時々雑録

ペース落ちてます。ぼちぼちと更新するので、気が向いたらどうぞ。
いちおう、音声学のことが中心のはず。

ポスターいちおう完成

2005年12月31日 | Indiana大学
 今日やっと言語学会(1/5-8)のポスターを完成させ、大学の研究室にKen先生を訪ねました。家族を大事にする彼は、いったんクリスマスを家族と過ごしたあと、同じく言語学会の発表、そのあとすぐの来学期の準備など、残った仕事を片付けに研究室にいるのです。大学の組織自体はもう休みに入っていますし、散歩する人くらいしか見かけませんが、研究者にはこういう人もいるようです。

 微修正だけで基本的にはまあ合格をもらい、やっとこれで発表できる体制が整いました。学期の終盤からここまでは「もう単位はなんとかなるだろう」と、授業よりもこのことに打ち込んできました。まだ分析すべきデータは残っており、追加するつもりですが、一応の結論は出せました。この1ヶ月はひたすら測定・分析。正直学期中よりもきつかった。。。

 でも思えば、年末まで大掃除等の雑事をするでもなし、ひたすら自分の研究に打ち込めるというのは、研究者の端くれとしてはありがたい状況です。しかも今までとは違い、頼れるスーパーバイザーがいます。学生なので、こんな年末にも本気で指導してもらえる。この二つが私にとって仕事を辞めて学生になった最大の意義。期待したとおりの状況だと思っています。

 学会は5日の午後に始まるので、みんなそれに合わせて5日にアルバカーキ入りするようですが、いっしょに行く韓国人の院生Jungsunさんが勘違いをしていて、私もそれに従ったので、4日からアルバカーキ入り。さらに、私は地図を見間違えて、学会から1マイルほどもあるホテルを予約してしまいました。つい先日Ken先生に指摘されて気づいたのですが、航空券とセットなのでもう払い戻し&変更は諦めました。そんなことを考える余裕はなかったし。不慣れな初心者ゆえか、ミスが多い初の学会参加となりました。でも、それはいいから発表関連でミスがないことを祈りたい。。。

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 ついでに昨日の夜の話を。留学生センター主催『こんなときにどこへも行けないカワイソウな奴等のために映画を見せて、ピザを食わせてやる会』に行ってきました。なんと30人近く来ました。体育学部に客員研究員で来ているタイの先生(合気道が専門だそう)は息子さん娘さんを連れて。入学式前後に知り合った、教育学部のHugoという台湾人学生は、友人のシンガポール人(中国系)Hendrixを紹介してくれました。

 彼に学部を尋ねると、なんと「自分で専門を創ったので、どこの学部にも所属していない」と言います。自分でカリキュラムの提案をし、この大学にそれを実現する教授陣がいることを調べて説明して許可を受ける、というシステムがあり、それを利用したのだそうです。それが出来る彼のクリエイティビティに感心。彼の専門はビデオゲームだそうで、情報科学部とビジネス学部で主に勉強を進めているそうです。ご存知の方もいるでしょうが、こういうシステムの存在、私は初耳で驚きました。他の大学にもあるのかもしれません。

 映画もまあまあ。ハナシが出来すぎではありますが。そもそも「モンテクリスト伯」って「岩窟王」という名前で知られている有名な小説のことだったんですね。私は読書をしない(とくに小説は全然読まない)子供だったので、これも初耳。

 日本は大晦日ですね(こちらはまだ30日の夜)。ご覧になってくださった方の今年はどんな感じだったのでしょうか。私にとってはこれまでの人生の中でもっとも変化の多い年でした。厄年だった、とさっき思い出しましたが、身体は健康でした。親に感謝。みなさん、よいお年を。

