釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

大船渡市の長安寺

2009-01-09 06:54:35 | 寺社
先日大船渡市にある長安寺と言うお寺へ行ってみた。各地の寺や神社に興味が引かれるのは何も宗教心からではなく地方に残された歴史的な証だと思うからなのだ。長安寺は平安末期と言うからちょうど奥州藤原氏滅亡直前の1150年前後に創立されたそうで、大船渡・陸前高田・住田を合わせて気仙であった時代で当初は最澄の開いた天台宗だった。1391年に親鸞の開いた浄土真宗に改宗し、現在は真宗大谷派(東本願寺)だと言う。大きな山門があり、東北随一の高さだそうだ。建立当初に御法度であったケヤキの木で作られていたのが伊達藩主により工事の中止を命ぜられたため未完成なのだと言う。この山門の前の両側に池があり左にはこれまでに見た中で最も大きな百日紅の木がある。右の池には鯉が泳ぐ。重層の山門をくぐると左に鐘楼、右に鼓楼がある。鐘楼の奥にこれも古木の趣のある立派な梅の木が、鼓楼の近くにはやはり大きな百日紅と荘厳と言っていい銀杏の巨木がある。正面の本堂も大きく、この本堂の左手奥に枝垂れ桜が何本かあるが、一番奥のやや高台になったところにある枝垂れ桜は樹齢300年以上の古木という立派な木である。東北には枝垂れ桜が非常に多い。以前いた愛知県の岡崎市は徳川家康の生まれた地で市内には多くの大きなお寺があったがそれらに匹敵するお寺であり、境内の木々は京都の寺のものと比べても決して見劣りするものではない、すばらしい古木である。春や夏の花が今から楽しみだ。


重層の立派な山門