都立高専交流委員会ブログ

都立高専と城南地域の中小企業(特に製造業)との交流・連係を図り、相互の利益と地域社会・地域経済の発展を目指します。

新年度より …… 都立高専の校長に、富士通より 荒金善裕 氏が着任

2008年02月03日 | Weblog
 
    新年度より …… 都立高専の校長に、富士通より 荒金善裕 氏が着任
 
 
 来年度から 公立大学法人首都大学東京 の傘下に
 独立行政法人化される 都立産業技術高等専門学校
 
 法人移管後の初代校長は
 
 富士通㈱で、サ-ビスプロダクトビジネスグル-プエグゼティブア-テクト を務める
 荒金善裕 氏に決まりました。(本年4月1日 着任)
 
 首都大学東京では、
 
 「荒金善裕氏は、大手IT企業の出身であり
  民間で培った豊かな経営感覚やマネジメント能力を活かし、
  高等専門学校の改革、運営に取り組んでいただくとともに
  法人の理事として、
  (公立大学法人首都大学東京の)経営の一角を担うことになる」としています。
 
   
http://www.tmu.ac.jp/assets/files/press/080125press_sangi_kouchou2.pdf
 
 

独立行政法人化と新校長着任 …… 高専改革のプロセスに期待するもの

2008年02月03日 | Weblog
 
   独立行政法人化と新校長着任 …… 高専改革のプロセスに期待するもの
 
 
                               都立高専交流委員 田中 基茂
                                (有限会社 グロ-バル・コミッション)
 
 
 都立高専の独立行政法人化にともなう「初代校長」は、
 「公募」により民間から来られることになりました。
 
  
http://www.tmu.ac.jp/assets/files/press/080125press_sangi_kouchou2.pdf
 
 「公募」 に対応するものは 「志願」
 民間企業から公立学校の校長に転身されたその想い、抱負を、
 まず、お伺いさせていただき
 新しいコミュニケ-ションを生みだしていきたいと思います。
 
 
 着任される 荒金善裕 氏は、情報システム関係の技術者でいらっしゃるようです。
 
 さて、2年前より都立高専に併設されている産業技術大学院大学も
 当時、設置されたのは、「情報ア-キテクチャ専攻」コ-ス
 (来年度より「創造技術専攻」が併設される)
 
 ものづくりと情報技術のバランスを考えなければならないことになるのかも知れません。
 
 
 平成16年12月にだされた「高専改革検討委員会報告書」は、
 
 「新高専の特色」として
 
 東京城南地域(品川キャンパス)・城東地域(荒川キャンパス)という
 工業集積地域の企業を人的資源の面から支え
 地域の共通の財産として高等専門学校を位置づける …… としています。
  
  
http://blog.goo.ne.jp/ota-doyu-kosen/e/4d8c0e08cff34f711f8e74cb27941d8e
 
 戦後の経済成長期や二度のオイルショックに対応した技術革新、
 さらに、バブル崩壊やグロ-バル経済の荒波を乗り越えることによって
 わが国の国際競争力がどこに集積しているのかは、目に見えるように明らかです。
 
 そのことを、本年の元旦の日本経済新聞は、
 「2008 選択
  強さ磨くニッポン企業 …… 進化する部品・素材--先端製品の心臓部握る」とし
 
 液晶材料(日本企業の世界シェア65%)、半導体材料(同 73%)、
 光学レンズ用特殊樹脂(DVD用は1社で90%)、炭素繊維(70%)
 自動車用高級鋼板、有機EL ……
 セラミックコンデンサ-(70%)、リチウムイオン電池(60%)等
 
 先端製品の心臓部に汎用的に使用される
 高機能素材、高機能部品をわが国の企業が押さえていることが
 わが国の国際競争力の源泉になっていることを示しています。
 
 高機能の製造装置(一般機械)、
 トヨタ生産方式に代表される生産技術、品質管理技術を合わせれば
  
 わが国の国際競争力のほとんど全て …… と言っても過言ではないかも知れません。
 
 これらの技術が、
 地道な努力、創意、工夫をきめ細やかに積み上げていくことを通して確立し、
 発展していくものであることは言うまでもないことです。
 
 産業社会の先端領域を成り立たせる
 基盤技術のデファクトスタンダ-ドを掌握し、これを進化し続けること
 (そのための人材をこの分野に送り込むこと)
 
 また、これらの技術を組み合わせて新しい製品や
 (地球環境問題や高齢人口減少社会をはじめとした)
 社会が直面する課題の問題解決の道筋を提供すること。
 
 これが、
 わが国産業の「強み」を活かし、わが国の国際競争力を維持するための
 確かめられた戦略になるように思います。
 
 (もちろん、金融をはじめとする
  わが国の経済・産業システムの「弱さ」を克服する「戦略」もたてる必要があるでしょう。)
 
 
 品川キャンパス と 荒川キャンパス が統合し、
 東京都立産業技術高等専門学校が開校して2年になります。
 
 独立行政法人化 や 公募校長の着任など
 都立高専改革の歩みは、まだまだ、続くようです。
 
 大切なのは、この改革のプロセスに一貫した基軸を設け
 関係者の努力が有機的に結びつき、積み上がっていく構造を生みだしていくことでしょう。
 
 都立産業技術高専は、
 「ものづくり工学」を基盤として、
 専攻科、大学院大学までの一貫教育を可能とする教育プロセスとして
 再構築されたものではなかったでしょうか?
 
 わが国産業の国際競争力を支えるものづくりの基盤技術に
 腰を据えて取り組むことのできる中堅技術者育成を基盤に、
 学校改革の一貫性が生みだされていくことを期待します。