釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

南海トラフの巨大地震で予想される被害

2012-07-07 19:19:11 | 文化
庭の紫陽花が咲き始めた。小雨模様の天気の下で、百合とともに咲いている。紫陽花や百合が咲く中で近くからウグイスの声が聞こえて来る。メジロも相変わらず庭のモミジの木に集まって来た。気温も高くないので犬たちも気持ちよく横になっていた。残念ながら七夕の夜空は望めそうにない。東京へ出かけた娘からは何の連絡も来ない。よほど充実した時間を過ごしているのだろう。東京まで出かけたのだから、貴重な時間を大事に使ってもらいたい。いつも地震の情報を日本気象協会のHPで見ているが、ここ1週間でも全国で56回の地震が記録されている。いつものように大半は東北から関東にかけての太平洋側で発生しているが、熊本県でも3回小さな地震が発生している。震源地が内陸なので阿蘇山の火山活動との関連もあるのかも知れない。このHPの日本地図を見るたびに、意外に東海から南海にかけての地震が少ないことが逆に気になる。かって本州部分はフォッサマグナ(中央地溝帯)を境に2つに分かれていた。日本海側の新潟県から太平洋側の千葉県、東京都、神奈川県、静岡県に至る幅広いフォッサマグナは以前は海であった場所だ。そしてそこではかって南海トラフが繋がっていた。従って南海トラフでの地震が発生した場合はその前後で内陸から新潟県まで連動する地震も発生する可能性がある。内閣府の検討会は今年の3月末にM9.1の東海・東南海・南海地震が起きる南海トラフの巨大地震の最大級の津波と震度の新たな想定を公表し、津波高は高知県で最大34mとした。震度7の強い揺れの範囲も約20倍に拡大された。停止中の静岡県の中部電力浜岡原発の津波高もこれまでの想定を超える21mとなった。静岡県から紀伊半島、四国の太平洋岸で津波高は20m以上とされた。そして昨日同地震による人的被害の想定をまとめる内閣府の作業部会の代表である河田恵昭関西大学教授が大阪市での講演会でこの地震による予想死者数は最悪の場合40万人に達することを明らかにしている。内閣府から8月下旬には正式に公表される予定だ。真夜中に巨大地震が発生した場合は、ほとんどの人が自宅にいるため条件的に避難が最も難しくなり、被害が大きくなる。最大震度6弱以上が予測される地域の人口は4700万人にも上る。今年5月には日本地球惑星科学連合大会で東京大学総合防災情報研究センターの古村孝志教授らが南海トラフの連動地震で予想される60階建て以上の建物を大きく揺らす長い周期の揺れについて発表している。長周期の地震波は、南海トラフ沿いの「付加体」と呼ばれる厚さ数Kmの軟弱な地層で増幅されながら関東平野に到達し、平野の厚い堆積層で増幅されて東京の揺れが強くなるという。昨年の東日本大震災では、揺れの速度は東京、大阪とも高層ビルの最上階で毎秒0.5m程度だったそうだが、予想される連動地震では都心で毎秒1~1.5m、大阪では毎秒2.5mにもなる。昨年の震災時に横浜の高層ビルにおられた人の話を聞くと、釜石での揺れ以上でかなり強い恐怖心に襲われたそうだ。その揺れの2~3倍になる。大阪は5倍だ。高層ビルの耐震設計にはそうした揺れまで想定されていたのだろうか。しかも同教授らの想定した地震の規模はM8.7である。内閣府が修正したM9ではさらに揺れは大きくなる可能性があるだろう。2003年の政府の中央防災会議の経済的被害の予想は最大で81兆円であったが、これも修正されて恐らく100兆円を超えることになるだろう。
近所に咲いていた立葵(たちあおい)