釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

有酸素運動と同様に重要な筋トレ

2018-03-26 19:14:21 | 科学
週末から気温が上がり、だんだん春めいて来た。今日も職場の裏山ではリスの姿が見られた。まだリスの食べ物は実っていないので、何箇所にも隠している木の実を掘り出して食べているのだろう。この時期になると、少し山間の道を車で走ると、轢かれたタヌキを見るようになった。気温が上がり、夜間に活動するようになったのだろう。動きの遅いタヌキは暗い山間部を走る車の犠牲になる。東北は動植物が豊かだが、特に岩手は広く、鉄道も不便なため、どうしても移動に車を使い、運動不足になりがちだ。都会の方がかえって電車や地下鉄の乗り換えなど、結構歩く。従って、岩手だと意識的に運動を心がけないと体力も維持出来なくなる。釜石に来て、自然と触れ合う中で、つくづく人はやはり動物であり、動く物でなければならないと思うようになった。若い頃は長くスポーツをやっていたが、ある時、職場のバレーボール大会に出て、ジャンプをした途端に左のアキレス腱を切ってしまった。それ以来、ジャンプへの不安が生まれ、それまでやっていたスポーツから離れ、冬場のスキーのみになった。そのスキーも子供が大きくなると次第に遠ざかり、一昨年、知人と何年ぶりかで安日高原で滑った。加齢とともにアンチエイジングを意識するようになり、運動もそのためにも大切であるので、今は朝の30分ほどのウォーキングと一日置きの筋トレを続けている。一頃加齢とともに有酸素運動が強調されたが、最近の研究では高齢でも可能な限り無理のない範囲で筋トレを行なった方がいいようだ。首都大学東京大学院人間健康科学研究科の藤井宣晴教授らの研究で、筋肉からは多くのホルモン物質、マイオカインが分泌されており、米国では「Exercise is medicine.(運動は薬なり)」と言われ、実際、運動の効果は脳、免疫系、肝臓、膵臓など多くの臓器に見られることが次々に明らかになっている。オーストラリアのシドニー大学の研究者らは、1994年から2008年までの30歳以上の成人8万306名を対象にした、筋力トレーニングと全死因における死亡、癌による死亡との関連性について分析の分析を行なった。その結果、週二回以上、筋力トレーニングを行っている人は、全死因における死亡リスクが23%低く、癌による死亡リスクも31%低いことが明らかになった。また、この分析によれば、専用マシンを使わない筋力トレーニングも、ジムなどで行われる筋力トレーニングと同等の効果があると認められたと言う。米国ペンシルバニア州立大学の研究では、65歳以上の高齢者のうち、筋力トレーニングを行っている人は、そうでない人よりも、全死因における死亡リスクが31.6%低いと言う結果が出ている。デンマークのコペンハーゲン大学の最近の研究では、筋肉が出す"メッセージ物質"が、癌細胞をやっつける免疫細胞を活性化させる働きがあると言う。筋力トレーニングが、有酸素運動と同様に健康維持に重要な役割を果たしているのだ。加齢で硬くなりやすい部分、体幹や太もものストレッチ、スクワットのような筋トレやウォーキングをすれば代謝や筋力がアップしやすくなると言う。東京大学大学院石井直方教授によると、基本的に、筋肉は30歳を超えると減り始めるが、一番減りやすい部位の一つが太ももで、太ももの前の筋肉は、30歳から80歳までの50年間で、約半分にまで減少するのだそうだ。中でも40代から50代にかけてが、筋肉の減り方の速度が最も早い。
紅梅