時々雑録

ペース落ちてます。ぼちぼちと更新するので、気が向いたらどうぞ。
いちおう、音声学のことが中心のはず。

Eveの夜のおはなし

2010年12月26日 | Bloomingtonにて
クリスマスイブの夜、マイヤーさん一家がうちを招いてくれました。今回は、留学生センターに頼まれたとかで、5人の留学生も参加。一部が家の写真を撮りまくる、家族にも入れという、声がでかいなど、私には狼藉に見えて、「ここはパーティ会場じゃなくて個人宅!」と内心ムッとしましたが、6歳のキャロリンまで、写真に入ってやったり、ちゃんと対応しているのには感心しました。そもそも、この一家のそんなご厚意で、われわれもここまで付き合っていただいたワケで。(彼らはむしろ、楽しむ様子を見せるのが礼儀、と思ったのかもしれません。文化による考え方の違いがあるでしょうから、私の心配は無根拠なものなのかも)

夕方食事を取った後、マイヤーさんたちがいつも行っている教会へ。この日はふだんとは異なって主に子供のパフォーマンス中心、もちろん賛美歌。一部を除いて知らない歌がほとんどでしたが、いっしょに来たインドネシアからの留学生は歌ってました。たぶん、キリスト教徒なのでしょう。イスラム教徒だと思い込んでました。

「お話を読みますから小さなお子さんは前へ」という時間があって、2歳以上ならいいというので娘も参加させてみました。でも英語じゃ分からないので退屈して、立ち上がって嫁さんに手を振り出したりしてしまったので退場。写真は自粛してたのですが、アメリカ人でも撮っている人がいたので一つ撮らせていただきました。

またマイヤーさんのお宅に帰ってデザート。ここで、いよいよ高校最後の学期に入るマイヤー家のオースティンとちょっとじっくり話ができました。今、警察でインターンをしていて、大学ではCliminal Justiceを勉強して警察官か探偵になるのもいいな、と思い始めているとのこと。心優しくてスポーツマンの彼に向いているような気がします。

ものには名前がある

2010年12月22日 | ことば
このところ娘は、ものの名前に強烈にこだわるようになりました。こちらがたずねもしないのに「おかあさんの名前は××、お父さんの(本当は別のよび方ですが)名前は△△、(わたしの)名前はかえで」と言う。さらに、いろんなものについて「名前は?」と聞いてきます。

先日記事にしたねずみの指人形も、(親が指につけて)登場するたびに「名前は?」と聞き、「チューチュー!」と答えてもらうとにっこり満足。さらに、今朝はふりかけのパッケージのくじらの絵を指して「名前は?」。「くじら」と答えてもまだ「名前は?」と聞く。どうやらくじらの名前が知りたいらしい。さらに、おみそ汁の中の玉ネギを指して「名前は?」。「たまねぎだよ」と答えてもまだ、「名前は?」。

『これが玉ネギなのは知ってる、でも名前は何?』と聞いているかのよう。どうも、一般的な名前以外に、一つ一つの固体に対する名前があると最近気づいたもよう。そのあまり、いま食ってる物についても聞いてみたということろかと。しょっちゅう、何に対しても「このハムの名前は? このバナナは? このスカートは?」と聞いてくるわけではないのですが、ともあれ「名前は?」と聞いてみたい時期なのだろうと思います。

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写真は、Bloomingtonの中心にあるFountain Squareの中心の吹き抜け。毎年クリスマスシーズンはこんなかんじ。ここの一室にサンタさんが出没します。 

あれもクリスマス

2010年12月22日 | Bloomingtonにて
昨日は夕方かダウンタウンに買い物に出かけました。そこで、「サンタさんと写真が撮れます」というコーナーへ。1回5ドル。親も勝手に撮っていいけど、写真屋さんがちゃんと撮ったやつも1枚もらえる。去年もここで同じ事をしました(たぶんサンタも同じ人)。娘はでかい、見慣れない、西洋人の男性に抱きかかえられて、怖がって大泣きしましたが(そして、その大泣き写真が残っていますが)、今回は、ちょっとびびりながらも、話しかけられて「うん」と小さくうなづいたり。

帰りは暗くなりました。そこで、ちょっとご近所の住宅街へ寄り道。うちのアパート群の周囲には、一戸建ての個人宅群があります。行ってみると、やっぱりありました、クリスマスの電飾。写真のように、かなり派手なのも少なくない。外に見せ付けるのではなくて、家の中が電飾でいっぱいな家もありました。

こういうのは、日本で最後にいた世田谷区成城近辺でもけっこう見て、きっと日本人のほうがむしろド派手に飾り立てるのかなと思ってたのですが、アメリカ人の一部はさらに派手。娘はこういうのを見ると「クリスマス!」「あれもクリスマス!」とわれわれに知らせようとする。さらに、ラジオでクリスマスソングがかかっても「クリスマスだ!」。どういうふうにか不明ながら、「クリスマスとはこういうもの」という認識が出来上がっているようです。

(↓ つづく)

Sugar High?

