時々雑録

ペース落ちてます。ぼちぼちと更新するので、気が向いたらどうぞ。
いちおう、音声学のことが中心のはず。

一歳の誕生祝(韓国式)

2010年01月21日 | Bloomingtonにて
先週の金曜日、つい最近、たまたま知り合ったご家族の息子さんの一歳のお誕生日祝いに呼んでいただきました。ちょっと興味深くて、忙しいけど行ってみました。

ご家族は韓国人。Bloomingtonにいる韓国人は、韓国人ネットワークの中にどっぷり漬かって生きている人が多いので、韓国人だらけかと思ったら、そうでもなくて、ご主人が所属する経済学科の人たちが主なお客さん。中国人、インド人、マレーシア人など(それからわれわれ日本人)。インド人の彼はとくに冗舌で、インド宗教の話とか、「東芝」はインドの言語(彼はベンガル語)の感覚では女性名詞に聞こえるとか、どうやったら彼女ができるのかとか、ずっと話してました。

写真の料理、ケーキとフルーツ以外、ぜんぶ奥さんの手作りだそう。この他にも、チャプチェ、わかめスープ、ローストビーフ等々。。。 一歳のお子さんがいるのに! たいへんな根性だと、ただただ敬服。ちなみに、やっぱりキムチはありました。

(↓ つづく)

どれを選ぶ?

2010年01月21日 | Bloomingtonにて
バースデーケーキはあったものの、韓国語版♪Happy Birthday to you~(生日祝賀ハムニダ~)♪を歌うことはなし。メインイベントは、写真のように、プレートの上に用意した品々から、子どもになにか選ばせる、というものでした。

乗っているのは5種類。一種の占いになっていて、たとえば、糸を選べばその子が長生きする。他はペン(勉強ができる)、聴診器(医者になる)、しゃもじ(食うに困らない)、お金(もちろん、お金もちになる)。息子さんが選んだのは(というか半分無理やり握らせたのは)・・・お金でした。もういちどチャンスがあって、選んだのはペン。乗せるものは絶対こうと決まっているわけではなくて、親の考えで選んでよいそうです。

お子さんのお顔を載せるのはやめますが、写真のきれいな衣装は、韓国から送ってもらったもの。ここまでやるのは、おばあちゃんの強いご希望によるそうです。おかげで、かなり本式に近いものを見せてもらえたし、違う分野の人と知り合えたし、楽しいひと時でした。

(1月20日の記事おしまい)

再会

2010年01月19日 | 旅行記
学期も始まって忙しくなってきたので、アメリカ言語学会についてもうちょっと書いて終わりにしたいと思います。今回、発表もまあまあ上手く行ってよかったのですが、楽しかったのが、いろんな人との再会でした。

以前、ワークショップで知り合ったデラウェア大のYさんは、覚えていて声をかけてくださいました。インディアナ大(の言語学科)で最近Ph.Dを取った知り合いも5人。一人は発表、もう一人はなんと就任した大学の人事の仕事のため。広いアメリカは、こういう機会を利用して候補者を一気に集めて面接するのが伝統だそうです。もちろん、候補者の発表もチェックする。あとの3人はこの近くの大学やら、病院で研究員をしています。2年ぶりくらいだったでしょうか。発表者のリストにはなかったので、会えるとは思っていませんでした。

また、日本からも知り合い(Ph.Dはアメリカ)が来て、お話しする機会がありました。San Antonioの音響学会では、発表するから当然来るはずの人以外に出くわすことなんか全くなかったので、なんでこんなに再会があるのか不思議だったのですが、どうやらここはワシントンとか、ニュージャージとか、デラウェアとか、東海岸の大きな都市(そして有力大学)のあるところと近くて、みんなにとって便がよかったということのようです。

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さて、写真はこれも名物らしい「クラブケーキ」。けっこう有名なシーフードレストランで食べたもので、実際18ドルくらいとかなり高いんですが、まあ、結局、カニ肉をなんかクリーミーなソースで固めたものを、ハンバーガーのようなバンズにはさんで出してくる。でも、カニならもっと美味い食い方あるんじゃない? やっぱり魚介類の醍醐味は日本人(とか中国・韓国)の方が知ってるなと。