いちおうホワイトクリスマスでした

2005年12月26日 | 
今日はクリスマス。バスは感謝祭に続いて前面運休。昨日の夕方にはレストランもショッピングモールも閉まり、今日は完全休業。日本でいうと大晦日~元旦みたいなもんだそうですから、これが当然なんでしょう。予報どおり朝から本降りの雨。この雨の中地元の人は初詣、ではなくて教会に行ったのでしょう。去年はちょうどクリスマスごろ大寒波で大雪が降ったそうなので、それよりはマシでしょうか。でも、気温がだんだん下がってきて、写真のとおり雪へと変わりました。

 といえば、日本では今年も、定番の山下達郎の「クリスマス・イブ」があちこちで聞かれたのでしょうか。私は、この曲が最初に発表されたMelodiesというアルバム(1983年)を、発売と同時に(LPレコードで!)買って聞いていた、という古い人間でございますが、当時は彼らしい夏の香りのする曲が並んでいるのに、突然クリスマスの曲で終わる。「ヘンなの」と思っていました。

(夏全開!のSparkleという曲(一番好き)が、「ポンキッキ」でガチャピン(彼はすごすぎます)がスキーをはいて、エアリアルみたいな派手なジャンプをしながら滑降するシーンに使われていて、それはそれでハマっていましたが。)

 曲自体は、イントロのギターはきれいだし、一人多重コーラスはさすがですけど、特に好きな曲ではありませんでした。メインボーカルはルートの一つ上の音(B)を伸ばして終わる。あれはBメロディが続く前提で作ったAメロディですが、それをフェイクして終わらせるいいアイデアが見つからなかったのでしょうがなくそのまま使った、という感じ。彼にしてはいまいち、と思ってました。むしろ、「高気圧ガール」「悲しみのJODY」「メリー・ゴーラウンド」あたりが好きで、「クリスマス・イブ」がここまで有名になるとは思いませんでした。

 話変わって、私はジョギングが日課ですが、ここの冬はえらく寒いと聞いていたので、外で走れるかな、と心配でした。実際には重装備ならば耐えられないことはありません。日本にいるときは砧公園という所でよく走ったのですが、冬は日中、夜できた霜柱が溶け出して毎日地面がずるずる。走りにくかったものです。こちらは地面が日中も完全に凍ったままなので、逆に走りやすい。雪が降ってもさらさらで身体に当たってもすぐ落ちてしまう。

 今日はというと、私は犬タイプ(喜び庭駆け回る)なので当然出て行ったのですが、気温が高いせいで(1℃)雪は身体に付着して沁みてくるし、地面に積もった雪もべちゃべちゃでジョギングシューズにも水が入って重いし冷たいし、寒いときより過酷でした。まあ、こんな程度でアメリカ最初のクリスマスは終わりました。。。

追加:その夜、こんな孤独なワタクシを、Yさんご夫妻がまた招いてくださり、温かいクリスマスメニューをいただきました。いろいろお話させていただき、また長居してしまって申し訳ないことでした... Yさんご夫妻は、この年末はこのままBloomingtonに留まり、年が明けてからフロリダのDisney Worldに行くのだそうです。ご夫妻はこれが2回目だそうですが、その時は断念した直営のホテル(直通のケーブルカーがあるはず)に、その時はまだいなかった、乗り物好きのご長男のために泊まるのだそうです。

食糧事情

2005年12月25日 | Bloomingtonにて
Bloomingtonには、アジアの留学生に有名なサラガというお店があります。韓国人が経営していて、アジアの食材が豊富に扱われています。驚く品揃えなのですが、今日紹介するのは、10th Street Market & Deliという、アラブ系の人(だと思います、国も聞いたけど忘れました)がやっているスーパー。キャンパスの中を通る10th Streetにあって、Ashton、Eigenmannなどの寮からも近い。私にとっては通学バスルートにあるので、便利。アジアの食材も多種扱っていて、安さもサラガに引けを取らない。最近はもっぱらこちらで買い物をします。そこで今回は、このあいだ学校帰りに買ってきたものを例に、どんなものがどの程度の値段で手に入るか、ご紹介しようと思います。写真をご覧ください(右手前から)。

