「季節はもう、すっかり秋だなあ」 | |
「コンクリの上にじかに座るのは、さすがに冷たいよ」 | |
「毛布に乗ればいいじゃないですか」 | |
「おかか先生のために、せっかく敷いてあるんですから」 | |
「いや、その毛布は、198円の安物だろ? 嫌いなんだよ」
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「また……。ぜいたく言って……」 | |
「1480円の高級な毛布があっただろ? あれを出してくれよ」
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「そうですね……今日から10月だし……」
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「いいでしょう、出しましょう! 衣替えということで!」 |
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「さあ先生、高級な毛布を出しましたよ。お乗りなさい」 | |
「おお、ありがとう!」 | |
「うむ。実にいい気分だよ」 | |
「そんなに違うもんですかねえ……」 | |
「違うとも。大違いだよ」 | |
「やっぱり、肌触りですか?」 | |
「そうさ。私は、肌触りには、うるさいのさ」 | |
「お前の被毛の肌触りも、とってもいいよ」 | |
「う~む、素晴らしい! 最高だ……!」 | |
「先生……」 | |
「ふっふっふ。お世辞じゃないぞ」 | |
「僕の毛皮を、剥いだりしないで下さいね」 | |
「そ、そんなことしないよ……」 |