釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

地方と都会

2009-01-02 08:40:39 | 文化
元日は薄曇りで風が強く出かけることなく、一日家で過ごした。一年に一度の届いた年賀状を通して多くの人の健在を知り、楽しい文面に微笑んだ一日だった。大晦日も愛知と異なり除夜の鐘も聞こえず人の移動する気配もなく、元日も早くから初詣をする人の気配も感じることはなかった。少し寂しい気もするが静かで落ち着いた日を過ごせた。あらためて地方と都会について考えるきっかけにもなった。釜石へ来てここに住む人たちにとってごく当たり前の日常が非常に豊かであることに気付いた。豊かさは常にそうだが一方でそこに満足させられるための覇気のなさをも伴うが。しかしこの豊かさは無論金銭的な豊かさを意味しない。人間的豊かさと自然の豊かさなのだ。人が心身ともに健全で豊かであり、自然が風景と、動植物の新鮮さと種類の多さで豊かなのだ。都会では常に何らかのストレスに曝され、良くも悪くもそのストレスの中で生活しなければならない。しかも多くの場合そのストレスに一人で立ち向かわなければならない。当然そのストレスに負ける人たちも出て来て中には悲惨な結果を生む場合もある。釜石のような地方になるとストレスが少ないこともあるが周囲に幾つかの世代がいていつも人を支える環境が控えている。当たり前の存在である自然も無意識のうちに人の心を和ませている。釜石や遠野を知って気付くことに郷土文化の豊かさもある。地域毎に伝統の文化が受け継がれ、若い世代にちゃんと引き継がれている。地域の過去が途切れていない。人の歴史が続いている。都会には人の歴史がない。歴史ではなく脆い流行りがあるだけだ。環境も人が人として生活する環境とは決して言えない。みんな仕方なく生活しているに過ぎない。あまりにも多くの機能が集中し過ぎている。豊かで美しい日本は地方にあると思う。地方はそこに誇りを持って生活の基盤を立て直す必要があるように思う。


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