(なお、牛乳・パン・ソーセージ・チーズなど、アメリカ人がふつうに食べるものは、近所のmarshという24h営業のスーパーで買います)

・大茂脆笋 ($1.59) タケノコの辣油漬けの瓶詰め 買うのはもう3回目 中国福建省発
・コリアンダーパウダー ($1.59) ほんとはクミンパウダーが切れたので買いに行ったのですが、高かった($3.59)ので、今回は我慢してこちら
・紹興酒 ($2.89) 料理に使います(私は一人でいる限りお酒はまったく飲みません)
・高菜 ($0.59)  味付けして細かく切った真空パック 中国上海発
・東京すしはね ($1.59) 板のり10枚入り 英語でSHIRAKO CO. LTD.とあります 「白子のり」 ウラに挿絵入りでのり巻の作り方の解説があります(英語)
・風梨酥 ($1.59) パイナップルのクッキー パッケージに「素食」と書いてある(…??) 台湾発
・草苺夾心酥 ($1.19) 心臓に効く漢方薬みたいな名前ですが、イチゴのウエハースです 台湾発
・ほうれん草 ($0.99) 初めてここで買った 普通のスーパーと違って、元の所が切られてないので、おひたし(&ナムル)が作りやすい! もうこれからはここです

 スパイスは安いし品揃え豊富。コリアンダーも粒でも粉でも常備。マスタードシードまである。クミンシードはとんでもない量が安価で買えました。だからカレーは本格的なものが、本当に安価で作れます。ハーブ類も安くて、日本の数倍の量が一袋$0.99。高菜はネギの代わりに炒飯の具にします。海苔は韓国産も売ってます(ナガイの海苔も!)。野菜は例えばオクラが50コくらいの1パックで売ってます。ナス、インゲンなどはもちろん、キャッサバとかタロイモ、ヤムイモまで常備(インドネシアの人などに需要があるのでしょう)。麺も中国・ベトナム…そのほか、私にはまだどこのものだか分からないさまざまな種類があります。いずれ、制覇したい。

 私は、父がかつてヤマザキナビスコという会社に勤めていて、小さいころはなんだかお菓子が食べ放題だったので、未だに、忙しかったりするとまともに食事を取らず、お菓子ばかり食べてお腹を持たせる癖が抜けません。こっちでも、それはあるていど続いています。でも実は、お菓子は(他に比べると)高いので、常にそういうわけには行かなくなりました。で、今回は割と安い台湾のお菓子。ちなみに、ナビスコのお菓子はこっちでは(庶民のお菓子の中では)高級なほうみたいで、480gくらい入ったOLEOがたしか$3.50くらい。安売りしているときだけ買います。

 もちろん米も、豆腐もありますが、日本の醤油は比較的高い。とりあえず韓国の醤油を使っています。香りがかなり違う。一方、味噌がほとんどないし、納豆も見かけない。日本の米酢はちょっとしかない。中国の黒酢ならいろいろ。これは中国・韓国などの国に比べて日本食材の需要がやや劣るからだと思います。日本人留学生が比較的少ないせいでしょうか、それとも、日本人はアメリカの食生活に合わせてしまう人が多いんでしょうか(あ、金持ちだから自炊しないのか?)。柿の種もありますが、高い!

 というわけで、この10thのおかげでずっとアジア料理を中心に食べ続けています。食費も週に$20程度。こんな田舎に来てここまでのことが可能だとは思いませんでしたが、留学生がいて常時一定の需要があるのだから不思議でもないのでしょう。さまざまな国の食材が通常の食費の範囲で入手できるのだから、私も大きな恩恵です。

 今日はクリスマスイブ。ここのところ暖かく、今日は雪ではなく雨の予報。アパートでひたすら測定&分析を続けています。伊吹島の「平進式」が研究のターゲットですが、その特徴を捉えるためには、それと体系上張り合う他の「式」と比較した方がいい、というKen先生のアドバイスで、他の「式」のデータも測定して比べています。そのため作業は数倍にふくらみ、右手はちょっと腱鞘炎気味。一種の職業病ですね。分析の手順が、人間(ワタクシ)については自動化されてきて、どんどん進めるので、相棒(ノートPC)も処理が追いつかず、ときどきもたつき、ファンをひゅうひゅう回しながら、がんばってくれてます。