2010年12月22日 | Bloomingtonにて
サンタと写真撮影のコーナーでクッキーのタダ券が配られました。これはこの建物の地階にあるカフェの宣伝のため。たしかに、こんなところがあるとは知らなかった。娘はクッキーもらって大喜び。ばりばりとその場で食べきりました。このStefano's Ice Cafeの店主はアフガニスタンの人だそうです。ケーキも、朝食メニューもなかなかおいしそうだったので、今度来てみようと嫁さんと相談。お店の狙いにまんまとはまりました。

URL: http://www.stefanoscafe.com/

ところで夜、いつもは9時には寝る娘がぜんぜん寝ない。親2人で添い寝する最終手段に出てもやっぱり眠れず起き上がってふらふら。けっきょくあきらめてビデオを見たりなにやらして、10時半ごろやっと就寝。パーティにいるとか、よほど楽しくて興奮したとき以外こんなことは決してないのに。嫁さんの推測はクッキーの仕業。砂糖を多量に摂取すると子供が夜寝ない、Sugar Highというコトバを聞いたことがあると。

調べてみると、薬物によるハイのようなものではなくて、たんに砂糖の入ったもの等のとりすぎで血中のグルコースが以上に高まって興奮状態になることがある、というだけだそうで。ともあれ、午後4時台にクッキー一枚(それもうんと甘いアメリカの)はもう食べすぎなのかも。ここのところ寒くて外ではあまり遊べず、たんに疲れていなかっただけかもしれませんが、ともあれ、ちょうど就寝&起床時間をもっと早めようとしていたところなのに、失敗でした。

(おしまい)

2歳児の「心の理論」 うちの娘の場合

2010年12月20日 | ことば
2泊3日のBloomington旅行、金曜日のお昼にはもう家に入れますという話だったのに、帰ってみると管理のおじさんがまだ床にワックスを塗っていて、「夕方帰ってきてください」。幸い嫁さんの英語学校の年内最後の授業日だったので、普段はダメですが、娘もいっしょに出席。最後にサンタ登場、ちょっとスナック食べておしまい。写真はそのときに出してもらったEggnog。クリスマスなど冬の飲み物です、めちゃくちゃ甘い。ホテルはとってくれたものの、外食ばかりになり、3日間通すとけっこうな無駄遣い。ホテルもウェブサイトには「温水プールあります」とあったのに聞いてみると屋外プールしかなくて、「あれは間違ってるんですよ。修正してくれって言ってあるんですけどね」と、日本なら許されないであろう呑気な答え。おかげで娘の遊びの選択肢が減り、長い3日間になりました。

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先週終わった秋学期では、Origin of Languageという授業を聴講しました。その中で、言語の進化と関連していわゆる「心の理論 Theory of mind」についても触れることがありました。

他者に自分とは異なる心の動きや信念があることを理解できる能力、4歳くらいになるとひとまずこれが身につく、ってハナシですが、娘(いま2歳と3ヶ月)と暮らしてる実感としては、親が痛がっていれば「だいじょうぶ?」、悲しそうにしていれば「どうしたの? 楓いるよ」(まあ、親の真似ですが)、などこっちの心が分かってくれているように見えなくもありません。でも、よく考えてみると思い当たることが。

娘は、キッチン用のラップを巻いてあったボール紙の筒を拡声器のように使って電話の真似をして遊びます。「話して」と言って私にも使わせようとしますが、娘が筒を口に当てて話をしているので、筒の反対の端を耳を当てようとすると、それを制止して、お前も口を当てろ、と言います。これでは、筒の両端に二人とも口をつけることになるので、通話が成立しません。でも、それを説明しても理解する様子はなく、口をつけるのであれ、耳を当てるのであれ、自分と同じことをさせようとします。

また、相変わらずかくれんぼが好きで、食事中にもいきなりかくれんぼ遊びに持ち込もうとする。ところが、自分の目だけ手で覆って「見える?」と聞いてきます。こっちには彼女の姿は丸見えなので「見えるよ」と答えることになります。彼女は不思議そう。

