時々雑録

ペース落ちてます。ぼちぼちと更新するので、気が向いたらどうぞ。
いちおう、音声学のことが中心のはず。

手作りプレゼント

2016年10月28日 | かぞく
おじいちゃん(私の父)が、81歳の誕生日をむかえました。宿題をみてもらったりして、じいちゃん大好きな娘は、プレゼントを手作りする、と、写真のミニクッションをつくりました。おかあさんに手伝ってもらって、ハート型を縫って、綿を入れて、じいちゃんのイニシャルも貼り付けて。ヒモをつけて、コーラスの練習用のかばん(楽譜を入れる)につけてもらいました。

両親(私の祖父母)が早く死んだから、自分も長くは生きないと思っていたそう。でもそれは、当時の医療だとか、状況のせいであって、現代だとふつうにこれくらいは生きるんでしょうが、まあ、若いころは、そんなことは想像できなかったよう。自分を慕う孫といっしょに暮らせる幸せな現在自体が、父にとってはまったく予期していなかったプレゼントのようなものでしょう。股関節の手術もしてガシガシ歩けるようになり、毎朝、小学生の通学の見守りもする現在の希望は、孫が小学校を卒業する歳までは生きること、だそうですが、この分だとまだまだ大丈夫か。

中落ち丼

2016年10月23日 | かぞく
娘が3歳すぎまでいたインディアナは内陸ということもあって、鮮魚はほぼ手に入りません。彼女が刺身をはじめて食べたのは、日本に来て、ほんの一週間くらいで行った、伊吹島。民宿で出してくれたマグロの刺身を食べて...「おいしい!!」一人でめちゃめちゃ食べて、民宿のおじさんをよろこばせました。最初にたべたものがばつぐんに美味しかったと。幸せな出会い。それからは、刺身大好き。

昨日の夕方、スーパーへ。そこは、ローカルで、魚の仕入れがよい。昨日はマグロ一尾がどかんと置かれていたのですが、嫁さんが中落ち部分だけを売ってもらえないか、鮮魚部の人と交渉したら、成立。写真のものが、500円。そのまま食卓に置いて、スプーンでこそげて、中落ち丼。嫁さんと娘(手が見えている)が食べまくり。わたしも少々。




それほど大きいマグロではないけれど、裏側にも身がたっぷり。



完食。


「めかぶ」を使う

2016年10月18日 | 
学生が卒論の計画でもってきたアイデアに触発されて、「それなら、みんなで構文解析を勉強しよう」と私が言い出し、前期途中からR言語の学習を導入。卒論のテーマもかたまってきて、10人中4人が、テキストマイニングの手法の利用を決定。石田基広先生の『Rで学ぶテキストマイニング』をお手本に、構文解析システムのMeCabを、R言語のRMeCabライブラリを使って実行する、ということに。先週、「こんなことができるよ」というデモのため、スクリプトを作成し、データファイルもわたして、実行させようとしたら、トラブル続出でまったく進まず。

「RMeCabのインストールができません」
「RMeCabがみつからないって言われます〜」
「これ実行するとエラーが出るんですけど」

などなど。ひとつめは、「家のインターネット環境で試してみて」で解決。ふたつめは「ユーザー名にアルファベット以外が入っているからでは」と、別のユーザー名を作ってきてもらって、成功。みっつめの、Mac上のRでは問題ないコマンドラインが、学生のWindowsマシンではエラーを生むのは、文字コードのちがい(UTF-8とShift-JIS)のせいで、文字化けが生じていたため。家のWindowsマシンでスクリプトを書き直して、動作確認をして、解決。自分も習いたてのころは、かんたんなことでいちいちつまずいていたので(今でもだけど)、トラブルは予想してたものの、3時間まるまる無駄にするとは、なさけない。

昨日、やっとこちらが作ったスクリプトで、構文解析の結果を加工して、ヒストグラムを作って、発話の長さの統計検定を実行して、文末形式を取り出して、頻度を調べる、という一連の作業に成功。(その前に、データファイルが格納されたディレクトリを見つけ出して、プログラムに書き入れる方法を教えるのに、これまた時間がかかった) こっちの作ったスクリプトのコマンドラインを実行するというだけだけれど、感激していました。成功体験でモチベーションもあがったようで、来週からは、各自のとってきたデータを使った分析ができそうです。

『人口と日本経済』(読書録)

2016年10月17日 | 読書録
吉川洋・著 2016年 中公新書

図書館で発見。現状の分析だけでなく、経済学の理念やその変遷の解説もあって、いろいろ勉強になったけれど(「ジニ係数」の概念・算出法とか)、なにより『「昔はよかった」病』につづき、「戦前の日本はずいぶんひどかった(経済、健康いずれについても不平等がおおきかった)」を再認識。問題もいっぱいあるものの、やっぱり昔にくらべれば日本はうんとマシ、ということのよう。