成績

2005年12月23日 | Indiana大学
学期も先週金曜日で完全に終了。成績が発表になりました。IUの場合、Onestartという、学生の個人情報を管理するWebsiteに掲載されるので、そこへ個々人でログインして確認します。成績処理が済んだものから順に発表されて、今日(12/22)私の登録した4科目の成績が全て出揃いました。私の成績を参考にしていただくのもいいと思うのですが、たとえ個人情報でも、結局他との比較材料を提供することになり、あまりなんでも公表するのは大学や先生の迷惑になる部分もあるかもしれませんので、ほどほどにします。

 他の大学も似たようなものでしょうが、大学院生の成績のシステムは以下の通り(これは公表されている情報)。いちばんいいのがA(4.0)で、
1) C(2.0)以上の成績を取った科目だけが課程修了の必要単位として認定される。
2) GPA(評定平均)の計算には、C以下の成績もみんな使う。
3) GPAがB(3.0)以下だと、勉強を続けられない。

3)の意味ははっきり分かりませんが、文字通り受け取ると、GPAがB以下だと強制的に退学させられる、ということなんでしょうか??? そのほか、上のレベルの授業を受講するときの必要条件として、基礎レベルの科目の成績B以上が要求されることもあるようですが、複雑でまだ把握していません。

 成績をつけるシステムについて一般的なことを言うと、非常に厳密にやる人が多い、と言えます。シラバスで告知した点数配分を守って、複数のレポート、小テスト、中間・期末試験の点数を足していって、最終評価、ということです。教員をしていたときには、厳密に得点を足して行くとたくさんの人が落第してしまうので、最後に下駄を履かせたりと調整していたものですが、そういうことも知る範囲ではなさそう。

 私は、どうやら登録した4科目はどれも単位がもらえたようで、ほっとしています。GPAはOnestart上で計算して自動的に表示されていました。今学期は...3.5よりは上でした。もちろん全部Aではありません。ていうか、成績といえば「Aを取れるかどうか」という話ばかり聞くので、大学院生は全部Aで揃えなくてはいけないのかな、という印象だったのですが、実際やってみると全部Aなんか取れる気がしません。これではダメなんでしょうか。こんど大学院アドバイザーのBotne先生にうかがってみようと思っています。次回以降も、また別の観点から振り返りたいと思います。

下品なコトバ

2005年12月22日 | 
 こっちで耳にしたコトバについて、もっと詳しい方はいると思いますが、自分のメモだと思って書きます。一つはこの間近所に買い物に行ったときのこと。牛乳(1ガロン)、缶詰などを背負って、歩道を歩いていると、Bloomington市の公立の小学校-中学校のスクールバスが停まって、生徒が3人降りました。中学生くらいなんでしょうが、でかい。男の子が女の子をからかったんでしょう。走って逃げる男の子に対して女の子が、いわゆるswear wordをでっかい声で投げつけていました。本来は文字に表すべきではない言葉でしょうが、いちおうコトバに関わるブログなので。聞こえたのは

Fuckin’ asshole!

です。印象に残ったのは、イントネーション。私が聞いたように再現してみたF0トラックを画像にして載せます。赤い線が、前半の単語と後半の単語の境界です。後半の単語の持続時間が長く、2音節が均等にほぼ同じ高さでした。これ以外、いろんなイントネーションに乗せて発音できて、それによってニュアンスが変わるんだろうと想像します。

 このイントネーションだとどんなニュアンスなのか、まだいろいろ聞いたことがないし、寮生活の若い学生ならともかく、こういう言葉が発せられる文脈に直接関わることも難しいので、なかなか分からないだろうと思います。もう一つは組み合わせ。文法的には正しいですが、こういう組み合わせがあるんだなあと。直訳すると理解不能な気もするのですが、swear wordにはそういうことは問題ではないのかもしれません。

 もう一つは昨日、信号待ちの二人の中年男性の会話。一人のジャンパーの背中に何か付着していたのに気づいて、もう一人が見てあげていました。で、「たぶんケチャップか鳥のフンだ」(確かにそんな色でした)「あー鳥のフンだろう、タネが混じってる」ってなことを言って、拭いてあげていました。その一つ目の発話がだいたいこんな感じ。

I think it’s ketchup or bird poo.