心の理論に関する実験パラダイムに詳しくないので素人考えですが、たぶん、電話ごっこについては、たんに自分のやってることをやらせようとしているのだろうと。また、かくれんぼについては、よく聞くハナシと同様、自分が見えなければ見えないと考える。他者から見えないかどうか、ということには思い当たらない。いずれも、他者の視線や人格に関する認知がちゃんと成立していないから、ということのように思えます。

今のところ、われわれの唯一の願いどおり、心優しい子に育ってくれているようで、喜んではいるのですが、その優しさの発露は、我々とは異なったメカニズムに支えられているということのようです。娘がこっちの心を読んで行動しているように見えるのは、むしろ、娘の行動の中に自分たちの心の働きと同様のメカニズムを読み込んでしまう、親の側の「心の理論」による、ということになるのでしょうか。

いつごろになったら、口と耳とで電話ごっこができるようになるのか、私たちの目を隠して「見えない?」とやるようになるのか、楽しみではあるけれど、今の娘のとんちんかんな行動はかわいいし、心の理論が発達したらもう二度とやらなくなるのでしょうから、今はこんな彼女との対話を楽しもうと思います。

2泊旅行(Bloomingtonにて)

2010年12月15日 | 旅行記
今日から2泊、ホテルに泊まることになりました。といっても、実はどこに行くわけでもなく、Bloomingtonで。

うちのアパートには、他と同様、In-sink disposerとかIn-sing eratorとかよばれる装置が設置されています。シンクの中に鋭い歯が隠れていて、それを電動で回して生ゴミを粉砕し、水といっしょに流してしまおうという、環境にとても悪そうな装置ですが、「臭うので生ゴミはゴミ箱に捨てず、disposerで処理してください」というお達しが事務所から来るので、仕方なくある程度使ってました。

しかし、今のところに引っ越して以来、Disposerがすぐ詰まる。汚水といっしょに逆流してきて、とても不快。事務所に連絡すると、すぐに気のいい管理のおっちゃんたちが来て、詰まりを吸引してくれるのですが、しばらく使ってるとまた詰まる。嫁さんが英語の先生に聞いたところでは、アメリカ人は流しに使用済みの油を流してしまう人が多くて、それが固まってこういうことになるのだそう。たまたま、過去の住人がそうだったようです。

先日また報告をしたら、ついに事務所が決心、「設備の入れ替え工事を行います、ついては2日家を空けてください」。シンク下の装置の入れ替えだけで大げさな、と思ったのですが、どうも床下に装置が埋まってるらしい。朝の早いアメリカ人は8時過ぎにやってきて仕事開始。写真のように台所スペースに仕切りをしてゴミが飛び散らないようにした上で、ドリルで床をぶっ壊してました。大音響と振動に娘はびびりまくり。

というわけで、2日間、事務所がとってくれたホテル生活。最初は「だれか友人のところに泊まって」と言われたのですが、ここのところずっと寒くて今も-6℃で雪が降ってるので、友人宅でソファに寝るとか、寝袋とかは厳しかったでしょう。まともなホテルがあてがわれて幸いでした(家賃を払ってる限り当然の責任らしいですが)。

幸い、親切な知り合いの韓国人夫婦が夕食に招いてくれて、夕食もばっちり。娘はさいしょ「おうち帰ろう」と言ってましたが(そんなこと言うようになったか)、ホテルに着いたら大喜び。プールもあるので、せっかくだから小旅行だと思って楽しむことにします。

Indigo Blue

2010年12月13日 | Bloomingtonにて
娘が参加している土曜日の(子供のための)日本語教室、昨日はあるつてで、特別講師を招くことができました。インディアナ大学芸術学部の先生で、日本で藍染の修業をなさったアーティストの方です。(アメリカ人です)

授業を行ったのは、キャンパス内にあるその先生の工房。藍の処理などについて簡単に講義をしてくださり、そのあとは実際に藍染を体験。嫁さんが娘といっしょに参加。縛ったり、輪ゴムを巻いたりしてもようを出すのですが、写真のとおり一つ一つ模様が違って、全部(10種類くらい)ならべると壮観でした。

片付け終わってみんな帰ったあと、少しだけお話を聞く機会があったのですが、ジーンズ等に使っている人工のインディゴの染料も物質的には同じものなのだそうです。ただ、処理の仕方等により、色の出方が違うので、この先生はホンモノの藍を使用。処理の仕方も、灰を使う(ポタシウムが多くて色がきれいに出るとか)など全て日本式。

