怪談

2011年10月11日 17時29分49秒 | B地点 おむ

 

 

「だいぶ日が暮れてきたね」
「よ~し。そろそろ怪談を始めるよ……!」
「えっ、怪談!?」
「おいおい。ちょっと季節外れじゃないか?」
「ふふふ。季節外れだからこそ、面白いんですよ」
「ね、こうやって下から照らすと、雰囲気が出るでしょ?」
「うひひひひ……」
「わっ」
「うわあっ」
「う~ら~め~し~」
「やーーーっ!」
「わーーーっ!」
「わわーーーっ!」
「ふふふ。ゆうちゃん、大丈夫?」
「ぼ、僕は大丈夫だけど、先生が……」
「え?」
← 気絶している
「ご、ごめんなさい。やり過ぎたかな……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 


少年の家出

2011年10月11日 16時25分46秒 | B地点 その他

 

 

「ねえ、リュックに乗っていい?」
「これに乗りたいのか? だめだ。いつも言ってるだろ」
「ど、どうしてだめなの……?」
「子供は風の子! リュックなんかに乗らず、元気に遊びなさい」 
「……ちぇっ。いじわる!」
「おかか先生なんか嫌いだーっ!」
「先生のばかっ!」

「何とでも言え」

「さよならっ」

「おい、どこへ行く?」

「……ついて来ないでよ」
「……」
ダダダッ
「……」
しょんぼり
「……」
すっ
すたすた
「来ないでよ!」
「僕、決心したんだ。ここを出ていく……!」
「どこか遠くに行って、自由に暮すよ!」
「……」
「さよならっ」
その間に、おむさんが来ていた。

「おい、ちょっと聞いてくれ」

「どうしました?」

「ゆうちゃんが家出した」
「えっ!?」
「実はな、さっき、かくかく、しかじか」

「う~ん、そんなことがあったんですか……」
「ゆうちゃんは、戻ってくるでしょうか?」

「そうさな。あの剣幕だと、一週間か二週間は帰らないかもな」
「……ゆうちゃんも、旅をしたほうがいいのかも」
「うむ。オス猫ってのは、旅に出るもんだよ」

「でも、大丈夫でしょうか?」
「心配だなあ……」
ふたりは、ゆうちゃんが旅に出たと決めつけてしまった。
「もう帰ってきちゃったけど、何て言えばいいかな……?」