 文脈で「フン」だと分かりましたが、辞書で調べました。pooは幼児語なんですね。でも、大人でも使うのか、と。鳥などには使うんでしょうか? 分かりません。今日はそれだけで。下品な話で失礼いたしました。

追加:pootという単語も辞書にありました。いずれにしても俗語だし、同じ擬声語の表記上の異形のようなものでしょう。

測定について

2005年12月21日 | 
 突然ですが、特定の人たちに向けて情報を載せます。praatという音声学関連の方々にとってはおなじみのソフトウェアを使って、フォルマントの帯域幅を測定する方法を伝えたいので。

「も3」へ

 おなじみのpraat画面をご覧ください。これは「甘み(amami)」という単語の音声波形とスペクトログラムです。F0も表示されているし、フォルマントもF1からF4まで見えますね。さて見やすいように、最初の「あ」について測定します

 だいたい中心部分、フォルマントも安定したところにカーソルを合わせました。そうしたら、Formantのコマンドを開けてください。メニューが出ます。「Get **** bandwidth」というコマンドを使えば、カーソルを合わせた箇所の、フォルマントの帯域幅の数値が表示されます。もちろんfirstならばF1、secondならF2の帯域幅です。この数値が小さいほど、フォルマントが鋭い(明瞭)ということだといちおう判断できます。

 F1とF2の両方に興味があれば、面倒でも順番にやって、それぞれ記録してください。いっぺんにリストを出すオプションは、ないようです。ひょっとして最新バージョンにならあるかも。

 「帯域幅ってなんじゃい」という問題は、また改めて。では。

学期終わって

2005年12月21日 | Bloomingtonにて
 この街は空っぽになりつつあります。まず、学生寮は閉鎖されるのだそうです。「みんな帰ってしまうから」という理由ですが、中には帰らない人もいて、SPEA(公共・環境学科)のYさんはAshtonという寮を「追い出されちゃうんですよ~」と困惑していました。そういう人は、別の閉鎖されない寮に引っ越すのだそうです。

 わがアパート(たぶん500戸前後あります)も、車に荷物を詰め込んで旅立つ人が増えてきました。家族とクリスマスを過ごすのでしょう。言語学科のアジアの学生もほとんどが帰国、3週間しかないのに、お金があるなあ…(春学期は1月8日から)。ちなみに、Kellyは台湾から連絡をくれ、台湾茶を買ってきてあげるよ、と、居残りの私に気を使ってくれました。

 今日は用事で学校内をうろつきましたが、閑散としていました。学生会館のPizza HutもBurger Kingもみんな閉店。キャンパス内はリスがわが物顔(今日は暖かかったのでまた出没)。あれだけ混んでいた図書館もウソのように静か。そういえば、5月(春学期終了後だった)に初めて来たときは、こんな感じだったか・・・ 書庫は5時で終了、1FのPC&勉強部屋だけ深夜まで開業。24、25の両日および、12/31、1/1は完全休館ですが、これだけがらがらならば、問題ないでしょう。

 それでも帰れない《本当~に可哀想な人たち》のために、留学生センターがいくつかイベントを用意してくれてました。昼食会、Indianapolisの美術館見学、映画鑑賞(ピザつき)、スケート(地元の国際交流団体主催)。遊んでる場合ではないのですが、一つだけ申し込んでみました。「モンテクリスト伯」という映画をピザを食べながら見るというものです。図書館に勉強に行くついでに。夜なので冷え込むと帰りが辛い。終バスに間に合うといいのですが。市バスは平日も土日ダイヤになっていて、もう深夜まで走ってくれないのです。