印象に残ったことの一つが、藍の染料がかなり臭うこと。「発酵させてるって、つまりはゆっくり腐らせてるわけだから」とおっしゃってましたが、だから、ツボの中の藍の色素を使い切ったら残りはいわば堆肥。実際ハタケに撒くそうです。

徳島には藍住町というところがあって、私はデータを録らせていただいたことがありますが、修業をなさったのは、たしかお隣の板野町。この夏のフィールドワーク帰りに通りかかったのですが、旧吉野川の水が本当にきれいでした。

海外に、こうやって日本工芸を学び・伝えてくださる方がいるのはとてもうれしい。個人的にも、フィールドしている四国に、間接的にでももう一つ縁が増えたような気がする。徳島には、また滞在のチャンスをうかがってるそうで、実現するといいなと思います。

日本製だそうです

2010年12月12日 | Bloomingtonにて
Bloomingtonには少なくとも3つ、アジア人(たぶん移民)が経営する食料品店があります。うちはその一つGreat Wall(万里の長城)によく行きますが、娘は店員さんに覚えてもらっていて、毎回、「かわいいねえ、これをあげよう」とお菓子をもらってきます。

今回はオーナー(たぶん中国人)が写真の2つのカップ麺をくれました。消費期限ぎりぎりだったから、ということらしい。よく見ると「Product of Japan」と書いてあります。商品名は「旨辛ラーメン」「醤油ラーメン」、カリフォルニアの日本人の名前の会社が販売元になってる。

味はというと、辛いほうは、韓国製じゃないかと思うくらい辛い。一方、醤油のほうは、これもどことなく渋みがあって、日本で食べなれた、あれに近い、というような感じがしません(むしろやっぱり韓国っぽい)。日本にこんな商品あった?... 

ともあれ、一年半ぶりくらいにカップ麺食べました。

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久しぶりに、テンプレートを変更してみました。嫁さんが選んだのでややかわいくなってしまった。犬の脱力感が気に入ってます。

チューチューさんの魔法

2010年12月11日 | Bloomingtonにて
写真のネズミの指人形は、あるご家族が引っ越す際、その家のお嬢さんが持っていたのをいただいたもので、娘は「チューチューさん」と呼ぶようになりました。最近、大のお気に入りで、我々のところに持ってきては「ゆび入れて」と催促。指を入れて動かしはじめたとたん、操作している人とは独立の人格(?)があると認めるらしく、ニコニコ笑顔を向けてきます。対話したり(声は父親のままなのに)、ほほを寄せ合ったり、いっしょに遊んだり。

嫁さんが、これを利用する方法を思いつきました。多くの小さいお子さんがそうでしょうが、娘も歯みがきが大嫌い。1歳になる前くらいから頑張ってきましたが、しばしば口を結んで拒否。なだめたりほめたりしてもなかなか進まず、最後は無理やりこじ開けて、大泣き、というパターンが通例。

そこで、写真のようにこの人形をつけ、歯ブラシを持たせ、「チューチューさんが磨いてくれるよ」とやると、喜んで、というか少なくとも泣かずに、進んで口を大きく開けて、歯を磨かせてくれる。もうそれは魔法のよう。

子供を持つ前、ファンタジーというのは親が子に与える「いかにも子供らしい(と大人が思う)世界観」だと思い込んでいたのですが、最近の娘のようすを見て、そうではないらしいと思うようになりました。たぶん、娘のほうにファンタジーを作り出す力がある、というか、現実と架空・虚構の世界との区別がまだ確立していない、というか... ともあれ、彼女には世界が我々とは違って見えていることは間違いないようです。

中の人

2010年12月10日 | ことば
いよいよ寒くなってきて、ここ数日、朝の気温が-10℃ぐらい。一日中氷点下の日が続いてます。娘の飲む牛乳も温めるようにしてるのですが、先日、温めた牛乳を一口飲んで

「温かい牛乳だってば」

と言う。イントネーションも含め、こちらをとがめる言い方としてあまりに完璧だったので、びっくり。どこでそんな言い方を? 「まだ冷たかった? ごめんね」と、もう一度嫁さんが温めてきてやり、「今度はどう?」と聞いてみると、飲みながら、こちらに目をやることもなくサラッと

「じゅうぶん」

と言いました。表現があまりに簡にして要を得ているので、目が点。

「あんた、ホントは中に大人が入ってるでしょ」

と聞いてしまいました。

つい半年前は2語文も話さなかったのに、最近の言語能力発達の発現が急で、表現はどんどん豊かに、複雑に、かつ場面等に適切になってきてます。娘にとってちょうどそういう時期なのでしょう。