概略、「日本の長期的後退はまちがいないが、ゆるやかな経済成長はやっぱり必要で、それは人口減少によって妨げられるとはかぎらず、イノベーションによって達成できる」「経済成長は、なにより<健康で長生き>に結実する。長寿国になった日本は、成功なのだ」というような結論と理解したのだけれど、それで、「人口が減るのは問題ない」という結論なのか、やっぱり問題なのか、タイトルに「人口と」とあるわりには、その点についての著者の考えがしめされないままの気がして、「むー、ここで終わっちゃうのか」という読後感。「人口減少は気にするな」という結論なら(末尾にそんなようなことが述べられている)、どういう根拠からそうお考えなのか、論じてほしいな〜と。

Angus Deaton の The Great Escape が、本書にかなり影響をあたえているもよう。Freakonomics で名前をきいたおぼえはありましたが、本書を読んで「これはおもしろいのでは」と、さっそく購入(電子書籍)。すばらしい。これが本書を読んだいちばんの収穫。

『「昔はよかった」病』(読書録)

2016年10月11日 | 読書録
半年以上、前に書いて、そのままにしてあった記事をアップします。

久しぶりに本の感想を。パオロ・マッツァリーノ氏の本もひさしぶり。首肯することがおおかったし、おもしろかった。おわり。

で、いいんですが、ちょっと。1章の「火の用心」はうるさいだけで効果がない。夏【2015年・夏のこと】に読んだ『反<絆>論』(中島義道)の、「電車内の放送は余計なおせわでうるさい」を思い出した。どっちも賛成ですが、「火の用心」は娘の幼稚園でやってる、たのしんでたなあ、むーー。

あるあたりの世代は若い頃から(今でも)素行が悪い人がおおい、というのは本で読んだりして聞いただけじゃなくて、目にもする、という気がしますが、「愚連隊」ってのがどんなものなのかは、6章を読んですこし具体的にわかりました。

この本にもう一章つけくわえてくれるなら、子育てや学校のことがいい。娘の幼稚園(当時)に講演にきた医師が「子そだてのレベルがいまほどたかい時代はない」と言ったそうです。同感で、これまでしりあったおかあさんたち(おとうさんも)、ほんとによくやってらっしゃる、と敬服することがほとんど。今の親は…という批判も検証してほしい。

娘が小学校にあがって、みる機会がふえましたが、わたしが小学校だったときより、先生も、学校も、よくなったと感じます。理由もつげられないまま、クラスの前にひっぱりだされて殴られる、クラス全員のまえで(自分だけ)成績をいわれ「これはオマケだな」… ふりかえって、なぜ訴え出ることをかんがえなかったか、と思うような理不尽をうけたおぼえが、何度もあります。いまのこどもは…、いまの学校は…という批判に加担せず、わかい人、学校、学校をささえようとする人たちを支援し、はげましつづけていきたいものだ。それも読後感のひとつでした。

大湫

2016年10月03日 | かぞく

関東に住んでいたころ、中山道沿いの国道19号で帰省する途中、道路標識に「大湫」とあるのをみつけ、これはなんと読むのかと。調べると、「おおくて」という中山道の宿場らしい。となりは「細久手宿」、思えば名古屋の東に「長久手」もある。「くて」とはなんぢゃ〜!?







この大湫の廃校となった小学校の校庭(上の写真)をメイン会場として、手作り作家たちが集まって作品を展示する「オオクテ・ツクルテ」というイベント(→Facebook)があることを、やはり出店する、知り合いのかばんやさん huitウェブサイト)におかれたパンフレットで知っていたけれど、毎年、音声学会全国大会と重なるため、涙をのんできましたが、昨日ついに訪問!

「大湫」「細久手」「長久手」と、「くて」は地形にちがいない、どうも低湿地ということらしい。瑞浪の市街から急坂をのぼると、とつぜん平らな土地が開ける。ずいぶん高いところにあるけれど、「なるほど大きい『くて』だ」とひとり感慨に浸る(→大湫宿Web)。

とうちゃんとしてはこれだけで大満足ですが、娘はもちろん、箸置きの色付けやって、餅投げに参加し、五平餅たべて、かばんやのおねえさんにあって、まえに陶芸を教えてもらった作家さん(紹介)のブースにも訪問して、と満喫。イベント発足当初「あんな山奥では人は来ない」と言う人もいたそうですが、第三会場までできるにぎわい。一日あそべます。多治見・土岐や愛知県瀬戸市など、近隣には、他県からも陶芸を学ぶために学校に入学する人がいるようで、「ツクルテ」の一拠点として発展していくといいなと、わたしたちも脇から参加させてもらえるとまたうれしいなと。

陣屋のちかくにある神社の大杉は樹齢1300年とあり、たしかに立派。前に立ってる娘(現在身長120cm)とくらべると太さがわかります。