 ちなみに1学期1,000枚の図書館でのプリント枚数割り当て(11月13日の記事参照)について技術相談のスタッフに尋ねたところ、余りは次の学期に持ち越せるそうで、私は300枚残っていました。700枚も使ったのか… と思いますが、そのうち200枚くらいが提出物。300枚くらいが、授業で読まされたり、探して読んだ論文、残りの200枚くらいが、勉強会や個人的に読んだ論文、ってな割合でしょう(全部は読んでませんが)。次の学期は、応用編の授業やプロジェクトに出るので論文を印刷して読むことが増えそう。300枚持ち越せたのは、助かりました。プリンタを買わない作戦は継続です。

 「空っぽ」といいましたがそれは大学周辺の話しで、大学とは関係のない、地付きの人もいる。貧富の差も、居住地区もはっきり分かれていて、私のいるIUの東側や南側は大きな庭付きの家が多い(あるいはここのような学生用アパート)。地元の貧困層は市の西側に多いのだそうです。あまり接する機会がないのですが、これもまたこの街の現実、ということのようです。

応援すること

2005年12月19日 | 
もうこのブログの主題と全然関係ないのですが、サッカーの話です。W杯のFinalの組み合わせが決まって、日本のWebsiteをいくつかのぞきましたが、ドローの結果について真っ先に表示される内容が違いました。まず、Nikkan Sportsを見ると、試合の日程表。う~ん、どういう対決になったか通覧したい自分としては、分かりにくい… 一方、Sports Naviは全てのグループの一覧表。これが見たかった。Nikkan Sportsの意図は「さあ、さっそくツアーの計画を!」でしょう。W杯を、第一に興行と考えるか、サッカーの大会と考えるか、という姿勢の違いが明確に出ている気がしました。

 もう一つ面白かったのが、いつものぞいているブラジルを応援するサイトです。日本語で書いていますが、ブラジル生まれの方らしい。今回のドロー結果を見て「悪くない」と「ブラジル的視線」で書いています。一方そのコメントで「私なんかはやっぱり日本視点で見てしまいました。」という人も。

 私は、チームではなく選手を応援するタイプとでも言いましょうか、チームの勝ち負けもさることながら、ひいきの選手が活躍できたか、十分力が出せたか、という視点でしばしば見ます。たとえば、イングランドはあまり優勝してほしくないですが、ランパードはがんばれ。ブラジルは、たった今大会があったらかなりの確率で優勝でしょうが、大会は半年後、なんだかこういうチームは優勝しない気が。たとえば2002年のフランスも、のこり半年でピレス(好きです)が靭帯を断裂、大会直前にジダンがケガ… ブラジルのサッカーは好きですが、ちょっと不安。それはともかく、カカもいいけどジュニーニョ出して! スペインは大好きなバレロンが復帰しないかなぁ…パラグアイのロケ・サンタクルスはやっぱり間に合わないんだろうか…などなど。きりがないのでやめます。

 日本は…ずっと応援し続けている小野がもう全然だめだめ。怪我しすぎ。そもそもドイツ大会は中田・中村・小野・高原…が選手としてピークを向かえ、Jリーグ発足の成果が結実して日本代表も一度ピークを迎える大会になる、と2002年よりも前から期待してましたが、その期待値から現状は遠く隔たってしまっています。対戦相手以前に自分たちの現状がさびしく、正直、日本についてはまったくワクワクしません。勝負そのものについて言えば、とりあえず「自国開催ではない大会で1勝(以上)できるか」が現実的な課題だと思います。グループステージを突破したらとんでもない快挙でしょう。韓国でさえ5大会連続出場して、自国開催の大会ではじめて勝利。本当の進歩には、時間と積み重ねが必要なものだと思います。

