釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

あらためて感じる地震大国

2012-07-31 19:20:15 | 文化
昨日の岩手県はこの夏最高の気温となったところが続出したようだ。県内36観測地点中6地点で7月の観測史上最高となった。江差が36度と最高で、他もみんな内陸部だ。さすがに昨日は釜石でも夜の気温の下がりが悪かった。今日の釜石の予想最高気温は29度となっているが、朝もいつも程は涼しくはなかった。少し外で動くと汗が流れて来た。今日は娘が大阪から戻って来るが、わずか1週間で暑くなっている釜石に驚くかも知れない。出勤時に甲子川沿いのいつもの道路を走っていると川の中の浅瀬を鹿たちが移動していた。小さい鹿も混じっていた。水の中を移動する鹿たちの姿を見ているだけで、涼しく感じた。今年は鹿もよく見かけるが、熊の方も例年になく出没している。先日遠野の方と話をしたが、その方によれば、遠野は熊の棲息密度が日本で一番高いそうで、やはり、今年は遠野でも熊が市街地にまで出て来ていて、頻繁に出没が報じられているそうだ。山の実りがよほど悪いのだろう。もっとも、岩手は他県と違って熊の狩猟期間が短いそうで、そのために熊の数も増えているのではないか、と言われていた。職場でも裏山に熊が出ているので注意するよう掲示がされている。昨日、政府の地震調査研究推進本部が地震調査研究の新たな基本方針案をまとめている。東日本大震災前は過去に記録がないM9クラスの超巨大地震は対象外だったと言う。今後は地殻構造などから発生する可能性がある「南海トラフ巨大地震」のような超巨大地震も長期評価の対象とすると言う。しかし、震災以前から、北海道大学や高知大学は沿岸部の地層を調べ、過去の巨大津波の痕跡を見出しており、文献でも貞観地震などは知られており、それらを単に軽視していただけである。地震の予測は確かに難しい面があるだろう。地震や原発の政府の評価機関はどうも偏りがあり、政府あるいは官僚の都合の良い形にまとめられている。結局は実態にそぐわない評価を出し、多額の無駄な費用を使っているように見える。独立行政法人防災科学研究所は全国に1000点ほどの高感度地震観測網を設けており、その観測結果を「Hi-net自動処理震源マップ」としてHP(ホームページ)上に公表している。震央の深さ別に色分けされた円で表し、地震の規模はその円の大きさで表している。7月1日から31日までのこの1ヶ月間を日本列島図に表示されたものが出ている。この図を見れば日本列島がいかに地震大国であるかが一目瞭然だ。特に北海道から関東までの太平洋側は地震の巣窟のようになっている。東北で気になるのが、三陸沖で周囲が地震の円で囲まれた空白域があることだ。琉球大学の木村政昭名誉教授の言う「地震の目」になっている。実際にはもっと長期のマップから判断するのだろうが、素人目にはこの空白域で今後地震が起きそうに思われる。ただ木村名誉教授が今年3月29日に公表されたものでは震源はHi-netの三陸沖の空白域よりさらに沖合で、日本海溝の東側になっている。いわゆるアウターライズ型を予想されているようで、発生時期も2020年プラス・マイナス3年となっている。マグニチュードは8だ。他に伊豆半島の沖合鳥島の南が2026年プラス・マイナス3年で、マグニチュード9。能登半島の西側が2029年プラス・マイナス3年でマグニチュード7.9だ。この3つが大規模な予想地震のようだ。噴火では富士山の他に朝鮮半島の白頭山の噴火も多くの研究者が警告している。噴火の規模によっては日本列島にもかなりの被害を与える可能性があるようだ。Hi-netやいつも見ている気象庁の地震図を見れば、とても日本列島に原発を建設することなど考えられない。冷却水の関係で海岸部に建設せざるを得ないようだが、地震や津波から無縁でいられる場所などどこにも見当たらない。日本で内陸に原発が建設されないのは冷却水を河川に頼るだけでなく、放射性廃液を流す関係で、河川だと希釈出来ないからだろう。裏を返せば、それだけ海が汚染されていると言うことだ。希釈してごまかしているだけで、汚染をただ広げているだけに過ぎない。
甲子川の浅瀬を行く7頭の鹿たち