肌触りにこだわる男

2011年10月01日 17時09分49秒 | B地点 おかか

 

 

「季節はもう、すっかり秋だなあ」
「コンクリの上にじかに座るのは、さすがに冷たいよ」
「毛布に乗ればいいじゃないですか」
「おかか先生のために、せっかく敷いてあるんですから」

「いや、その毛布は、198円の安物だろ? 嫌いなんだよ」


(※参照、「購入」

「また……。ぜいたく言って……」

1480円の高級な毛布があっただろ? あれを出してくれよ」


(※参照、「となりの芝生」

「そうですね……今日から10月だし……」


(※注、『名無レ』は現在、約二週間遅れで進行しています)

「いいでしょう、出しましょう! 衣替えということで!」

「さあ先生、高級な毛布を出しましたよ。お乗りなさい」
「おお、ありがとう!」
「うむ。実にいい気分だよ」
「そんなに違うもんですかねえ……」
「違うとも。大違いだよ」
「やっぱり、肌触りですか?」
「そうさ。私は、肌触りには、うるさいのさ」
「お前の被毛の肌触りも、とってもいいよ」
「う~む、素晴らしい! 最高だ……!」
「先生……」
「ふっふっふ。お世辞じゃないぞ」
「僕の毛皮を、剥いだりしないで下さいね」
「そ、そんなことしないよ……」