 本題に戻ります。サッカーW杯はナショナリズムを高揚させる(あるいは昇華させる)もの、という見方もあるようですが、どうも私にはピンと来ません。今やサッカーのトップチームは(Jリーグに限っても)いろんな国の要素を合わせた混合チームで、国籍の移動もさかん。いろんな国の選手を知って、いろんなタイプのプレー、それぞれのバックグラウンドも知ったりして、自国以外にも好きな選手が自然とできます(日本で見られたFutbol Mundialという番組がその点とても好きでした)。

 また、個人的には友人ができると、その人の祖国のチームに興味を持つようになり、また楽しみが増えます。こちらで親しくなったAbdulaiのガーナでいえば、チェルシーでのEssienの調子を気にして見たりしています。お隣の韓国に興味を持ったのもそもそもサッカーから。日本のにっくき宿敵、という視点だったのですが、知るごとに興味が広がり、韓国語を勉強したり、韓国料理が好きになったり。選手ではC大阪にいたユン・ジョンファンが大好きでした。ちなみに、12月3日の記事のYさんもBloomingtonでコチュジャンのおいしさにハマリ、あらゆる食べ物に試してみているようです。先日うかがったときには、ハンバーグにケチャップとコチュジャン! 結果は… ソーセージに付けるカラシとケチャップの組み合わせと酷似。でももっとコクがあって良し。

 話がずれました。私にとってW杯は、各国にいる好きな選手が、名誉のためにプレーする晴れ舞台であって、どこが勝つということはあまり重要ではありません。選手にとっても、対戦相手に普段のチームメートがいる、ということがますます多くなっているようです。そのせいで、昔のように殺気立った雰囲気がなくなって、ちょっとつまらない、という人もいるようですが、私はそれについても好意的です。昔のアルゼンチンの選手はブラジルと対戦するときには「おめえの足をへし折ってやる」という勢い(ほんとうに言ってたのかも)だったそうですが、そんなのをワクワクして見る気はしません。

 そんなわけで、私にはサッカーはいろんな国やいろんな人に興味を持つきっかけであり続けています。ナショナリズムからはむしろ遠ざかる(越えるとは言わないまでも)効用があると、個人的には思っています。

アシスタント

2005年12月14日 | Indiana大学
音韻論の試験がありました。でも、ここまでの中間試験、小テスト、宿題などで、もう総配点の8割程度は終了していて、勝負はかなり付いている状態。アシスタント講師のAshleyが作ってきてくれたクッキーがみんなに回って、和やかな雰囲気。

 Ashleyはまだ今年の5月に修士を取ってPh.Dに移ったばかりの、3年目の学生なのですが、Dinnsen先生を補助して(全盲なのです)、板書、教材作成、解説、採点、オフィスアワーで質問を受けるなどあらゆることをこなし、アシスタントというか、もう講師そのものです。彼女はDinnsen先生たちのグループで音韻の習得に関する研究をしていてすでに論文も何本かあります。

 仕事も速い。前回にやった試験の採点は、必ず次の回に採点が終わって、返します(そうでもない教員もいます、私もそうでした...)。もう、めちゃめちゃ優秀&有能で、彼女の将来は明るいと思います。が、正直言ってこれくらいの人がごろごろいて、お互い切磋琢磨するくらいでないといけないでしょうね。

 Dinnsen先生の話が全然出ませんが。先生の説明は、論理も英語も明瞭で非常に分かりやすく、授業も音韻分析の技術が身につくよう綿密に計画されており、とても優れた教育者だと思います。そんなワケでしょうか、Chancellor's Professorとかいう称号を得ているらしいです(意味は分かりません)。

 さて、私もアシスタント講師(AI)のポジションを目指し、英語の試験を受ける申し込みをしました。これが院生の収入源ですから、死活問題です。英語ネイティブ以外がAIになるためには、これが必須。「AIの英語が下手だ、発音が悪くて聞き取れない」とか文句が出るらしいので、先にふるいにかけるようです(どこの大学でも同じみたいですが)。うまく行くといいのですが。。。

