釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

中央銀行の異常さ

2016-08-10 19:18:10 | 経済
日本銀行は国債を高値で買い入れているだけでなく、株や不動産にまで手を付けている。日本銀行のHPの「指数連動型上場投資信託受益権(ETF)および不動産投資法人投資口(J-REIT)の買入結果」を見ると、8月だけでも株に1日12億円、2日359億円、3日359億円、4日719億円、8日12億円を投じ、不動産にも2日から5日まで連日12億円ずつを投じている。こうした買い入れは毎月行われている。もはや中央銀行ではなく、市中銀行となってしまっている。安倍政権の要請で総裁となった黒田氏はアベノミクスの失敗を覆い隠そうとなりふり構わない姿勢になっている。株式の維持と不動産価格の維持で景気の悪化をないものとしようとしている。しかし、こうした本来中央銀行が行ってはならない買い入れで、中央銀行に多大な負担を負わせてしまった。安倍政権下では歴代の首相が手を付けてはならないとして来たものに手を付け、黒田総裁にも中央銀行が手を付けてはならないとして来たことに手を付けさせてしまった。日本銀行による国債や株、不動産の買支えによる景気低迷の隠蔽はいずれ終わらせなければならなくなる。その時にはむしろ巨大な経済混乱をもたらすことになるだろう。中央銀行のこの危うさを知る人たちからは「出口なし」と囁かれている。やめるにやめられなくなった、まさに麻薬である。やめれば現状は崩れる。政治家と官僚はこれまで駆け引きをしながら、国を運営して来た。エリートである官僚は政治家の行き過ぎにはブレーキをかける役割を果たした。黒田総裁の出身母体である財務省は官僚の中の官僚と言われる超エリートだが、その財務省もが中央銀行の今のあり方を是認している。そうなると、すでに財務官僚までが、もはや日本の国家債務は正常なやり方では解決出来ないと考えているのかも知れない。あえてハイパーインフレに向かう道を進んでいるのかも知れない。それも一つの解決方法には違いないが、あまりに国民に対して無責任過ぎる。ハイパーインフレは国家には都合が良くても、それによって苦しめられるのは国民である。歴史は常に統治者の失敗を国民が負って来たことを示す。戦後地道に国を立て直した後に、うまく行き過ぎて、国の指導者たちが傲慢になり、はしゃぎ過ぎた。気が付けば、先進国中で最悪の債務を抱えてしまった。今また指導者たちは「自己責任」をとらず、国民に大きな負担をかけようとしているように見える。
むくげ

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