付け合せは、フレンチフライと、コールスロー。ファーストフードじゃないんだから・・・ なんか、高級料理店でそれなりの料理を注文した、という気がしない。家に帰ってニョーボの料理を食ったときの喜びといったら。「うまい」を連発していたら、よほど実感が篭っていたらしく、娘が習得して、最近は食事中に「んまぃ」と言うようになりました。

(↓ つづく)

ホテル

2010年01月19日 | 旅行記
宿泊地は、学会の会場にもなっているヒルトン・ボルティモア。かなりいいホテルだと思いますが、師匠によるとここが近辺で一番安かったんだそう。それでも$125! (これでも言語学会が交渉して引き出した特別レート) 東京や大阪なら、学会会場になりそうな場所の近辺にだって、もうちょっといろんな価格帯の選択肢があるはず。東京が世界で一番生活費が高い、というのは、多国籍企業の駐在員や外交官の生活レベルで考えた場合だ、という記事がありましたが。このケースにかぎらず、アメリカの都市、ボストンとかNYの生活費のべらぼうな高さは人から間接的に聞くことがよくあります。ときどき日本のマスコミが取り上げるあの生活費ランキングは、一般の人にはあまり適切な指標じゃないのでは。

わたしともう一人の院生は、師匠たちの部屋に居候させてもらったので、そのなかなか上質のホテルの部屋の床で寝ましたが、カーペットも、追加でもらったブランケットも質がなかなかよく、けっこうぐっすり。もう一つ、寝られた原因が、写真のジム。ほぼ毎日、ここへ行ってみっちり運動しました。なにしろ、食事の量が多く、でも、完食を心がけていたら、毎回苦しいくらい満腹で。この部屋の隣はプール、サウナもありました。初日は利用客がかなりいましたが、学会が始まった二日目からはがらがら。言語学者ご一行は、社交に忙しかったもよう。

(↓ つづき)

帰途へ

2010年01月19日 | 旅行記
学会最終日は、学期が始まる直前の日曜日。一緒に帰るウィルが、「ちょっと早めに着いておきたいんだよね」と妙に慎重だったので、国際線に乗るのか、というくらいの、出発2時間以上前に空港に行くと・・・ セキュリティで長蛇の列。最初は「こりゃ乗れないかも」と思ったくらい。NY→インディの便がほとんど若い人だったことでも分かるとおり、大学生が大学のある街へ移動する大混雑日だったんですね。ウィルの正しい判断のおかげで、慌てず間に合いました。

帰りも乗り継ぎはNYのラ・グァルディア空港。インディから来たときと同じコースで空港へ入るので、また自由の女神とご対面。奥に見えるのはマンハッタン島じゃなくて、昔移民の審査をしたというエリス島だそうです。

ボルティモアからの便も時間通り。NYでの搭乗もスムーズで、今回は順調、と思っていたら、みーんな乗り込んだ後にアナウンスが。

「みなさん、よくお聞きください。本機は現在重量オーバーです。皆さんの中で、後の便に乗ってくださる方を募ります。その便は、××空港(忘れた)乗換えで、インディアナポリス到着は11時の予定です(この便の到着予定は6:30ごろ)。応じてくださった方に、一人$350差し上げます。お二方必要です。どなたか、お申し出下さいませんか。」

満席だったし、横3列と小さな飛行機だったけど、全席使えないなんて。俺じゃ軽すぎるよね、と思ってると、女性がお二人、申し出てくれました。荷物を再び取り出すのに時間がかかって、かなり遅れて出発。

こんなふうに、ワタクシの2010年が開始。この学会の準備も含め、ばたばたとしているうちに冬休みも終わり、次の日から春学期に入りました。ちなみに、こちらは現在月曜日の夜ですが、今日は「Martin Luther Kingの日」で、お休み。

(1月19日の記事おしまい)

変わる(?)言語学

2010年01月14日 | 旅行記
アメリカ言語学会@Baltimoreのつづき

今回、参加して感じたことの一つが、「実験的研究が多くなった」ことでした。LSAの報告によると、受け取った要旨の割合を反映した部分があるそうで、実験的研究が行われている数自体が多いことを反映している部分がありそう。

