき止まって写真を撮りました。さすがは京都。町並みの整備に手がかかってて、美しい。やっぱり京都にはこうあってもらわなくちゃ。写真は祇園の一角。奥が深い。

(つづく↓)

Ma mu a mi tha bul

2009年12月19日 | フィールドワークから
知恩院へも行ってみました。まあ、何の変哲もない、ただし非常によく整備された、立派なお寺(それ以上の価値が理解できないだけ)。改修作業を行っている区域があって、そこのフェンスに写真のようなハングルが。

「な・む・あ・み・た・・・ぷる」。「南無阿弥陀仏」らしい。周囲を見ると、他にも、中国語(本土の簡体字)、キリル文字などのバージョンが。さらに別の場所に「あなたの声で聞きたい 南無阿弥陀仏 いままでも、これからも」と書いてありました。最近はお寺もこんなことするのか。

(つづく↓)

namo amitabha buddha

2009年12月19日 | フィールドワークから
そしてとどめはサンスクリット語。なんていう意味なんだろう。「南無阿弥陀仏」の最後の「佛」はやっぱり「ブッダ」?

Googleで調べてみると、勿体つけた説明がいっぱい。サンスクリット語そのものとしての構文、意味が知りたいのに。まあ、わざわざWeb上に情報を載せる人には、その(私から見て)勿体つけな部分が重要なんでしょう。本当に面白いものは、分かりやすく説明しても面白いはずだ、と思うんだけど、仏教関連の議論は、ときどき、わざわざ話を分かりにくくしてるんじゃないか、と思うことがある。

と思ったら、的確な説明、発見。

「南無阿弥陀仏 namō amitābhāya」は、「阿弥陀仏さまにごあいさつ申し上げます」。もっと軽く訳せば、「アミダさま、こんにちは」という意味です。

だそうです(http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1223068922)。これですっきりした。なら、フェンスの文の、最後の「buddha」は蛇足かも。

(12/19の記事、おしまい)

観音寺の実力

2009年12月18日 | フィールドワークから
四国滞在最後の2日は観音寺に宿泊。夕方ジョギングに出てみると、駅周辺の通りがクリスマスの電飾だらけ。写真の通り、ラーメン屋までやってる。それに導かれてあちこち走ってみるとけっこうお店があるのを発見。老舗旅館、ブティック、楽器店、生花店、バー、割烹等。伊吹島の宿のご主人によると、ライブハウスもあるとか(なにしろ『青春デンデケデケデケ』の舞台)。そんな夜の街を、ウォーキングする人がなぜだか多い(とくに中年夫婦)。

地方都市はどこも駅近くの商店街に活気がない、観音寺もそうかな、と思っていたけど、それはまだ目が行き届いていなかったからと認識。新しい家も店も多いし、店を開けてる率も高くて、観音寺は比較的さびれていないかんじ。

伊吹島の人が、いりこ漁は島でやるけど家は新たに観音寺に買って住むパターンが多い、と聞いて、「それほど違う?」と思ったのだけど、確かにそれなりに生活を楽しめるかも。燧灘という豊かな漁場があって、遠浅のビーチもある。カトキチが力を落としたのは打撃だろうけど、まだ底力はある、少なくとも、周辺のどの都市よりも上という印象でした(個人的には丸亀にも勝ると評価したい)。

(つづきます↓)