 試験も明日で終了、ここからは1月始めの学会の準備。クリスマスも正月もなく、測定&分析、ポスター作成に明け暮れることになりそうです。AIの試験は学会のためにアルバカーキに行く前日(1月4日)ですが、そんなもんのために勉強している時間はなさそう。今日の試験前、よく話をするRosieに冬休みにどうするか聞かれ「ここにいる」と答えたら、《なんて可哀想な人...》と心底同情する表情を向けられました。「大学はほぼ空っぽになるよ」とのことです。前に紹介したインドネシア人のEmilも、友達のいるNYでX'mas & New Yearだそうですが、私はまあ、ここにいるしか仕方ありません。

 今日は関連する写真もないので、ここの気温のグラフを。記録し始めたのが10月7日、最後が今日(12月13日)、2ヶ月ちょっと。上の線(赤)が最高、下(青)が最低気温です。真ん中の横のラインが0℃。いちばん上が30℃、いちばん下が-20℃です。ジェットコースターのように派手に上下を繰り返していますが、全体の傾向を見ると、やはり着々と下がってきています。ここのところは一日中0℃以下の日が続いてますね。でも今日はちょっと寒さが緩んだせいか、リスが5、6匹、雪の上をダダダーっと走って追いかけっこしてました(遊んでるわけじゃないでしょうが)。日本も寒いみたいですね。皆さんお元気で。

秋学期終了

2005年12月09日 | Indiana大学
今日は秋学期の最終日。いろいろ反省点が浮かびますが、いったん置きます。音韻論の授業ではTracy(だと思う)がシャンパンを持ってきてくれて、授業後に学生だけでちょっと乾杯。みんな少しほっとした様子。でも、自分の経験から考えると、一番ほっとしているのは実は先生たちでしょう。

 最終日の授業では、学生による授業評価がありました。最近は日本でも珍しくありませんし、こっちでは当たり前なのかもしれません。25の質問それぞれに5段階評価をします。教員は教室を去り、学生の誰かがこれを学科秘書に届けます。集計はコンピュータで行いますが、シートの裏に書くコメントは、筆跡で判断できないように秘書がタイプした上で、教員には成績提出後に報告されるとのこと。一応厳密を期しているようです。

 2科目で、持ち帰りの試験が渡されました。データの分析、論述などを含むもので、授業全体をカバーするように作ってあります。これを4~5日で仕上げて、指定された日時に先生に届けます。さっそくとりかかりましたが、よく練られた面白い問題で、作る側の苦労がうかがわれます。私はせいぜい(下手をすると1時間弱)数時間で作っていたのですが、これは作製に何日もかかっているに違いありません。

 ところで、今日は雪でした。午後からという予報どおり、昼休みに降り始め、文法論の授業の間に降りが強くなり、教室を出るともう写真のような状態。これはKirkwood Hallという校舎を出たところです。その後も9時くらいまで降り、15cmくらい積もったでしょうか。でも、気温が高かった(-1℃くらいまで上がった)ので、それほど辛くはありませんでした。

 外で雪の降り積もる中、Ken先生の研究室で今学期最後の授業。学会のリハーサルに向けて、今週やった分析についての討論、ポスター作製の方針など打ち合わせました。終わって片付けていると電話。今から会いたいという電話らしく先生は「まだもう一人とこれから打ち合わせなんだ」と答えています。急遽アポイントを取りたい院生かな、と思っていると「すぐ帰るから」とも言っています。

 電話終了。相手は一番下(2歳半)のお子さん(女の子)でした。「雪が降ったから遊ぼう」という用事。雪が降ってうれしくてパパと遊びたかったので、お母さんだか、お兄ちゃんだかに頼んでかけてもらった、ということらしいです。Ken先生には男の子2人と女の子2人、全部で4人のお子さんがいます。電話してきた子は、まだ生まれていなかったのでWebsiteには載っていませんが。ということで、雪は降ったものの、なんだかあったかい学期最終日でした。