具体的には、音声にかかわる分野では「Experimental Phonology」とか「Psycholinguistics: Phonology」とか、「音韻論」という括りだけど実験的・定量的な研究のセッションがたくさん。逆に、「Formal Phonological Theory」というセッション名もあってニヤリ。前なら「形式的」とか「理論的」なんて言わなくても、ほとんどそうに決まってたはず。いわゆる「無標」だったものが「有標」に変わってきたかと。

理論的な部分にしか興味がないと公言するうちの学科長(Davis先生)ですら「今後、音韻論は実験・定量的研究か、数理モデル研究(Albrightさんとか?)かのいずれかになっていくだろう」と言うくらいだし、Phonology(学会誌の)でもそういう論文が増えてるし、この流れが止まることはなさそう。実験屋としては歓迎。私の発表も、「Perception/Acquisition of Phonology」というセッションに入れてもらえて「OTの研究、一つもないんですけど、『音韻論やってます』って言っても、いいですか?」という気に少しなってきました(ウソです)。

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構文論のほうでも、「Psycholinguistics: Syntax」とか「Acquisition」とか、やはり実験的・定量的な研究セッションが多数。その一つに出てみました。UCSD(サンディエゴ)の研究グループは、文の「容認性(Acceptability)」について検討してるらしくて、その一つの発表が「作動記憶(Working Memory)の大きいグループと小さいグループで、容認性の与え方のパターンが異なる」という結果から「容認性は記憶の負担の大小を反映する可能性がある」という結論だったので、「おや!」と。

「つまりあれかい、容認性は、文処理の困難さ(等々)を反映するんであって、文法性のチェックにはならんと、ついに認めるんかい!?」と思ったので、そういう趣旨の質問をしてみると。。。答えは「容認性は、言語知識を探るための「道具」で、話者にどんな操作・情報を与えるかによって、話者から得られる情報は異なってくる部分があるだろう」というようなことでした。ほぼ全面的に同意なんだけど、だとすれば、文構造を論ずる(ために文法性をテストする)データとして容認性は信頼できない、ということが明らかになってきた、ということだと思うんだけど、こっちの流れはどうなるんだろうか。

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写真は、Baltimoreのホテル近くの通り。こんなふうに、やや古い建物が多くて、けっこういい雰囲気でした。

野球場

2010年01月10日 | 旅行記
ということで、メリーランド州はボルティモアに来たわけですが、例によって、どんなところか全然知りません。着いた次の日、学会初日、ホテルで目覚めて外を見ると、すぐ脇に見えたのが野球場。ボルティモア・オリオールズの本拠地だそう。よくわからんけど、部屋にあったガイドを見ると、カル・リプケンっていう人? 見覚えのある野球選手の写真が。

(↓ つづく)

アクセス

2010年01月10日 | 旅行記
空港からはトラムで1.60ドル。Praat通りの停車場で下りて、学会会場のヒルトンホテルは目の前。昼間の本数はかなり多くて、便利。行きは我々以外の周囲の乗客が全員アフリカ系で、「南部に来たんだな~」と。実際師匠の話では、この北のペンシルバニア州までが南北戦争における「北部」で、ここメリーランド州は、奴隷を使ってた州なのだそうな。街を歩いてて、物乞いが近寄ってくることが多いし、賃上げを要求する労働者もいた。特殊なのではなくて、都会だということなのでしょうか。

(↓ つづく)

定番

2010年01月10日 | 旅行記
初日は学会が午後4時からとゆっくりなので、ぶらぶらと歩いて、安い食堂をさがし歩きました。で、師匠とウィルが見つけた店へ。San Antonioで行ったのとほとんど同じ、アメリカの朝食の定番。卵とトーストと、ベーコンと、ポテトと、またはパンケーキと・・・ で、バターとメープルシロップがどっさり出てきて腹いっぱい。

(↓ つづく)

名物?

2010年01月10日 | 旅行記
東海岸ということで、いちおうシーフードが名物らしく、レストランに入るとおススメの一つ、ということになってるようでした。ホントの本場はもっと北のメーン州とかなんじゃないかとは思うけど。

で、食いすぎの昼、食べたのが写真のカニ肉入りのスープ。これは、美味かった。気がつくとまた食い物ばかりの旅行記になってる。実際には、今回は非常にマジメに学会に参加して、質問もして、かなり勉強したんだけど。

(1月10の記事おしまい)